エロパロ板「おむつ的妄想」スレッドに投下された作品のまとめwikiです。

111 :名無しさん@ピンキー:2015/03/02(月) 18:38:47.04 ID:U17fgwAK
盆の帰省、渋滞中の車内。まだ旅は始まってもいないのに、運転する父も助手席の母もしょぼしょぼしている。私もそうだ。
後部座席、私の隣ですやすやと夢に遊んでいる妹の明日世の気持ち良さそうな寝顔が恨めしい。
朝の出発が早かったので睡魔に勝てなかったのだ。眺めていると小さな声で何かむにゃむにゃ言い、脚をよじった。

「何の夢見てんのかな」
「ファンタジーとかそういうのだろ」

おめかしした明日世の可愛い寝姿を見て、私は本当に自分の妹?と疑問を感じる。
地味な自分とは似ても似つかない容姿で、周囲から常にチヤホヤされているようだ。

あまりに愛らしいのでしばしそっとしておいてやっていると、ふいにもわっ、とした微かだが嗅ぎ慣れたにおいが漂ってきた。
明日世はおねしょのにおいが強いので気づきやすい。おむつを使ってしまっている事を目でも確かめる。

妹の数多ある瑕疵の一つ、それが眠ってる時におトイレを失敗してしまう病気。そのせいで、誕生以来ひと晩としておむつなしで寝た事がないほど。
しかし、明日世は未だにほとんど気にしてないみたいだ。私がからかうと恥ずかしそうにするが。

「明日世、もうしちゃってるっぽいよ」
「ホント?小さいほう?」
「もちろん」
「履かせておいて良かったわ……」

昼間のお漏らしのない明日世だったが、朝、明らかにおねむだったので念のためにさせたのだった。

「麻千、明日世ちゃんを着替えさせてやってよ」

母がそんな事を言う。

「ヤダよ、ばっちい……それに明日世を何歳だと思ってんのよ」
「嘘嘘。しないでいい、車の中ににおいが付いたらたまらん」
「ホント、不名誉にもほどがあるわ、明日世ちゃん」
「せめて、オシメさえ取れればな」

明日世にお着替えをさせるのは次のSAでのトイレに回された。車は動かない。
いつもならうるさいほど喋る妹に気を紛らせてもらえるが、それがないのでより時間が引き延ばされて感じる。何より寂しい。

「明日世、起きな明日世」

涎をつつっと垂らし、ちょっとやそっとじゃ起きないだろうさまを見せていた明日世だったが、ちょっと触れてやったら目を覚ました。

「ふぁ…………あれ、ウチ、寝てた?」
「寝てた寝てた、もう熟睡」

明日世は半ば寝かかったまま、でもおしりの気持ちわるさには気づいたようだ。
おむつを脱ぎ、丸める。車内ににおいが充満した。

「おいおい、やめろよ俺の車で……」

腰を清め、鞄から普段の下着を取って履き替えると、明日世が普通に喋りだした。

「今、何時?」
「8:00、あと2時間で到着だな」
「じゃあ、もう一眠り出来ちゃう……」

そう言いつつ、明日世は眠ろうとしない。睡眠モードから離れちゃったみたい。

112 :名無しさん@ピンキー:2015/03/02(月) 18:51:51.08 ID:U17fgwAK
うとうとしつつも意識は戻ってきているよう。

「めっちゃ良い寝顔だったよ……何の夢だったの?」
「何見てたかな。あ、そうそう、教習車に乗っててね、運転上手いねっていっぱいほめられる夢」
「それ、絶対ありえないやつじゃん」
「ひどっ」

