機能集約・廃止が検討されている神奈川県立図書館・神奈川県立川崎図書館に関する情報をまとめます。

原委員

続きまして、県立図書館の在り方についてですが、さきの代表質問におきまして、我が会派からこの質問が出されましたが、川崎図書館におきましては、殿町地区に整備されているライフイノベーションセンターではなくて、KSPに移転するとの答弁があり、ここで一定の方向性が示されたのかと感じておりますが、そこで何点か伺ってまいります。
まず、川崎図書館についてお聞きしていきますが、川崎図書館の敷地は、川崎市からの借地であり、図書館のある富士見地区は、市の再編整備が予定されておりますが、川崎図書館は、いつまでに現在の場所から移転する必要があるのか、そしてまたこの川崎図書館では、現在、図書や雑誌など、どの程度所蔵しているのか、併せてお伺いします。

生涯学習課長

川崎図書館については、現在その地区が、平成30年度から川崎市が再整備するという計画を持っておりますので、川崎図書館は、平成29年度末までに移転する必要がございます。
それから、蔵書ですが、図書と雑誌を合わせて、約50万冊を所蔵しております。

原委員

さきの代表質問でも、知事は、企業活動の支援につなげる機能に特化した川崎図書館の移転先として、KSPが適地であるとの判断に至ったと答弁しておりましたが、KSPには、どのような企業や研究所が集積されているのか、そしてまたどのような活動をしているのか、分かる範囲でお答えください。

生涯学習課長

KSPには、バイオ、IT、半導体、それからエレクトロニクス等を中心とした先端企業や研究機関が集積しており、研究開発に取り組んでいると承知しております。また、大企業や外資系企業の研究開発部門もあり、約120社が入居していると承知しております。

原委員

ただいま挙げていただきました具体的な企業の活動を支援するために、この川崎図書館の機能のうち、どのような機能をKSPに移動しようと考えているのか、お聞かせください。

生涯学習課長

川崎図書館には、最新の技術情報や研究成果が掲載された学会誌や技術報告書が集積されておりまして、多くの企業の方々が調査研究のために来館されております。また、川崎図書館は、知的所有権センターとして、特許に関する情報やその手続についての指導、助言も行ってまいりました。
川崎図書館のこういった企業支援の機能は、KSPにおきましても役に立つと考えておりまして、今後は、政策局や産業労働局とも調整を図りながら、川崎図書館がKSPで担う機能について検討していきたいと考えております。

原委員

既存のKSPにその機能を移転すれば、それほど財政的な負担がないのかなというふうに感じるのですが、KSPにそれなりのスペースというものは、今、現存しているのでしょうか。

生涯学習課長

KSPにおける川崎図書館の敷地といいますか、借りる面積については今後の調整になりますが、下相談的にKSPの方にお話を聞いたところでは、一定の面積分は、何らかの形で確保できるのではないかといったような感触を頂いております。

原委員

これがスムーズに進むようにお願いしたいと思いますが、今後、川崎図書館の蔵書のうち、企業支援に直接つながらない図書やかながわ女性センターの図書が県立図書館に移転してくるなど、相当規模の収納スペースの確保が必要となりますが、この県立図書館の建物の現状について確認しておきますが、建築時期、耐震診断の状況などはいかがなものでしょうか。

生涯学習課長

県立図書館の建物は、本館、それから新館、それから収納庫として活用している元職業技術校の本館と実習棟、この四つで成り立っております。このうち図書館の本館は、昭和29年の建築で、耐震診断の結果は小規模な補強を必要とするとなっております。また、図書館の新館は、昭和47年の建築で、耐震診断の結果は補強を必要としないとのことです。
それから、元職業技術校の本館は昭和39年、実習棟は昭和63年の建築でして、いずれも耐震診断は実施しておりません。

