2chエロパロ板のけいおん! 作品のまとめサイトです。

「合宿をしましょう」
去年の夏休みに澪が言ったセリフ。
だが、今これを言ったのは澪ではない。
「合宿って・・・ムギ、この春休みにか?」
「逆に聞くけど、りっちゃん、この春休み以外にやるときがある?」
今は3月、期末テストも終えて残りの行事は終業式を残すのみで、あとは春休みを待つ日のことだった。
幸いなことに軽音部から留年生は出ないようで、全員進級することができるようだった。
ただ、唯だけは前回のようにヤマが当たらなかったとかで赤点ギリギリだったらしいが・・・。
「でもムギの家の別荘は海の近くだし・・・さすがにこの季節に海は寒いんじゃないか?」
私は思ったことを口にした。
「あら?私は海の別荘を使うっては言ってないけど」
ムギにしては珍しく、どこか意地悪そうに笑う。
「え!?ムギちゃんちの別荘って海以外にもあるの!?」
「ええ。今回は湖畔の別荘が丁度使えるようだったから。なんでも、本当は叔父が会社の同僚の方と使う予定だったらしいんだけど、急遽キャンセルになったらしくて・・・。せっかくだからということで、私が使うことにしたの」
「ムギ・・・お前の家って一体いくつ別荘持ってるんだよ・・・」
庶民の私には到底想像もつかん話だ・・・。
「年度が明けると新歓の演奏もあるし、ここでひとつレベルアップ・・・と、今年度最後の思い出を作るって意味で、どうかしら?」
「場所が決まってるなら私は賛成だけど、いつやる予定なの?」
私が言おうとした質問は澪に先を越される。
「叔父が借りる予定の日程だから、2週間後に2泊3日って勝手に思ってたけど・・・」
「湖畔ってことは、湖に出れるボートがあったりするのか!?」
「律、またお前はそうやって遊ぶことしか考えてない・・・」
「ありますよ?手漕ぎのボートだけど・・・」
「うお、すげえ・・・」
相変わらず琴吹家のスケールはでかい・・・。
「しかし2週間後か・・・。私は空いてるし、まあ唯もいいとして・・・」
「なッ!?」
「澪と梓は大丈夫か?特に澪は春期講習とか・・・」
「ちょっとりっちゃん!私はいいとしてってどういうこと!?」
「・・・予定あるのか?」
「すみません、ありません」
唯は頭を下げた。
だったらややこしくなるから口を挟んでくるなよ・・・。
「私は大丈夫です」
「私も春は休みが短いということで、春期講習は行かないで自分でやることにしたから、予定の調整は付けれるよ」
澪と梓の了解も取れた。
「よしっ!じゃあ・・・」
「ちょっと待ちなさい」
予期しなかった声に私も含む全員の顔がその声の主に向けられる。
「私に断りもなしに勝手に合宿するつもり?」
「ってかさわちゃんいたのかよ・・・。行きたいなら話に参加してくださいっての・・・」
「い、行きたいだなんて・・・!たまたま予定空いてるし、私は顧問だから仕方なく・・・」
「あ、行かないのね」
「すみません、行きたいです」
さわちゃんは頭を下げた。
だったら最初から素直に行きたいって言えよ・・・。
「よしっ!じゃあ2週間後に2泊3日で合宿!inムギの別荘湖畔にて!!」




