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将軍
軍人

概略

「歴史にはゴロツキが英雄に勝つ場合も存在する。『少女宰相』とは反対の意味で存在する。大はハルバンデフであり、小はギュンターである」と後の世に言われる反英雄的な人物。魔術師師団の初代師団長でもある。
 魔術師師団を率いての北方帝国制圧戦争での活躍の反面、帝都ソフォフでの虐殺事件や失地奪回における捕虜殺戮事件等にも関与した。
 第二次建国戦争においても奮戦したものの、戦争の敗北の責任を取らされる形で処刑された。

出自〜魔術師師団

零落したバロッサの中小貴族のディート家の長男として生まれたが、優秀だった半面その乱暴な振舞いからディート家はすっかり彼をもてあまし、嫡男の座を弟である次男に譲らせ、彼をリクシャマー帝国軍へと入隊させる。軍隊でもかれは優秀な成績を残したものの、その反面粗暴な行動は改まらず、彼をもてあました帝国軍は設立間もない魔術師師団へと編入させる。
ここで、魔術師師団を軍務長官として編成していたヴォイグナン・ダゥ・グロシエにその才を認められ、戦線指揮官として抜擢される。

クゥーゲル平原の戦い〜北方帝国制圧

北方帝国制圧戦争において、リクシャマー帝国南西部から進軍した軍隊の指揮を行う。
しかし、同時期に北西部から進軍した軍隊との連携はもちろん、北方から攻めるゼダ家の「単眼神の群」との連携も全く取れておらず、彼の部隊だけ突出した形になる。
ただし、連携が取れていなかったのではなく、ギュンターが魔術師師団による華々しい初陣を演出するために、北方帝国軍主力をおびき寄せようとわざと突出させたという説もある。
結果としてギュンターの魔術師師団を攻めた北方帝国軍?は壊滅し、続く「ウェルスの城塞守備戦?」にもギュンターは勝利し、帝都ソフォフまでの進軍路を確保する。
この時の本国からの指示は「北西から進軍する部隊と合流するまで拠点防衛」であったが、北方帝国政府を見限った諸侯と市民の後押しを受ける形で指示を無視して帝都ソフォフへ進軍する。
結果、帝都ソフォフでは央機卿によるクーデターが発生し、ギュンター率いる魔術師師団は戦わずしてソフォフ入りする。
北方帝国諸侯と民衆の期待を一心に受けて帝都入りしたギュンターであったが、彼らの希望はすぐに裏切られ絶望へと変わる。ギュンターは部下による略奪を認めたのである。
当時の常識では、軍隊による略奪は兵士達の無秩序な殺戮を抑えるために看過はされていたものの、決して司令官がそれを認めるということはなく、また看過していたとはいえ行き過ぎた略奪を行った兵士には罰が与えられた。それをギュンターは公認し、一切の罰則を科さないと宣言したのである。魔術師師団が、今まで戦争を経験したことのない一般市民からの募兵による軍隊であったことも手伝い、略奪は一気にエスカレートし、「ガスパール・デュガンの日記」によれば「帝都の男達の半数以上が殺され、またそれ以上の女達が犯された」という状態だった。(ただし、これは後年になって作られた創作であるという説もある)。

北方帝国占領時代〜カリデ侵攻

ソフォフを占領したギュンターは、北方帝国を支配するために自分を主席とした臨時政府を立ち上げることを本国に主張する。
しかし、ギュンターの性格および彼がソフォフで起こした事件を知っていた本国政府は当然のことながらこれを拒否する。
だが、それに激情した彼が魔術師師団を率いて反乱を起こすことを警戒して、本国からの書簡にヴォイグナン・ダゥ・グロシエからの説得の書簡を添えて、本国への帰還を命令する。もし、彼が命令に従わなかった場合には、ソフォフ北部に進軍していた「単眼神の群」と協力し、残る北西からの進軍部隊と共にギュンターの魔術師師団を討つ予定であった。
結局、ギュンターは本国からの命令に従い、魔術師師団を率いてソフォフから撤退して本国へ帰還した。
本国への帰還後、政府からの命令により師団長に昇格した彼は魔術師師団を率いてカリデとの国境地域へと赴任するが、その直後に北方帝国制圧戦争の戦後処理に端を発したカリデとの戦争が勃発する(第八次失地奪回)。
そして、彼はここでも事件を起こしてしまう。
魔術師師団に降伏したカリデ軍の捕虜を殺害してしまったのである。その方法は、建物の中にカリデ軍の捕虜を集め、その建物に魔術による業火を放つというものであった。(ただし、これは捕虜たちの間で疫病が流行ってしまったため、その死体を焼いただけ、という説や、補給が満足に行われなかったため捕虜たちを養う余裕がなく、また捕虜たちを解放してしまうとすぐに敵になってしまうので苦渋の選択を迫られた上での行動、という説もある)
当然のことながらカリデ国民はこの所業に激怒し、5月の擾乱?リクシャマー帝国に協力を約束していたカリデの諸侯達も一斉に離反し、当初カリデ王国の制圧を目標にしていた第八次失地奪回の完遂は非常に難しい状態になってしまう。