原委員

この県立図書館の建て替えや改修が必要となっている状況は分かりましたが、横浜市の紅葉ヶ丘にある県立の音楽堂や青少年センターといった文化施設の集積地である県立図書館は、その一角を占めるわけですが、このような文化ゾーンにおいて、県立図書館は今後どのような運営をしていこうとしているのか、お聞かせください。

生涯学習課長

紅葉ヶ丘地区については、県立図書館をはじめ、県立音楽堂、県立青少年センターといった文化施設が集積しております。その中で、県立図書館の強みですが、他の文化施設に関係する専門的な図書、専門的な資料を数多く所蔵していることでありまして、そういった資料を活用することで、他の施設と連携した企画展示が可能と考えています。例えば、音楽堂で著名な作曲家のクラシックが演奏されるときに、その作曲家に関する資料の展示を行うなどといったことが考えられます。
このように、他の文化施設と連携することにより、将来的には、県立図書館が紅葉ヶ丘地区の情報発信基地になるとともに、図書館に集まってきた方が気軽に情報交換を行えるようにするなど、紅葉ヶ丘の文化ゾーンの中核になる、そのようなことになればなと考えております。

原委員

現在、考えられているこれからの整備内容と今後のスケジュール、そしてまた併せて充実すべき機能もあるのではないかと思っておりますが、その辺りついてはどのようにお考えでしょうか。

生涯学習課長

まず、スケジュールですが、平成27年度から女性センター図書を県立図書館で御利用いただくことになるので、これを平成26年度中に収蔵できるよう、書架の設置などの受入準備を進めていきます。
また、県立図書館は、本館が建築から60年余りたつなど、建物が老朽化しているほか、図書の修理箇所の収納スペースも利用がなくなってきています。さらに、川崎図書館は、平成29年度までに移転する必要もあり、その蔵書のうちKSPに移転するもの以外は県立図書館に受け入れることになりますので、そのスペースも確保する必要があるということです。
こういったことも含めまして、県立図書館の建物については、利用者同士が情報交換できる場づくり、企画展示スペースの確保、効率的なレイアウトといった観点から整備を検討してまいります。
さらに、今後、充実すべき機能ということですが、県立図書館は、貴重な専門図書を利用者に提供するとともに、いわゆる広域図書館として、相互貸借システムの運営ですとか市町村図書館の司書の育成等、役割を果たしてきています。中でも、市町村図書館同士で図書の貸し借りを行う相互貸借システムについては、今まで行ってきました市町村図書館の意見交換会の中でも、サービスの向上につなげていくといったような共通認識が図られておりますので、改めてそのことについて市町村図書館と意見交換を図っていきたいと考えております。

原委員

この県立図書館についてですが、知事の前向きな答弁がありましたが、着実にこれを進めていただけるように要望して、この質問を終了いたします。

城田委員

続きましては、県立図書館の件に関して要望させていただきたいと思うんですが、先ほど御質問にもあったとおりでもあるのですが、緊急財政対策も絡めて少し質問をさせていただきたいと思います。
先日の本会議の質問でも、知事の回答の中におきまして、今後、県立図書館を建て替え若しくは改修、こういったところも含めて考えていくという話があったと思います。
当初、緊急財政対策が出てきた当時に、県立図書館に関しては、機能を純化していく、集約化していくというような話でありまして、閲覧・貸出は廃止するということだったと思います。その中で、今回、建て替えだとか改修をしていくというような御発言というのが、県の施設としての在り方としては大分決まっているかなと思いまして、その中で、緊急財政対策の前も含めて、多分、図書館の在り方等についても変遷があったかと思いますので、簡単な変遷の概略も含めて、確認の意味も含めて教えていただけますでしょうか。

