2chエロパロ板のけいおん! 作品のまとめサイトです。

著者:◆ZbQsS9ZXyo氏


「ねぇ唯、ギター楽しい?」
「うんっ! コードをこうやってジャカジャカ弾くのも楽しいし、あと弦をね、こう上にみょーんって引っ張るの。そうするとね、ほらっ!」
そういって唯が抱きかかえていたギターの細い弦を一本押さえ弾いてみると、ちょっぴりまぬけに伸びる高い音。
これがチョーキングっていうの、と指をさらに上下に動かしながらその音を楽しむように唯は笑う。
そしてきっとこのチョーキングのある曲なのだろう、その曲を歌いながら弾いて見せてくれた。やっぱりこのソロ難しいんだよね、などと挿みながら。

「――こんな感じ、かな! ほらっ、拍手!」
終始笑顔で一曲弾き終えると、すぐさまおどけて見せる。観客は私一人でもライブ気分なのね。
投げやりに私が拍手をすると、えへへとさらに顔を綻ばせる。
それで気分が良くなったのか、それからさらに数曲歌って弾いて曲の合間にMCまで入れちゃってる。
そんな唯を見ると唯はいつまでも唯のままだなぁ、ということを再確認させられる。
まず一つの事にしか集中できないところ。ギター好きなのは分かったけど、私は客人のはずなんだけどね。もうちょっともてなしてほしいよね。
それにおだててみるとすぐ調子に乗るところ。持ち上げると面白いように反応するもんね。あとは失敗するとむむっと言いたげに眉毛を八の字にするところ。あ、また八の字にした。
それでそろそろ……ほら、弾くの止めた。あーもう弾けないー、だってさ。私の思った通りじゃんね。すぐ投げちゃうもんね、唯は。

そしてやっぱり一番変わらないのは、この笑顔。
心から楽しいんだろうなぁ、って周りにも分かる位に口角を上げて白い歯を覗かせて。
この笑顔こそ唯の最大の魅力だと思う。だからこそこれだけはいつまでも変わってほしくない。
まぁ唯の魅力っていったら他にもたくさんあるんだけどね。例えばすぐへこたれてぐたってするところとか、思ってることがすぐ顔に出ちゃうところとか。
多分保護欲をくすぐるんだろうね、この子が私を頼ってきたりするときはそれに応えてあげたい、ってなるし。守ってあげたくなるっていうかね。
他にも能天気に生きてるくせにすごい周りに気を配れるし、優しくてあったかい心を持っているところもそう。


まぁ結局のところ、私は唯の事大好きなんだろうね。ホントに。
ずっと昔から一緒にいたってこともあるのかも知れないけど、やっぱり出会ったころからこの子の事好きなんだよね、もうどうしようもないくらいに。
だからさ、最初に唯が軽音部に入るって聞いた時は思わず反対しちゃったよね。
だってさ、唯がちょっとずつ遠くに行っちゃうような気がしてね。
実際はそんなことないのにね。今だって唯は唯のままだし。それに軽音部のみんなもいい子たちばっかりだし。
でもそのときはそんな余裕無かったから。横暴なのは分かってたけどさ……。
結果的に見ればギター始めて良かったよね。やっぱり人間楽しい事してるのが一番だしね。
前より一緒にいる時間は少なくなっちゃったけど、唯の笑顔がいっぱい見れてるから。それで充分。

……っていう風に割り切れるようになったのも最近なんだけどね。今まではやっぱり負の感情っていうのがあったし。でもそれじゃ駄目だもんね。

「和ちゃんどうしたの?」
戸惑ったような唯の声が聞こえる。
「ううん、ちょっと考え事」
「なになに? ……あっ! もしかして、好きな人とかできたのぉ?」
にやにやとイヤな笑みを浮かべながら唯が突っかかってくる。この顔も昔っからだな。
そうそう、唯のすごい事の一つにこの無駄なほどに鋭い勘だよね。悩みとかをズバリ言い当てちゃうんだから。
「まぁそんな感じ。すっごい抜けてて、鈍臭くて、いっつも私に頼ってばっかりで」

でもね、それでいて何事にも一直線なの。そこが一番好きなんだ。

だからさ、いつまでもあんたはあんたのままでいてね。

このページへのコメント

やっぱり幼なじみって良いよね。

この離れてても距離は変わらない。ずっと心が通じ合ってる。

昔から変わらない良いところを自分だけは知ってる。

和の唯に対する特別な思いにちょっぴりじーんと来た。

幼なじみっていいね。

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Posted by 腐れ縁 2009年08月20日(木) 14:35:13 返信

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