◆qqtckwrihのSSのまとめです。完結した作品および、新作告知、Wiki限定連載等を行っております(ハル SS Wiki)

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――――【 1ヶ月後 】


ドラキュラ「…けほけほっ!」

使い魔「…」

女子大生「やっぱりダメ…なんだ」


ドラキュラ「飲めないよ〜……」ケホッ…

使い魔「…なんで、飲めないんだよマジで」

ドラキュラ「わかんないってば…」

使い魔「こんなに美味いのに!」バッ!

…カプッ、チュ〜……

女子大生「んっ……!」ビクッ!



…ゴクンッ

使い魔「相変わらず、最高な血だぜ」

女子大生「ほ、ほめられてるのかな〜…」

使い魔「褒めてるんだよ」

女子大生「あ、ありがとう…?」


ドラキュラ「う゛〜…」


使い魔「…あれから割と早いペースで血に慣れさせようと飲ませていたが。」

使い魔「一向に飲めねーし、マジでどうなってんだよ」


ドラキュラ「だってぇ…」




使い魔「ドラキュラ一族の恥さらしだけじゃなくて、ヴァンパイアの爺様にも怒られるぞ貴様」

ドラキュラ「あぁ〜…!そうだよね、それは嫌だな……」ブルブル


女子大生「…ヴァンパイア爺様?」

使い魔「知らないのか?」

女子大生「え、ヴァンパイアは知ってるけど…。それってこの子じゃないの?」

使い魔「は?」

女子大生「ヴァンパイアって、ドラキュラのことでしょ?」

使い魔「……マジで言ってんの?」

女子大生「え、違うの?」



使い魔「ヴァンパイア様は、ドラキュラの家系を生み出した、いわゆる親のような存在だ。」

使い魔「ドラキュラは、ヴァンパイア家より血を受け継ぐことが許された一族なんだよ」


女子大生「ど、どういうこと?」

女子大生「ヴァンパイアとドラキュラって一緒意味じゃないの?」

女子大生「言い方が違うだけだと思ってたんだけど…」


使い魔「だから、全然違うっつーの!」

使い魔「いいか、耳の穴をかっぽじってよーく聞けよ!!」


女子大生「う、うん」



使い魔「ドラキュラっつーのはそもそも、人間だったヴラド伯爵が始祖でな。」

使い魔「ヴァンパイア様が、ヴラド伯爵をえらく気に入り、その人間に血を分け与えたんだ。」

使い魔「それがドラキュラ一族の始まりであり、ドラキュラ一世がヴラド伯爵ということになる」


女子大生「へ、へぇ〜…!」


使い魔「ヴァンパイア様自身は不死ともいうべき存在で、素晴らしきお方だ。」

使い魔「その血を与えられたヴラド伯爵…つまりドラキュラ一世様は、それに類似した力を手に入れた。」

使い魔「それが血を飲むことで血で力を得ることや、疑似的な不死…転生の能力っつーことさ。」


女子大生「そうだったんだ…」



使い魔「ヴァンパイア様はドラキュラ一族よりも遥かに優れ、不死であり弱点はない。」

使い魔「だが、血を入れただけのドラキュラ一族は、十字架や闇を照らす物に弱いという弱点があった。」

使い魔「……そういうことさ」


女子大生「なるほど〜…。よく分かった、有難うこーくん♪」

使い魔「こーくん言うな!」

女子大生「可愛いからさ…つい」エヘヘ

使い魔「…全部、血を吸うぞコラ」

女子大生「や、やめてよぉ…」



使い魔「……で、まぁ。」

使い魔「何年に1度か、ヴァンパイア様にご挨拶に行くのだが……」

使い魔「この恥さらしを、なぜかヴァンパイア様は気に入っていてなぁ……。」

使い魔「ドラキュラらしくないのに、どうしてなんだか…」ハァ


ドラキュラ「…実はヴァンパイア様がトマトジュース好きで、トマトジュース好きな僕を、好きとか!」

使い魔「んなわきゃねーだろうが!!」

ドラキュラ「お、大声出さないでよ〜!」

使い魔「はぁ、はぁ…。お前らには本当に疲れる……!」



女子大生(……うーん。)

女子大生(確か、この子は弱点が無くて…なぜか血を飲まなくても生きて来れたんだよね?)

女子大生(…)

女子大生(そのヴァンパイア様に気に入られる理由って、もしかして……)


使い魔「…まぁいいや、今日もそろそろ帰るぞ」


ドラキュラ「あ、うん…」


女子大生「お疲れ様〜」フリフリ


ドラキュラ「今日もありがとうございましたっ」ペコッ




女子大生「…」

女子大生「…もー、可愛いっ!」バッ!

ギュ〜ッ!

ドラキュラ「わわっ…!」カァッ

女子大生「ぐりぐり…」グリグリ

ドラキュラ「や、柔らかいのがあたってます〜…!」ドキドキ!

女子大生「また来てね〜!」

ドラキュラ「は、はい〜…!」


使い魔「…ドラキュラの威厳が」シクシク


…………
……







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――――【 マンションの外 】


バサッ、バサッ……


使い魔「はー…。お前さ、もう少ししっかりしろよ」

ドラキュラ「だって〜…」

使い魔「だってもこうもねーんだよ」

ドラキュラ「うぐ…」

使い魔「はぁ〜…。」

ドラキュラ「……あ、そういえばさ」

使い魔「ん?」



ドラキュラ「こーくんはまだしも、僕ってこのサイズで空を飛んでてバレないのかな?」

使い魔「夜の闇に潜む能力があるだろうが。バレるわけねーだろ」

ドラキュラ「そ、そっか…」アハハ…

使い魔「闇に姿を隠して、外を歩く人間に襲うための能力なんだが…」

ドラキュラ「意味ないねっ!」

使い魔「…ッ!」ビュッ!

…ゴチンッ!

ドラキュラ「」プシュー…

使い魔「…ふざけんなっ!」



ドラキュラ「痛いよぅ……」グスンッ

使い魔「あーもうっ!マジで、もっとドラキュラらしくさぁ……」


ドラキュラ「…」

ドラキュラ「……ん〜?」


使い魔「何よ」

ドラキュラ「…マンションの前の電柱、あの人もなんか暗い恰好してるね」

使い魔「ん〜…どれどれ……」

ドラキュラ「…あそこだよ、ほら」



………


???「…」


………


使い魔「…なんだアイツ」

ドラキュラ「っていうか、1ヶ月前もあの人いたような気がする」

使い魔「そういや…そうだったかもしれん……」

ドラキュラ「探偵さんかな?」

使い魔「…さぁ。人間のことはよー分からん」

ドラキュラ「うーん…」



使い魔「…とりあえず帰るぞ。女子大生から貰ったトマトジュースで今日も腹ごしらえだ」

ドラキュラ「今日は3本飲んじゃお〜っと♪」

使い魔「…あと3本しかねーだろうが」

ドラキュラ「早いもの勝ちっ!」バッ!

ヒュオオオオッ……!!


使い魔「あ、待てコラッ!!」バッ!

バサバサッ!

ヒュオオオオオォォォッ……!!!


……………
………
……









……

……
………
……





……



…………
……

……

……






???「…」

???「…」ハァハァ…

???「…」

???「…」ブツブツ…

???「…」

???「……女子大生ちゃん」


ストーカー「……っ」ハァ…ハァ…


…………
……




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