機能集約・廃止が検討されている神奈川県立図書館・神奈川県立川崎図書館に関する情報をまとめます。

高橋稔議員(公明党)の質疑

高橋(稔)委員

もう一つの歴史的な価値がある文化資源として、県立図書館があると思いますが、何点か伺っておきたいと思います。
まず、川崎図書館について伺います。
平成29年度中にかながわサイエンスパーク、KSPに移転するということですが、それまでどのようなスケジュールで準備を行っていくのか、確認の意味で伺います。

生涯学習課長

平成26年度中に移転先であるKSP、あるいはそこに入居していますKASTと意見交換を行いながら、川崎図書館の資料のうち、KSPに移転する資料の選定方針を定めたいと考えております。この上で、平成26年度から27年度にかけまして、移転する資料を選考するとともに、KSP内で必要となります図書のスペースについて、KSP側と調整を行っていきたいと考えております。そして、平成28年度中に29年度の資料移転に係る予算を計上したいと、このように考えております。

高橋(稔)委員

川崎図書館は、およそ蔵書数40万冊ぐらいかなというふうに思いますが、企業支援につながる機能に特化して移転していくということで伺っておりますが、KSPに移転した後はどの程度のスペースが必要となるんでしょうか。

生涯学習課長

KSPに移転した後の必要となるスペースについては、現在の川崎図書館からどのような資料をKSPに移転するかとの考えによるものと考えております。今後、KSPとも調整しながら、必要なスペースについて検証していきたいと考えております。

高橋(稔)委員

年間の購入計画、または年間の除籍計画というのを持ち合わせておられると思うんですよね。だから、そういったことがあって、先ほど答弁していただいた選定作業に入って、蔵書の増減を検討していくんでしょうが、具体的にそういう数字を持ち合わせてないんですか。

生涯学習課長

KSPの内部におきまして、川崎図書館は企業活動の支援に特化した形で事業を行っていくことを考えておりますが、どのような資料、図書が特化した川崎図書館で有用で有効に使っていただけるかというところをKSPと調整していきたいと考えております。

高橋(稔)委員

そういう蔵書数による、いわゆるスペースが、今度KSPに移転した後の賃料ということになってくるんだと思いますが、前提として賃料を払うことになるのか、払うとしたらその辺どういう考え方なのか、確認させてください。

生涯学習課長

KSPに移転した後は、その使用スペースに応じた賃料、これを支払わなければいけないことになると考えております。

高橋(稔)委員

くどいようですが、企業支援に直接結び付かない資料は、除籍処分ということになるんだと思いますが、その辺の確認とそれはいつ頃を想定しているのか、併せて伺います。

生涯学習課長

川崎図書館のいわゆる企業支援に直接結び付かない資料については、原則として除籍はせずに、紅葉ヶ丘にあります県立図書館の方に移転することを想定しております。
そのタイミングでございますが、現在の川崎図書館、これが立地している場所については、川崎市が川崎区富士見地区の整備計画を持っておりまして、それに伴いまして、平成29年度中に移転する必要がございます。企業支援に直接結び付かない資料を県立図書館に移転するのもそのタイミングになろうかと考えております。

高橋(稔)委員

今、県立図書館にというお話が出ました。そこで、この県立図書館の建て替え、改修について、どのようなコンセプトで検討を行うのか、確認の意味で伺います。

生涯学習課長

県立図書館は、これまで貴重な専門図書を利用者に提供するとともに、県内の公立図書館について、相互貸借システムの運用や研修等を通じました市町村図書館の司書の育成等、いわゆる教育図書館としての役割を果たしてまいりました。今後ともそういった役割をしっかりと果たしていきたいと考えております。
これに加えまして、多くの県民の方に利用していただけるよう、文化施設が集まる紅葉ヶ丘の中間的な施設としまして、文化的なにぎわいに満ちた魅力あふれる図書館にしていきたいと考えております。
こうした考えの下に、時々の話題や記念行事に合わせた各展示のスペースですとか、毎年増加する資料等を収納する十分なスペースなど、確保できるように建て替え、改修、これを検討していきたいと考えております。

高橋(稔)委員
少し思い出したんですが、この県立図書館の蔵書は、女性センターの廃館に伴う蔵書、それから今おっしゃった川崎図書館から除籍されたもの、もう一つ思い出したんですが、私の地元の港南区の野庭高校にあった蔵書、これも将来的には県立図書館に蔵書されてくるという考え方でいいですか。

生涯学習課長

旧野庭高校の校舎を利用しまして、川崎図書館の資料の一部がいわゆるデポジットライブラリーとして管理されておりまして、それも利用者の方のリクエストに応じて、川崎図書館内に運んで、御利用いただいているもの、そういったものがございます。
県立図書館の建て替えに関しましては、必要な収蔵スペースを確保していきたいと考えておりまして、そういったものも含めて、収蔵できるスペースを何とか確保したいと考えております。

高橋(稔)委員

この紅葉ヶ丘の県立図書館、今隣の元職業技術校が収蔵庫として活用されているわけですが、県立図書館の建て替え、改修については、先ほど来のコンセプトを十分に踏まえていきますと、ある一定のゾーンが形成されていることが必要かなというふうに、今思っていたんですが、例えば現在収蔵庫として活用している元職業技術校の土地の売却、それによって民間活力で、例えば本館と新館を建て替えるという、そういったことも考えられるのかなと。
財政厳しき折ですから、そういうことによって、本県の図書行政の早期の確立が図れるかなというふうにも思うんですが、その辺の考え方について、いかがでしょうか。

