俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。Perfect World Battle RoyaleのまとめWikiです。

最初から分かっていたことだった。
地球意志すら焼き払う二人の業火が、来ると分かっている銃弾を焼き払うことなど造作もない。
息を合わせなくとも、互いが互いの隙間をカバーし合い、襲撃者である暗殺者を追いつめる。
いや、隙をカバーするという言い方は少しふさわしくないか。
二人は戦いの中でも相手の気のゆるみを探していて、隙あらば相手に攻撃せんとしている。
ただ、銃弾の手によってそれが阻まれることが多い、というだけ。
二人は互いしかほとんど視界に入れておらず、まるでことのついでと言わんばかりの扱いに暗殺者は憤怒していた。
だが、怒りは冷静さを失う。
戦闘において冷静さを失った人間に待っているのは、敗北の二文字だけだ。
暗殺者が大きく見せた隙に大技を叩き込まれ、痛手を負うことになった。
さすがに形勢が悪すぎると判断したのか、焼け爛れた皮膚を引きずりながら、暗殺者は逃亡を選んだ。
もちろん、京はそれを逃がさない。
殺さないまでも、二度と銃を握れない程度には痛めつけるつもりだったからだ。
だが。
「……ま、そうなるか」
それは、彼の側にいた男に邪魔されることになる。
襲撃者がいなくなったのを見計らい、今かと待ちわびていたように庵が京へと飛びかかった。
京は動かなず、ただ庵の動きをじっと見つめている。
そして庵の死神の鎌のような右腕が、京の首元へと振りかざされ、寸前でピタリと止まった。
それをあらかじめ予知していたのか、京も微動だにせず庵の眼を見ている。
ゆっくりと首元から手をおろし、庵は小さく呟く。
「フン……」
顔を逸らすように一言を放った後、再び京へと顔を合わせて言葉を続ける。
「他の奴はどう死のうが、知ったことではない。
 だが京、貴様には今死ぬより、もっとふさわしい死がある」
そこで庵は京を指さし、淡々と言葉を続けていく。
「京」
「なんだよ」
「俺の手を貸してやる」
「あ?」
予想もしていなかった言葉に、京は思わず庵をにらみながら聞き返してしまう。
フッ、と小馬鹿にするような笑みから続けるように庵は京へと提案する。
「苦しみにもがき、痛みに足掻きながら死ぬべき貴様が、下らんことで死なれては困るのでな。
 下らんことを考えている連中は俺が殺す、無論」
言葉を切り、どこかを見つめながら最後の一言を吐く。
「あの完全者とか言う子供も、だ」
「……そうかい」
その言葉達を受け止め、京も理解したのか、思わず笑みがこぼれてしまう。
今まで八神庵と接することは数多くあったが、こんなケースは生まれて初めてだったからだ。
自分が誰かに殺されるのが嫌だから、監視の意味も込めて自分の側で行動する。
そしてゆくゆくはこんなくだらない舞台に二人を呼んだ完全者を殺す。
少し方針は違えど、目指す場所は同じという奇妙な状況に京は再び笑う。
「じゃあ、遠慮なくこき使わせてもらうぜ?」
「なんとでもほざけ、京。残り少ない命をせいぜい楽しんでいろ」
悪友との会話のような一言を挟み、二人の足は動き出す。

【C-2/北部平原/1日目・午前】
【八神庵@THE KING OF FIGHTERS】
[状態]:疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品(1〜3)
[思考・状況]
基本:京に自分の手で苦痛を与えて殺すため、この殺し合いを崩壊させる
1:京と行動、京を殺すものを殺す。

【草薙京@THE KING OF FIGHTERS】
[状態]:疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品(1〜3)
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らないが、襲い掛かるやつには容赦しない。
1:とりあえず庵と行動、コキ使う。
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042
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041:少女には思想を与えられず
時系列順
043:救済とは神がもたらすものなり
投下順
028:お前の態度が気に食わない
八神庵
048:開戦
草薙京

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