エロパロ板「おむつ的妄想」スレッドに投下された作品のまとめwikiです。

 目的の場所は、もう見える距離にまで来ていた。あの門を抜けれ
ば、この苦しみからの解放が待っている。それなのに、あと少しの
その距離が、ひどく遠くに感じられた。
 押さえる手の下で、お腹が小さく音を上げた。同性人気の高そう
な、すっきりとした顔立ちが、苦悶に歪められる。塀に肩をかけて
立ち止まった少女は、制服のポケットからハンカチを取り出し、額
ににじんだ汗をぬぐった。大きく、短く、呼吸を重ね、苦しみの時
が過ぎるのを待つ。
(もう・・・少し・・・)
 苦痛の波が収まるのを待って、少女は止めていた足を動かした。
強い日差しの影響もあってか、額にはまた汗が浮かび始めている。
加減しながら進める足の遅さが、自分でももどかしいのだろう。奥
歯をかみ締める横顔に、焦りが見えている。
(つ、着いた・・・)
 永劫にも感じられる時間の後、少女は目的の門を抜けていた。程
近い玄関に向かい、震える指でチャイムを鳴らすと、そのまま両手
でお腹を抱え、その場にうずくまる。
「はぁーい」
 気の抜けた声と共に、玄関が開かれる。同じ制服を着ていなけれ
ば、小学生としか思われないような少女がそこにいた。幼い顔つき
といい、低い身長といい、未発達の体型といい、年齢を騙っている
としか思われない。
「あぁ、琴奈。遅かったねぇ」
「さ、皐月。早く、トイレ・・・」
「とりあえず入りなよ」
 友人の苦悶を冷酷に見下ろす少女には、相手の事情を汲み取る意
思は感じられなかった。這うようにして移動する姿に笑みを浮かべ、
手を貸そうともしない。


「は、早く、トイレに。洩れちゃう、洩れちゃうから!」
「別にいいんじゃない? ちゃんと言われたとおりにしてるでし
ょ?」
「し、してるけど、でもっ!」
「んー、とりあえずさあ、判りやすい格好になってくれない?」
 相手の焦りを意に介さない様子で、にやにや笑いを続けている。
言葉の意味が判らないほど、短い付き合いではない。琴奈は唇をか
み締めながらスカートの留め金に指を伸ばし、少し長めのそれを落
とした。
「うん、ちゃんとしてるねぇ。かわいいよ、琴奈」
 スカートの下からは、少女の年齢には不相応な下着が顔を見せて
いた。全体にふっくらとした、股間部分がやけに厚ぼったいそれは、
成人用に作られた紙おむつだろう。上半身だけになったセーラー服
とあいまって、やたらと卑猥に映る。
「ちゃんと、ちゃんとしてるからっ! だから、トイレにっ!」
「あわてない、あわてない。とりあえず、ついて来て」
「くぅぅ!」
 かなり切羽詰った状況なのだろう。琴奈はスカートを拾いもせず
に立ち上がった。両手でお腹を押さえ、前かがみの中腰で足を進め
る。
「ど、どこ行くの?」
 トイレは玄関のすぐ脇にある。しかし皐月は、逆に向かって歩い
ていた。琴奈の問いかけを黙殺し、ドアの前で足を止める。


「ほら、入って」
「そこ、リビング・・・」
「そだよ」
「どうして・・・トイレは・・・」
「いいから、入るの」
 ドアを開いた皐月は、有無を言わさず琴奈をひきずり込んだ。お
腹に力を入れられない状況では、逆らいようもない。少女はよろめ
きながらリビングに入り、言葉を失った。
「お待ちしていましたよ、琴奈さん」
 上品な笑顔を浮かべた、同年代の少女がそこにいた。人も育ちも
よさそうな、おっとりとした声。しかし、眼鏡の向こうの瞳には、
人を見下した光がある。その脇には、どこかのんきな印象を受ける
少女が控え、悲壮な雰囲気を纏った、下着姿の少女の姿もあった。
他にも何人かの、すべて同年代と思える少女たちがそろって琴奈に
目を向けている。
「だ、誰?」
「あたしのお友達だよ」
 おむつを手で隠しながら後ずさった体を、皐月が押さえた。少女
たちの輪の中に押し出し、微笑を浮かべる眼鏡の少女に向き直る。
「おまたせ、彩音さん」
「ふふっ、これで揃いましたね」
 見知らぬ少女は穏やかに笑いながら、かわいらしく小首をかしげ
た。他の少女たちは、それぞれの表情で琴奈と、その股間の紙おむ
つを見比べている。身の置き所がないというのはこのことだろう。
琴奈はその場にへたり込み、便意と戦いながらも股間を手で隠して
いる。