生涯学習課長

委員御指摘のとおり、確かに建て替え、改修には様々な角度から多様なアイデア、手法を検討する必要があると考えております。
一方、大事な視点としまして、多くの県民の皆さんに利用していただける図書館にするとともに、県費の投入をできるだけ抑えること、これも重要な視点であると考えております。そのためには、例えば民間との連携ということも考えられるわけでございます。
建て替えについては、様々な整備手法がございますので、あらゆる可能性を視野に入れて、検討していきたいと考えております。

高橋(稔)委員

そうすると、民間とのコラボ、PPPですとか、様々な手法が全国の地方自治体で展開されているわけですが、そういったことも十分視野に入れながら理解をしたわけですが、紅葉ヶ丘へのアプローチ、坂ですから、超高齢化社会で、どうやってあのアクセスを担保していくのかということを考えますと、図書機能もさることながら、集いやすいゾーニング、これはかなり都市計画上は工夫していかないと、なかなか失礼ですが、教育委員会だけでは厳しいのではないかなというふうに思うのですが、その辺の本県のいわゆるクロスファンクション・ラウンドテーブル、この協議はどうなっているのか、確認させていただきます。

生涯学習課長

紅葉ヶ丘は、文化施設が集まっているゾーンでございますので、県立図書館の隣には青少年センター、音楽堂がございます。そういった文化ゾーンの中核的な施設として、文化的なにぎわいに満ちた図書館にしていきたいと考えておりまして、青少年センターを所管する青少年課、また音楽堂を所管する文化課ともどのようなコンセプトで図書館整備ができるか、紅葉ヶ丘のにぎわいをつくることができるかといったような検討も始めさせていただいているところでございます。

高橋(稔)委員

文化ゾーンとしてということになりますと、図書だけではなく、にぎわいのスペースになるように、様々なことを考えていかければいけないでしょうし、そういった意味では民間のアイデア、プロポーザルをいただいて、それで皆さんのたたき台にしていくことも、これはありだなと思うんですが、そういう公募型プロポーザル、こういったものをどんどん積極的に活用していくべきじゃないかなと思いますが、そういう議論はいかがですか。

生涯学習課長

確かに、様々なアイデアを募っていかなきゃいけないと考えております。その中には、民間の意見を聞くということもあると思っております。まずは庁内の様々なセクション、あるいは建築関係のセクションも含めて、いろいろ調整を進めているところでございますが、そういったことも念頭に置きながら、どのような検討手法が良いのか、調整して検討してまいりたいと考えております。

高橋(稔)委員

時間も余りないんですよね。本当に先ほどの答弁を伺っていますと、かなりタイトなスケジュールだなというふうに思いました。特に職業技術校の耐震性も心配ですね。そういった意味で極めて老朽化していますので、そんなのんびり構えていることは、あってはならないかなと思います。そういった意味で、是非今るる伺いましたが、新たな県立図書館建設について、当たっていただきたいと思いますが、この本館、新館、特に本館の方でしょうか、著名な建築家による建築物ということで、これはまた先ほどの近代美術館と相応するんですが、これもなかなか悩ましい問題ですよね。その辺の本館、新館が可能な限り営業を継続していかなければいけないと考えますと、どういうふうに調整していくのか、具体的にどう考えていらっしゃいますか。

生涯学習課長

まず、建築家というところでございますが、図書館の本館は近代建築の著名な建築家が建てたものでございまして、隣接する音楽堂とともにこの景観を形造っているわけでございまして、図書館を整備する場合はそういった建物としての価値というものも十分配慮しなきゃいけないと考えておりまして、そういった視点も持って進めていきたいと考えております。
それから、一部閉鎖するとか、いろいろやり取りはしてもらうわけですが、できるだけ閉鎖しないで皆様に御利用いただきながら整備することが最も望ましいわけですが、これをどのようにしていくかということも含めまして、検討を進めてまいりたいと考えております。

高橋(稔)委員

是非十分な議論をこの委員会でもさせていただきたいと思っています。本当に大事な図書館の在り方というか、具体的な計画ですから、遺漏のないように進めていただきたいと思っています。
KSPができて20年ですから、企業向けの支援で図書館機能を移転するということで、そこで未来永ごうずっとやっていくのかなという思いと、また今度建て替える図書館も、どのぐらいのしっかりした将来的な視点を持って取り組んでいくのか、非常に気になるところなんですが、最後に県立図書館の建て替え、改修に当たって、長期的な視点を持って、どういうふうにKSPのことも考え合わせながら進んでいこうとされているのか、確認させてください。

生涯学習部長

県立図書館の今後の長期的な視点を持った取組ということでございますが、県立図書館、これは平成29年にオープンしまして、これまで60年にわたりまして、県民の方の知識の普及ですとか、生涯学習ということで取組を進めてきました。そういったことでは、今回が建て替え、改修、としては初めての大掛かりなものになると思っておりまして、それで今回建て替えに当たっては、20年後、30年後ということであっても、多くの県民の方に来ていただくことのできる、本格的に活用していただけるような図書館を目指していく必要があるというふうに考えております。
そこでは、図書館に求められる使命、役割、機能を今後も十分に検討を重ねまして、長期的な視点、今後も継続的に当館を県民の方に役立てていただくという形で、取組を進めていきたいというふうに考えています。

高橋(稔)委員

是非しっかりした対応を要望しておきたいと思います。

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