、
「･･････船長？」
部屋に行ったが船長は居なくて･･････もしかしてと向かった先。
薄明かりの中。片手で舵を握る船長が、そこに居た。
思わず足を止め見入っていると、その気配に気づいたんだろう。船長が不意にこちらを向く。
「どうした？･･･んなとこに突っ立って。シンに何かあったか？」
「ううん、ちがう。そうじゃなくて････」
「ん？」
「えと･･････舵を握る船長も･･･カッコいいなと思って･･････」
見惚れていたなんて、恥ずかしい･･･
顔を俯かせ、上目遣いを向けると、おいでおいでと手を振る。
いつもと変わらない表情なのに･･･なぜか心臓がドキドキして。
そんな私を前に立たせて、船長は後ろから抱きしめた。
「なんだ？惚れ直したか？」
「んー･･･、少し･･･」
「なら時々俺も、舵取りするか？」
肩に顎を乗せるから、私は首だけで振り向いた。
「それは無理ですよ？シンさんが握らせてくれませんから･･･」
「けどお前には、握らせるんだろ？」
「ん･･･そうですけど･･･いつも怒られてばっかりで･･･」
船長は私の髪を指に巻きつけ、うなじに鼻を押しつける。
こそばゆくて身を捩ると、腕の力が強まった。
「お前･･･シンが心配か？」
「ん？当然でしょ？仲間なんですもの･･･」
振り返ると肩をつかまれ、ぐるりと向きを変えられる。
真剣な眼差が私を見ていて、心臓がドキドキと高鳴る。
だけど次いで船長が発した言葉に、今度は早鐘を鳴らした。
「もし････俺だったら？」
「･････え？」
「倒れたのがシンじゃなく、俺だったらどうする？」
真顔で聞く船長に、胸が詰まって言葉が出ない。
船長が病気になったら･･･
想像しただけで目頭がジンジンと熱くなる。
「やだ！船長が病気になるなんて･･･そんなのヤダ！！！」
ぎゅっとしがみつく私の背中に、船長は一瞬遅れて腕を回す。
その手が優しく髪を撫でた。
「馬鹿だな、･･･例えば、の話だろ。泣く奴がいるか･･･」
「ん、･･･でも････そんなのヤダもん･･･」
潤む目を見られないよう胸に寄り添う私のカラダを、船長はそっと引き剥がす。
そして顔を上に向かせた。
「俺は病気になんか、ならねぇよ･･･」
真っ直ぐ目を合わせて、船長は私を強く抱き締めた。
私もその背中に、腕を回した。
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「･･････船長？」
部屋に行ったが船長は居なくて･･････もしかしてと向かった先。
薄明かりの中。片手で舵を握る船長が、そこに居た。
思わず足を止め見入っていると、その気配に気づいたんだろう。船長が不意にこちらを向く。
「どうした？･･･んなとこに突っ立って。シンに何かあったか？」
「ううん、ちがう。そうじゃなくて････」
「ん？」
「えと･･････舵を握る船長も･･･カッコいいなと思って･･････」
見惚れていたなんて、恥ずかしい･･･
顔を俯かせ、上目遣いを向けると、おいでおいでと手を振る。
いつもと変わらない表情なのに･･･なぜか心臓がドキドキして。
そんな私を前に立たせて、船長は後ろから抱きしめた。
「なんだ？惚れ直したか？」
「んー･･･、少し･･･」
「なら時々俺も、舵取りするか？」
肩に顎を乗せるから、私は首だけで振り向いた。
「それは無理ですよ？シンさんが握らせてくれませんから･･･」
「けどお前には、握らせるんだろ？」
「ん･･･そうですけど･･･いつも怒られてばっかりで･･･」
船長は私の髪を指に巻きつけ、うなじに鼻を押しつける。
こそばゆくて身を捩ると、腕の力が強まった。
「お前･･･シンが心配か？」
「ん？当然でしょ？仲間なんですもの･･･」
振り返ると肩をつかまれ、ぐるりと向きを変えられる。
真剣な眼差が私を見ていて、心臓がドキドキと高鳴る。
だけど次いで船長が発した言葉に、今度は早鐘を鳴らした。
「もし････俺だったら？」
「･････え？」
「倒れたのがシンじゃなく、俺だったらどうする？」
真顔で聞く船長に、胸が詰まって言葉が出ない。
船長が病気になったら･･･
想像しただけで目頭がジンジンと熱くなる。
「やだ！船長が病気になるなんて･･･そんなのヤダ！！！」
ぎゅっとしがみつく私の背中に、船長は一瞬遅れて腕を回す。
その手が優しく髪を撫でた。
「馬鹿だな、･･･例えば、の話だろ。泣く奴がいるか･･･」
「ん、･･･でも････そんなのヤダもん･･･」
潤む目を見られないよう胸に寄り添う私のカラダを、船長はそっと引き剥がす。
そして顔を上に向かせた。
「俺は病気になんか、ならねぇよ･･･」
真っ直ぐ目を合わせて、船長は私を強く抱き締めた。
私もその背中に、腕を回した。
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