「聞いていたとおり、かわいいですね。おむつがとってもお似合い
です」
「い・・・やぁ、見ないで・・・」
「ふふ、恥ずかしがらなくていいですよ。一人だけじゃないですか
ら」
「・・・?」
 不思議な言葉に顔を上げた琴奈に微笑み、彩音は傍らの少女の頭
をなでた。少女はうれしそうに目を細め、彩音に頭を預ける。
「今日は琴奈さんに合わせて用意をさせました。千里、琴奈さんに
お見せして」
「はぁい」
 ぴょこんと立ち上がった少女が、琴奈に向き直った。はにかみな
がらスカートに手を掛け、前を持ち上げる。
「あ・・・」
「えへへぇ、かわいいでしょ。クマさんだよ」
 予想はできたが、それでも目にすると驚きが勝った。千里と呼ば
れた少女の股間は、パステルブルーのオムツカバーに包まれ、その
真ん中でファンシーな小熊が微笑んでいる。恥ずかしいとは思って
いるらしいが、千里はどこか誇らしげに、それを見せ付けていた。
「布おむつなの?」
「ええ、そうです。布がいいと言うものですから」
「だってぇ、やわらかいしあったかいんだもん」
「紙だって、最近は柔らかいよ」
「そうだけど・・・、お漏らししたときの感じが違うんだもん」
「あー、はいはい、そうですか」
 拗ねた様子で唇を尖らす姿に、皐月が呆れ顔で首を振った。くす
くすと押さえた笑いをこぼしていた彩音が、促されて咳払いをする。
「葵さん、莉央さん、お願いします」
「はい」
「はーい」
 求めに応えて、二つの返事が返された。たおやかに正座している
少女が頭を下げ、元気さが前面にでた、あどけない少女が右手を大
きく上げている。


「涼」
「はいな」
 葵がしとやかに呼びかけると、傍らで胡坐をかいていた少女が勢
いよく立ち上がった。顔立ちも服装も中性的で、黙っていたなら美
少年で通ってしまいそうな感じがある。
「よっと」
 履いていたショートパンツを勢い良く脱ぎ落とした涼は、両手を
腰に当て、胸を張った。堂々と立つには不似合いな、パンツタイプ
の紙おむつが股間を覆っている。幼児が履いているならトレーニン
グパンツと呼ばれるだろうが、この年代で履いている場合、なんと
呼ぶべきなのか迷ってしまう。
「トレパンでいいのかなぁ?」
「どうなのかな?」
 手のひらでトレーニングパンツを撫で、首をかしげる。千里とい
い、涼といい、割り切ってプレイを楽しんでいるのが伝わってきた。
それはそれでいいのだが、どこか面白みに欠けると感じるのは、贅
沢というものだろうか。
「皐月さんには、この子たちの方が好みじゃないかな」
 顔に想いが出ていたのだろう。立ち上がってなお小柄な莉央が、
二人の少女を皐月の前に押し出した。共に長いスカートを履き、頬
を染めて俯いている。身長も揃って高く、年上だといわれても何の
違和感も感じない容姿をしている。眼鏡をかけた優等生っぽい少女
と、存在感と表情に乏しい暗めの少女。豊満な肢体と、よく表現し
てスレンダーなボディ対比するのが気の毒になるような組み合わせ
の二人だが、仲は悪くないらしい。互いに隣に立つ少女をよりどこ
ろにしているような、そんな雰囲気がある。
「こっちの委員長さんが恭子ちゃんで、大人しいのが海晴ちゃんだ
よ」
 紹介を受け、二人は揃って軽く頭を下げた。だが、他の少女たち
のように、自分から行動を起こそうとはしない。困り顔を見せた莉
央は、本人たちによる自己紹介を諦めたらしく、前に進み出て二人
のスカートをつまんだ。