それから2週間後。
春休みが始まってまだ数日のこの日、ムギの家の湖畔にあるという別荘に行くため、私達は昼前に最寄の駅集合で移動することになった。
まさかとは思ったが―しかしまあある意味予想通りというか―唯は時間ギリギリに到着、前もって全員分切符を買っておいて正解だった。
「ゴメン!本当にゴメン!憂に起こしてもらう時間30分間違えて伝えちゃってて」
「ったく、憂ちゃんに頼りすぎなんだよ。まあ間に合ったからいいようなものの・・・」
「先輩、もうお昼なんですから憂に頼まなくても普通に起きれる時間じゃ・・・」
「う・・・」
ホームに入ると同時に扉の開いた電車に飛び乗り、ボックス席を見つけてようやくそんなことを話す余裕ができた。
「で、ムギ。この電車賃からすると結構な時間電車に揺られてないといけない気がするけど、どんなもん?」
「そうね・・・。乗り換えの時間にもよるけど、大体1時間半ぐらいかな」
私の質問に対し、荷物の詰ったバッグを網棚に上げながらムギが答えた。
それにしてもあのバッグ、結構重そうに見えるんだが・・・。
ムギのやつ、今軽々と上に上げてなかったか・・・?
「駅からその別荘は遠いの?」
と澪。
早くもチョコレート菓子を手に持ちながらだ、太っても知らないぞ。
「バスで30分ぐらいかしら。湖自体は駅からすぐのところにあるんだけど、湖を迂回しないといけないから」
「へぇ〜。じゃあきっと大きな湖なんだね」
唯も手にお菓子を持ちながら聞いた。
「そうね。あ、あと古い伝説みたいなのがあるみたいで・・・」
「伝説・・・ですか?」
唯と澪が食べてるお菓子に視線を奪われながらも梓が相槌を挟む。
「怖い話だったりして〜」
「お、おい律・・・やめろよ・・・」
「残念ながら違うわね。・・・昔、羽衣を纏って天から降りてきた女の人がいました。その人が空を飛んできた羽衣を樹にかけ、水浴びをしていたとき、ある男の人がその様子を見てしまい、あまりの美しさに目を奪われてしまった」
「ほう、覗きが趣味とはけしからん・・・」
「律、黙って聞け。・・・ムギ、続けて」
「・・・その美しい女性を天に帰したくないと思った男の人は、女性が天に帰れないように羽衣を隠してしまった」
「うわ、自己中」
「律」
澪の目が怖いのでこれ以上は邪魔しないようにするか。
「天に帰ることが出来なくなった女の人はその男の人と結婚し、2人の間には子供もできました」
「めでたしめでたし、だね」
「ところがそうはいかなかったのよ、唯ちゃん。隠してあった羽衣をみつけた女の人は最後には1人で天へと帰って行ってしまって、このお話は終わりになるの」
「は?なんだよそりゃ。結婚破棄に育児放棄か?現代の社会問題じゃあるまいし・・・」
「・・・羽衣伝説ね」
それまでずっと黙っていたさわちゃんが突然口を開いた。
「さすが先生ですね。その通りです」
「おお、さわちゃん、さすがは年の功・・・」
「りっちゃん、何か言った?」
やば、口は災いの元・・・。
「さわちゃん先生、でもなんでその人は最後天に帰っちゃったの?」
「んー、自分のいるべき場所はここじゃないって気づいたから、とかじゃなかった?昔話なんだから大体そんなもんでしょ」
「適当・・・」
「そもそも、そんな天に返したくないから羽衣隠しておいて、それで幸せになるなんてうまい話あるわけないじゃないの?」
「・・・本当かよさわちゃん・・・。で、ムギ。真相のほどは?」
悪いけどさわちゃんの話だけじゃ信用できん。
「先生の話で大まかには合ってるはずですよ」
「げ」
「ほらみなさい」
さわちゃんがそんな博識だったとは意外と言うか、正直言って認めたくない。
と、そんな話で盛り上がりながら、電車は確実に目的地へと近づきつつあった。




「ここよ」
ムギに言われたとおり電車で揺られること約1時間半、さらにバスで数十分。
一見すると海と間違えそうな雄大で美しい湖を臨める場所に、これまた立派な建物が立っており、ムギは私達をそこに案内した。
「すげー・・・」
今まで使った別荘と大きさこそ変わらないようだが何より湖畔、しかも別荘の裏にはそれなりに高い山があって、そこから湖を見下ろしたらさぞかしいい景色だろうと予想できる。
喧騒から離れて過ごすには絶好といえる立地の場所にあった。
「大きさは今までのところと変わらないと思うけど・・・。とりあえず中を案内するから。あ、今回1階に丁度個室が6部屋あったから、勝手にそこにしようと思っていたけど、いい?」
「へえ、個室か。たまにはいいんじゃない?」
「そんなこと言っていいのか、澪。夜目が覚めたら見知らぬ女の人がお前の部屋に・・・」
「大丈夫だと思うわよ、電車で言ったようにこのあたりの言い伝えは怪談の類ではないし」
ムギがフォローしているが澪は結構本気で怯えているようである。
「ば、バカにするなよな!私だっていつまでも子供じゃないんだ、こ、怖いわけないじゃないか!」
あ、やっぱ声震えてる。
「澪、幽霊が怖いなら真ん中の部屋にしておけ。ああいうのは角部屋に出るらしいし。・・・というわけで、私は角部屋なっ!」
「あら、そうなの?じゃあ私も角部屋がいいわ」
「な、なんで律もムギも、怖くないの・・・?」
結局、入り口側から唯、梓、私、通路を挟んでさわちゃん、澪、ムギの順の部屋割りになった。
荷物を各部屋に置き、入り口前に集合、そのままムギは別荘内を案内し始めた。
入り口を入って左手側に私達が泊まる個室が6部屋、入り口からまっすぐ進んだところに今回練習する場所になっている大広間、その右隣は浴室、向かい合うように食堂、その通路はバルコニーに通じている。
2階は小広間と和室があり、個室を使わない場合はこのどちらかにまとまって寝る予定だったらしい。
それにしても広い、そして立派。
もういっそのことここを民宿とかにしちまったほうがいいんじゃないのか・・・。
「案内は以上よ。とりあえず一息ついて、今後の予定を決めたりするのはどう?」
「お、名案。食堂でお茶でも飲みながら考えるか。ま、最初は湖にボートで駆り出すのは決まってるけどな。湖の中に小島みたいなのがあったろ?あそこまで競争しようぜー」
「あのな、いつも先に遊んであとで練習辛いーとかいうんだから、今回は練習が先だ」
「そうです。合宿なんですから、練習しましょう」
「ま、まあまあ・・・。りっちゃん、澪ちゃん、梓ちゃん、その辺は一息つきながら話し合いましょう?」
などとムギが仲裁に入ってるうちに食堂に到着。
「今お茶入れますね」
「あ、先輩、私も手伝います」
ムギと梓がキッチンに向かって行った。
「先に練習だからな」
「固いこというなよー。ほら、唯からも何か言ってやれって」
「でも確かにいつも先に遊んでだれちゃうよね・・・。遊びたいけど、せっかく集中して練習できる時間なんだし、練習したほうがいい気もするんだけど・・・」
「なっ!?裏切ったな、唯!さ、さわちゃんは遊びたいだろ?」
「・・・どっちでもいいわよ。あなた達が練習してても私は感想言うぐらいだろうし、息抜きに来たようなもんだから、みんなで決めればー?」
「さわちゃん!お前もか!?」
などとコントみたいなことをしているうちにムギが人数分のお茶を入れて運んできた。
別荘に常備してあるのか、いつものように紅茶だ。
「どうぞ。・・・ところで、梓ちゃんが面白いものを見つけたみたいよ」
「面白いもの?」
私の問いかけに梓は小さく折りたたまれた紙切れを差し出す。
「カップを持っていくとき、棚の中にあったんです。なんだろうと思って空けてみると・・・」

