最終更新: naminagares 2015年01月31日(土) 15:29:38履歴
【第二章:物語の描き方 前編】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女「…さて、いよいよ本番なわけで」
男「おう」
女「先ずはどこから教えよっか?」
男「…SSの基本構成とかか?」
女「基本構成、か」
男「今、俺たちが会話してるのもその基本になるんだろ?」
女「うん、正解。このまんまだね」
男「説明っていう説明が難しいな」
女「…そもそも、台本形式SSの進行は"「」"と登場人物で成り立つ会話パートがメインなの」
女「難しく考える人もいるけど、本当はもっと単純なんだよね」
男「会話を考えるのは難しいかもしれないが、まずは簡単なところから書いてみるといいかもな」
女「うん。例えば…挨拶とか」
男「俺らみたいな、男と女が"こんにちわ"と交わすだけでも物語になるからな」
女「そこから、"今日はいい天気ですね"とかのやり取りだけでもSSの一つとして成り立つしね」
男「最も根本的な書き方や、進行を実際にやりながら説明してみるか?」
女「うん、それがいいね」
女「それじゃ…ヨーイ、スタッ!!」パチンッ!
…
……
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
男「…あ、こんにちわ」
女「こんにちわー」
男「いい天気ですね」
女「そうですね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
……
…
男「…うむ、短いがいい文だな」
女「たった4行だけど、やり取りは凄い伝わってくるね」
男「"これだけ?"と思うかもしれないが、たったこれだけでも立派なSSになってるな」
女「ここから会話のキャッチボールをして、どんどんSSを組み立てていくんだよ」
男「ふーむ…」
女「…」
女「…それじゃ、次のレベルにいってみよっか」
男「次のレベル?」
女「まずは、挨拶と天気がいいですねのやり取りだけでもSSになるのは分かったでしょ?」
女「今度はそこに、SSらしく擬音や色々と追加していってみようよ」
男「ふむ…」
女「擬音っていうのは重要で、その場面場面の雰囲気や実際の行動を現すものなの」
男「例えば?」
女「……えーと、こういうこと!」
男「ん…?」
女「…てぇいっ!」ビュンッ!!
……バキィッ!!!
男「いでぇっ!?」
女「…って感じで、擬音をつけることで殴ったり、叩いたり、色々な場面を再生できるのよ」
男「そ、そうなのか…」ズキズキ
女「じゃあ、さっきのやり取りにちょっとした擬音を追加してみましょう」
男「へい…」
…
……
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
トコトコ……
男「…あ、こんにちわ」
女「こんにちわー」ニコッ
男「いい天気ですね」
女「そうですね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
……
…
女「……さっきと比べて、どう?」
男「トコトコってのは歩く音、ニコッってのは笑顔か」
女「最初と比べて、だいぶ風景が浮かんできたでしょ?」
男「確かに、シーンを浮かべやすくなったな」
女「たった2つの擬音で、ここまで場面をしっかり浮かべられるようになるって凄いよね」
男「擬音って大事なんだな…」
女「そりゃそうよ、それがなかったら臨場感も何もないし」
男「…臨場感、か」
女「だけどね、擬音はつけすぎてもダメ。逆に訳が分からなくなったりすることが多いから。」
女「ニコッ、ニコッとかばっか笑みの擬音つけてると、その登場人物が変に見えたりするから」ニコッ
男「…今のタイミングとかも、おかしいよな」ニコッ
女「うん…。つけるタイミングも重要で、作者が"ここで笑顔が欲しい"っていう場面のみでつけるのがいいわね」ニコッ
男「…だけど、たまに笑顔が連続で必要なシーンとかあると思うんだ」
男「そういう場合はどうするんだ?」
女「それは簡単。擬音の変化をつけるの」
男「…変化?」
女「ニコッ、ハハハ、クスッ、キャハッ、フフッ、とか。」
男「こわ、きも」
…ゴチゴチィンッ!!!
女「……殴るわよ」ブルブル
男「す、既に殴ってる!い、痛いっ!!」プシューッ…
女「…折角説明してあげてるんだから、まじめに聞きなさい!」
男「ごめんなさい」
女「…話を戻すけど、笑顔が連続で必要になる場面なら、擬音に変化をつけてあげればいいの」
男「ふーん。じゃあ、さっきのシーンでやってみるか?」
女「いいわよ。じゃあ……」
女「…スタート!」パチンッ!