「海晴ちゃんは、琴奈さんとおんなじです。恭子ちゃんは、おむつ
とは違うんですけど、似たようなものなんで連れてきました」
 莉央にスカートを捲り上げられた二人は、それぞれの表情で恥じ
らいを示している。うんうんとうなずく皐月の目は、海晴の股間の
紙おむつと、恭子が履いているキャラクターパンツとを交互に見や
った。
「うーん、いいねえ。お子さまパンツがたまらないねえ」
「いいでしょー? 恭子ちゃんって、すごく大人っぽいから、この
ギャップがたまらないんですよねー」
「いやあ、判ってるねえ」
 腕を組んで何度もうなずく。嘲るような視線を向けられた恭子は、
逃げ出したいのに逃げ出せず、もじもじと体を揺すった。つられて
股間に位置するアニメキャラが動き、無理に履いている小さなパン
ツが食い込みを増す。
「さあて、それじゃ順番に話を・・・ん?」
 一通りの紹介を終え、話を進めようとした皐月のスカートが、強
く引っ張られた。目を落とすと、床にうずくまった琴奈が涙を浮か
べて見上げてきている。
「琴奈、どしたの?」
「ば、ばかぁ・・・。あんたが、あんたがのんびりしてるから・・・」
 見るうちに涙が零れ、頬を伝った。そのまま床に突っ伏し、大声
で泣き始める。
「うわああっ! ばかっ! ばかばかっ! 皐月のばかあっ!!」
 ぶっ! ぶぶっ! びぶぶぶぅ! ぶずっ! ぶぷぅ!
 泣き声に負けまいとするように、突き出されたお尻からも異音が
響いている。同時に広がり始めた臭いもあって、何が起きているの
かは明らかだった。恥ずかしさと悔しさに泣きじゃくる琴奈の姿を、
一部を除いた少女たちは面白そうに眺めている。千里や涼の顔には、
どこか羨むような景色さえあった。


「あーあ、もらしちゃったんだね、琴奈」
「あんたが・・・、あんたが悪いんじゃない!」
 顔を伏せたままで、それでも反論してくる。勝ち目のない反抗の
声を心地よく聞きながら、皐月は膨らんだおむつに手を乗せた。
「ふーん、私のせいなんだぁ」
「ひいっ!」
 小さな手が、容赦なくおむつを抑えた。生暖かい感触がお尻に広
がり、琴奈が思わず悲鳴を上げる。
「我慢できなかったのは琴奈なのに、私がわるいんだぁ」
「や、やめて! やめてえっ!」
「やめないよぉ。わるい子にはおしおきが必要だからねぇ」
「ご、ごめんなさい! ごめんなさいいっ!」
「んふ、判ったみたいだねえ」
 謝罪の悲鳴に、皐月がようやく手を止めた。手のひらを顔に寄せ、
臭いを確かめる。琴奈は床に突っ伏したまま、短い嗚咽を繰り返し
ている。
「それじゃ、予定通りに進めようか」
「よろしいのですか? 琴奈さんのおむつを取り替えなくて」
「ああ、いいの、いいの」
 彩音の気遣いに、皐月はひらひらと手を振った。助けを求める琴
奈の視線を跳ね返しながら、意地悪く答える。
「琴奈は悪い子だから、しばらくこのままにしておくよ」
「そうですか。では、私からお話しますね」
「よろしくぅ。ほら、琴奈もちゃんと座って聞いて」
「ひあっ!」
 うずくまる少女の体を起こし、お尻を床に着けさせる。零れた悲
鳴を聞き流した皐月は、話を止めようとした彩音に続きを促した。
「私たちは、公園に遊びに行ってきました」
 スカートを脱ぎ捨てた千里と、下着姿のままの少女を前に押し出
し、彩音が語り始める。クッションに座りなおした皐月は、目尻に
涙を溜めた琴奈の体を抱き寄せた。身をこわばらせた琴奈の耳に、
彩音の声が緩やかに流れ、いつしかそれは、直接頭に響き始めてい
た。


