チカ | あれれぇ?みんな、どうしたの? |
チヅル | よかった、チカちゃんの心も、ダークブレインから解放されたようね……! |
アンズ | ガンレオンのおかげで、フタバ隊は快進撃だねー。 敵側に堕ちてたアイドルたちも、どんどんこっち側に戻ってきてるし。 |
ホノカ | ですが……どうして敵のダークブレインは、こうも容易くみなさんの心を操れるんでしょう? |
アンズ | んー、なんでだろうねー。いつもなら、なんかいい考えが思いつくんだけど。どっかにヒントがあればなー。 |
チヅル | それは、きっと……私の心に、弱さがあったからです……。 私が弱かったから、私が……。 |
ホノカ | そんなことはありません! チヅルちゃんだけではなく、私の知るアイドルはみんな、それぞれの弱さと向き合える立派な人ばかりです! |
チヅル | あっ、あり、がとう……ございます……。 |
アンズ | うんうん、アンズもそう思う。とはいえ、ダークブレインが、どう心を操っているかは、気になるところだなー。 |
リカ | チヅルちゃん、チカちゃん、何か思い当たることはないの? |
チカ | えっとね、チカ、弱さとかよくわからないけど、さっきみんなに会うまで、すっごく怖い感じがしたんだ。 いつもなら、ラブリーパワーでやっつけちゃうんだけど……。 |
チカ | なぜか、その大事なパワーが、湧いてこなかったの。チカの中にあったはずなのに! |
チヅル | ……そうだ。わたしもそうでした。自分の中に、たしかに何かがあったはずなのに、力が湧いてこなかった。 おおげさな言い方をすると、私が世界に立ち向かうための、大切なモノを喪くしたような。そんな感じがして……。 |
アンズ | あー……そう言われてみると、アンズもなんか変なんだよね。 ただでさえないやる気が、もっと萎え萎え〜っていうか。 |
ホノカ | 艦長の場合、いつも通りじゃないですか。 でも……そうですね。いつもの艦長らしからぬ冴えなさはありますね。 戦術ならアンズ艦長の右に出る者はいないはずなのですが。それに…… 私もなにか、心から抜け落ちているような。 |
リカ | ねぇねぇ!それって、アイドルならではの感覚だったりするのかな? |
ホノカ | どうなんでしょう?リカちゃんは、そういうのはありませんか? |
リカ | んー……胸の奥でザワザワする感じは、ずっとしてるよ。 でも、ガンレオンに乗って叫ぶと、ザワザワがアゲアゲになるんだ☆ |
チカ | さっきのリカちゃん、すっごくアゲアゲだったもんねーっ♪ |
チヅル | ざわざわが、あげあげ……。 すみません、ちょっとよくわからない表現なんですが……。 |
リカ | えー、わかってよぉー……あ! もしかしてダークブレインってヤツは、人のそういう気持ちを盗ろうとしてるんじゃない? だってアイツらが攻めてくるとみんなの笑顔がなくなるし! |
チヅル | 笑顔……?そう、かも……! 私に取り憑いていた何者かも、『絶望を我に』とか言っていました。 |
アンズ | 負の思念を食うとか、そーゆー系? うわ、面倒〜。なんか、物理的に倒すの難しそうだし。 |
リカ | 大丈夫! ホット・シャウツのガンレオンで、暗いムードなんかガンガン吹き飛ばすからっ! まっかせといて〜☆ |
チヅル | はい、頼りにしています! |
エマ | …………。 |
ガチャガチャ…… |
エマ | リカ、そこのレンチとって。 ん、サーンキュ!ここも異常なし、と。 |
リカ | こっちも油差しておいたよ☆ ……ガンレオンの整備、ここのエンジニアさんだとわからないこと多いから大変だよね。 |
エマ | アタシは慣れっこだけどね。つきあい、長いからな。 |
リカ | あの、さ…… なんとなく訊けずにいたんだけど……エマって、昔は何してたの? 地球がこんなになっちゃって、アタシを拾って育ててくれる、それより前のこと。 |
エマ | 今と同じさ。こいつに乗って、あちこち直そうと頑張ってた。 今より大きな意地と声を張り上げながらさ。 |
リカ | うっそ、今よりやかましかったの!?騒音被害レベルじゃない? |
エマ | あはははは!うっせーーー! まっ、仲間からもよく言われたよ。けど、シャウトはアタシのパスポートだ! どんな強敵に殴られたって、叫べるウチは負けじゃない!ってね。 |
リカ | 今は、昔ほど叫ばなくていいの? |
エマ | そうだなー。そうかもしんないなー。声の大きさには限界があるし…… 疲れるしな。 |
リカ | むー……。 |
エマ | どした? |
リカ | なんか、ヤダ。 そーゆー言い方、アタシの好きなエマじゃなーい。 |
エマ | ははは!らしくないか!OK、まったくだ! |
リカ | うん、そっちがいい♪ |
エマ | ところでリカ。 オマエ、この先どうするんだ?アイドルになって…その先は? |
リカ | えー、そんなのアイドル続けるに決まってるじゃん☆ |
エマ | なあ、リカ。年長者がひとつ、いいことを教えてやる。 ……自分の生き方を決めすぎんなよ? ひとつの場所に積み上げすぎると……喪くした時、キツイからな! |
リカ | エマ……? |
ホノカ | ダメです、見当たりません。 船内メモリを確認したところ、A2の乗降ハッチが飛行中に開閉した形跡があります。 |
アンズ | んでもって、個人用フライトユニットがひとつ紛失かぁ…… これ、確定かな。 |
リカ | どうしたのー? |
ホノカ | エマさんが…… 船を降りたんです! |