- 涼井舞奈
セイバーのマスター。
自分の死すら分かっていない内の静樹には当然彼女が死人である事も分かっておらず、『さーゔぁんと』を連れた知らないお姉さん=敵であるとしか認識できない。
「おねえさんもせいはいせんそうでたたかうの?おねえさんも、どこかへかえりたいの?」
「ぼくはおかあさんのところにかえらなくちゃいけないから、おねえさんとはいっしょにはいられないんです。ごめんなさい。」
「ああ、ごめんなさい、ごめんなさい。おねえさんは、さいしょから…やさしくして、くれてたのに。おねえさんみたいなひとがぼくと同じところにいるのはよくないから、どうか。がんばって、ください。がんばって、この寒いところから、にげだしてください。」
- 津々良凌
ランサーのマスター。
「怖い人種」の部類に入るのかファーストコンタクトから敵対心全開でかかる。まだ子どものため当然恐怖心が見え見えではあるが、ちょっとやそっとのことで懐柔できる態度ではない。
「あのひと、こわいひとだ。こわいことを、するひと…」
「こないで!くるなら…いたいぞ!いたいんだからな!」
「おじさん…なんでだまって…っぁ、ぅ…ぼく、ぼくは…ぅぐ…そう、おかあさん、おかあさん…」
- 水無月水蓮
ライダーのマスター。
成人男性という事で警戒度+1、さらにその風体で警戒度+1、さらに何かゆらゆらしているので警戒度+1。子どもを怖がらせるには十分すぎる見た目であった。
「く…くねくね?してる…」
「お…おじさんは…なんでくねくねしてるんですか…?」
一方で、大きくて、不気味で、怖い男の人が…静樹にとって悪い人物かどうかは、判断がつかなかった。
自分より遥かに大きなこの人が、腕の自由を奪われ抑え込まれているのは窮屈で、もしかすれば家からすら出られなかった自分と同じなのではないか…と、思うようになる事も、可能性の一つとしてはある。
- 花澤愛衣紗
キャスターのマスター。
きっと、この先に何かを残すはずだった人種。大きなものを背負い、綺麗な物に囲まれて、煌めく炎に巻かれて苦しんでいった人…何も与えられず、殺風景な部屋の陰に倒れ、沈黙の中に融けていった静樹の対極にある相手。その世界は生前…死のその瞬間まで交わる事はなく、この機会でなければ…いや、あるいはこうなっても。彼女の視界に静樹が映ることは無いのかもしれない。
「あのおねえさん。きらきらしていて、あったかそうで。すごいなあ」
- 鎖是子々
アーチャーのマスター。
向けられる露骨な害意を察し、完全に遮断するモードに入る。彼女の語る言葉を理解し、それに何かしらの返答をすることも…その気も静樹には無く、特に他のマスターなどと邂逅した後ならばただ「そういう敵」として遠くから静かに終わらせようとするという最悪の対応を取る。むしろ彼女の冷徹な態度を受けて漸くセイバーのマスターの優しさに気づくくらいだろう。しかし、親から歪んだ“教育“を受け、同じように傷を服の下に隠しながら、おそらく2人がマトモに会話しそれを共有する事は無い。
「アサシンにはききとれますか?なにしゃべってるかわからないけど、あのひと。…いやなかんじ。」
「ぼくをぶつときにおとうさんがよくいってたんだ…よわいいぬほど…よく、なくんだって。あのおねえさんは、よわいんですか?」
- 田所秀史
バーサーカーのマスター。
子どもすら殺害し、その罪によって死んだ主従。大人が苦手と言う静樹が今回の中でも最も嫌がる相手。
だが或いは。
自分と同じように彼らに怯える誰かを見た時、静樹は少しだけ男の子になるのかもしれない。
生前は最後まで1人だった静樹に、今は一緒に怖がってくれる人がいる。その事は…もう命は終わってしまった後だが、彼を少しだけ前に向かせるだろう。
また或いは。
彼らが「人を傷つける事」を躊躇わない点について、静樹は目を離せないかも知れない。
そうしてその姿を追っていた場合には、静樹は思い至る可能性がある。
……『あたらしいおとうさん』の殺害。
たった一度だけ自分のサーヴァントに下す、最悪の命令を。
「くるな…くるな、くるな!─────ぁ」
「おまえは、おとうさんみたいだ。いや…おとうさんより、もっとこわい。おとうさんはこわいかおをしていたけど、おまえはそんなかおをしない。そのままで、あのおねえさんをなかせたな。だから、なによりもおまえはこわいやつだ。」
「だけどね。ぼくはよわいけど、わるものはわるものだってしられたら、かならずだれかがやっつけるんだ。
………いや。もうやっつけられたから、ぼくのまえにいるんだろ?」
東京一郎
怖い人。(そもそも静樹が彼と邂逅するまで生き残るのか、という部分は一旦置いておいて…)本筋としては違うものの、久瀬と同じように「何を言っているか分からないおじさん」と認識する。
だが、どうにも変なことを言っている、というのはだんだん察しているようで…
「おじさんがなにをしたいのか…ぼくにはよくわかりません。けど…」
「おじさんのりそうのくにに、ぼくやおかあさんは生きてちゃいけなかったの?」