 ピンクのロンパースを纏った千里の手を引きながら、公園の遊歩
道を歩く彩音は、目的のベンチに人影を見出して足を速めた。膨れ
たお尻を振りつつ、急いで付いていく千里の姿を、すれ違う人々が
笑みで見送る。
「早かったのですね、秋乃さん」
「お待たせするわけにいきませんし・・・」
「ふふ・・・、自分の立場をよくお判りですね」
 読んでいた本をしまい、顔を上げたのは、押しに弱そうな雰囲気
を持った少女だった。優しげに微笑む彩音を見上げる瞳が、既に不
安に揺れている。ロンパース姿の千里にすらも、怯えた反応を示し
ている。
「何をするかは判っていますね?」
「・・・散歩・・・です」
「判っているなら、準備をしてください」
 言葉は丁寧で、物腰もやわらかい。それでいながら、不思議なほ
どに威圧感がある。秋乃と呼ばれた少女はおびえた様子で頷き、着
ていた服に手をかけた。わずかとはいえ通行人も見える中で、全て
を脱ぎ落としていく。ためらいながらも、最後の下着を脱ぎ落とし
た秋乃は、それらを足元で畳むと、恭しく彩音に差し出した。当然
のようにそれを受け取り、背後のベンチに置いた彩音の前で、秋乃
は両手で体を覆っている。通り過ぎる人々は、蔑みの視線や失笑を
投げかけながら、それでも何をするでもなく通り過ぎていった。
「準備できましたね。それで、今日のテーマということで、こんな
ものを用意してきました」
「・・・・・」
 鞄から取り出されたものを目にし、秋乃が俯いた。逃れられない
と判っているのだろう。どこか諦観を感じさせる、弱いため息がこ
ぼれている。
「犬用のものだと、足が通りませんからね。仕方がないので、これ
にしたんですよ」
 目の前に突き出されたパンツタイプの紙おむつを、秋乃は無言で
受け取った。命令の言葉を待つこともなく、自らの手でそれを履く。
上目で彩音の表情を伺った少女は、そこに満足の笑みを見出すと、
二人の少女の前で膝を突き、両手を地面に落とした。
「千里ちゃん、お願いね」
「はぁい」
 うれしそうに頷いた少女が、ポケットから首輪とリードを取り出
した。四つんばいのままでじっと待っている秋乃の傍らにしゃがみ、
慣れた手つきでそれを巻きつける。
「では、散歩を楽しんできてください」
「はーい、いってくるねえ」
「ああ、そうそう・・・」
 ベンチに腰を落とした彩音が、思い出したように手を打った。首
だけ振り向かせている一匹に向けて微笑みかける。
「散歩のルールはいつも通りですからね」
「・・・わん」
 か細く了承の鳴声を返し、秋乃は手足を動かし始めた。引かれる
ようにして付いていく千里の、大きなお尻を見送った彩音は、傍ら
の衣服を鞄にしまいこむと、文庫本を取り出して目を落とした。


