◆qqtckwrihのSSのまとめです。完結した作品および、新作告知、Wiki限定連載等を行っております(ハル SS Wiki)


その物語が始まるのは、

世界暦1176年のアサシン教団と十字軍の衝突より、時代はわずかに遡る。

それはまだ、『紛争時代』と呼ばれた暴力による支配があった頃……。

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――――【 南方 砂漠地方町のある一軒家 】


少年「ふわぁぁ〜…」


…コツン

少年「…いてっ!」

少年「何するんだよ、愛姉ちゃん……」


愛姉「人が勉強を教えてる時に、あくびをしないっ。」

愛姉「そんなんじゃ、将来困っちゃうよ?」


少年「…だって勉強なんて退屈なんだもん」ハァ



愛姉「あのねぇ、勉強はしなくちゃいけないの。勉強出来ないと、大人になったら困るんだから」

少年「だって、愛姉だって勉強は嫌いなんだろ?」

愛姉「そりゃそうだけど、やらなくちゃいけないのっ」

少年「だって…」

愛姉「だっても何もないの。お母さんとお父さんにも、面倒を見てねって言われてるんだから!」


少年「…どうせ、勉強なんかしなくても大丈夫だよ。」

少年「俺は世界に出て、この戦いの時代を生き抜く術を身に着けて!」

少年「ゆくゆくは、世界の覇権を握る…王様になるんだっ!」ビシッ!



…コツンッ!

少年「いたいっ!」


愛姉「…何バカなこといってるの。」

愛姉「もう、世界戦争時代は終わるんだからね?」

愛姉「王都にいる現王様っていう人が、その兵隊で世界の戦いを鎮圧し始めてるの。」

愛姉「いずれ、世界は平和になるんだから」


少年「む〜…」


愛姉「…勉強したくないからって、そういう戦争とかをダシにしない!」

愛姉「そもそも、世界戦争とかは私らに関係ないことなんだよ?」


少年「…そうかなぁ」



愛姉「私たちが住んでる町は、砂漠の真ん中にある砂漠町。」

愛姉「毎日を生きてくだけで大変で、隣村や隣町と協力しないと暮らしていけないの。」

愛姉「わざわざ他の場所を襲ったりしたら、大変になるのは自分自身。」

愛姉「……そんなリスキーなこと、普通はしないでしょ」


少年「…そりゃそうだけどさ」


愛姉「世界平和まで、秒読み段階!」

愛姉「だからあなたも、勉強して将来に備えるの!」


少年「勉強するくらいなら、俺はお父さんとお母さんの畑仕事を手伝ってたほうがマシッ!」

少年「水運びとか毎日してるから、俺もかなり力ついてるんだぜ〜」フフン



愛姉「…そういう苦しい生活をさせたくないから、私と一緒に勉強してってお母さんたちが言ってるんでしょ」ハァ


少年「お、俺は…」

少年「俺は嫌なの〜〜〜!!!!」


愛姉「うるっさっ!」キーン!

少年「勉強したって偉くなれるとは限らないし、頭痛いだけだし!」

…ダッ!

愛姉「あっ!こらっ、逃げる気っ!?」

愛姉「あんたが逃げたら、また私が…怒られるでしょーーーっ!!」バッ!

…ガシッ!

少年「うわっ、掴まれたっ!?」




愛姉「逃がさないんだから…ねっ!」グイイッ!

少年「ね、姉ちゃんそんなに力強かったっけ!?」ググッ…


愛姉「へへーん!私はこの間、15歳になったんだから、立派な大人!」

愛姉「大人の力を見せてあげるっ!」グイッ!


少年「…うわっ!?」

ズデンッ!!!

少年「いっ、いてて……!」


愛姉「…観念しなさいっ!勉強はしっかりするっ!」


少年「…い、嫌だ!」

少年「俺は友達と、外で遊んでくるんだぁぁぁっ!!」バッ!



…モニュッ

愛姉「…」

愛姉「きっ……」

愛姉「……きゃああああああっ!?」ババッ!!


少年「今だっ!」ピョンッ!

ダッ、タタタタタッ!!

少年「へへーん、お姉ちゃんのおっぱい柔らかいねっ!バイバーイ!」


愛姉「…っ!」カァァ

愛姉「く、くぅぅっ…!しまったぁぁ……」ガクッ


…………
……







……
…………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 町の裏通り 】


少年「…ってなわけ。勉強ばっかだぜ?」


友商人「はははっ!」

友商人「お前のお姉ちゃんらしいよな!」


友戦士「俺も、父親の跡を継いで町を守る戦士になりたかったんだけどさぁ…」

友戦士「もうすぐそういう時代は終わるから、勉強しろっていうんだよな」


少年「…くく、お前の親父の兵戦士さんっぽいな。勉強なんかしなくても、生きてけるっつーのな!」

友商人「その通り。畑仕事して、それを売るだけでも生活できるって」

友戦士「町の守り人するだけで、金はもらえるし。それで俺もいいんだけど…」



少年「あーあ、世界が平和にならなかったら勉強なんかなかったのかな?」

友商人「そうかもしれねぇな。つーか、世界で本当に戦いって起こってるのか?」

少年「嘘なんじゃねーの?」

友商人「なー。実際に見た事あるわけじゃねーし」ククク


友戦士「…もし他の人間がうちを襲ってきたら、俺が倒してやるっつーの!」

友戦士「俺も、親父も。町一番で負け知らずだぜ!」


少年「…いやいや、お前はそこまで強くねーし」

友戦士「…あぁ!?」



少年「むしろ、お前より俺のほうが強いし。」

友戦士「……いい度胸だな、その言葉」ピクピク

少年「実際のことだろ!」ハハハ!

友戦士「……こ、この」


友商人「まーた始まった。毎日毎日、飽きないねぇ」ハァ


少年「うおらぁぁああっ!」

友戦士「うらあああぁぁあっ!」

……バキィッ!!ドゴッ!



友戦士「痛くねぇぞ、こんなん!!」

少年「全然きかねぇぞ、こんなん!」

友戦士「うおおおぉぉぉおっ!」

少年「うあぁぁぁああっ!!」


友商人「…」

友商人「……あ、待った二人とも!」


少年「あぁ!?」ハァハァ

友戦士「あぁっ!?」ゼェゼェ



友商人「今日は、ケンカより面白い話があるんだった!」

少年「んだよ!」

友戦士「なんだよ!」


友商人「…うちの親父の知り合いで、王都の行商人と、その同僚が来てるんだよ!」

友商人「なんでも、ここにお店を出す為に視察に来たんだってさ!」


少年「…お、王都の行商人!?」

友戦士「ま、マジかよ!」


友商人「昼くらいに来て、町の中を色々見て回るっていってたから…」

友商人「今頃、親父と母さんと、一緒に町ん中を紹介して歩いてまわってるかも!」




少年「…王都の人間か。気になるな」

友戦士「面白そうじゃねえか…」


友商人「…だろ!?」

友商人「ケンカしてるより、それを見に行ってみようぜ!」


少年「そういうことは、早く言えよ!」ダッ!

友戦士「そうだぜ、急ぐぞ!」ダッ!

タタタタタタッ……!!

………



友商人「……いつも仲裁するのは、本当に疲れるよ」ハァ




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