機能集約・廃止が検討されている神奈川県立図書館・神奈川県立川崎図書館に関する情報をまとめます。

河本文雄議員(自民党)の質疑

河本委員

こちらの方で、県立図書館の関係ですが、昭和29年に開館して以来、専門的な図書の収集保存というものを県民に提供しています。このことは、前回もそういった質疑をさせていただいたんですが、改めてお伺いしますが、市町村図書館も整備されている中で、県立図書館の意味と役割についてどのように考えていられるか、お伺いいたします。

生涯学習課長

県立図書館の開館は昭和29年ですが、県内の市町村の図書館は公民館図書室も含めて12館しかございませんでしたが、昭和50年代半ばから急速にその数が増えまして、現在73館となっておりまして、全ての市区町村に公立図書館が整備されている状況です。このような状況における県立図書館の意義、役割について、市町村立図書館が、小説、趣味、娯楽といった一般的な図書を収集し、市民、県民への閲覧、貸出しを行っています。これに対しまして、県立の図書館では、専門的図書資料を収集し、県民への閲覧、貸付を行う。県立の図書館ということでありますと紅葉坂の図書館になるわけですが、ここでは、社会、人文系の図書資料を中心に、収集等を行っているところです。あと、加えまして、県立の図書館では、県内への公立図書館等の間の図書の相互貸借システム、この運用や市町村職員を含む司書の研修などは行っていまして、市町村立図書館を支える役割も担っているところです。

河本委員

今、県立図書館については専門的にと、市町村は一般的なもの、それを結ぶシステムとして、県内の公立図書館間の相互の貸借システムの運営ということをやっていられるという話だと思います。こういったサービスについても、一つの図書館とも協議をしながら、検討、継続と書いてありますが、これはどのようなことを検討されているのか、お伺いします。

生涯学習課長

御指摘がありましたとおり、本県では、県立の図書館や市町村立図書館とが連携して、図書を相互に貸し出す相互貸借システムというのを公立的サービスとして行っております。このシステムは、ある図書館が、利用者の求めに応じまして、この図書館では持っていない図書を他の図書館から取り寄せて、利用者に貸出しを行うといったものでして、このシステムを通じた図書の貸出し冊数は、事業を本格的に開始したのは昭和55年ですが、当時、年間約4,000冊でございました。これが、平成24年度には約12万冊にまで大幅に利用が増えています。県民の方々に制度が浸透していったとともに、サービスの向上につながっているものと考えています。
平成24年11月以降、研究体制の取組の一環としまして、数回にわたりまして県立図書館の在り方について市町村立図書館の方々等と意見交換を行ってまいりました。このような県民の皆様が大変多く利用いただいています相互貸借システムについては、更に改善していくことが大切であるという共通認識が、この中で図られたところです。そこで、今後は、財政的な負担、影響力でありますが、例えば図書館の間での図書の配送便数を増やす、そしてそういうことによって利用した図書が県民のお手元に届くまでの時間を短縮する、こういったことができないかなど、県立図書館と市町村の図書館とで検討を続けていきたい、こういったことを考えております。

国吉委員

県民利用施設の見直しに関する説明資料、先ほど御説明いただきましたが、この中で2番目に、かながわ女性センター蔵書については、県立図書館に移転するということで管理するということではないかと思いますが、これは、図書館の図書館としての県立中央図書館の専門的な図書を保管する図書館として、さらに資料を倉庫に塩漬けにするという意味ではなくて、やはり書庫として大切に保管をして、そこで図書資料を生かした図書館サービスすると、こういうことではないかと思いますが、その辺はどうですか。