生涯学習課長

図書館の見直しですが、平成17年に外部有識者による県立の図書館のあり方検討委員会というものを設置いたしまして、その報告書を平成19年に受領しております。その報告書の中では、広域ネットワークサービスの充実や司書の人材育成あるいは県立図書館、川崎図書館の一館統合といったような御提言を頂いております。
その後、川崎図書館が立地いたします富士見地区が、川崎市の再編整備の対象となっておりまして、平成29年度末までに移転する必要があることも念頭に置き、その検討委員会での御提言の具体化に向けた検討を行ってきたところ、平成24年に緊急財政対策が打ち出され、県立の図書館については、機能の純化・集約化を含めた検討として、閲覧・貸出機能の廃止あるいは川崎図書館の県立図書館への集約化、こういった方向を表明させていただいたところです。
その後、県民や関係団体から、閲覧・貸出や継続あるいは川崎図書館は市内に残すべきとの意見があり、あるいは市町村の図書館からも、閲覧・貸出を維持すべきであるといったような要望がございました。
そういった意見を踏まえまして、平成25年2月あるいは3月の議会において、閲覧機能を維持する方向で検討、川崎図書館は、企業支援に高度化・特化して、川崎市の殿町特区に移転するといったことをお示しさせていただいております。
また、平成25年5月から6月にかけまして、県民意見交換会というものを行っておりまして、この中では、貸出機能も継続してほしい、あるいは川崎図書館が移転予定の殿町地区というのは遠くて不便であるといったような御意見も頂きました。
その後、平成25年9月に女性センターが藤沢合同庁舎に移転することになりまして、その女性センターの約10万冊の蔵書が一括して県立図書館に移転することとなりました。
このような状況から、このたび県立図書館について、女性センターや川崎図書館の蔵書の移転を機に、収蔵スペースの確保等の観点から、建物の建て替えや改修を行っていくというふうにしたものです。
なお、川崎図書館については、殿町に整備するライフイノベーションセンターが再生細胞医療に特化するといったことになりましたから、KSPに移転するということになったものです。

城田委員

冒頭、緊急財政対策の中で、今回、図書館においては、純化・集約化というような話が出ていたとは思うのですが、原則ゼロベースでということで考えられて、この財源を捻出していくというのがあるかと思うんですが、これというのは、当然、目標等の数字というのがあって、こういった当初の形を打ち出したと思うんですが、そういった金額的なものの試算等についてというのは何かありましたでしょうか。

生涯学習課長

県立図書館の在り方については、今御説明しましたとおり、緊急財政対策の取組以前から、平成17年に、外部有識者による検討委員会の設置あるいはその報告書を頂いたこと、あるいはそういった報告書の中で、広域連携サービスの充実あるいは司書の人材育成、あと川崎図書館の県立図書館へ移管等の御助言を頂いたところです。川崎図書館が川崎市の再編整備計画の対象となっておりまして、その具体的な提言の具体化に進めた検討をしていただくことを緊急財政の未利用施設の見直しに取り組むことになりまして、こういう形になってきたところです。

城田委員

今回、女性センターの蔵書等も含めてということになるかと思うんですが、その図書館についての純化・集約という、そういうところから建設へ変わってきたという部分があるのですが、この緊急財政対策の中で財源を捻出しなければいけないという一方で、捻出するためには、行政サービスをやっぱり犠牲にしなければいけないという、相反するものがあるということだと思うんです。結果として、今は、図書館について、建設、改修をしていくというような方向性になっていくかと思うのですが、その点について、建設、改修をしていくことによって、緊急財政対策における県立図書館のいわゆる財政的なものというのが抑えていけるのかどうかとか、そういった視点はいかがでしょうか。

生涯学習課長

県立図書館のサービス、具体的には図書の閲覧・貸出といったことになろうかと思いますが、この経緯ですが、平成24年10月に、機能の純化・集約化ということをお示しさせていただいたところ、県民の方々から様々な意見が寄せられております。
その中では、閲覧・貸出機能の維持、これを求める意見が数多くございました。また、平成24年11月から県内の市町村図書館との意見交換会が決まっておりまして、この中でも、県立図書館についての閲覧・貸出をやめて、その資料を市町村図書館の窓口で購入していただく、そういった形になりますと、市町村の負担が増えるといったような御意見も頂いております。
こういったことも踏まえまして、平成25年2月に、閲覧機能を維持する方向で、検討することを表明し、あるいは5月から6月に行いました県民意見交換会では、貸出機能にすべきという意見もございまして、こういった多くの意見を考え合わせまして、サービス、閲覧・貸出等を維持するとしたものです。

