2chエロパロ板のけいおん! 作品のまとめサイトです。

著者:6-604氏


現在、秋山家。時刻は午後10時過ぎ。私はベッドで、澪は机。
二人の距離は、私が3人縦に並んでも届かない。

「みおー?」
「んー、どうしたー?」
「頭撫でてー」
「あとでなー」
「ぶー」

さっきからずっとこんな調子だ。
澪は作詞に追われていて、私は構ってもらえない。
まあ、約束も取り付けずに泊まりに来たんだから、
仕方ないと言えば仕方ないんだけど……しかし、これでくじける私ではない!

「みーおー?」
「あとでなー」
「おい、まだ何も言ってないぞ……」
「あとでなー」
「……澪しゃん、職業病ですか?」
「うーん、あとでなー」
「末期だ」

とは言うものの、こうしている時間も嫌いじゃない。
平々凡々。
派手な日常ではないけれど、澪が居れば、それだけで毎日が楽しい。
出会ったあの頃から、ずっと。
私の日々は、光り輝いている。おでこじゃなくて。




タイトル忘れてた。即興だけどw



「……すきだよ」

ベッドに寝転がり、澪の匂いに包まれながら、私は小さく呟いた。

この声も、この想いも、今はまだ届かなくていい。
澪が知らなくても、私が覚えていればいい。
長年付き添ってきたこの気持は、簡単に消えるものでも、簡単に消せるものでもないから。

澪に、笑っていてほしい。
澪に、隣に居てほしい。

今はただ、それだけ。
でも、理由としては十分。
一緒に居る事が当たり前になってくると忘れがちになるけど“出会えた事”が奇跡だと思う。
だって、もしかしたら人間ですらなかったかもしれない。
もしかしたら、日本人に生まれていなかったかもしれない。
もしかしたら、戦時中に田井中隊員として活躍していたかもしれない。
年下でも、年上でも、ただの同い年でもダメだったと思う。
もちろん、今と変わらず仲良くできる自信はあるけど。
やっぱり、何かが違うんだ。



幸福過ぎる“今”は不安にもなるけど、でも大丈夫。
澪が居るから、私の未来は無敵。
私の未来が無敵なんだから、澪の未来だって無敵。


「えへへ。澪は無敵だぞぉー!」
「ひっ……な、ななな何だよ、急に!?ていうか、近所迷惑だろ!今何時だと思ってるんだ!」
「何だか無性に叫びたくなったんだよぅ」

どすどすどす。
おーっと、秋山さん?私、その足音は好きじゃないんだけど……。

「時と場所と内容を考えろ!」

ごすっ。
鈍い音が、頭の中を響き渡った。


「あいたっ」
「大体、どうして律が詞の内容を知っているんだよ……」

もじもじ。

「へ?」
「まだ誰にも見せてないのに……」

もじもじ。

「あのー」
「だ、大体……勝手に覗くなって、いつも言っているだろ!?」

さっきまで顔を赤くしながらモジモジしていたくせに、今度は物凄い剣幕で肩を……って、痛い、痛いから!
愛の無い鉄槌は、ただ痛いだけですから!

「ちょ、落ち着け落ち着け!何の話だよっ!」
「何って……だから、いつの間に歌詞を見たんだって話だろ!」

ゆさゆさゆさゆさ。
がくがくがくがく。
わーい、世界が回りだしたよー。

「……って、あれ?」

揺れが止まったので、ふと澪の方を見ると、節目がちに俯いていた。



「おーい、どした?」
「いや、まあ……見られちゃったものは仕方ないし、それなら歌詞の感想を聞かせてほしいんだ」
「えっ、見ていいの?」
「まだしらばっくれるのか?!」
「いや、だから……」
「まあ、いいけど……歌詞は机の上にあるよ。私としては、結構良い感じに書けたと思うんだけど」

えへへ、と照れたように笑う澪。かわいい……じゃなくて!

「毎回言ってないか?それ」
「そ、そんな事……」

澪と場所を入れ替わるようにして、私は机に向かった。


最近はめっきりパソコンで書くようになったらしく、モニターには、無機質な文字が並んでいる。
澪の字は可愛いし、手書きの方が良かったんだけど……でもまあ、確かに打ち込んだ方が楽だよな。

「えーっと、なになに……」

椅子に腰掛けて、詞をゆっくりと読み進めた。
相変わらず、メルヘンで甘くて、私には到底思いつきそうにない。
珍しい事に、澪らしくない単語もあったけど、でも、何より驚いたのは──……。

「……ど、どう?今回はさわ子先生にアドバイスを貰いながら、格好良い感じに仕上げてみたんだけど」
「……ばかみお」
「え、なに?聞こえないよー、律」

椅子から立ち上がり、ベッドに向かって走りだす。明らかに困惑している澪が視界に入ったけど、そんなの気にしない。

「なっ、なに……って、ちょ、律、あぶなっ……」

どーん。ばふっ。
そのまま、標的目がけてベッドにダイブ。
澪の上にかぶさり、自分の表情が見えないようにと、そのふくよかな胸元に顔を埋めた。



「おい、こら!律、何やって……」

赤ん坊が、母親に甘えるように。私は澪に、最大限の愛情を求めた。
夜になると、とてつもない寂しさに襲われる事がある。
そんな時はいつも、こうして澪にくっついて、抱きしめてもらって、それから、頭を撫でてもらう。
我ながら子供っぽいかな、なんて思うけど、でも良いんだ。
澪だから甘えられるし、澪だからワガママを言えるし、澪だから、どんな私も見せられる。

「みお」

普段、学校では出さない、甘い声。
澪の弱点を知っているのも、わたしだけ。

「……まったく。本当に、仕方のない奴だな。……歌詞の感想、明日はちゃんと聞かせろよ」

そう言って、澪は私の頭を撫で始めた。
声も、体温も、仕草も、表情も、匂いも、少し大きいその手も、全てが愛しい。




ねえ、知ってる?
澪の存在が、わたしの原動力なんだよ。




静寂の中、時計の針が進む音が、やけにクリアに聞こえた。
澪が何か話している。
でも私は、ゆっくりと瞼を閉じて、先ほど見た歌詞を思い出す。

***

キミが居る だから頑張れる
「ありがとう」なこの気持ち 音符に乗せて届けるわ
キミが居る だから乗り越える
「しあわせ」なこの気持ち 楽譜に添えてSending

恋のハードル Higth!Higth!Higth!
愛は病気ね serious!serious!seirous!
でもね、でもでも… そんな壁なら一越楽勝
でもね、でもでも… Love Holic 上等 come on

「好き」って無敵 全力全開
「好き」って無限 天真爛漫
ぶっ放して 打ち抜いて 放り込んで fly fly fly fly yeah!

「キミ」って無敵 自由奔放
「キミ」って無限 日進月歩
連れてって 築こうよ 幸せ未来 go go go go yeah!

***


私が作詞をしたいと言ったら、澪は驚くだろうか。
それとも、喜んでくれるだろうか。反対するだろうか。
たまには、作詞を交代してみるのも良いかもしれない。
そんな事を考えているうちに、私は眠りに就いた。

「……おい、律。聞いて……って、もう寝たのか?」

「すー……すー……」

「今日はやけに寝つきがいいな。──おやすみ、りつ」





その日私は、澪にキスをされる夢をみた。


おわり。

このページへのコメント

この曲聞いてみたいwww
二人とも可愛いなぁ

0
Posted by 名無し 2010年08月26日(木) 02:16:44 返信

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Wiki内検索

どなたでも編集できます