ベルゼブブ:
天敵。
彼女にとってなれの果てであるベルゼブブそのものを前にした場合、最大限の罪悪感に襲われる。
ごめんなさいとうわごとのように繰り返し、無防備になる。
ニコールはバアル信者でありながらその性質上バアルを悪魔に貶める存在として登録されてしまっているが、
その体質も最初から悪魔であるベルゼブブが相手では何の意味も持たない。
ただし、この
ベルゼブブが
バアルならぬバアルを貶める悪魔だと認識した場合、理解できた場合、その時は、
この罪悪感は憎悪へと変わり、
ベルゼブブに向けられる――
――ただし。
ベルゼブブに憑かれた存在として登録されながらも、
バアルを降ろしていると言い張る彼女が、
ベルゼブブという悪魔の存在を認めてしまったとき。彼女自身がどうなるかは未知数である。
「ああ、ああ! 申し訳ございませんバアル様……!
私があの時代に生まれていなければ! 私があの国に生まれていなければ! 私があの時代のあの国でバアル様を信仰していなければ!
――私が生まれていなければ! このようなことには……! 申し訳ございません、バアル様……私さえ……!」
「――バアル様ではない? 純粋なる悪魔、ベルゼブブ……? ならば。ならばあなたが。あなたがバアル様を貶める、
憎きキリスト教徒どもがこじつけた暴食の魔性か――!」
「許せない。許せない許せない。バアル様を貶めるキリスト教徒どもが許せない。バアル様を貶めるあなたが許せない。
……何より」
「バアル様とあなたを見分けられなかった私が許せない。――あなたが自分を『バアルではない』と言ったことに。
安心して、感謝をしている私自身を! 許せません……!」
「ベルゼブブをバアル様と、バアル様の成れの果てと見間違えて。
ベルゼブブに言われてようやく気付いて。そしてそんな憎むべき悪魔の言葉を素直に聞き入れて。
……いったい私は何を信仰しているの? そんなことでバアル様信者を名乗っていたの?」
「ええ。今でも。今でも私はバアル様を素晴らしいと思っている。バアル様を心から信仰していると、バアル様に誓ってそう言える」
「けれど――けれど。そもそも私の生前って。実在したの? 私の逸話は憎きキリスト教徒が捏造したものだけれど。
……だったらいったい。どこまでが捏造で、どこまでが真実なの……?」
アナト:バアルをベルゼブブにしてしまう体質から、引け目を感じている。
悪魔化しておらず、女神の側面のみであるという点に胸をなでおろす。
それはそれとして本人に合ったら限界化する。
バアル様の妹……尊い……。やっぱりバア×ナトですね。
アスタルテ:バアルをベルゼブブにしてしまう体質から、引け目を感じている。
こちらは悪魔としての風評被害を受けているため、より一層罪悪感を覚える。
アスタルテの風評にニコールは全く関係ないのだが、そういうことではないのだ。
しかしやはり本人に出会えば限界化する。
バアル様のもう一人の妹も尊いですわ……。ロリ巨乳女神とかもう最高です。
バア×スタも王道ですね……。
バアル:信仰する神。偉大なる王。我が王。
普段から降ろしているのだが、いざ本人を目の前にすると限界
信者と化す。
リアルバアル様とか尊すぎます。
自身の存在が彼を“ベルゼブブである”と定める一因となっているため、その罪悪感は相当なもの。
故にこそ、彼女は全力で信者であろうと努め、バアル様の素晴らしさを知らしめるべく邁進する。
ハンニバル・バルカ:バアルの加護をバアルの加護として得ている人物。
私ももしも彼と同じ時代に生まれられていたら――と、羨ましく思っている。
魔王少女アビス☆ヘルマン:同じそういう系統の魔法少女同士として交流がある。
サン・レイ
ああ、この方は! ええ、分かります、分かりますとも!
姿は違っていてもこのお方はバアル様の関係者! 無粋なことは申しませんが、
私の
信仰心が反応しておりますもの!
バーチャルYoutuber。そういうのもあるんですね……。
バーチャルユーチューバー。バアチャルヤーチューバー。……バアルやっちゃえば!? つまりそういうことですか!
神託は下りました。すなわち私がバーチャルYoutuberとなり、バアル様の悪評を雪ぐのです!
――などということを、動画視聴後考えたとか。
バアル、ひいてはウガリット神話の神性を信仰する彼女に、この光は割と効いたらしい。
実際になったのか、それとも一時のテンションだったのかは現在のところ不明であるが。