『宝のありかが知りたければ、小広間を探せ』

紙にはそれだけが書いてあった。
「・・・なんだこりゃ?」
私が机の上に置いた紙切れを澪と唯が覗き込んでいる。
「どういう意味?」
「多分そのままの意味だと思いますよ」
「・・・はぁ?」
ムギの返答の意味をわかりかねて間抜けな声を出してしまった。
「確か前に言ったわよね?本当は叔父が使う予定だったのがキャンセルになって、私達が使っていると」
「そうだな」
「叔父はこういう面白いことを思いつく人だったから。おそらく前もって何かレクリエーションでもやろうと思って準備していたんだと思うの。ところがそれが中止になって、代わりに私達が使うことになった。じゃあ私達にやってもらおう、っていうことで回収しなかったんじゃないかな?」
「宝探し、ってことか?最近の小学生の修学旅行でもそんなこと・・・」
「うふふ・・・。りっちゃん、叔父が言っていたけど、以前は骨董品として値打ちのある皿を隠したりとか、掛け軸を隠したりしてたらしいわよ。もちろん見つけた人が自由にしていいということで」
「やるぞ」
即答。
琴吹家が用意する骨董品、おそらくホンモノであるだろうそれを見つけて売ったらそれは大層なお金になるだろう。
そしたら部費にしてドラムセット一式買い換えて、それでもおつりが来るだろうから・・・。
「律、よからぬことを考えてる顔になってる」
「でも宝探し、面白そうだよねー。子供時代に戻るみたいで」
「・・・先輩はまだ子供に見えますが」
「ぬわっ!?あずにゃん、それはひどい・・・」
「でもなんだか気になりません?」
唯もそうだが、ムギも乗り気のようだ。
「確かにな。面白そうってのもあるし、気になるってのもあるし・・・。梓はどう?」
「え?私ですか?・・・正直言ってやってみたい気もしますが・・・」
「とか梓にふっておいて、本当は澪がやりたいだけじゃないのか?・・・で、さわちゃんは?」
「好きにしたら〜?」
あ、そうかい・・・。
「よし、この宝物ってのを探し出してやろうじゃないか!そしてみつけた骨董品を売り払って部費にして、ドラムセット一式を買い換えて・・・」
「勝手に話を進めるな」
私の華麗なる計画は澪に邪魔をされそうだが、ともかく宝探しをすることだけは決まったのだった。