 昼中の公園には、場所にもよるが、それなりに人が散らばってい
る。そんな中に、全裸に近い格好の少女が、四つんばいで入り込ん
でいけば、人目を引かずにはいられない。あまつさえ、その首輪か
ら伸びるリードを持つ少女が、お尻を膨らませたロンパース姿をし
ているとなれば尚更だろう。
 豊満な胸を揺らしながら進む秋乃と、うれしそうにリードを握る
千里の周りには、数十人規模の人垣が出来上がり、悪意に満ちた囁
きを交わし始めていた。
「うわあ、たくさんの人が見てるよぉ」
「・・・・・」
 千里は状況を楽しんでいたが、秋乃のほうはそれどころではない
らしい。手は激しく震え、時折崩れそうになっている。顔を上げる
ことなどできず、長い髪を垂らして視線から逃げようとしている。
「たいへんだね、秋乃ちゃん。がんばってね」
「・・・無理。こ、こんなの・・・」
「だ、駄目だよ。早くしてくれないと、帰れないじゃない」
「・・・・・」
 散歩を終わらせるために、何をしなければいけないのかは、判っ
ている。今までに何度も繰り返してきてもいた。ただ、今日は、い
つもと違っている。あまりに多い観客と、馴染むことのできない下
着とが、するべきことをさせてくれない。
「遠くに行くほど、帰りが辛いんだよ。だから、ね?」
「・・・」
 その言葉に、秋乃の足が止まった。震える背中と、大きくうなだ
れた頭とが、少女の決意を伝えている。体を支える両手の間に、ぽ
つりぽつりと雫が落ちた。
「・・・ん、・・・んぅう」
 低い唸りが風に乗った。背中の震えが種類を変え、紙おむつの奥
からは粘りのある濁音が漏れ聞こえる。少しずつ、おむつのお尻が
膨れるにつれ、千里に届く臭いが強まっていった。回りを囲む野次
馬たちの囁きが増し、揶揄の声のいくつかは、はっきりとした形で
少女たちにも届けられた。
「終わったの?」
「・・・・・」
 恐る恐る振り返った瞳が、涙に揺れている。小さな頷きがそれを
こぼれさせ、頬を走らせた。千里はそれを拭いてあげることもせず、
手に持ったリードを強めに引く。
「それじゃ、帰るよ」
「くぅん!」
 めずらしく強い声で訴えた秋乃が、四肢を突っ張った。切なげに
見上げ、瞳で自分のお尻を指し示す。
「いいでしょ、そのままで。ほら、行くよ」
「んー!」
強く眉をしかめ、激しく首を振る。むずかった顔を見せていた千
里も、ついに根負けしたらしい。ため息と共にしゃがみこみ、鞄か
ら大きなビニール袋を取り出した。
「外すだけだよ。拭くのは後だからね」
「わ、わん」
 いらついた声に押し切られ、秋乃は仕方なしに頷いた。小さな手
がおむつをつかみ、中身を落とさないよう慎重にずりおろしていく。
お尻全体に広がっていた気持ち悪さから開放され、秋乃がほっと息
を吐いた。出したものの臭いに直撃された千里のほうは、逆に息を
つめて作業を進めている。


「もう、臭いんだからぁ」
 ぶつぶつとつぶやきながら、脱がせたおむつを袋に入れる。厳重
に口を閉じて別の袋に入れ、その口もしっかりと縛る。
「これでいいでしょ? ほら、帰るよ」
 できれば拭いて欲しかったに違いないが、焦った声に押し切られ
るように、千里が手足を進めた。茶色く汚れたお尻から、小さな塊
が太ももへと伝い、時折地面にまで落ちる。あれなら、おむつをし
てたほうがよかっただろうという声が、背後から投げつけられた。
ちゃんと始末してやれよという声も聞こえてくる。
「ほらっ、早く、早くっ!」
 それらの声を無視して、千里はリードを引っ張った。おむつをあ
てた状態では精一杯の内股で、半ば小走りになっている。ついには、
空いている手で股間を押さえるに至り、急ぐ理由が誰の目にも明ら
かになった。観客たちに笑いが広がり、少女の背中を激しく叩く。
「あっ、やあぁ・・・」
 笑い声の中を必死に進んでいた少女の足が、小さな石に躓いた。
転ぶのだけは何とか逃れたものの、大きな被害は避けられなかった。
股を抑えたままの少女は、呆然と前を見たままで固まっている。程
なくして体が小さく震え、行為の終わりを周りに告げた。
「あうぅ・・・、ごほうびがぁ・・・」
 股間に手をあてたままの格好で、その場にへたり込む。どうやら、
彩音と何か約束していたらしい。失望に満ちたため息が、深く長く
尾を引いた。
「ひゃんっ!!」
地面にぺたりと落とされていた、もこもことしたお尻に、何かが
不意に触れた。驚いて腰を浮かせた千里の目に、肌色の塊が映る。
「ちょっとぉ、なにしてるのぉ?」
 足に絡みつき、お尻や股間に顔を寄せようとしてくる頭を、両手
で押し戻す。秋乃はそれにもめげずに、何とか臭いを嗅ごうと動い
た。ロンパース姿の少女と、汚れたお尻の全裸の少女との絡み合い
に、見物人たちから歓声が上がった。千里は困った様子で秋乃を追
い払おうとするが、さっきまで俯いていた秋乃が、今は何も気にし
た様子を見せずに、ひたすら千里のおむつを狙っている。


