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『風邪を引いた日』(唯×梓)





それは朝の寝起きのことだった。


「・・・ん・・・・・・・・・・にゃ・・・?」


身体に違和感を感じ、声を発したが、喉がイガイガして上手く声が出ない。しかも身体がだるくて頭もふわふわしている。


(なに・・・・これ・・・・?)
「こほっ・・・こほっ・・・・」


咳がでる。頭が冴えてきたのか、ようやく自分の置かれた状況が飲み込めた。


(完全に風邪だよね、これ・・・・・?)
「うぅ・・・・・・・・頭いたい・・・・・」


これはもう学校休むしかないかな・・・・・・・・・無理に行っても、他のみんなに迷惑をかけるだけだし。



(あ、一応先輩たちにはメールしておこっかな・・・・・・・・・)



とまあこんな感じで風邪を引いてしまった私は、今日の学校を休むはめになってしまいました。



・・・・・・そしてこれは・・・・これから始まる私と貴女のふわふわ時間・・・・・・




* * *





「ぅ・・・・・んん・・・・・・・ん?」


額に違和感を感じ、私は目を覚ました。


(・・・・ぬるい・・・濡れタオル?・・・・・・・ああ、私、風邪引いてたんだった・・・・・・・・)



あれから私は、軽い朝食のあと、薬を飲んですぐに眠ってしまった。どうやら朝にくらべると自分の状態も良くなっているようだ。



「ふぅ・・・・・・・これなら、明日は大丈夫かな・・・・。そういえば、今何時だろ?」



時計を確認しようとした瞬間、コンコン、っと部屋をノックする音が響く。



(・・・・・・誰だろう? 親は仕事に行ってるし、家には誰もいないはずだし・・・・・)



もしかすると、私が心配で親が帰ってきたのかもしれない。


「は、はぁーい」


ガチャ


「おじゃましま〜す・・・あ、おはよう・・・あずにゃん、身体はもう平気なの?」



扉が開き、入ってきたのは親・・・・ではなく、唯先輩だった。



(あ、あれ? なんで唯先輩がここに・・・・)



疑問に思った私は先輩に問いかける。



「ゆ、唯先輩? どうしてここに?・・・・っていうか学校は?」

「ふふ、何いってるのぉ、あずにゃん? もう放課後だよ」

「え・・・・・・・・ええぇぇ?」



私は、急いで時計を確認する。・・・・・そういえばさっきは時計を確認できていなかった。
確認するとすでに放課後の時間帯だった。どうやら私は、朝から今までぐっすりだったようだ。



「ほ、ほんとだ・・・・・・・・・・あ、そ、それで、唯先輩は、どうしてここに?」

「ふっふっふ、なんでだと思う?」



唯先輩は胸を張り悪戯っぽい笑顔を浮かべて私に聞いてくる。



(いや、まあ、何となく分かりますけどね・・・・・・・・・)



でも私は、分からない振りをして先輩に聞いてみる。



「わ、わからないです・・・・・何でですか?」

「ぶぅー、お見舞いだよ!お見舞い!・・・あずにゃんのお母さんがいてよかったよ! いなかったらどうやって家に忍び込もうか迷っちゃってたとこだったよぉ!」

(やっぱり・・・・・・・って、お母さん帰ってきてたんだ・・・・・・・)



どうやら私の予想は半分は当たっていたようだ。



「っていうか、し、忍び込まないでください!・・・・・・でも、わざわざありがとうございます、唯先輩」

「ううん。いいんだよ!・・・・それにね? 今日一日あずにゃんの事が心配で心配で仕方なかったんだよ?」



不安そうな、それでいて優しい瞳で私を見つめてくる唯先輩に、私は思わずドキッっとしてしまう。
いつもそう・・・・・私の知らない唯先輩の表情を見るたびに、私の胸はドキドキしてしまう。
・・・・・・・・たぶん、いやきっと・・・・私は唯先輩のことが好き・・・なんだと思う。
それを自覚してしまうと、どうにも顔が火照ってしかたがない。