小広間。
カーペットが敷かれホワイトボードがある以外にこれといった特徴の無い部屋であった。
おそらく会議とかをするときにこの部屋を使うのだろう。
「うん、なんもないな!これなら探す手間が少なくてよさそうだ」
「そうね。この部屋で隠してありそうなところといったら横のほうにまとめてある机と椅子、何枚か飾ってある絵、カーテン、小倉庫ぐらいかしら」
部屋に詳しいムギが補足してくれた。
「手分けしましょう。私とりっちゃんは机と椅子、澪ちゃんは絵とカーテン、唯ちゃんと梓ちゃんと先生は小倉庫を調べてもらう、ということでいいでしょうか?」
「机と椅子って・・・この積み上げてあるやつ1つ1つ調べるのかよ・・・」
机は優に10個、椅子はその倍近くは積み上げてある。
「頑張れよ、律。さてと、私は絵とカーテンだな」
「私達奥の倉庫にいるから、見つかったら呼んでねー」
「っていうか、なんで顧問の私まで・・・」
ブツブツと文句を言うさわちゃんを連れて3人は倉庫に、澪は絵のほうへと近づいていった。
「ムギ・・・なんで私がこんな一番大変なことをやらないといけないんだ?」
1つ目の机を上から下ろす。
2つ目との間には何もない、机の裏にもない、つまり外れという事だ。
「だってりっちゃんが1番乗り気だったし・・・。こういう大変な仕事って乗り気な人にお願いしないと悪いと思ったから・・・」
2つ目の机を上から下ろす。
やはり3つ目との間には何もない、机の裏にもない、外れ。
「・・・ま、宝探しってのはこういうものか」
3つ目の机に手をかけながら自分に言い聞かせる。
その間、机をはさんで反対側にいたムギは何か嬉しそうに微笑んでいた。
「・・・ムギ、なんでそんな嬉しそうなんだ?」
「あら?そう?さっき唯ちゃんも言ってたけど、なんか子供に戻ってるみたいで面白いじゃない?」
そろそろ腕が疲れてきた、なのにムギは平然とした様子で机を持ち上げて調べている。
「そりゃ・・・まあ正直言って面白いけど・・・。でも疲れるのはちょっと、なあ・・・」
「りっちゃん、登山したあと、頂上でお弁当食べたことってある?」
なんだ、急に。
「そう言えば、小学校の修学旅行のときに登ったかな。登りはよかったけど帰り道で澪が脚が痛いって泣き出したってことがあった気が・・・」
「そのとき食べるお弁当って、すごくおいしいものだったと思うんだけど、どう?」
「・・・正直覚えてない。でもまあ、うまいんだろうな」
「なんでだと思う?」
「そりゃあ頂上なんていい景色のところでお腹減ってるから、じゃないのか?」
机を下に降ろしながらムギは首を横に振る。
「もちろんそれもあると思う。でも、きっとそれがおいしいのは、何かをやり遂げたあとだからじゃないかしら?」
・・・読めた。
「つまり、苦労して物事を達成した方が、あとの感動とか達成感が大きくなると思わない?だからこの宝探しもそうだし、その他のことも、苦労した分だけ見つけたときの感動が大きくなるんじゃないかって思うの」
はあ、と1つ溜息をつく。
「『若いうちの苦労は買ってでもしろ』っていうじゃない?」
「私には合わない格言だな」
8つ目の机に手をかきながら、吐き捨てるように言った。
「楽して生きてるほうが楽しくていいと思うんだがな・・・」
「りっちゃんならそう言うと思ったわ。・・・でも、そんな大雑把なりっちゃんがりっちゃんらしくて、嫌いじゃない・・・かな」
「へいへい、どうもです」
社交辞令的に褒められたと受け取り、適当な挨拶を返す。
そんなことをムギと話している間に机も残すところ2つ、これがダメなら椅子も調べるのかと憂鬱になりながら9つ目の机に手をかける。
倉庫の方の様子はわからないが、澪はもう絵とカーテンをほぼ調べ終わったようだった。
この際だから椅子は澪にも手伝ってもらおうか。
などと考えているうちに、9つ目の机の裏も何もなし、間にもなし。
最後の10個目を持ち上げる。
床には何もなし。
が、その机の裏側。
「あったッ!」
危なく机を持った手を離すところだった。
それは机の裏側に丁寧に3つに折られ、テープで貼りつけてあった。
「え!?りっちゃん、あったの!?」
私の声を聞いて倉庫の3人も駆け寄ってきた。
机を裏返して置き、慎重に紙をはがす。
「おい、律。早くみせろって」
せかす澪の声も耳に残らない。
紙を手にとって気づいた。
「2枚あるな・・・」
その1枚目を開けた。
そこにあったのは、よくわらかない数字の羅列。

                    X
  +92 -46  -42 +84 -03 -64 = +
  -31 -12  -2x5 -55 +83 +93 = -
  +2x5 +3x4 +03 +52 -3x2 -52 = +
  -6x1 +93  -25 -52 +04 +4x4 = +
 ―――――――――――――――――――――
Y -   +  +  +  +  +   = (X,Y)