明日世は自動車教習中だが、絶望的に運転のセンスがない。なのに父譲りなのか、自動車が大好き。世界はそういう些細な矛盾で満ちている。

「お前、渋滞なのに嬉しそうだな」
「だって、周りの車まじまじ見れるじゃない?」
「似ないでいい所俺に似たな」
「アンタは楽しそうでいいね、明日世」

しばしそうやって話していた。明日世がわいわい喋るので私達もありがたい。次第に話題は帰省先にいる親戚の事へ移る。

「そういえば、ひろちゃん、おねしょ治ったみたいよ」
「ひろちゃん、来年小学校だったよね?
偉いなあ」
「ウチ、ひろ姉にまで置いていかれちゃったよ〜……」

幼稚園児のひろちゃんが治癒したので、親戚一同でのおねしょ卒業レースの最下位は断トツで明日世だ。
私達には幼い親戚が6人いて、トイレ関連はみんな優秀。だから明日世はいっつも馬鹿にされる。
みんなにとって、明日世が未だにおむつっ娘であるという事実が一番のお気に入りなのだ。やっぱりそういう話が大好きな世代なのである。

明日世は明日世でノリが良いので、彼らをお兄、お姉と呼んで遊んでやっている。
なんだかんだみんなも本気で明日世を赤ちゃん扱いしているのではないのだろう。

「友哉君は、夜のおむつも取れるの早かったよね」
「早いうちからパンツで寝てたからね、気持ちが赤ちゃんに戻っちゃうのがダメだと言って」
「その代わり、寝小便が治るまでは布団干すのが大変だったらしいがな」
「明日世ちゃんも、そうやって育てれば良かったかな」

明日世ちゃんのせいで肩身が狭いわ、とぼやいている母に、明日世もさすがにしょんぼりと気を落としてしまう。

「友哉兄ホントいい奴でさ、ウチの事いじめた後でちゃんと謝るんだよ。可愛いでしょ?」
「確かに可愛い、でも謝るなら最初からいじめるな過ぎる」

私達は、ちっちゃい親戚とたまに集う事をとても楽しみにしていた。彼らの成長にはドラマのように目を瞠るものがあるからだ。

113 :名無しさん@ピンキー:2015/03/02(月) 19:24:02.78 ID:U17fgwAK
話の切りがついた。すると、明日世が私にそっと耳打ちする。

「あのね、麻千姉……ちょっとおトイレ行きたいんだよね」
「ちょっとなら我慢しな」
「間違えた、ちょっとじゃなかった!
非常に行きたい非常に」

おしりのもぞもぞで、高まった尿意が私に伝えられる。
それにしても、明日世がそんなになるまで我慢するなんて珍しい。そういう事態に陥るのはむしろ私の方が多い。
私は驚きをそのまま言い表す。

「大体、眠ってる内にジャアジャアやらかしといて、まだ出るの?
小便女」
「出し切らなかったの。てか、今の言い方ホント最低」

私と普通に話をしながらも、実際の水量はもう相当な感じだ。明日世の頬がぽわわと赤みがかる。

「もうちょいでSAだから、溜めて、溜めて」
「もうちょいって、全然車進まないじゃないっ」

予想以上に切羽詰まっていたのか、明日世がもう半泣きだ。
新しいおむつ履いて全部染ませればいいのに……と、私、そして多分両親も冗談交じりに思っていたが、それは明日世の中では許せないのだろう。
眠る時におむつを手放せない明日世だが、目が覚めている際のお漏らしは当然ながら成長して一度もない。

「簡易トイレ積んでないの?」
「悪りぃ、そういうのないんだ。
だってお前達、そんなの必要ないはずの歳だろ」
「そんなぁ……」
「小便すら我慢出来ないのか、馬鹿娘が」

明日世はもう私らの目も気にせず恥を捨てて、おさえてせき止めている。

「観念して漏らしちゃいな」
「マジで言ってるの!?
シートべたべたにしちゃうじゃん!」
「あ、それなら、予備のおむつが鞄に入ってるでしょ?明日世ちゃん」
「いやいや、使わないから!それ、今晩以降使うやつでしょ」

明日世の焦りとは裏腹に車内は穏やかだ。笑ってからかう三人と、目の潤んだ明日世を乗せた自動車、まだまだ止まったまま。
今年の夏旅もてんやわんやになりそうだ。

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