(もう・・・そんな嬉しいこと、そんな顔して言わないでくださいよ・・・・・・・ほんと唯先輩ってずるい・・・・卑怯だよ・・・)

「あれ? あずにゃん、顔赤いよ、まだ熱下がってないんじゃない?」



そういって唯先輩は私の額に自分の額をくっつけてくる。
唯先輩の顔が私のすぐ目の前にある・・・・私は先輩の小さくて柔らかそうな唇に釘付けで、もう何が何やら。



「な、な、なな・・・あぅ////」

(・・・・・・あとちょっと顔を近づければキスできるかも・・・・・・)


とか考えちゃった私は不健全なんだろうか・・・・・・。


「ぁ・・・・・・・・ぅ・・・・・・・・////」

「う〜ん? まだ少し熱いみたいだねぇ」

「ぅぅ・・・・・・////」

「あれ?あずにゃん、さっきより顔赤いよ? ホントに大丈夫?」

「うう・・・・・・ゆ、唯先輩のせいですよっ!!」

「え、えぇぇ、なんでぇ〜」



唯先輩はおろおろして涙目になってしまっている。そんな唯先輩を見ていると私も自然と笑顔になってしまう。



「もうっ////・・・・・・・あ、そういえば今日は部活はどうしたんですか?」

「ん? 今日の部活はお休みだよ。みんなであずにゃんのお見舞い行こうってことになってね、あ、みんなはもう少ししたら来るよ。お見舞いに何か買って行くって」

「え? そ、そうなんですか・・・・・なんかごめんなさい、いろいろと」

「いいんだよ! みんなも心配してたからね。・・・・・・・・でもね」

「え?」



すると唯先輩は瞳に妖しい雰囲気を漂わせ、私の耳元に顔を近づけて、小さな声で呟やく。



「あずにゃんを“一番”心配してたのは・・・・・私だからね」

「っ!!?」


ドキンっ、と私の心臓が跳ね上がる。


(ど、どういう意味・・・・・? 唯先輩のことだから深い意味はないんだろうけど・・・・・)


「あ、そうだそうだ、私、オレンジジュース買ってきたんだよ。あずにゃん、ジュース飲む?」

「・・・・・・・・・・・・」

「あずにゃん?」

「ふぇ?・・・・・・・・は、はは、はい、なな、なんですか?」

「だから、ジュース飲まない?」



さっきの言葉の真意を考えていたせいか、どうやらボーっとしていたようだ。唯先輩に声をかけられ動揺してしまった。



「あ、は、はい。いただきます」


私はベッドから軽く身体を起こす。すると唯先輩がそれを制した。


「あぁ、寝てていいよ。私が飲ませてあげるから!」

「え、でもどうやって・・・?」



そんな当たり前の疑問の中、唯先輩はジュースの入ったペットボトルに口をつけ、口に含んでいく。


(な、なにをやっているんだろうか・・・・・・・も、もしかしてボケてしまったとか?・・・さすがにまだボケるには早いのでは?)

「あ、あの?唯先輩?何や・・・・・・・・・んんっ!?」



唯先輩の行動が理解できず先輩に聞こうとした瞬間、ふいに唇が塞がれた・・・・・・・唯先輩の唇で。


先輩の体温でちょっとだけぬるくなったジュースが私の中に流れ込んでくる。
なんで?どうして?とは思ったけど、唯先輩の唇の柔らかさと暖かさに、そんなことはもうどうでもよくなっていた。
私はジュースをゆっくりじっくり飲み干していく。


