とある研究者等の対話記録
「今回の任務はメーディス島の生態研究になる。注意事項が幾つかあるから手元の資料と合わせてよく確認しておいてくれ」
「俺、メーディス島って初めてなんだけど危険度高いのか?」
「いや、そんなでもない。有毒の動植物が豊富ではあるけど、こっちから余計なことをしなければ平和なもんさ。可食の美味しい果実も多いしな」
「確かに現地の生物にちょっかい出すなとは書いてあるけど全部危険てことはないだろう?ディロフォコガサウルスみたいな危険度低いのもいるんだろ?」
「危険度一覧が最後の方にあるから見てみろ。メーディス島のディロフォコガサウルスは条件付きで危険度激高だから近付くなよ」
「ええ?あの子等は大人しいもんだろ。可愛げあるし俺結構好きなんだけど」
「お前みたいなのは大丈夫だ。でも余計なちょっかいかけたらマジでやばいから近付かない方がいいんだ」
「何々どうした?何かヤバいもんでも見たのか?」

30無題Nameとしあき 21/08/14(土)22:54:10No.14538326そうだねx8
「…そうだな。説明しておいた方がいいか。あれは俺がメルラノドンの生息域による持ち歌の違いを研究していた時の話だ」
「めっちゃ楽しそうなことしてんな」
「ドチャクソ楽しかったけど今は関係無いから置いておけ。その時は俺と別口でメーディス島に着てた奴等がいたんだが、そいつらがやらかしたんだ」
「ディロフォコガサウルスに余計なちょっかい出したんだな?」
「そう。普通に接する分にはなんの問題もないんだけど割と乱暴なこともしてたみたいでな。騒ぎになってたから俺も気付いて止めに行ったのよ」
「結構やばそうな奴等じゃん。大丈夫だったのか?」
「まあ研究者向きな奴等じゃなかったな。でも乱暴される子を放っておけないだろ?」
「やる時はやる男だよ、お前は。で?お前一人で追っ払ったのか?」

31無題Nameとしあき 21/08/14(土)22:54:27No.14538328そうだねx9
「いや…言い争いになってる間に沢山ジュラシックが集まって来たんだよ」
「具体的には?っつってもメーディス島だからメディ種か?」
「そうそう。そこは浜辺だったからメーディス動物群がわらわら上陸してきたのよ」
「そっとしておけば安全な子達なのは分かるけど状況的には怖いシチュだな…それで?」
「陸地はメディロフォサウルスがぞろぞろ連れ立ってきて囲まれそうになっててさ。騒いでた四人組の内の三人は慌てて逃げ出したのよ」
「残り一人はどうした?」
「状況にビビって必死に下座ってたから可哀想になってとりなしてやった。その後ディロフォコガサウルスの治療手伝わせたし大人しくしてたから攻撃目標からは外して貰えてたわ。今は真面目に研究者してるらしいよ」
「ほーん。周囲のアホに影響されちゃったのかね。他の三人は?」

33無題Nameとしあき 21/08/14(土)22:54:59No.14538331そうだねx8
「陸上を逃げたからメディロフォサウルスが追っかけて行った。俺はディロフォコガサウルスの治療してから様子見に行ったけど凄かったぞ」
「毒食らってるのは察しがつくけどどんな症状が出てたんだ?」
「最初に見つけた奴は全身の感度がバカみたいに高められてたわ」
「感度三千倍ってやつ?」
「まさにそれ。風が吹く度に凄い声出してビクンビクン震えてたわ。そのあまりの無様っぷりに許されたっぽい」
「正確には近付きたくなかったんじゃねえかな…他の二人も似たようなもんか?」
「次に見つけたやつは腹を思いっきり下してた」
「汚ねえな…そっちも無様っぷりで見逃された感じか」
「ああ。一週間トイレから出られなかったらしいぞ。で、最後の一人はシェルターに逃げ込めたから毒食らってなかったわ」

34無題Nameとしあき 21/08/14(土)22:55:20No.14538333そうだねx8
「逃げ切りかよ。痛い目見て欲しかったな」
「いやそれが助けが来るまでの一週間ずっとメディロフォサウルスがシェルター囲んで毒出しまくっててさ。シェルターぼろぼろになってたんだよ」
「シェルターの溶ける音聞きながら孤独な一週間か。そりゃキツイわ」
「しかもシェルターの周囲毒沼にされてたから助けが到着しても救助も出来ん状況でな。シェルターももう少しで破壊されそうってところでディロフォコガサウルスがメディロフォサウルス迎えに着たからギリギリ助かった感じ」
「ディロフォコガサウルスのお陰で助かったのかよ。だっさ」
「うんまあ死ぬほど反省して逃げた三人で保護団体に入ったらしいから、そっとしといてやれ」
「当事者が許してるならいいけどよ。結局下手に現地の生物に手を出すとメディ種が怒るからヤバイってことでいいんだよな?」

35無題Nameとしあき 21/08/14(土)22:55:48No.14538335そうだねx10
「そう。メディ種は基本的には大人しいし他の生物ともコミュニケーションを割ととってるから仲の良い他種も結構いるんだ。その中でもディロフォコガサウルスは小さな者の世話を焼く性質があるからメディ種にも好かれているんだ」
「小さい頃にお世話になった近所の優しいお姉さんって感じ?」
「そんなお姉さんが悪漢に襲われてたらどうする?」
「そりゃぶちのめしに行くわな」
「そういうことだ。ディロフォコガサウルス程じゃないが他の生物も誰が特大の地雷になってるか分からんのだ。友好的に接する以外の選択肢などない」
「よく分かったよ。仲良くしておきたいもんだな」
「うむ…では、そろそろ行こうか」
終わり

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