「・・・なんだこりゃ?」
これだけでは何かよくわからない。
続けて2枚目、何かの見取り図のようなものがある。
「これは・・・この別荘の見取り図だわ」
ムギが言うのだから、おそらく間違いないのだろう。
その見取り図が普通と違うところといえば、縦、横、ともに10等分に線が引いてあり、隅に0〜9までの数字が振ってあることぐらいだ。
それ以外に何もない。
「どうなってんだ、これ?」
せっかく見つけたというのに今度は数字と線を引かれた見取り図。
一難去ってまた一難か。
「そんなの、そこに書いてあるとおりに全部計算すりゃいいんじゃないの?」
身も蓋もない発言はさわちゃんだ。
「いやさ、さわちゃん。じゃあこの2x5とか、03とかはどう説明するんだ?」
「ひっかけでしょ?きっとこれは計算しろって意味なんだろうから、深く考えない。ほら、机立てて、あと椅子も。それから書く物」
必要なものを一式要求し、椅子に腰掛けて数字が並んだ紙と睨み合う。
そして2x5、03等のややこしくなっている数字を書き直し、携帯の電卓機能で全部を計算していった。
「はい、できたわよ」


                    X
  +92 -46  -42 +84 - 3 -64 = +21
  -31 -12  -10  -55 +83 +93 = -68
   +10 +12  + 3 +52 - 6  -52 = +19
   - 6 +93  -25 -52 + 4 +16  = +30
 ―――――――――――――――――――――
Y  -65  +47  +-74 +29 +78 +-7 = (2,8)


「2と8・・・?」
「そうだ!見取り図!」
言うなり澪は横に2、縦に8の場所を指差した。
その四角形の中、練習場所にする予定の大広間だけが綺麗に入っていた。




結論から言うと、大広間で次のヒントとなる紙を見つけることはできた。
が、それを見つけるまでに、前回の小広間同様の肉体労働が待っていた。
無論私は机以外の場所を調べることを希望したが、民主主義の大原則の多数決によってまた積んである机を降ろしながら調べる役割に決定したのだった。
不幸中の幸いというか、小広間同様にムギがパートナーとして来てくれてかなり楽だったし、何より3つ目を降ろしているときに早くも澪が飾ってある写真の額の裏からヒントの紙を見つけ出したことで、さっきほど苦労せずには済んだわけだが。
「さて、次は鬼が出るか蛇が出るか・・・」
「へ?りっちゃん、そんな危ないの、この紙からは出てこないと思うよ?」
「・・・唯、せっかく真面目なムード作ったんだから壊すな」
タイミングを崩された・・・。
仕方なく1つ溜息をつき、またしても3つ折りになっていた紙を開く。


ぜんりゃく
早いもので、右にみえる田は明るくなり、古くからのひとびとの心がわかるようです。
二ばんめの子も五にちほどまえに木のまん中につかまりながらですが、立てるようになりました。
それでは。   牛口たろう