「んふっ・・・・んくっ・・・ちゅ・・・・・・・んっ」

「んんっ・・・・・・・・ちゅっ・・・・・・・はぁ」


甘い吐息をこぼして、唯先輩の唇が名残惜しげに離れる。


「・・・えへへ・・・・・・もっと飲む? あずにゃん?」

「・・・・・・・・・・コクン」


少し頬を上気させ尋ねてくる唯先輩に、私は無意識に小さく頷いてしまった。
そして、さっきと同じようにジュースを含み、再び唇を重ねてくる。
コクコクとジュースを飲み干していく、すると唯先輩の舌が私の口内に侵入してくる。私の舌と触れ合い、どちらからともなく絡ませていく。
ぴちゃぴちゃ、という水音が部屋の中に響く。もうすでにジュースはなくなっていたけれど、私たちは飽きることなく互いの舌を貪り合っていた。



そう・・・・・・・私たちは口移しという名のキスに夢中になっていたせいで大事なことを忘れていた・・・・・・・他の先輩たちがお見舞いにくるということを・・・・・・・・・



ガチャ

「お〜っす。梓〜元気になったかぁ〜って・・・・・・・・・・・はぁっ!?」(  Д ) ゚ ゚


「おい律!ノックくらいしてから入れよ!・・・・・・・・・・・・・ひゃっ!?」(  Д ) ゚ ゚


「あらあら♪・・・・・・・・・・・・・・・はぅっ!?」キ・キ・キマシタワ━━━(゚(゚∀(゚∀゚)∀゚)゚)━━━!!!



「「んんっ!!?」」



次々に部屋に入ってくる先輩たちに、私たちは驚いてしまう。先輩たちも私たちを驚きの目で見ている。
なぜなら・・・・・・私たちの唇がまだ重なったままだったから・・・・・・。急だったからか、完全に唇を離すタイミングを失ってしまった。


「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(ワッショイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワッショイ)」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」



時が停止した。・・・・・・が、実は紬の思考回路はフル回転していた・・・・さすがは百合の伝道師、琴吹紬である。


さすがにこのままではダメだと思ったのか、唯先輩はゆっくりと唇を離していく。
しかし、それでも私たちは繋がっていた。・・・・・きらきらと光る唾液の糸で。
それを見た律先輩と澪先輩は、顔をゆでだこのように赤くして、
それにムギ先輩は・・・・・・・・は、鼻血を垂れ流し、今まで見たことも無いような笑顔でうっとりしている。



「「ごっ・・・・・・・」」



「「ご?」」



「(あぁっ、カメラかビデオを持ってくるんでしたわっ!! 斉藤っ!斉藤はどこっ!!あぁっ、もうっ!こんな大事な時に役に立たない執事ねっ!!)」



律澪コンビが何かを呟く。ムギ先輩は・・・・・・・・・・もういいや・・・・・・・・とりあえず鼻血拭いてください・・・・・・・。



「「ごゆっくりぃぃぃぃぃ〜〜〜〜!!!」

「あらあらまあまあ・・・・・・・・・・うふふふふふふふ・・・・(斉藤・・・帰ったらお仕置きね・・・・)」←完全に八つ当たり

ガチャン


律澪コンビは絶叫し、ムギ先輩は不気味な笑みを浮かべ部屋から飛び出していった。





「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


・・・・・・3人が飛び出していったあと、部屋は静寂に包まれた・・・・・


* * *



「あはは、どうしよっか♪」

「もう!笑い事じゃないですよっ!」



あれから少し落ち着いた私たちは、さっきの出来事について考えていた。あんな状態を見られてしまってはもう誤解も何もあったものじゃない。
それに唯先輩は見られたこともなんのその、まったく気にしていないのかいつもの調子だ。



「うーん、でもでも、あずにゃんも気持ちよさそうにちゅーしてたよ?・・・・目なんかトロンとなってて、顔なんか真っ赤かで、すごく可愛かったし・・・」

「んなっ!?/// な、なにいってるんですか!? 唯先輩のバカ、もう知りません!・・・・・・ほんと人の気も知らないで・・・・・・・唯先輩なんて嫌いです!!」



キスされたのは嬉しかった。先輩たちに見られたのもまあ百歩譲ってよしとしよう



(・・・・・・・でも、どうしてそんなにへらへらしていられるの?・・・・・私とキスするのは何でも無いことなの・・・・・・?)



