けいおん！でエロパロ保管庫

澪「今日は練習するからな！」

毎日のように耳に入れるこの言葉は、今日で何回目だろう…。

唯「えぇ〜！？おやつを先に食べようよぉ」

紬「まぁ、今日は練習をしましょ」

澪「そうだぞ！最近いつもティータイムばかりで練習出来てないじゃないか！」

相変わらずの先輩達のやり取り。
私はどこか遠くからそのやりとりを見ている立場で…。

澪「なぁ、梓もそう思うだろ？」

どうも今日は頭が回らない。

澪「―――…梓？」

梓「ふぇ！？、あ…そうですね！練習しましょう！」

律「練習は明日で良いじゃん〜。だから今日はティータイムにしようぜ」

澪「今日“も”だろ！」

いつも思わないはずの、この部長らしからぬ発言に今日はイラつきを覚えて。

律「だって文化祭も終わっちゃってやる事―――」

梓「―――っ！、何で律先輩はいつもいつも、そうなんですか！」

困惑した空気が漂う音楽室。

紬「…あ、梓…ちゃん？」

唯「あずにゃん…？どうしたの？」

梓「っ…だいたい、律先輩は部長としての自覚が足りなさすぎるんです！」

止めようとした筈の感情が溢れ出す。
私、そんな事…思ってもいないのに…。

梓「そんなんだったら律先輩、部長やらない方が部の為です！」

律「…っ…」

澪「あ、梓！！」

澪先輩のどこか怒りを含んだ声に、ようやく私は我に返る。

律「…ご、ごめんな。梓…そう、だよな」

律先輩らしからぬ悲しみを帯びた声。そして、ハの字に下がった切なげな顔…。
その顔を作らせてしまったのは私なんだと思うと、どうしようもなく自分が情けなくて。



梓「…ッ、すみません…私、失礼します！」

逃げるようにして、私は音楽室から出ていく。

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―――――

何…やってるんだろ、私っ…。
頭が痛い…。クラクラする。視界が狭い。足元が覚束ない。
あ、マズイ…倒れ―――、

「――っと、大丈夫か？梓」

前のめりになって倒れそうになった時、誰かにふわりと抱きとめられる。

梓「、り…律先輩っ！？」

律「おう、どうした？」

梓「な、何でここに…」

律「何でって…いちゃ悪いのかよ」

梓「い、いや…だって、」

あんな事…言ってしまった後なのに…。

律「…ふぅ、あのなぁこの私があんな事でヘコむとでも？」

梓「いや、でも…あの、」

律「…ごめんな」

梓「――えっ？」

律「こんな部長でさ。…確かに、あんなんじゃ部長失格だよな」

―――違う。
そう、言おうとしたのに…何故か声が発せられなくて。

律「私も、部長は澪がやった方が良いんじゃないかって思ってた」

梓「……」

律「これで、吹っ切れたよ！へへっ、ありがとな。なかなか言い出せなくて…」

笑顔を向ける先輩には、どこか寂しさが浮かんでいて…。

律「本当はこんな奴がいつまでもグダグダ部長なんてやるべきじゃなかったんだ」




これでやっと、澪に部長を譲れるよ！

私にとって、それは聞きたくない言葉として認識された。

梓「律先輩じゃないと、嫌です！」

唐突に出た声に、私自身も驚いた。けど、律先輩はもっと驚いていて。

梓「あんな事、言っちゃって今更ですけど…律先輩じゃないと、嫌っです」

泣きそうになる声を必死に抑えて、

梓「っ、ご、ごめんなさい。律先輩…。私、わたしぃ…」

律「―――、ごめんな。…ありがと。あと梓、具合が悪い時は、無理するもんじゃないぞ」

…えっ？
急激に意識が遠のく中、私は律先輩のそんな優しげな声を耳にした。

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唯「あずにゃん、風邪もう大丈夫なの？」

梓「はい！もう大丈夫です。ご心配おかけしました」



あの日、私は４０℃を超える熱を出していて、
かと言って自分の発言に言い訳する気はなくて…。それぞれ先輩達に謝罪をした。

皆、例外はなく快く許してくれて…。私は心底こんな優しい先輩の後輩になれた事に感謝した。

澪「…で、梓。部長はどうしたい？」

梓「澪先輩の意地悪…。り、律先輩で良いです！」

律「あっ！梓、もっと可愛く言えよ！あの時助けてやったのに！」

梓「それとこれとは話が違いますよ〜」

律「何だとぉ！待てこら梓ぁ！」

紬「うふふふ」

律先輩、普段はやる気がなくて、いい加減で、大雑把な人だけど
ここぞという時の頼りの良さ、私達を引っ張ってくれるリーダーシップ。

そして、何より　良く私達の事を見ていてくれる。気遣ってくれる…。

そんな律先輩だからこそ、軽音部の部長が出来るんです。

律先輩、軽音部を守ってくれて、ありがとうございます。
律先輩が部長で本当に良かったです。

律先輩、好きですよ――。
まぁ、こんな事本人の目の前で言ったら調子に乗るから言いませんけど。

律「あぁ〜〜ずぅ〜〜さぁ〜〜！？」

梓「へっ？…きゃぁっ！」