無題 Name としあき 18/11/11(日)23:45:57 No.11080220 del

ピンポーン
トプスが住むアパートのチャイムが鳴った 一体誰が訪ねて来たのだろうか
通販で何か買ったわけではないから宅配便の可能性は無い 悲しいかな遊びに来るような友達もいない
(どうせ宗教の勧誘プスねえ…)
居留守を使うことに決め横になった刹那、トプスの頭脳は唐突に希望を観測した
(暴漢に追われた美ラプトルが助けを求めに来たのかもしれないプス…!)
「どちらさまプス?」
ウキウキ気分で扉を開けたトプスの前に立っていたのは当然美ラプトルなどではなかった
訪問者の正体は妙に愛想のいい笑みを浮かべた緑髪の少女だった
「こんにちは! 妖怪の山に新しくオープンした守矢神社から参りました! あなたは神を信じますか?」
宗教の勧誘だった
「トプ? プストププ? プスー… トプトプ?」
こんな時は人間語が分からない振りをするに限る 少女は言葉が通じないことを察すると愛想笑いと共に去って行った

無題 Name としあき 18/11/11(日)23:46:48 No.11080223 del

遠ざかる少女の後ろ姿を見送りながら、トプスは珍しく神妙な面持ちで考え事をしていた
思いを馳せるのは少女が語った神という言葉だ
「神プスか… トプが生まれた白亜紀にはまだ居なかったプスねえ…」
聞く処によると神という存在は何千年もの間人間たちを虜にしているらしい
そのような概念を持たないジュラシックにはいまいちピンとこない話だ
一体何が人々をそこまで惹きつけるのだろうか 興味が沸いてきた
行ってみよう 神の元へ 
妖怪の山にはトプスの知らない世界が待っている

東方トプ神録 〜Mountain of Tops.

無題 Name としあき 18/11/11(日)23:47:16 No.11080227 del

神が住むと言う妖怪の山はすっかり秋色に染まっていた 赤や黄色に色づいた木の葉が目にも美しい
まるで山そのものに歓迎されているように感じるが、呑気に景色を楽しんでいる暇は無い
ここは妖怪の山 魑魅魍魎が巣食う危険な地 トプスの前には強敵たちが休む間もなく立ちはだかる

紅葉の神様の強烈なハイキックはムチトプボディにトプッとはじき返された
豊穣の神様から秋の味覚をたっぷりともらった 栗に葡萄に南瓜に芋 これでしばらくの間おやつには困らない
回る厄神様との白熱スピンバトル 見事トリプスアクセルを決めたトプスのKO勝ちに終わった
河童の新発明の実験台になってあげたらお礼に光学迷彩スーツをもらった ラプ湯を覗き放題という事実に胸が熱くなる
白狼天狗との手に汗握る将棋対決 トプスが鮮やかなちゃぶ台返しで逆転勝ちを収めた
天狗の新聞を購読する見返りにラプトルの盗撮写真集をもらった これでしばらくの間オカズには困らない
現代っ子の現人神の前で巨大ロボットに変形してあげたらとても喜んでくれた

無題 Name としあき 18/11/11(日)23:48:08 No.11080232 del

そして歩くこと数時間 トプスは遂に噂の神社に辿り着いた
幾年もの月日を積み重ねているであろう重厚な社殿 天を突くようにそびえる無数の柱 
まるで異世界のように幻想的な光景が広がるがしかし、それらはトプスの目に留まらない
なぜならその視線が向かう先、神社の上空にあまりにも圧倒的な光景が広がっているからだ
そこは戦場だった 二つの人影が激しく弾幕の火花を散らす、神さびた古戦場がそこにあった
「神奈子〜! この恨み晴らさでおくべきか!」
「無駄だ諏訪子! お前に私は永遠に倒せんよ!」
トプスは確信した 空間を震わせ魂までも揺さぶる莫大な力 あの二人が神に違いない
そう、彼女たちがこの神社の神々 乾を創造する風の神と坤を創造する湖の神なのだ というわけでレッツコンタクト
「あのー! あなた達が神様プスよね! お友達になろうプス!」
神々は戦いに夢中でトプスの声に気付かない
「レスポンチ待ってるプスけお!!1!!」
トプスの声はやはり届かない
「Excuse Topu! Topu am Ringo Tops pusu! 」
日本語が通じていないわけでもなさそうだ

無題 Name としあき 18/11/11(日)23:50:23 No.11080248 del

こうなれば仕方がない 戦いの渦中にその身を投じアピールする他ないようだ
地面を力強く蹴りトプスの体は大空へ飛び立つ それと同時に風の神のスペルカードが炸裂した
「喰らえ諏訪子! 筒粥「神の粥」!」
トプスも負けじと天狗にもらったラプトルの盗撮写真集から力をもらい弾幕を放つ
「OR(オフィスラプトルの略)のタイトスカート隠し撮り…! 射精「トプの粥」!」
風の神の粥弾幕にトプスの粥のような物が纏わりついた恐怖の詐欺判定弾幕が秋空を純白に染め上げる
しかし湖の神は一枚上手だ 舞うように鮮やかな身のこなしを前に弾幕はかすりもしない
「ヌルいねえ! そんな弾幕私には当たらないよ! さあ今度はこっちの攻撃だ! 土着神「ケロちゃん風雨に負けず」!」
「JR(女子高校ラプトルの略)の日常風景隠し撮り…! 煩悩解放「トプちゃん性欲に勝てず」!」
湖の神の雨弾幕とトプスの白い雨が一体となり少々高タンパクな天の恵みが大地に降り注ぐ
しかし風の神も只者ではない その手が天にかざされた瞬間一陣の突風が吹きすさび弾幕を残らず弾き飛ばしてしまった