第二次建国戦争

そのような最中、北方帝国地域でユハ・ダリンの乱が発生し、ギュンターの後ろ盾であったヴォイグナン・ダゥ・グロシエが殺害されてしまう。
復讐に燃える彼はカリデの戦場から本国に北方帝国への赴任を希望する書簡を送り、これ以上カリデの戦場において問題を起こされることを嫌っていたリクシャマー帝国政府は、進軍に際して監察官を付ける事と、本国からの命令に必ず従うことを条件にこれを承認する。
ギュンターは監察官が赴任するや否や北方帝国地域に軍を向けた。
だが、ここからがギュンターの没落の始まりだった。
北方帝国の戦場は既にユハ・ダリンとは別の武装勢力が乱立する混沌状態になっており、自由に臨機応変な行動が取れない魔術師師団は彼らのゲリラ戦に翻弄された。結果一月で鎮圧できるはずだったユハ・ダリンの乱は鎮圧に半年を要した。
ユハ・ダリンを捕えたギュンターは彼を嬲り殺しにしようとするが、監察官や部下達に止められこれを諦めた。しかし、その後ユハ・ダリンは逃亡してロズゴール王国へ亡命してしまう。
エルミナ高原の戦い?においては圧倒的な戦力差であったに関わらずガスパール・デュガン将軍率いる暫定政府軍に手こずり、後方に本国から援軍として派遣されていた新設の魔術師師団を控えさせていたおかげで辛うじて勝つ始末だった。
そして、「サドミッミ城砦防御戦?」の最中、彼が現地部隊の給料に充てるはずだった軍管区ラハイヤの資金を、軍資金と称して使い込んでいたことから給料の未払い問題と、現地部隊の暴動事件が発生してしまい、彼はソフォフへの撤退を余儀なくされてしまう。
ギュンターは自軍の建て直しと、北方帝国暫定政府軍への再征伐を主張するがリクシャマー帝国政府は彼を更迭し、北方帝国地域の破棄を決定する。

軍事裁判と処刑

リクシャマー帝国へと戻った彼を待っていたのは、軍事裁判の法廷だった。
ここで、彼の今までの行動のツケが回り、彼を弁護するものは無く、各種の虐殺事件・軍法違反・公私混同・横領等々の罪が暴き立てられた。
軍事法廷は満場一致で彼の死刑を決定し、半年経たないうちに刑は執行された。
死体は帝都の外門に晒されたが、皆喜んで彼の死体に石を投げつけたという。
しかも、腐敗を始めた彼の体は市民により放火され、その後彼の愛人がその死体を引き受けることを望んだ(家族はいたが、誰も彼の遺体を引き取ろうとしなかった)が、既に消し炭しか残っていなかったという。

死後の評価

死後100年余の間、北方帝国では憎むべき悪役として、リクシャマー帝国では第二次建国戦争に敗戦した最大の要因として蔑まれてきた彼であるが、近年になって「魔術師師団という新しい軍隊の運用、特に戦後処理というもう一つの戦争の手法に国家が慣れていなかったことが第二次建国戦争においてリクシャマー帝国が敗北した大きな原因であり、決してギュンター一人に責任を求めるべきではない」という意見も出始めている。
魔術師師団という軍隊を運用するにあたっては彼とったの運用方法はその後長く、現代に至るまで参照されるに至っている。
しかし、戦後処理、特に占領政策や捕虜待遇については反面教師として参照されている。
ハルバンデフがその死後、かなりの期間を置いたとは言え英雄としての再評価がされているのを考えれば、あまりに報われないとも言える。

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