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著者:3-888氏

SIDE-A
梓「こんにちは〜」
唯「あ、あずにゃん」
軽音部メンバーの風邪は憂にまで移り、
彼女は入学して初めて学校を休むことになってしまった。
今日はそのお見舞い。
梓「憂、大丈夫?」
憂「うん。明日には学校いけると思う」
よかった。学祭のときは憂にも心配をかけてしまって、
そのせいかもしれないと思うと、メンバーの一人として申し訳ないと感じていた。
預かってきたプリントを取り出す。
梓「それと、ムギ先輩から、プリンです」
唯「あずにゃん? これ……」
梓「ふふ、先輩の分もちゃんとありますよ」
唯「あずにゃん、ありがと〜!」
やっぱり、唯先輩に抱きつかれる。
今ではもう、先輩のスキンシップにもすっかり慣れてしまった。
最近では、この感触がないとどこかさみしい。
唯先輩のほっぺたあったかい……。
梓 (((( ;゜Д゜)))
唯「どうしたの、あずにゃん、ふるえてる?」
梓「急に、寒気が……」
唯「あずにゃんも風邪!?」
憂「大変。今日は遅くならないうちに戻ったほうがいいかも……」
梓「うん、そうするね。それじゃ、お大事に」
唯「気をつけて帰ってね」
憂「また明日」

SIDE-B
憂「こんにちは〜」
今度はわたしが体調を崩してしまい、憂がうちへ来てくれた。
唯「あずにゃ〜ん」
梓「唯先輩まで! 部活だったんじゃないんですか?」
唯「ムギちゃんも具合が悪くて早退しちゃったから、今日はお休み」
梓「すみません」
唯「ううん。わたしもたまにはゆっくりしたかったから、別にいいよ〜」
梓「先輩はしっかり自主練してください!」
唯「わーかってるよ〜」
梓「もう……くしっ」
唯「かわいいくしゃみだね。あずにゃ〜ん」
この人の”かわいい”はやっぱり良くわからない。いや、見境がない。
梓「先輩、今日はだめです! 移っちゃいます!」
唯「わたしは一度かかってるから、大丈夫だよ」
梓「絶対に移らないわけじゃないんですから!」
唯「……だったら〜、わたしに移せば治るよ。ほらほら〜」
梓 (((( ;゜Д゜)))
唯「あずにゃん、寒いの?」
梓「悪寒が……」
唯「大丈夫?」
憂「大変。騒がしくしちゃってごめんね。お姉ちゃん、もうお暇しよ」
梓「憂。今日はありがとう。がんばって風邪なおすね」
憂「うん。お大事に」

番外編
病欠も2日目でどんよりしていたところだった。
「お嬢様。田井中様がお見えです」
え? りっちゃん、来てくれたの。
「ムギ〜、大丈夫か〜」
いつもの笑顔を見せるりっちゃん。
さっきまでの沈んだ気分がもう消えている。

「さわちゃんが、『私はムギのお茶のために、顧問やってんのよ!
さっさと治さないと承知しないわよ』って」
さわこ先生はあれで結構お茶にはうるさい。
嗅覚が鋭いのだろう。もともとが野性的なのだ。
彼女がカップを手に目を閉じた時の表情を思い出すと、自然と口元がゆるむ。
誰かのためにお茶をいれるのは、それだけで楽しい。

「思ったより元気そうでよかった」
斉藤に大人数での訪問は遠慮するようにと言われたらしい。
「まったく、勝手なことを……。後で叱っておかなくちゃ」
「まあまあ、まあまあ。執事さん心配してたよ」
律になだめられると調子が狂う。

「いやー、でもムギまで風邪ひくとはなあ。しっかりしてそうなのに」
「……学祭ではしゃぎ過ぎちゃったのよ」
嘘じゃない。でも、楽しさとは違う気持ちも、
私はずっと抱えている。あの時から……。
「今日は、りっちゃんが来てくれてよかった」
「お安いご用だよ。わたしの”代わりはいない”んだろ」
「……」
「さわちゃんから聞いたんだ。……ありがと、ムギ」
「さわ子先生ったら。いやだわ、恥ずかしい」
取り乱したような私の様子まで伝わってなければいいけど。
「……あたしの方が、恥ずかしいよ。……あんときは、みんなを困らせた」
恥ずかしいことなんかじゃない。
「……私には、りっちゃんは責められないな。
私、りっちゃんの気持ち、わかるから」
律は私が言ったことの意味をはかりかねている。
「大切だと思える人がいるのは素敵なこと。
でも、その人の心が少しでも自分から離れると……とても……」
この気持ちを何と言ったらいいだろうか。
律は待ってくれたけど、
結局、何も言えず、小さいため息で私の話は終わり。
でも、律にはわかってしまったみたい。
律の気持ちに、私が気づいていることを。



私だってどちらとも確信は持てなかった。
二人はすごく自然だったから。
最初に会ったときから、ずっと変わらなかったから。
だから、少しだけ、もしかしたら、と。
でも、そんなの錯覚だった。
律は和ちゃんに嫉妬していた。友人としてのそれではなく、本物の嫉妬だった。
最初から決まっていた……私の方が間違えたんだ。

「ムギ……。ムギも、誰か……」
残酷なのは、りっちゃん? それとも神様?
「……私は、ずっと片思いだったの。そして、少し前にね、終わっちゃった」
「……そっか」
りっちゃんはそれ以上のことは何も言わなかった。
もし自分が同じことになったら、その時はどんな言葉も意味がないから、そう考えて……。

だから彼女は今、私でない人のことを考えて、
こうやって、眉根を寄せている。
「りっちゃん。私、ちょっと疲れたから、休むわね」
「ああ、長居してごめん」
「いいえ」
「お大事に」
律がドアの前で振り返る
「またなー」
お礼を言いたかったけれど、喉がひきつって声が出なかったから、
ただ手を振った。
ドアが閉まったのを合図みたいにして、涙がこぼれた。


「斉藤。どうして勝手にお見舞いを断ったの?」
彼女達は、みんなで来るつもりだっただろう。会ったら謝っておかなければ。「申し訳ありません」
専属の執事といえば聞こえは良いが、要するに監視役だということ。
彼はその本分を果たしたに過ぎない。
だが、友人に面会するために少々の無理をすることくらい、
許してはくれないものだろうか。
付き合いが短いわけではない。彼の人となりは知っているつもりだ。
琴吹家に雇われている身分でも、心情的には私の味方だと思っていたのに……。
「今後はこんなことをしないように」
斉藤は頭を上げない。
「……律さま直々のお電話でしたので」
「……っ!」
はめられた。
口を滑らせて、軽音部の話をしたのがいけなかったのだ。
「……だから、嫌いよ」
勝手なことをしたには違いないが、怒ってみせる気力ももうない。
「おやすみなさい」
「おやすみなさいませ、お嬢様」
彼の労に報いるため、私にできることは少ない。
今度は、合宿の話を聞かせてあげようかしら。
「斉藤。いつもありがとう」

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