「・・・はぁ・・・」
さっきついた溜息をもう1度つかざるをえないな、こりゃ。
「右に見える田・・・?ムギ、この辺に田んぼとかってあるの?」
「ごめんなさい澪ちゃん、ちょっと覚えてないんだけど・・・。でも少なくともこの近くにはなかったと思うわ」
「じゃあさ、最近2番目の子が建てるようになった家は?」
「唯、そんなのわかるはずないだろ・・・」
と、言ってみたものの、かくいう私も澪と唯の質問を足してムギに聞こうかと思っちゃったけどね・・・。
「じゃあ牛口たろうって・・・」
「人の名前までムギにはわからないだろ・・・」
「あ、やっぱ人の名前だったんだ」
「な!?じゃあ唯はこの最後の『牛口たろう』をなんだと思ってたんだ!?」
「何か牛の口につける機械みたいなものだと思ってた、きっとそれが『たろう』っていうんだろうなって」
なんだ、何言ってるんだこの子は・・・。
「あ、わかった」
などと唯に突っ込んでいると聞こえた声に、5人がその主へと目を移す。
「さわちゃん、本当!?答え答え!」
「でもここで私が言ったら簡単すぎてつまんないでしょ?」
「そんなのいいから!早く早く!」
もったいぶらずに教えろって・・・。
「じゃあ今度の練習のとき、私が選ぶ衣装を5人それぞれ着てくれるって約束するなら、教えてもいいわよ?」
「・・・律、自分達で答えだそう」
澪が即答した。
「なんで?別にさわちゃん先生の衣装かわいいしいいんじゃ・・・」
「ヤダ!何言ってんのよ唯!私は絶対嫌だからね!」
「澪じゃないけど私もちょっとな・・・。梓も嫌だろ?」
「服によりますけど・・・。私も自分で答えだす方に賛成です」
「ううっ・・・つれないわね、あなた達・・・」
泣きまねをするさわちゃんをなんとなしに見ていて、いい案を思いついた。
「じゃあヒントくれたら、唯は好きにしていいということで・・・」
「え?いいの?唯ちゃん」
「律、またお前勝手に・・・」
「私は別に着てもいいと思ってたしいいよ。・・・では私平沢唯、皆様のために体を投げ出す所存にございます!」
「平沢軍曹!自分は平沢軍曹の覚悟を無駄にはしません!」
ビシッと決まった敬礼ポーズを見て思わず返礼。
「で、さわちゃん、ヒント」
「・・・え?あ、ああ。あなたたちのコントに見惚れてたわ・・・。・・・この文章、何か読みにくくない?」
「そりゃあ文章が意味不明だし、漢字にすりゃいいところまで平仮名だしな」
「なんだりっちゃん、わかってるじゃない。今言ったことの後半部分に気づいてるなら、あとは簡単よ」
「・・・は?」
「りっちゃん、この漢字に注目するといいってことじゃない?」
と、ムギの助言。
「つまり、『早』『右』『田』『明』『古』『心』『二』・・・」
「もう1つヒント教えてあげる。注目するのはそれぞれ1段ずつ」
さわちゃんのヒントに応じて紙に『早』『右』『田』『明』『古』『心』の文字を書き出す。
「んーと、読み方・・・は違うし送り仮名も違うよな・・・」
「共通してる部首があるわけでもなさそう・・・」
私に続いて澪も口を開く。
「ぶしゅ・・・ってなんだっけ?」
なんて言ってる唯に突っ込んでやりたいところだが、今は考えるのに忙しくてそれどころではない。
「あ、『くさかんむり』・・・」
ポツリと梓が呟いた。
「これ、全部に『くさかんむり』をつけれる字じゃないですか?」
言われたとおりに書き出した文字にくさかんむりをつけていく。
『草』『若』『苗』『萌』『苦』『芯』・・・。
「本当だ、確かにそうだ」
「じゃあ次も・・・?」
『二』『子』『五』『木』『中』『立』。
「いや、これはくさかんむりじゃないな・・・」
「・・・『にんべん』」
またしても梓が呟く。
『仁』『仔』『伍』『休』『仲』『位』。
「さすがだな、梓。で、最後は?『牛』『口』みたいだけど」
「えっと、これは・・・」
「ひ」
「・・・どうした澪?何か驚くようなことでも?」
「違う。ひ、だ。カタカタの『ヒ』。部首の読み方はわからないけど・・・」
『牝』『叱』・・・。
「あ、ほんとだ。澪、お前よくこんなのわかったな」
「と、いうか、先に答えがわかってそこから逆算した、っていうのが正しいかな」
私が持っているシャーペンを取り上げ、澪は余白に書き出していった。
「『くさかんむり』と『にんべん』を組み合わせるんじゃないかとしたら、おそらく最後に残ったのは・・・」
くさかんむり、にんべん、そして『ヒ』・・・。
「花」
おそらく花がある場所、という意味だろう。
口に出しながら花があった場所を思い出そうとした。
「・・・バルコニーか?」

大広間を出て左手に通路を進む。
その先にあるバルコニーへの扉を開け、私達は外へ出た。
「ええと・・・プランターの1つもあると思ったんだけど・・・」
来ては見たものの、花がありそうなプランターはどこにもない。
「あと花がありそうなところ・・・」
「律先輩、和室は?」
「いや、あそこには畳と座布団と小さい折りたたみの机しかなかったはずだ。・・・といっても、他に心当たりがなければそこに行くことになるんだろうけど」
言いながらポケットからある紙を取り出す。
最初の数字の羅列と一緒にあった紙、つまりこの別荘の見取り図だ。
「ええっと、他に目ぼしい場所・・・」
今言った和室、さっき行った小広間、1階に移って大広間、各個室、食堂・・・どこも花は無かった気がする。
そもそもここは別荘、花なんて手入れしないといけないものを置いておくなんてしないんじゃないのか。
「律、ここって・・・」
澪が指差した場所は私達が今いるバルコニーから見取り図上で数センチ右にずれた場所だ。
その場所を実際に目で追う。
花は咲いていない。
しかしそこは舗装されている周りと異なり、1段高くなっている柵の中に土が盛られている箇所がある。
「ムギ、あそこはここで間違いないな?」
見取り図と実際の風景の両方を指差しながら私は確認を取った。
「えっと・・・。そうね。今は花はないみたいだけど、昔ここに来たときはあそこに花が咲いていたように覚えてるわ」
もう1度見取り図に目を落とす。
そこにははっきりとこう書いてあった、――「花壇」と。

