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著者:3-479氏

 あの人を初めて見た時、なんだかとってもぴかぴかしてるなあ、と思いました。
 あの人と初めて話した時、なんだか優しそう人だなあ、と思いました。
 あの人に初めて抱きしめられた時――――。


 そんな感情がすべて恋に集約されました。


『とある姉妹の恋慕 妹編』


 みなさんこんにちは。平沢憂です。わたしはこの春中学三年生になり、いよいよ受験です。
お姉ちゃんは高校生になり、部活に入ったそうです。
あのお姉ちゃんがそんな風に積極的になるとは思いませんでした。
高校とはそれほど魅力的なところなのでしょう。度々話に出てくる“先生”もその一因のようです。
もしかしたらお姉ちゃんはその人に恋をしたのかもしれません。
さびしいとは思いつつも、心のどこかで安堵している自分がいます。なぜなら――――。
 あ、電話です。受話器を取ると、お姉ちゃんからでした。
『もしもし。憂?』
「うん。どうしたの? お姉ちゃん」
『あのね、今日先生がうちにくるんだ。だから』
「うん、わかった。準備しておくね」
『ありがとー。じゃ』
「うん」
 電話が切れたのを確認してから、わたしは受話器を置きました。
そっかー。とうとう家に呼ぶんだ。高校生って進んでるって聞いてたけど、まさかあのお姉ちゃんが……。
「お姉ちゃん、やっぱり“お兄ちゃん”のこと忘れたんだね……」
 わたしは今でも覚えてる。優しい眼差し、しぐさ、声……。もちろんあの約束も……。
だからいつも結婚とか、そういうことの想像の相手はお兄ちゃんだった。
結婚して、お兄ちゃんのお嫁さんになって、それから……。
「あ……!」
 頭をふって、赤くなった頬をあわてておさえる。いけない、はやく準備しなくちゃ。
お姉ちゃんに恥ずかしい思いはさせたくない。
 けれど……。
 いったいいつになったら、会えるのかな……。
 お兄ちゃん……。

扉が開く音を聞いて、わたしはとうとう来たんだと思いました。いったいどんな人なんだろう。
かっこいいのかな、それとも渋い大人っぽい人なのかな。
まさか悪い人なんじゃ……などと、期待と不安を胸に、二階から出迎えると――――。
 
 え……?

 そこにいたのは若い男の人でした。優しそうな……いえ、優しいんです。それはもう知っていることなんです。
 だってそこにいるのは“お兄ちゃん”だから。
 あの時より大人っぽくなっているお兄ちゃんが、変わらない優しい眼差しを向けます。
どきり、と心臓が跳ねたような気がしました。
「妹の憂だよ」
 お姉ちゃんに紹介され、あわてて我に返りました。お姉ちゃんは覚えていない。
そしてこういう風に紹介されるということは、お兄ちゃんもわたしたちのことを覚えていない可能性が高い。
「初めまして」
 これで否定されてもいいし、そのまま受け入れても構わない。
なぜなら、ここですべてを明かせば、お姉ちゃんも思い出してしまうから。
こればかりはやっぱり譲れなかった。だから今は耐えるんだ。本当は抱きつきたいくらい恋しいけど、我慢しなきゃ……。
 結局、挨拶もそこそこに、二人は勉強のためにお姉ちゃんの部屋へ行きました。
お兄ちゃんがわたしたちのことを忘れていたのは、喜べばいいのか、悲しめばいいのか……微妙なところです。
(でも、また会えた……)
 それだけで、今は十分。これから次第で、どうにでもなるんです。
離れ離れにならざるを得なかったあの頃とは違って、今はいつでも会えるようになったんですから。
「それに、約束したんだから……」
 また頬が赤くなりましたが、構わずいそいそとお茶の用意をします。
そういえばお兄ちゃんって何が好きなんだろう。さりげなく聞いてみよう。
 ――――ねえ、恋人っているの。
 階段を上がっている途中、お姉ちゃんの声が聞こえてきました。
わたしはとっさに足音を消して、耳を傾けました。そうだ、すっかり忘れていた。
お姉ちゃんはそうじゃなくても、お兄ちゃんはもう恋人がいてもおかしくないんだ。
わたしは急に心配になりました。いたとして、どんな人なんだろう。どこまでの関係なんだろう。
キスしちゃったのかな。もしかしてそれ以上の――。
 ――――ギターが恋人だ。
 ――――そうじゃなくて……。
 ――――いない。生まれてこのかた、そういうのはな。
 わたしはほっと胸をなでおろしました。よかった。
わたしは邪魔しては悪いので(本当は邪魔したい思いもあったけど)お茶とお菓子を差し入れて、
すぐに自分の部屋に戻りました。
カギのかかった机の引き出しから古びたアルバムを取り出し、表紙をめくります。
そこには一枚の写真が飾られていて、わたしは見るたびに胸が温かくなります。
写真の中で幼いわたしがお兄ちゃんに抱きついて、右の頬にキスしています。
お兄ちゃんは困ったような、驚いたような半笑いで……。


