GENOウィルス蔓延中! うつらないうつさない  このWikiは2ちゃんねるBBSPINKの「金の力で困ってる女の子を助けてあげたい」スレのまとめサイトです

「メイドくん、メイドくん!」
「なんでしょうかご主人様」
「突然だが、金の力で困っている女の子を助けたくてしかたない」
「そうですか。それは大変素晴らしいことと思います」
「しかし金に困っている助けたいと思わせる女の子を知らんのだ」
「……左様でございますか。先に心当たりがおありなのではないのですね」
「ああ。しかし助けたい。なるべく早く。自分の目で見つけ手を差し伸べたい」
「下調べをさせて候補者のリストを作らせますか?」
「うむ……。いやしかし、それではこう、運命的なものがなくて味気がないな」
「運命、ですか」
「ああ。こう、まるで前世の恋人が出逢った瞬間お互いに惹かれるような」
「……」
「いや、さすがに我侭だな。ここはむしろ発想を転換し、作為的な介入を楽しむべきかもしれん」
「と、おっしゃいますと?」
「ふむ。例えばこうだ。まず少女を見初める」
「はい」
「そして少女が裕福な場合は金に困らせる」
「えっ」
「そこを金の力で助ける。と、こういうわけだ」

「ん? どうしたメイドくん」
「まさか、まさかご主人様は私の時も……」
「!? 馬鹿な! そんなはずがあるわけないだろう!」
「ですがあの時、ご主人様はまるで計ったようなタイミングで」
「いや、あれこそが言うなれば運命的なものであってだな」
「……あのようなことをおっしゃるご主人様は信用できません」
「ああ、気の迷いだった、許してくれ。退屈なあまり些か精神が堕落したようだ」
「本当に、反省していますか?」
「勿論だ」
「私を助けてくださったのは、作為によるものではないですか?」
「ああ。当然だとも。神に誓う」
「私を助けてくださった時、運命を感じてくださいましたか?」
「ああ、ああ、感じたとも。だからこそこうして道を外れてまで再現を求めて……む」
「安心致しました、ご主人様」
「……メイドくん。キミは些か主人をだな……」
「幸運に恵まれすぎた者は、時として不安になるのです」
「……やれやれ。私は気分を害したぞ。紅茶のひとつも淹れて貰おうか」
「かしこまりました」

「それはそれとしてリストは一応作って貰おう。既に困窮している者限定でな」
「かしこまりました。新たに幸運に恵まれる者があると嬉しいです」
「助けるとは限らんぞ。所詮は刹那の道楽なんだからな」
「ご随意に」
「本当だぞ? そもそも選別している時点で純粋な善意じゃないんだ」
「ええ。知っています。手をお付けになって、自分のモノになさるのでしょう?」
「む、必ずとは限らんが、まあ概ねは全くもってその通り。……なのになぜ笑う」
「私はご主人様のモノになれて幸せですので」
「…………っ、ええい、紅茶の紅茶は甘すぎるな。ストレートに淹れかえてくれ」
「かしこまりました」

おわり。人助けって難しいよね。




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