私たち5人は花壇に来た。
5人、というのは数え間違えているわけではない。
ムギは起こってほしくない事態に備え、家の中にあるものを取りに行っていた。
「・・・しかしこれはムギがくるのを待つしかないな」
溜息と一緒にその言葉を吐き出す。
花壇には土しか見えない。
つまり、ここに次のヒントがあるとするならば、それは土の中に埋めてある、と考えるのが妥当だろう。
それを見越してムギは物置にシャベルを取りに行っていた。
「できることならシャベルとか使いたくなかったのに・・・」
「なんで?」
澪の奴め、わかりきったことを・・・。
「・・・ムギがシャベルを持ってきて、ここを掘り返すという肉体労働をするのは誰でしょう?」
「律」
「りっちゃん」
「律先輩ですよね?」
「りっちゃんやってよ〜」
こ、こいつら・・・。
案の定予想通りの答えが返ってきたことにもう1度溜息をこぼす。
「お待たせー!持ってきたわよー」
声の方向へ目を向けるとムギがこちらへ向かって走っているところだった。
その手には確かにシャベルが握られている、それも2つ、両手に。
「・・・さて、問題です。ムギは2つシャベルを持ってきました。1つは不本意ですが私が使うものとして、もう1つは誰が使うでしょうか?」
ニヤリ、と不敵な笑みを浮かべながら言ってやった。
こうなりゃヤケだ、誰かを巻き添えにして撃沈してやる。
お、全員困った反応だな。
あ、澪が目をそらした。
「何言ってるの、りっちゃん」
そう言ったのは他ならぬシャベルを持ってきたムギだった。
「りっちゃんがやってくれるなら、もう1人は私がやるわ。元々そのつもりだったし」
「・・・と、そういうわけらしい。頑張れよ、律、ムギ」
「りっちゃんがんばってー」
「お疲れ様です、律先輩」
「いいからりっちゃん早くやってよ〜」
さっきの再演のようなやりとりに思わず手にしたシャベルに殺意が篭るところだった、特に最後に言ったさわちゃんとか完全に投槍じゃねえか・・・。
「もういいや!こんなのはさっさとやるに限る!よっしゃムギ、掘るぞ!掘り返すぞ!!堀りまくってブラジルかアルゼンチンぐらいに行き着くまで掘るぞ!!!」
「りっちゃん、目的を見失ってるんじゃ・・・」
「行くぜッ!必殺!『田井中地中返し』!」
「なんだそれ・・・」
「おおー!りっちゃん、なんかそれかっこいいかも!」
言うなればただ叫びながら地面を掘り返しただけだが、冷めてる澪に対して唯には受けたらしい。
「唯、やってみたいならお前も・・・」
「りっちゃんがんばってー」
・・・もういいや、掘ろう。
それから約十数分程度、私とムギは黙々と地面を掘り返した。
カツン!とシャベルの先に何か物が当たったような乾いた音がしたのは、花壇一面がほぼ掘り返えされた後のことだった。
物が当たったと思われる場所より少し深めにシャベルを挿し込み、掘り返す。
そこに、土に紛れて土の中の微生物では分解されないであろう、ジャムを入れるようなビンとその中に丸められた紙を見つけた。
「なんかタイムカプセルを掘り起こしたような気分だな」
率直に感想を述べてビンの口を空け、中の紙を取り出す。
頭を使うのも、肉体労働ももうごめんだな、と顔を上げて今日何度目になるかわからない溜息。
「りっちゃん、早く早く」
唯のせかす声に丸められていた紙を広げた。


たまには頭の体操にもお休みが必要だよね。
2階でまだ調べていない部屋があるんじゃないのかな?