(お兄ちゃん……)
 そっと下着の中に手を入れると、わたしはベッドに座り込みます。
「あ、あう……」
 こういうことをするようになったのはいつからだろう。気づいたらしていたんだよね。
寝ようとしている時、お兄ちゃんのこと考えてたら切なくて。苦しくて……。
いつの間にかあそこへ手が伸びるようになっていた。
いじる指はわたしのじゃなくてお兄ちゃんのになっていて、頭の中ではわたしたちは恋人になっていた。
『憂……』
 いままではあの頃のお兄ちゃんだったけど、今はさっき見た――すぐそばにいる――お兄ちゃんがわたしを可愛がってくれる。
「ん――――。ん――――。んぐ!?」
 声を聞かれないように、シーツを噛みつつ、指を筋にそって動かします。頭がぼんやりして、想像に没頭してしまう……。
『憂、大きくなったね。綺麗だよ……』
 優しい声で囁かれて、抱きしめられて……。アルバムに触れている手がぷるぷる震えています。
「ん。んあっ、あはっ。んっ、んっ」
 ああ、聞かれたらどうしよう。えっちな子だって思われちゃう。軽蔑されちゃうかな。
本当はこんなことするべきじゃないのに。なのになんでこんなに興奮しちゃうんだろ……。
「んっ、ふっんっ!? んくっ!?」
 くちゅくちゅって音が聞こえる……。きっと下着の中はすごいことになってるんだろうな。
あとで着替えなきゃ……。上の方にある皮をかぶった小さなお豆さんをこすると、体中に電流が走った。
「あ、ああ! んっあっ、や、ああっや」
 お兄ちゃん! お兄ちゃん! おにいちゃん! おにいちゃん!
『憂。いいよ、イってごらん』
「ああ――――!」
 シーツを強く噛んで、わたしは大きくビクンと震えました。その後震えは小刻みになり、やがておさまりました。
息を整えつつ、アルバムを見て微笑みます。
(お兄ちゃん、大好きだよ……)


シャワーを浴びて、下着を替えた後、居間でのんびりしていると、お兄ちゃんが降りてきました。
さっきの声が聞かれたかもと思いながら、どきどきして応対すると、もう帰ってしまうらしい。
「じゃ、じゃあその前にお茶でも……」
 あ、声上ずっちゃった。恥ずかしい。
「そうかい? じゃあご馳走になるよ」
「はい!」
 わたしは急ぎつつ、けれど落ち着きを持った感じを装いつつ、台所に向かいました。
ああ、スーツ姿のお兄ちゃんかっこいいなあ。お姉ちゃんはいつも見てるんだよね。ずるい。
「お疲れさまでした」
「ああ、ありがとう」
 きゃっ。お茶を渡す時手が触れちゃった。顔赤くなってないよね?
「憂ちゃんも大変だろうに」
「いえ、楽しいですから」
 お兄ちゃんとこうしてるのも楽しいよ。ずっとこのままでもいいくらい。
「偉いねえ。まったく、憂ちゃんみたいな子とお近づきになりたかったよ」
「そんな」
 心臓が早鐘を打つようにどくんどくんしています。いいの? いいんだよね? 
お兄ちゃん。しかしこのあとさらにお兄ちゃんはわたしをどきどきさせてくれました。
「憂ちゃんみたいな子が彼女だったらなあ」
「そんな彼女だなんて……」
「器量もいいしさ。ずっとそばにいてほしいね」
「あの、あの……! ごめんなさいっ!」
 もうダメ! もう無理! 逃げるように台所にきたわたしは、胸に手をあてて落ち着こうとします。
しかし落ち着くどころか、何度も頭の中でお兄ちゃんの言葉が反響してきて、まったく治まる気配がありません。
 それどころか――――。
「うっ……ひっく」
 嬉しすぎて涙がぼろぼろこぼれてきました。待ち続けた10年間が、やっと報われたような気がします。
たとえお兄ちゃんは覚えていなくても、あんな風に言ってもらえるのはすごく嬉しい……。
「ぐすっ、いいんだよね」
 もう待たなくても、いいんだよね。これからは好きな時に会えて、話せるんだよね。
 お兄ちゃん――――。
「それじゃ、お茶ごちそうさま」
「いえ……」
 まあ、でも。すぐに返事が出せるほど心の準備ができていたわけではないので……。
「明日お姉さんの実力見て、まずかったらまた来るけど……大丈夫かな?」
「あ、はい! 大丈夫です! お願いします!」
 もうちょっと待っててね、お兄ちゃん。いいよね?
 だってわたしは10年も待ってたんだから。

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