アイコ | 遂に辿り着きました……ここが、バルマー。 そのはず、なんですが。 |
サナ | 星図、間違ってない?だって、なんにもないよ。 バルマーの気配どころか、文明の痕跡も、なーんにも。 |
ケイサル・エフェス | いや、これこそが正しき姿。我が領土。 死と恐怖、あらゆる負の思念のみがたゆたう、虚無の楽園……。 |
オォォォォ……アァァァァ……タスケテ……クルシイ……コロシテヤル…… |
タマミ | こ、これは!死んでいった人たちの、苦しみ……? ぐうっ! |
サエ | これがケイサル・エフェス。 負の思念持つ霊たちに君臨する帝王。純粋なる悪意の存在。 生きようとする者の……敵。 |
アヤメ | 奴がこんなにも恐るべき存在だったとは…… ああ、消えていく……タマミ殿らにもらった温もりが……。 |
タマミ | し、しっかりしてくださいアヤメ殿! くっ……剣を持つ手も萎えて……いく……。 |
ケイサル・エフェス | 無駄ぞ、無駄ぞ。 勇気を歌うか?闘志を叫ぶか? それらとて疲弊し、消えゆくがこの世の定め。 戦いのGONGは、もはや鳴らぬわ。 |
ナナ | 全将兵の……メンタルウェーブ低下……。 あう〜、このままじゃ、このままじゃ……。 |
| ♪〜 |
ミチル | これは……歌? アイコ艦長の……? |
アイコ | 私は、激しい歌を知りません。勇ましい歌は、わかりません。 でも…… それでも、歌える歌は、あるんです! |
サエ | ああ……ええ感じや、アイコはん。そのまま、そのまま歌っておくれやす…… あんたはんだけの、優しい歌を……。 |
アヤメ | これは……?あの温もりが戻ってきた……? 手が、足が……動きます。 |
ミチル | これ、知ってます。 えへへ……お父さんとお母さんが焼いてくれた、あの日のパンみたいな歌……。 |
アイコ | ケイサル・エフェス。あなたが苦しみを叫ぶのなら、私は喜びを歌います。 思い出の中の喜び、これから作る喜びを……! |
ケイサル・エフェス | 熱くはない。激しくもない。 だが……なにゆえに、そのような柔らかさで歌える? なにゆえに、汝は崩れぬ? |
アイコ | うーん…… 私にも、よくわかりません。 ごめんなさい♪ |
ケイサル・エフェス | ぬう……!なんなのだ、その、 ゆるゆるで! ふわっとした答えは! |
タマミ | そうか、これがアイコ艦長の強さなのですね! 優しく受け止めて、包み込む……! |
サエ | そうどす。銀河に勇者は数あれど…… これほど自然に、優しい強さの人はあらしまへん。 言うなれば…… ゆるふわ無限力! |
サナ | ゆるふわ無限力! |
タマミ |
ミチル |
ケイサル・エフェス | 否!そのような力、認めるわけにいかぬ! 出でよ、我がしもべたちよ! |
サナ | おっ、敵のお出ましだ! タマミちゃん、ここはあたしたちに任せといて! |
ミチル | アヤメちゃん、お願いしますね! アウセンザイターはじゃじゃ馬ですけど宇宙で一番速いから! |
アヤメ | お任せあれ! ならば……翔けよ、疾風の如く! アウセンザイター、プフェールト・モード・ON! |
タマミ | アウセンザイターが、馬の姿に! |
アヤメ | お乗りあれ、タマミ殿! |
タマミ | おおっ、これはまさに刃馬一体の境地! |
アヤメ | 加速しますよ。しっかり掴まっていてくださいね。 この馬、少々凶暴ゆえに! |
タマミ | 承知! ……では皆さん、ご武運を。 タマミ・ワキヤマ、参る! |