こりゃまた予想外だった。
どんな突拍子のない問題が出てくると思ったら・・・。
「えーと、これは素直に2階で残ってる部屋を調べろ、ってことだよな?」
さっき見取り図を見たおかげで2階の残りの部屋は覚えている、和室だ。
「2階でまだ調べていない部屋だと・・・和室だわ」
私の記憶を裏づけするようにムギが言った。
「次の場所がわかってるなら早く行こう」
「気持ちはわかるけどな、澪。掘り返してあるこの花壇の状況も少しは考えてほしいんだが・・・」
「じゃあ次の部屋は私達が中心になって調べるから、律とムギは花壇を何とかした後、そのシャベルを置きながらゆっくり来ると言うことで」
勝手に話を決めた澪を先頭に唯、梓、気だるそうにさわちゃんが続いた。
「ったく、澪のやつ、勝手に話を決めて進めやがって・・・」
愚痴りながら不用意に盛られた土を穴の空いているところに埋めなおして平らにしていく。
「多分、澪ちゃんもなんだかんだいって楽しんでるんじゃないかしら?だから次はどこに行くのか、最後に何があるのかが気になってるんだと思うの」
「だろうなあ。あいつ、私のことを子ども扱いする割りに自分も子供なんだから・・・」
うふふ、とムギが含み笑う。
「でも私から見たらりっちゃんも同じようなものだと思うけど?」
「あー!言ったなムギ!」
「ごめんなさい。でもね、そんな風に言い合える2人がうらやましいなって思って」
土を均す手を休めてムギは言う。
「ずっと幼馴染で小さい頃からお互いのことを知っていて・・・。私にはそんな人はいなかったから、だから2人を見てると時々うらやましいって思うこともあるの。澪ちゃんは小さい頃からのりっちゃんのことを知ってて、そんな長い付き合いなんだって思うと、ね」
遠い目をしながら話すムギの顔に沈みつつある夕日が当たり、綺麗に映し出していた。
一瞬、そのムギにかわいいというか、美しいというか、しかしそれと同時にどこか物悲しいような、なんとも言えない感情が浮かんだ。
「・・・なんてね。土を均すのはもう大体いいから、シャベルをしまってみんなと合流しましょう」
不意に笑顔をこっちに向けたムギの足元を見る。
言われて見ると大体は平らになっていて一応はこれでいい、と思えるぐらいにはなっている。
「・・・まあムギがそう言うなら」
足元を軽く踏み固めながらそう相槌を打った。
打ちながら、頭はまったく別なことを考えていた。
「ムギ、さっきの・・・」
「シャベル、私が持っていくよ」
口からこぼれた私の言葉は、重ねられたムギの言葉によって消された。
「りっちゃん、今何か言わなかった?」
「いや、いいんだ。私もシャベル持っていくよ。ムギ1人に任せちゃ悪いし」
・・・『さっきの』の続きは何を言おうとしたんだっけ。
あんなムギの表情を見るのは初めてで戸惑ったから声をかけようとしたのか、それともどことなく悲しそうに見えたムギに何か声をかけないといけないと思ったのか。
でも、多分、いや絶対に、ムギに悲しい顔は合わない、そう思ったから何か声をかけなくちゃって思ったんだと思う。
「あ、そだ。・・・ムギ」
だから、ムギの笑顔を見て安心したかった私は向き直った。
「ありがとな、シャベル持ってきてくれて、あと一番大変な作業に付き合ってくれてさ」
一瞬驚いた顔をしたムギだったが、
「いいの。りっちゃんのためだもの、そんなあらたまらなくていいわ」
いつもどおりの笑顔。
やっぱりな。
ムギにはその笑顔が一番合ってる。


シャベルを置き、2階の和室に着いたとき、もう4人は畳の上にある机の周りに集まって座っていた。
「ふふーん、2人がのんびり来る間に見つけちゃった」
澪が得意げな顔でこちらを見上げている。
机の上にはまだ折られたままの紙が置いてあった。
「え、もう見つけちゃったのか!?」
「大丈夫、まだ中は見てないよ。りっちゃんとムギちゃんが来る前に見たら不公平だと思ったから」
そう言いながらも唯は早く中を見たいと言いたげだった。
「お、それは気が効く!・・・じゃあ早いところを中を確認しようぜ」
私とムギが座ったのを見計らい、澪が折られた紙を開いた。


シ○月


「・・・」
思わず全員が言葉を失う。
紙に書いてあったのはこれだけ、なんだか数を追うごとに文字数というか、書いてある内容が減っていく気がするぞ・・・。
「えーと・・・」
澪が困ったような声を出した。
多分、言いたいのは私と同じだろう、というかほぼ全員が同じことを言いたいんじゃないのか。
「あの・・・先輩方・・・」
「おお!わかった!私、これわかったよ!」
「・・・唯、落ち着け、立ち上がりたいかもしれないだろうが落ち着け」
梓の反応を見て確信した。
確信したからとりあえず唯は落ち着けておこう、ついでに説明しておくか。
「・・・多分これは見た瞬間に全員わかってる」
うん、と唯以外の5人の首が縦に振られた。
「・・・へ?なんだ、そうなの?」
「何か・・・捻りがないというか・・・今までよりもわかり安すぎて逆に不安だった・・・」
「花壇の件といい、ネタがなくなってきたんでしょうか?」
「梓ちゃん、辛口ね・・・」
叔父が絡んでいるからか、ムギが困った顔をしていた。
「なんでもいいからさ、もう答え出しちゃえば」
やはりさわちゃんは身も蓋もない。
「じゃあせーので言うぞ。・・・せーの!」
『湖』
全員の声がハモった。
○に入るのは『古』、つまり『シ古月』、『湖』。
「湖ってことは、あの湖を全部調べろとか言うんじゃないよな・・・?」
『水中にあるかもしれないから、ダイバーが必要です』などと言われた日には宝は諦めるしかない。
・・・まさか私に潜れとかってはさすがに言われないよな?
「○の中に入るのは『古』よね。・・・ここからも見える小島、確かここに来たときにりっちゃんがそこまで競争しようって言った島だと思うけど、そこにかなり古い樹がある、って叔父が言ってた気がするわ」
ナイス、ムギ。
「じゃあボートを漕いでその小島まで行き、そこを調べればいいんだな!」
「りっちゃん、張り切ってるところ悪いけど・・・」
言うなりムギは立ち上がり、障子戸を開ける。
開けられた窓ガラスの向こうは。
「もう今日は陽が落ちちゃってボートは危険だから・・・。明日にしましょう?」


後編へ続く

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