「もうっ! やだあっ!」
 何とか先に進もうとするが、そのたびに秋乃が邪魔をする。足を
つかみ、お尻に鼻を押し付けようとする頭を押さえれば、すばやく
前に廻って顔を突き出してくる。千里は強引に足を出そうとしたが、
その足を掴まれてしまい、前のめりにたおれ込んだ。すばやく近寄
る秋乃から、身を反転して逃れたものの、仰向けで開いた足の間に、
黒髪を揺らした少女が割り込もうとしてくる。あまりのしつこさに
半泣きになりながら、千里は両手で、せりあがってくる頭を押し返
した。
「まあ、楽しそうですね」
「あ、彩音さん?」
 不意に投げかけられた声に、驚きながらもすがりつく。千里は秋
乃の頭を押し戻しながら、最初のベンチで待っているはずだった少
女に助けを求めた。
「なんとかしてよおっ! 秋乃ちゃんがしつこいのっ!」
「うふふっ、仕方ないですね」
 穏やかな笑みに安堵を浮かべた千里だったが、期待は直後に裏切
られた。
「お漏らしした千里ちゃんが悪いんですよ。秋乃さんはその臭いが
大好きですから」
「ええっ!?」
「そんなに一生懸命なんですから、ちゃんと嗅がせてあげてくださ
いね」
「あっ、やだっ! やだあっ!」
 抵抗していた両手が、彩音につかまれた。阻むものを除かれた秋
乃は、淡い笑みを浮かべて千里の股間に顔を寄せた。うっとりと目
を細めながら、おしっこをもらしたばかりの、おむつの臭いを吸い
込んでいる。
「ああんっ! 嗅いじゃだめえっ!」
 漏らしたおしっこの臭いを嗅がれるのは、誰にとっても嬉しい体
験ではないだろうが、千里もまた、その点では同じ感性を有してい
るらしかった。
「助けてっ! 彩音さん、助けてえっ!」
「仕方ありませんねえ」
 残念そうに微笑み、彩音は秋乃を呼び寄せた。傍らに控えさせる
と、千里がゆっくりと体を起こし、息を整える。
「千里ちゃん、こちらにおいでなさい」
「へ・・・?」
 呼ばれて顔を上げると、彩音が傍らのベンチを示していた。穏や
かな威圧に逆らえず、その前に立つと、さっそく秋乃が体を寄せよ
うと動く。彩音はそれを片手で押さえ込み、千里に座るよう促した。
「おむつを替えましょうね」
「え・・・?」
 落ち着いた声で宣告され、千里は周りを見渡した。適度に離れて
いるものの、何をしているのかは十分判る距離に、多くの見物人が
いる。おむつをして歩くのも、漏らすのも慣れてきたが、人前でそ
れを替えられるのは、今までに経験が無い。ためらい、拒もうとし
た千里の声に先立ち、彩音が言葉を重ねた。
「おむつが汚れたままだと、この子はずっと絡みますよ」
 その言葉を裏付けるように、秋乃が体を乗り出した。ベンチの上
で身を引いた千里は、困惑に包まれながら、上目で彩音を伺ってい
る。絶えることの無い優しい微笑は、その視線を受け止めはするも
のの、何も返そうとしない。
「・・・しないとだめ?」
「すっと秋乃さんと遊びたいなら止めませんよ」
「うぅ・・・」
 押し切られた格好で、千里はベンチに体を横たえた。横目で野次
馬たちを伺い、両手で顔を覆う。その間からこぼれ出る、荒く乱れ
た息に、彩音が頬を綻ばせた。