城田委員

その財政的な視点として、今後、例えばこういった建て替えをすることで、例えば財政的なメリットというか、支出を抑えられるということなのであれば分かるんですが、例えばなのですが、今回、川崎図書館と、あと女性センターの蔵書が移転することによるものも含めて、今回、建て替え、改修を行うことでお話しされていたかと思うんですが、例えば今の蔵書移転をすることでも、建て替え、改修をしなくて、このまま蔵書を移転すること自体がそもそもできないかという、そういったことに関してはいかがでしょうか。

生涯学習課長

県立図書館については、今後、知的好奇心が刺激され、知の拠点として多くの県民の方々に、来ていただきたい、使っていただきたいと考えております。そこは紅葉ヶ丘にございますが、文化施設が集まる紅葉ヶ丘の中核的な施設として、単に本を読むとか借りるだけではなくて、利用者同士が自由に議論したり、そういった文化的な役割にした魅力あふれる図書館にしていきたい、そういった考えがございます。
そういった中で、見せる図書館としての機能ですとか、そういったものが必要な中で、施設の老朽化が進む、あるいは収蔵スペースも手狭になってきた。川崎図書館やかながわ女性センターの蔵書を含む移転を機に、建物の建て替え、改修を行い、新たな魅力を備えた図書館にしたい、こういったことを表明させていただいたものです。

生涯学習部長

今、課長からも御答弁させていただきましたが、スペースについては、女性センターの蔵書、また川崎図書館にもかなり蔵書がございまして、そういったものを受け入れるということになりますと、将来的にかなりスペース的に無理が出てくるという状況にあると考えております。
また、コスト面ですが、当然、今回、県民利用施設見直しというのは財政的な面でやっていく形になりますが、図書館というのは、本当に貴重な図書、専門図書ということで利用者のために今後も継続していくと方向性が出ておりますので、そこについては、継続しておきますが、当然、緊急財政対策ということもございますので、コストをよりどういうふうに抑えていくかということは、今後の改修等をやっていく中での大きな課題であると考えております。

城田委員

例えばなのですが、図書を購入していくということが今後もあるかと思うのです。一方で、図書を廃棄していくということというのもやっていらっしゃるのではないかと思うんです。これは分かりますでしょうか。

生涯学習課長

県立図書館におきましては、その図書を皆様に御利用いただくというのも大きな目的ですが、もう一つ、そういった図書資料を保管し、保存していくといった機能も一つの重大な機能として持っております。
そういった中で、県立図書館については、基本的に図書は廃棄しない形で常に保管しております。

城田委員

そうしますと、蔵書がどんどん増えていくというところもあると思うので、そこは、必要に応じ、今後も考えていかなければいけない。つまり、どんどん図書が増えていくことによって、また増床していくというようなことがあるかと思うんですが、そういったところも含めて検討する必要があるかと思うのですが、何が申し上げたいかというと、例えば、今回、建て替えだとか改修を行わないような、できるだけ費用をかけることを抑える形でやることはできないのかなというふうに思ったんですね。例えば先ほどの質問にありましたとおり、校舎とかの改修とかというのが、当然、本といわゆる地震によって人の命とどちらが大切かというところもあるかと思う。これは、各課と局等によって、全く考え方というのが違うということはあるのかもしれないのですが、その支出をしていくことのプライオリティーというのがやっぱり必要になってくるのではないかと考えているので、建て替え若しくは改修するということに対しての、少し疑問というか、考えがありましたので、そのような点も含めて、今後、図書館の在り方、建て替え、改修等についてこれを踏まえて考えていただければと思いまして、私の質問は終わらせていただきます。

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