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神々の系譜とは、ラピタ王国において編纂された宗教書、聖典。成文化された聖典や、系統だった信仰を持たなかったラピタ古来の宗教を作り直す役割を担った。
作者はポマレ3世からポマレ4世の時代にかけて活躍した王族リコ王女。

成立

本書が成立したのは1800年代初頭のポマレ4世の時代である。この頃王国は、伝統的に採っていた異文化圏の外国からの文物流入抑制策を捨て去り、積極的な貿易を志向していた。
それに伴い、諸外国からは様々な品物や文化、宗教が大量に流入し、王国の生活は大きく変わりつつあった。特にソティル教太陽教は旧来の信仰に比べて明確な教義と聖典を持っていた為、急速に市民の間に広がり、信徒が日に日に増加していった。
これに危機感を持った旧来の神官達は、単なる外国憎悪の煽動だけでなく、現在の曖昧な信仰をより明確にすることで、より説得力ある宗教に「転んだ」市民達を取り戻す必要があることを認識。彼らは当時最高神官として、神々の祭祀を執り行っていたリコ・ティナ・ポマレ王女(ポマレ3世の王女。ラピタ文字を開発し、多くの著作を残した。「ラピタ文学の母」とも)に対し、ラピタ語、ラピタ文字を用いた民衆にも分かりやすい「聖典」を執筆する事を要請した。彼女はこれを受け入れ、ピリカ叙事詩や大詩篇の他、老年の神官たちから聞き取った内容を典拠とした、ラピタの伝統宗教における初の聖典として、本書を完成させたのである。(ポマレ4世12年に初版が神殿と国王に献納された)

内容・構成

本書は主に、典拠からの記述引用とその解説を行なった「逸文」、各地の神官や異教徒との議論を収録した「問答」、そして信仰に関わる問合せと返答の「書簡」の3つで構成されている。
これらは内容上の違いでも区別され、逸文では主に典拠から読み取れる神話や由緒に焦点を置き、問答では日常の信仰や禁忌について触れられている。書簡はこれら二つが混淆されており、主に古来の伝承の解釈や典礼の是非についての議論が含まれている。(書簡については複数の人間のものが入り混じっており、リコ王女によるものは約半分程度)
現在伝わる形での構成文書は以下の通り。

逸文
1.天地の起こり
2.タアロアの伝
3.カーネの伝
4.クーの伝
5.ロノの伝
6.生きとし生けるものの由緒
7.タアロアの息子オロの伝
8.その他の神々とその子供達の伝
9.始まりの人々の伝
10.殊に徳の優れた人々の伝
問答
1.王女とタアロアの神官達の問答 その一
2.王女とパペーテの神官達の問答
3.王女と書記官達の問答
4.王女と民草の問答
5.タアロアの神官達と外国人達の問答
6.ライアテアの神官とラピタの神官の問答
7.王女とタアロアの神官達の問答 その二
8.タアロアの神官とカンタバンの司祭の問答
9.モトゥタエ国の堂守とラピタの神官の問答
10.王女と太陽の異教徒達の問答その一
11.王女と太陽の異教徒達の問答その二
12.タアロアの神官と異教徒達の問答
13.その他の人々の小さな問答
14.古き幾つかの問答についての問答
書簡
1.王女とパアオの往復書簡 その一
2.王女とパアオの往復書簡 その二
3.パペーテの神官達への書簡
4.ポマレ3世からハワーラの神官達への書簡
5.モモ王子と王女の往復書簡
6.トゥレマイファノノの神官への書簡
7.オロヘナの守り手への書簡
8.ソティル教司祭イアンダールへの書簡
9.王女への書簡 その一
10.王女への書簡 その二
11.王女への書簡 その三
12.王女と隠者ナンシャウペの往復書簡
13.ウツロアの神官への書簡
14.ピアイウィの神官とウツロアの神官の往復書簡
15.ロイ・ナムルのアリイへの書簡
16.ホーゴーのアリイへの書簡
17.オルダム号船長への書簡
18.教会の異教徒への書簡
19.太陽の異教徒への書簡 その一
20.太陽の異教徒への書簡 その二
21.聖歌についての諸書簡
22.禁忌についての諸書簡
23.食物に関する諸書簡
24.幾つもの短い諸書簡

評価・影響

本書は数あるラピタ文学の諸作品の中では、あまり高い評価を受けていない。何故ならば、文学としては独創性が乏しく、歴史書と見るならば現実性が乏しいからである。また、内容の殆どが民衆の宗教観ではなく、タアロアなどの都市に住む特権的な王族・神官層の物を伝えている点も本書の評価を低めている。(特に社会主義国の研究機関において)
その一方で、問答と書簡に残された議論については、当時ラピタで行われていた神学・哲学研究の高度さを表していると評価され、後に多くの文学作品を生み出す土壌を作ったと認められている。
ちなみに、本書は民衆に広く流布し、主として日常生活に関わる禁忌や食物の制限の典拠となった。故に、どこの村にもパピルスに記された本書の抄編が保管されており、よく知られた名前となっている。

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