無題 Name としあき 18/11/11(日)23:50:54 No.11080252 del

「この私に楯突くなど4億年早いわ! 魚類から進化し直してこい! 次は私から…」
「あの! トプのことわざと無視してないかプス!? そもそも何で喧嘩してるプス!」
もちろん神々はトプスの奇行を見て見ぬふりをしていたのだが、神様なので黙っておく
そして今、彼女たちの口から喧嘩の原因が語られる!
「神奈子のヤツ私が楽しみに取っておいた団子を食べたのよ! 許せないわ!」
「私は諏訪子に放置されて干からびそうになっていた哀れな団子を救っただけだ!」
「そんなどうでもいいことで喧嘩していたプスか!?」
この不用意な一言が神々の逆鱗に触れた!
「どうでもいいだと!? 私達は真剣なんだぞ! この微笑みデブめ!」
「この性欲魔竜! フリルの周りについてる手すりみたいなヤツ何だよ!」
非情な罵詈雑言の数々は無数のガラス片のようにプスりプスりとトプスの心に突き刺さり、遂にトプス、キレた!
「トプのことをバカにしたプスな…! このトプを…! 首から上は美少女キャラのトプを! 白亜紀に大流行したフリルを身に付けたトプを! このトプをッ! このトプをーッ!」

無題 Name としあき 18/11/11(日)23:52:06 No.11080258 del

「美少女キャラは射精なんてしないよ!」
「何が白亜紀だ平成生まれ!」
「トプッ! プストププッ! プスーッ! トプトプッッッ!!!」
言い返せない時は人間語が分からない振りをするに限る

かくして神々とトプスの対立は決定的となった これは大いなる存在に立ち向かった英竜の物語
風の神が呼び寄せる無数の柱が大地を穿ちトプケツを掘り返す 
湖の神が投げる鉄の輪がトプスの寸胴ボディにすっぽりハマる
神の名にふさわしい天災の如き攻撃を前にトプスが膝を突くのは時間の問題に見えた
ところがどういうことだろう 圧倒的優位に立っているはずの神々の表情に余裕は見えない
むしろその顔は苦渋と困惑に満ちていた その理由はトプスの顔を見れば分かる
ボロボロの体を気力だけで奮い立たせ、這いずるように弾幕をかわすトプスの顔には
スカッと晴れ上がった秋空のように爽やかな笑顔が
別にトプスがマゾなわけでもトプケツアクメに目覚めたわけでもない
トプスはただ楽しいのだ 弾幕ごっこを通じて感じる神々との一体感が楽しくてたまらないのだ!

無題 Name としあき 18/11/11(日)23:53:17 No.11080262 del

「これならどうだ! 筒粥「神の粥」!」
風の神が放つは先程トプスとコラボした粥弾幕 それを見たトプスの目がキラリと光る
「プッスオオーッ! その弾幕を待っていたプス!」
風の神も湖の神も最初は我が耳を疑った しかしそれは聞き間違いなどではない
確かにトプスは「待っていた」と言ったのだ その言葉の意味をトプスは自身の行動で以って神々に知らしめる
「いただきまプス!」
何とトプス! 粥弾幕を片っ端から食べ始めたのだ! 弾幕を食べると言う史上2例目の快挙!
トプス粥を食べる! 食べる! 食べまくる! 豊穣の神様にもらった栗や葡萄で味に変化をつけつつ食べまくる!
「ゲップス ごちそうさまプス!」
手を合わせて自然の恵みに感謝の言葉を捧げおやつの時間は幕を閉じる
神々はまだ知らない これがトプスの秘策であることを これより大逆転劇が幕を開けることを!
「それじゃあ見せてあげるプス! トプのとっておきのスペルカード! 兎符(トプ)「トプープスーダンゴ」!」
スペルカード宣言が霊山に木霊する 天高くどこまでもどこまでも響き渡り、そして…

無題 Name としあき 18/11/11(日)23:54:04 No.11080267 del

トプスの腹が、開いた
まるで異世界へと続くドアのように、あるいは冷蔵庫のように、腹の皮膚が扉の如く展開した
扉の向こうには真っ黒な空洞が広がっていて、そこから何かが出てくる それは…
団子だ
そう、トプスが食べた粥弾幕は体内で団子に変換されたのだ! 一緒に食べた栗や葡萄の味もついているぞ!
トプスは特製団子を神々に差し出し一言
「この団子はトプのおごりプス 二人ともこれを食べて仲直りするプスな」
その言葉は神々にとって衝撃的だった この激戦の中にあってトプスは二人の仲を案じていたのだ 
嗚呼トプスの懐の何と深きことだろう 
それに比べ団子一つで喧嘩する神の姿を顧みれば、その醜さと矮小さが際立って見えた
風の神は重く頭を垂れ、湖の神は天を仰ぎ見、己の行いを恥じた
両神は少し照れくさそうに向かい合う 今なら素直になれる気がした
「諏訪子… その… 団子食べてごめんな…」 
「私の方こそムキになってごめん…」
気付けば時は夕刻 妖怪の山の向こうへ日が沈み、同時に夜の帳が下りてくる まるで物語の幕を引くかのように

翌日のスレに投稿された挿絵(コラ)


無題 Name としあき 18/11/11(日)23:54:23 No.11080270 del

――夜の山に吹く秋風は様々な音を運んでくる
ススキが風に揺れる音 虫たちのささやく声 そして神社から聞こえる笑い声
喧嘩して、仲直りして、トプスと神々はもう友達だ 
風の神と湖の神は満たされたように笑う このような心のふれ合いこそ神々が求める信仰の在り方なのだ
彼女たちの笑顔を見ていると、トプスまで何だか幸せな気分になってくる
トプスは思った 神様っていいプスな、と
秋の夜は長いから、楽しい時間はまだまだ続く
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