そう考えると、涙が出そうになった。・・・・結局唯先輩にとって、私なんてなんでもないただの後輩でしかないんだ・・・っと嫌な考えが頭をよぎる。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・」



しかし、私の何気ない言葉に唯先輩の表情から笑顔が消える。



「・・・・・・・ねぇ、あずさ・・・・・・」

「っ!?」

(今・・・名前で・・・)

「な、なんですか?」



名前で呼ばれたことにも驚いたけど、そんなことよりも唯先輩の低い声に私はかなり動揺してしまう。
それにいつもは見せない真剣な瞳で私を見つめてくる。



「私のこと、嫌いなの?」

「・・・・・・・え・・・・・・・?」



そして先輩は私の身体を起こして、素早く抱き寄せ耳元で囁く。



「ゆ、唯先輩っ!?」

「嫌いなの?」

「ぅ・・・・あ」



唯先輩は驚いて身を固くする私をぎゅっと抱きしめ、私の答えを待っている。



「うぅ・・・す」

「す?」

「・・・・・・・・ほ、ホントは・・・す、好き・・・です・・・」


いつもと違う唯先輩の雰囲気に私は素直な気持ちを吐露してしまう。
その言葉に満足したのか、さっきよりも強く私を抱きしめ、耳元にふぅっと息を吹きかけてくる。


「やぁっ・・・・・・・・」

「えへへっ、私もあずにゃんのこと大好きだよ。・・・・・最初にも言ったでしょ”一番”だって・・・それに好きじゃないのにキスなんてできないよ?」



唯先輩は私からゆっくりと離れ、いつものニッコリとした笑顔を向けてくる。



(ああ、さっきの言葉の意味はそういうことだったんだ・・・・・)


「ねぇあずにゃん?」

「なんですか・・・・・・」

「また、キスしてもいいかな?・・・・・今度はジュースなしでね?」

「・・・・・・・・・・・・」



私は答える代わりに唯先輩に向かってゆっくりと目を閉じる。
唯先輩は私を優しく抱きしめ、ゆっくりとベッドに押し倒していく。



そして本日3度目のキスは、今までで一番長く、甘い、蕩けるようなキスだった。





でも・・・・・・結局キスだけじゃ終わらなかったんだけどね・・・・・・・・。
うーん・・・・・・・・・・こんなことして、風邪、治るのかな?





おしまい

















あとがきかな?
というわけで唯梓でした。最後まで読んでいただいてありがとうございます。
うーん、もっと文才が欲しいと思う今日この頃ですね・・・・orz
さらに精進しなくてはっ!

ちなみに今まで書いたのは5つ
『”好き”の形』『がんばれ!あずにゃん』
『二人だけの秘密』『お弁当』
『EngageRing』
この保管庫にあるので気になる方はどうぞ。
ていうかもう5つも書いてたんだなぁ・・・
こうしてみると唯梓しか書いてないんだね自分

また唯梓書きたいなぁ・・・・
いやいやまずはEngageRing完結させないと

ではでは

このページへのコメント

すごいよかった(o^ O^)シ彡☆

あと、斎藤さんドンマイwww

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Posted by 哀・戦士 2013年02月15日(金) 02:36:53 返信

いきなりキスするのは池沼だろwwとは思ったけど良かった乙

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Posted by 名無し 2010年12月18日(土) 16:56:44 返信

ニヤニヤしてる俺の顔気持ち悪すぎwwwww

0
Posted by 名無し 2010年10月14日(木) 12:14:39 返信

これは、最高に(・∀・)キター

0
Posted by 空我 2010年06月22日(火) 22:10:43 返信

唯あずはわれらのジャスティス! これからも楽しみにしてます!

0
Posted by す 2009年08月21日(金) 21:45:03 返信

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