生涯学習課長

女性センターの方の見直しの中で、女性センターの蔵書については、県立図書館の方に移管するという作業をさせていただいております。もともと県立図書館におきましても、専門的な図書としまして、現在、ACC文庫、アメリカン・カルチャー・センターといって、昔の占領中のアメリカの機関が持っていた、特色ある文庫ですとか、雑誌の創刊号コレクションといったものとか、幾つか特色のある図書とか資料を収集しております。女性センターの図書室の方には、山川菊栄文庫等、女性関係問題の非常に専門的な図書が蓄積していると聞いておりまして、そういったものを県立図書館に受け入れることによって、県立図書館の専門図書の幅が広がるという、こういった観点を持っております。
今、言ったような特色ある図書は、あるいはトピックに応じて、図書館で展示とか行っておりまして、例えばそういった図書の移転を受ける場合には、そういったものを活用した展示等を考えております。

国吉委員

藤沢合同庁舎にかながわ女性センターを移転しますね。女性センターそのものは残りますよね。そこで、ここに書いてありますが、その一部を閲覧・貸出を行うと書いてあるんですが、その辺の役割分担、藤沢合庁で所管する閲覧サービスと今おっしゃったように、いわゆる山川菊栄文庫といった、そうした貴重な女性史に関する資料、こうしたものを所管しているという大変貴重な資料です。これを基にして、様々なレファレンスだとか閲覧サービスだとか、ここに書いてあります緊急財政の資料の中に、県内公立図書館間の相互貸借システムをやっていくんだと、今お話を伺いましたが、そうなっていくと市町村立図書館とのネットワークも、当然、今までどおりに、女性に関する資料、これについても、県立図書館と県内市町村立図書館とのネットワークサービスをやっていくということで、そういう理解でよろしいでしょうか。

生涯学習課長

藤沢合庁に移転する女性センターの方と県立図書館の図書のすみ分けですが、これについては、これから女性センター側あるいはその所管する人権男女共同参画課とも調整してまいりまして、その使い勝手の良いような図書の受け方というのは調整していきたいと考えております。
それから、KL−NETを通じた女性図書の配送です。KL−NETを通じまして、実は、現在でも、女性センターの図書室はKL−NETの中に入っておりまして、今でも、女性センターの図書をネットに乗せて他の図書館に貸し出すということも可能ではございます。ただ、女性関係の図書が県立図書館と藤沢合庁に移転する女性センターの2箇所になりますので、それについてどのように有機的に図書を動かしていくかという点もあります。それをKL−NETの枠組みでやるのか、それ以外の枠組みでやるのか、それは、工夫の中ではございますが、そういったところで調整していきたいと考えております。

国吉委員

是非そうしたKL−NETですか、今までも、連携して、この議会図書室あるいは大学の図書館と連携していると思いますが、藤沢の合同庁舎で、閲覧・貸出サービスするというのは、やはりノウハウを持った専門職員、司書等の専門的な能力を発揮するような職員がいなければなかなかできないと思いますし、そういうふうに資料だけが分散していて、それをつないでいくという知恵が出てこないとなかなか難しいと思いますが、その辺のところはどういうふうにお考えでしょうか。

生涯学習課長

女性センターについては、いわゆる女性問題の専門的知識が蓄積されたところです。県立図書館の方で女性センターの図書を多く受け入れるという形になりますが、そのときに図書を収集する方法としまして、例えば収集に当たって、女性センターの方から参考に御意見を頂いて、それを踏まえながら、どれを収集するか決めていきますとか、そういった工夫をしながら、今まで女性センターの蓄積した知識、情報、そういったものを図書館でも活用していきたいと考えております。

国吉委員

国際婦人年からスタートした江の島にあった当時の婦人総合センターは、大変全国的に注目され、市町村の女性行政にも非常にインパクトを与えた。それ以後、横浜の東戸塚にある横浜市の婦人センターができたということで、政令都市でもなかなかなかった。そこで整備され、収集した資料もありますので、是非、県立図書館に移管した後も、しっかりと関係機関と、あるいは市町村と連携をとりながら、今でもネットワークがあるということなんですが、是非有効活用ができるように、藤沢との役割分担あるいは市町村立図書館との図書館ネットワークの再整備に向けて、是非御努力していただいて、有効に蔵書が活用できるような県立図書館にしていただきたいと思います。

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