けいおん！でエロパロ保管庫

先輩たちの立て続けの風邪騒動で慌しかった文化祭が終わって最初の日曜日。
新入部員梓ちゃんことあずにゃんは、唯先輩のお家ににゃーにゃーとやってきました。
大好きな先輩に、バンドのメンバーで一人だけ、お家にお呼ばれしたあずにゃん。
どれだけ猫っ可愛がりされるのかと思うと、なんだかもじもじしてしまいます。
深呼吸してから呼び鈴を押すと、足音の代わりにケータイの着メロが鳴り出します。
慌ててケータイを開くと、あずにゃんの大好きな唯先輩からメールが届いていました。

『玄関の鍵開いてるから、わたしの部屋まで来て。わたししかいないから安心してね』

変わった指示に小首を傾げるあずにゃん。ちょっと怖いけれど、言われた通りに頑張ります。
おじゃましまぁす、とおずおずと無人の廊下に言って、そろそろと家の中に入ります。
周囲の警戒を怠りません。いたずら好きの唯先輩のことです。なにをしてくるかわかりません。
部屋にいると見せかけて背後から強襲、うにうにと可愛がられるという不安が離れません。
階段を一段昇って振り返り、三段昇って振り返り、ランダムな動きで見えない敵を牽制します。
そして何も起きずに唯先輩の部屋の前にたどり着くと、あずにゃんは無駄な努力に赤面しました。
もし監視カメラがあったりしたら部室で大上演会が開かれてニヤニヤされること請け合いです。
あずにゃんは恥ずかしくて、それもこれも悪戯好きの先輩が悪いんだと思うことにしました。

扉の前で深呼吸します。気を取り直して、お預けされていた唯先輩との対面に備えます。
コンコンとノックして、返事が無いことを不思議に思いながら扉を開いていきます。
そこには――

「　「　い　ら　っ　し　ゃ　い　、　あ　ず　に　ゃ　ん　」　」

――あずにゃんが大好きな唯先輩が、ああ、なんということでしょう。二人もいたのです。
床に敷かれたクッションに座った、制服姿の唯先輩が二人。
左右からあずにゃんのほうを振り返り、にっこりと笑います。
悪い冗談みたいな光景に、あずにゃんは心臓が止まりかけました。

「ひっ！？」
「　「　ど　う　し　た　の　、　あ　ず　に　ゃ　ん　。　こ　っ　ち　お　い　で　よ　ぉ　〜　♪　」　」

脅えるあずにゃんに、にこにこしながらステレオで手招きする唯先輩。
その動きはまるで鏡合わせで、何かトリックの存在を二人の間に求めてしまいます。
けれどなにもありません。あずにゃんだって本当はわかっています。だって文化祭の前に――
震えながらも、あずにゃんは大好きな先輩のもとに向かいます。ふらふら、おどおど、にゃーにゃー。
どっちに話しかけていいか迷いながら、それでもあずにゃんは頑張って小さなお口を開きます。
なにも喋らなかったら、この人外魔境な光景に気が狂ってしまいそうでした。

「う、い、妹さんがいるなら、メールで教えてくれればいいのに……」
「　「　な　に　言　っ　　て　る　の　？　こ　こ　に　は　わ　た　し　し　か　い　な　い　よ　？　」　」

脅えるあまり丁寧な言い回しになるあずにゃんに、ステレオ唯先輩がにこにこと答えます。
その完璧に同期が取れた姿は、本当に本人が分裂してあずにゃんを迎えているようでした。
あずにゃんはいよいよ怖くなってしまいます。クッションに座った身体がカタカタと震えます。

「　そ　う　だ　よ　ね　？　わ　た　し　」
「　そ　う　だ　よ　ね　。　わ　た　し　」
「　あ　は　は　は　は　」
「　あ　は　は　は　は　」
「　「　あ　は　は　は　は　は　は　は　は　は　は　は　は　は　」　」

そして左右から楽しげな笑い声が響いてくると、とうとうあずにゃんの心が折れてしまいました。
スカートをぎゅっと握り締め、小さな子供のようにぽろぽろと涙を流して泣き出してしまいます。

「うぐ……うぇっ、ひっく……こわいよぉ……こわいよぉぉぉ……うえええええん」
「　「　う　ふ　ふ　。　か　わ　い　い　な　ぁ　〜　あ　ず　に　ゃ　ん　は　♪　」　」

泣き出してしまったあずにゃんを唯先輩が二人がかりで可愛がり、魔窟の時間は過ぎていきました。
あずにゃんこがすっかり調教されてる感じがありますが、頑張れ桜高軽音部。おしまい。