…
……
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
トコトコ……
男「…あ、こんにちわ」
女「こんにちわー」ニコッ
男「いい天気ですね」
女「そうですね」フフッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
……
…
女「……ってかんじかな」
男「おー、確かに違和感という違和感は…ない」
女「…」
男「…」
女「…」
男「……いや、少しあるな。ないっちゃないけど」
女「どっちよ」
男「いや、ないっちゃないんだ。だけど、俺の思い描いてたシーンとちょっと違う気がして」
女「…思い描いてた?」
男「今のシーン、擬音の追加で俺の中では、」
男「"天気のいい日に歩いていた俺が、可愛らしく笑みを浮かべるお前に出会った"」
男「そういうシーンなんだ」
女「…うん、だから?」
男「最後の"フフッ"って、いまいち力が足りないというか、なんか違和感が……」
女「あー…なるほどね」
男「言いたいことはわかるだろ?」
女「…つまり、こういうことでしょ?」
…
……
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
トコトコ……
男「…あ、こんにちわ」
女「こんにちわー」ニコッ
男「いい天気ですね」
女「ふふっ、そうですね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
……
…
男「……そう!」
女「うん、やっぱり?」
男「なんか擬音じゃなくて、普通にセリフで言って欲しかったんだよ!」
女「ふふっ」
男「…やっぱり、擬音とセリフの掛け合いが大事なんだな」
女「そういうこと。」
男「……しかし、最初のシーンと比べてどんどん良くなっていくな」
女「SSの書き方によって、そのシーンがどう変化していくかは己次第だからね」
女「書き方ひとつで、明るくしたいのに暗く見えちゃったり、緊迫したシーンがお笑いになっちゃうの」
男「…そこは自分で学んでいくしかないっつーことか」
女「うん」
男「挨拶の一つだけでも、表現の違いでどんどん見え方が変わるんだなぁ…」
女「ま、表現力は書いたり、他人の作品を見て覚えていくことが一番いいと思うよ」
男「なるほどなー…」
男「…」
男「ふむ、待てよ……」
女「うん?」
男「…会話のキャッチボールや擬音に関しては分かったが、SSって場面の切り替えって必須じゃん」
女「あぁ、いわゆる段落切り替えとか、区切りとか、別の場面へ飛ばすことね」
男「そういうのはどうすればいいんだ?」
女「…それはそれで簡単よ」
男「教えてくれ」
女「いいけど、そろそろ尺がなくなってきたからソレは次回ね」
男「…オーケー、待ってるぜ!」
女「場面の切り替えや区切りも、SSの必須テクニックだからね。教えてあげるわ」
男「おう、楽しみにしとくぜ」
…………
……
…
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・
【私的SS書き方講座まとめ】
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女「…さて、いよいよ本番なわけで」
男「おう」
女「先ずはどこから教えよっか?」
男「…SSの基本構成とかか?」
女「基本構成、か」
男「今、俺たちが会話してるのもその基本になるんだろ?」
女「うん、正解。このまんまだね」
男「説明っていう説明が難しいな」
女「…そもそも、台本形式SSの進行は"「」"と登場人物で成り立つ会話パートがメインなの」
女「難しく考える人もいるけど、本当はもっと単純なんだよね」
男「会話を考えるのは難しいかもしれないが、まずは簡単なところから書いてみるといいかもな」
女「うん。例えば…挨拶とか」
男「俺らみたいな、男と女が"こんにちわ"と交わすだけでも物語になるからな」
女「そこから、"今日はいい天気ですね"とかのやり取りだけでもSSの一つとして成り立つしね」
男「最も根本的な書き方や、進行を実際にやりながら説明してみるか?」
女「うん、それがいいね」
女「それじゃ…ヨーイ、スタッ!!」パチンッ!
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男「…あ、こんにちわ」
女「こんにちわー」
男「いい天気ですね」
女「そうですね」
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男「…うむ、短いがいい文だな」
女「たった4行だけど、やり取りは凄い伝わってくるね」
男「"これだけ?"と思うかもしれないが、たったこれだけでも立派なSSになってるな」
女「ここから会話のキャッチボールをして、どんどんSSを組み立てていくんだよ」
男「ふーむ…」
女「…」
女「…それじゃ、次のレベルにいってみよっか」
男「次のレベル?」
女「まずは、挨拶と天気がいいですねのやり取りだけでもSSになるのは分かったでしょ?」
女「今度はそこに、SSらしく擬音や色々と追加していってみようよ」
男「ふむ…」
女「擬音っていうのは重要で、その場面場面の雰囲気や実際の行動を現すものなの」
男「例えば?」
女「……えーと、こういうこと!」
男「ん…?」
女「…てぇいっ!」ビュンッ!!
……バキィッ!!!
