PCより
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空に道が続いているように、まっすぐに路が延びている。その横を広がる淡くくすんだ枯れ色が広がっている。
ぐんぐん変るはずの地の果ては、何所まで行っても変りが無く、大地が空とくっついている。建物はない。偶にある標識は「牛注意」やら「鹿注意」といった、動物に関する注意喚起の看板だけ。信号すらない。
やっぱり、いいな。
どうせ誰の車も通らない広い路の脇に愛車を停めて、秋の終わりと言うより冬の初めの空気を小嶋黎はゆっくり吸い込む。
この路の話で大槻さんと盛上がったんだよな〜、と等間隔に並べられたキャッツアイ(反射板)を軽くポンポンと叩いて、側に座り込む。
北海道は11月から雪が降る。もうすぐこの辺りの全てが白く埋もれ、バイクでは走れない季節がやってくる。道産子と同じ様にのほほんとした歩みで春がやってくるまでは、この追いかけても追いかけても追いつくことの出来ない境界もお預けになる。
そんな事を思い出したら来たくなって、来てしまった。
昔は東京港からフェリーが出ていたらしい。しかし今はその便がなくなり、輸送の玄関口が苫小牧になってしまった。
北海道は広い。
道内便という飛行機が存在するくらい、広い。
汽車や道路を使用しての移動には時間が掛かる。道央の苫小牧から道東の釧路〜中標津まで大凡6時間かかる。
いい加減、お腹空いたなあ……。釧路港の方まで行けば、釣り人や漁師のおっちゃん向けの安くて美味い店が有るんだけど……、そういえば六道さんのご飯は美味しかったなあー……。
そう思いながら、道の駅で買った弁当を取り出す。
街中では絶体出来ない路駐&路肩飯だ。誰もジロジロと見咎める人なんていない。注意を払うべきは人間様のご飯を狙うキタキツネや牧場の家畜位だ。
クマ…は、この辺りまではまだ出張ってこない、と信じたい。
そっと辺りを見回して、肩を竦め、もくもくとよく噛んで食べる。冬ごもり支度中のクマは時折人の居住範囲に降りてくる。
「あ、どうせ時間掛かるんだからクマ牧場寄って来れば良かった」
そこで貰って最も困るお土産ラインナップに入っているであろうと思われる『木彫りの熊』を買って、江渡に押しつけたのに。熊牧場、関東にはないんだぞ、だからわざわざ寄ってそこでわざわざ買ったんだ、って言って。……絶体嫌がるな、うん。
2ケツして4人でツーリングに行こうと言っていたんだっけ。でももう季節的に来年の話だなあ。
脇に停めたバイクを、座ったまま見上げる。黒いアメリカンタイプの250cc、ドラッグスター。
アメリカンタイプのバイクは車高が低い。背の低い自分でも充分に足が届くし、どっしり感の有る見た目も格好いいと思う。一生懸命にバイトして、親に借金もして買った愛車だ。
こういう利点を考えたら、うん、やっぱり俺の後ろに乗せるのは六道さんじゃなくて……だよなー。あーあ、ツマンネー。あの不思議なお茶会から出る事があれば、彼の女性を乗せるのに。そうしたら、きっと……。
そう思いながら、運転していれば後ろのことはさ程気にならなくなるだろう。
目の前に広がるのは雨の降る灰色の空でも薄暗く生気の無い廃墟ではなくて、優しく澄んだ青い空に見守られた広く明るい路なのだから。
PLより
すみません、遅くなりました。
たったこんだけ上げるのにどれだけ掛かっているんだとか、自分で突っ込んでます、はい。ヘタレ文章で失礼します(白目)。
このセッションは非常に記憶に残るセッションでした。見事にやられてしまいました。ここまで綺麗にやられると、清々しいです、はい。
普段、ぼけらーとして5分以上物事を考えない(5分以上考えて何も思いつかなかったらそれ以上考え続けても埒が明かない、と物臭に考えているもので…)私が、色々ぐるぐる考えてました。
下手な考え休むに似たりを体現してしまったわけですが…次回、その前にまた運を使い切る様な抽選があるのでしょうけれども…しつこくリベンジさせて戴きたいと思います。
KPを含めご一緒させて戴いた皆様方、楽しい時間を本当に有難うございました。
2012/12/30 noriri拝
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