「さあ、きれいにしましょうね」
 揃えられていた膝を開き、ロンパースの股ホックを外す。柔らか
な生地の下から、ファンシーなクマの笑顔が覗き、漂っていたおし
っこの匂いが強まった。傍らから首を伸ばした秋乃が、目を細めて
鼻を鳴らす。
 しなやかな指が、オムツカバーにそっと触れる。千里の体がびく
りと竦み、強張った。彩音は躊躇うことなくホックを外し、オムツ
カバーを開いた。T字に組まれた布が露になり、股を中心にした黄
色い染みをさらけ出す。それまでとは比べられないほどのアンモニ
ア臭が立ち上り、秋乃が興奮に酔った。
彩音の指はぬれた布をつまみ、股からお腹に持ち上げた。隠され
ていた布はぐっしょりと濡れている。横から伸びる布も左右に開き、
最後に持ち上げられていた布を手前に引くと、そこには飾り毛を持
たない、くっきりとしたスリットが眠っていた。息を呑んでいた見
物人たちから歓声が上がり、股間の涼しさに心細さを感じる少女を
打ち据える。
 布オムツの、まだ汚れていない部分をつかって、少女の下腹部を
拭った彩音は、そのまま片足ずつを持ち上げては、お尻を拭いた。
最後には足を広げさせ、少女にとってもっとも密やかな、柔らかな
秘裂をもなで上げる。せつなげにこぼれ出た声に、わずかに口の端
を上げるが、それ以上執拗に責めようとはしない。
「はい、ごほうびですよ」
 一番内側に敷かれていた、おしっこが滴るほどの布を摘み上げた
彩音は、それを秋乃の鼻先にぶら下げた。陶然とその布に鼻を寄せ
た秋乃は、胸いっぱいにその臭いを吸い込むと、黄色く染まった布
に舌を伸ばして舐めあげる。三度それを繰り返し、おしっこ臭い息
を吐き出すと、大きく口を開いて布をくわえ込んだ。
「おいしいですか?」
「ふうっ! むううっ!」
 布を地面につけないように伸び上がりながら、昂ぶった鼻息で答
える。片手をずらしてその様を覗いた千里が、情けなさに顔を歪め
た。
双方に等しく穏やかな微笑をなげかけた彩音は、用意していた新
しい布を手早く組むと、千里の膝に手をかけた。意外な力強さで足
を上げると、千里のお尻の下におむつを滑り込ませる。手馴れた様
子で、しかしわざとゆっくりと、布を股間に通し、晒されていた場
所を覆っていく。
 オムツカバーが閉じられ、ロンパースが止められると、千里は再
び元の姿に戻っていた。お腹を叩かれて体を起こし、周囲の視線に
晒されて俯く。その視線の先には、与えられた布を咥えた秋乃が、
満ち足りた姿で座っていた。
「そろそろ時間ですね。さあ、行きますよ」
 鞄を手に立ち上がった彩音に、ロンパース姿の千里、全裸の秋乃
が従った。


少女たちの後姿が公園を出ていくと、不意に琴奈の耳が感覚を取
り戻した。荒く乱れたいくつかの呼吸が流れ込んでくる。
「いやあ、彩音さん。いつもながらディープだねえ」
「うふふ、その為に集まっているのですから、楽しまないと」
「そうだよねえ」
 皐月の言葉に、彩音が上品に笑った。皐月が同意を示して笑いを
重ね、葵と莉央の声がそれに加わる。
「でも、もうちょっとソフトなのも聞きたいなあ」
「それなら、私が」
 贅沢な注文に、葵が控えめに手を上げた。傍らの涼を前に出しな
がら、語り始める。
「じつは、私たちも公園にいったんです」
 そう切り出されると同時に、再び琴奈の視聴覚がぼんやりと霞ん
だ。

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