男「いでぇっ!?」
女「…って感じで、擬音をつけることで殴ったり、叩いたり、色々な場面を再生できるのよ」
男「そ、そうなのか…」ズキズキ
女「じゃあ、さっきのやり取りにちょっとした擬音を追加してみましょう」
男「へい…」
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……
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トコトコ……
男「…あ、こんにちわ」
女「こんにちわー」ニコッ
男「いい天気ですね」
女「そうですね」
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女「……さっきと比べて、どう?」
男「トコトコってのは歩く音、ニコッってのは笑顔か」
女「最初と比べて、だいぶ風景が浮かんできたでしょ?」
男「確かに、シーンを浮かべやすくなったな」
女「たった2つの擬音で、ここまで場面をしっかり浮かべられるようになるって凄いよね」
男「擬音って大事なんだな…」
女「そりゃそうよ、それがなかったら臨場感も何もないし」
男「…臨場感、か」
女「だけどね、擬音はつけすぎてもダメ。逆に訳が分からなくなったりすることが多いから。」
女「ニコッ、ニコッとかばっか笑みの擬音つけてると、その登場人物が変に見えたりするから」ニコッ
男「…今のタイミングとかも、おかしいよな」ニコッ
女「うん…。つけるタイミングも重要で、作者が"ここで笑顔が欲しい"っていう場面のみでつけるのがいいわね」ニコッ
男「…だけど、たまに笑顔が連続で必要なシーンとかあると思うんだ」
男「そういう場合はどうするんだ?」
女「それは簡単。擬音の変化をつけるの」
男「…変化?」
女「ニコッ、ハハハ、クスッ、キャハッ、フフッ、とか。」
男「こわ、きも」
…ゴチゴチィンッ!!!
女「……殴るわよ」ブルブル
男「す、既に殴ってる!い、痛いっ!!」プシューッ…
女「…折角説明してあげてるんだから、まじめに聞きなさい!」
男「ごめんなさい」
女「…話を戻すけど、笑顔が連続で必要になる場面なら、擬音に変化をつけてあげればいいの」
男「ふーん。じゃあ、さっきのシーンでやってみるか?」
女「いいわよ。じゃあ……」
女「…スタート!」パチンッ!
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男「…あ、こんにちわ」
女「こんにちわー」ニコッ
男「いい天気ですね」
女「そうですね」フフッ
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女「……ってかんじかな」
男「おー、確かに違和感という違和感は…ない」
女「…」
男「…」
女「…」
男「……いや、少しあるな。ないっちゃないけど」
女「どっちよ」
男「いや、ないっちゃないんだ。だけど、俺の思い描いてたシーンとちょっと違う気がして」
女「…思い描いてた?」
男「今のシーン、擬音の追加で俺の中では、」
男「"天気のいい日に歩いていた俺が、可愛らしく笑みを浮かべるお前に出会った"」
男「そういうシーンなんだ」
女「…うん、だから?」
男「最後の"フフッ"って、いまいち力が足りないというか、なんか違和感が……」
女「あー…なるほどね」
男「言いたいことはわかるだろ?」
女「…つまり、こういうことでしょ?」
…
……
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トコトコ……
男「…あ、こんにちわ」
女「こんにちわー」ニコッ
男「いい天気ですね」
女「ふふっ、そうですね」
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……
…
男「……そう!」
女「うん、やっぱり?」
男「なんか擬音じゃなくて、普通にセリフで言って欲しかったんだよ!」
女「ふふっ」
男「…やっぱり、擬音とセリフの掛け合いが大事なんだな」
女「そういうこと。」
男「……しかし、最初のシーンと比べてどんどん良くなっていくな」
女「SSの書き方によって、そのシーンがどう変化していくかは己次第だからね」
女「書き方ひとつで、明るくしたいのに暗く見えちゃったり、緊迫したシーンがお笑いになっちゃうの」
男「…そこは自分で学んでいくしかないっつーことか」
女「うん」
男「挨拶の一つだけでも、表現の違いでどんどん見え方が変わるんだなぁ…」
女「ま、表現力は書いたり、他人の作品を見て覚えていくことが一番いいと思うよ」
男「なるほどなー…」
男「…」
男「ふむ、待てよ……」
女「うん?」
男「…会話のキャッチボールや擬音に関しては分かったが、SSって場面の切り替えって必須じゃん」
女「あぁ、いわゆる段落切り替えとか、区切りとか、別の場面へ飛ばすことね」
男「そういうのはどうすればいいんだ?」
女「…それはそれで簡単よ」
男「教えてくれ」
女「いいけど、そろそろ尺がなくなってきたからソレは次回ね」
男「…オーケー、待ってるぜ!」
女「場面の切り替えや区切りも、SSの必須テクニックだからね。教えてあげるわ」
男「おう、楽しみにしとくぜ」
…………
……
…
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【私的SS書き方講座まとめ】
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