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 計算化学とは、文字通り計算で現象を解き明かす、化学の一分野であります。高校でやるような化学のように、方程式や法則式に変数を入れると「正確に」解ける事象ではなく、主として数値解析的にガリガリ計算しまくる、コンピュータを使った化学にあたります。これは別に計算化学が楽してるとか、サボっているというわけではなく、「正確に」解くことが原理的に不可能であるためです。詳しく知りたい場合は多体問題なんかで検索!
 さて、ガリガリ計算しまくらなければいけない、という理由のため、計算化学分野の発展にはコンピュータの性能の発展が欠かせません。最近になって計算化学がよく使われだしたのも、そのような理由が大きいと思います(方法論の成熟ももちろんあるのですが)。例えばスーパーコンピュータ「京」などが用いられたりもします。そういえば、最近計算化学の分野で非常に有名な「QM/MM法」を開発したMartin Karplus氏がノーベル賞をとりましたね。

 さて、計算化学といっても種類は一つだけではなく、いくつか種類があります(そしてシバシバ、種類の異なる計算化学者同士で批判しあっていたりもします)。
(1)分子軌道(または電子密度)を用いて、正確にエネルギーや振動数などを計算する「第一原理計算」や「密度汎関数法計算」。
この計算は分子のエネルギーや、形、反応経路や振動数などを精度よく計算するために用いられます。精度が良い計算は出来るのですが、非常に時間がかかるので、あまり多くの原子を含む系は計算が出来ません。
(2)各原子に経験的なパラメータ(排除体積やクーロン電荷など)を与えて計算を行う「分子力場法」。
ニュートン力学にしたがって原子(分子)を動かし、主に時間発展に伴う物性を調べる「分子動力学計算(MD計算)」などに用いられます。分子力場法は溶媒を含む、大きな系の物性(自己拡散係数やタンパクのフォールディングなど)を計算するために用いられます。
(3)複数の原子をひとまとめにして計算を行う「粗視化法」。これは(2)よりも更に計算コストを減らしており、ベシクルのような数百万原子の系でも計算することが可能です。ただし、「大雑把な」計算をしているわけですから、その正確さが常に問題になってきます。どのようにして原子をまとめるのかについても、色々な流派があったりします。

 最初に述べた「QM/MM法」というのは(1)と(2)を組み合わせた方法であり、マゼコゼにした方法も存在します。いずれにせよ、それぞれの手法には適材適所があり、求めたいモノによって手法を選択しましょう。より具体的な説明については、各手法のサブセクションをご覧ください。
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