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著者:別-496氏


前  無題(さわ子×和IV)


生徒会で名目上では奉仕作業という名の雑務行事をよくやらされていた。
その中でも除草作業が一番酷だった。
真夏の西日が背中を焼くように熱く、滝の様に流れる汗を首に巻いたタオルで吸い取る。
校庭の中心で懸命に部活動に励んでいる選手の掛け声をBGMにひたすら草を毟り取っていた。
軍手がみるみるうちに緑や茶で染まる。とどまる事なく生い茂る雑草に恨みすらも覚えた。
唯「ん・・・和ちゃ・・・。」
和「・・・。」
でも今は違う。荒れた公園の一角にある小高い丘。
手入れされず好き勝手成長した木々がこんなにもうまく私達を隠してくれる。
駅から発信される光が木々を微かに照らしそれはもう唯と過ごすには申し分ないほどの絶景だった。
00:00の瞬間をキスで迎えた。ちょっとくさすぎる演出だけれどたまにはいいわ。唯の前なら王子様にも・・・ピエロにもなれる。
堅く抱きしめた右腕を離しコートの上から胸をさする。制服と兼用しているコートはガザガザと堅くほんの少しだけ弾力を感じる。
和「・・・いい?」
唯「え?お外なのに・・・?」
和「ストップって言えば止めるから。」
唯「う・・・うん。」
私はずるい。こんな言い方をしてしまえば勝った様なものだ。嫌なんて言える筈もないしいざ言っても止める気なんてない。
唯はその言葉の裏に気がついていない。唯の純真さを利用した。
マフラーを捲りそっとコートの中に手を入れる。唯の体温が暖かく一段と胸の柔らかさを感じる。
体制が辛くなり抱き合ったまま後ろの柵へ唯を追いやる。木製の柵は霜で冷たく苔でぬるりとした感触がした。
柵に腰掛けて私の目線より一段高くなった彼女。後ろは崖。そうなると彼女は落ちないように私を胸に疼くめさせる体制で体重を預けるしかない。それも計算した。
コートを開きインナーを強引に引っ張り胸を露出させる。寒さで鳥肌のたった肌に優しくキスをするとピクリと反応した。
唯「っ・・・誰かに見られちゃうよお・・・。」
和「・・・大丈夫。」
唯の感じる顔なんて誰にも見せない。行為をしながらも常に回りには警戒をしている。
がっしりと私を掴んでいるから大丈夫よね・・・?そう思いながら支えていた左腕を離す。
ジーパンの上から強く秘部を擦ると唯の腕の力がより一層増す。
寒さでカチカチになったチャックをなんとか開け指を入れる。
和「・・・熱い・・・。」
唯「・・・っ〜・・・。」
普段天然であどけない顔をしている唯の大人の声。軽音部の誰も知らない。
和「ちょっと降りてくれる?」
唯「え、うん・・・?」
和「・・・キツいわね・・・。」
唯「・・・。」
柵を降りて今度は唯が私の胸に顔を疼くめたままゆっくりと足を開く。唯なりに精一杯行為が円滑になるようにそうしたのだろう。
和「・・・素直ね。いい子。」
唯「・・・うん。」
火照った頬にキスをして一気にもう一度ジーパンの中へ手を滑らす。
服が邪魔でスムーズに手が動かない。でも唯の反応は普段以上にいい。
吐息があえぎ声にかわり過呼吸気味になってくる。
盛った猫のような声が私の鼓膜を刺激する。
立ったままでの情事とこのシチュエーションに彼女も興奮をしているみたい。
指に絡まる愛液がそれを語っている。
唯「う・・・あっ・・・。」
和「大丈夫?すごいわよここ?」
唯「言・・・わないで・・・んっ。」
顔を高潮させ目が溶けそう。ギリギリと私の服を掴む。
唯「うう・・・やばいよお・・・。」
和「いいわよ?」
唯「ん・・・来ちゃうっ・・・。」
和「ゆ・・・いっ・・・」
唯「あっ・・・さわ
唯「・・・!」
和「・・・。」
北風が吹く。
どんな時でも一歩身を引いて物事を見られる性格をこれほど恨んだ時はないだろう。
外での情事で常に周りの音、雰囲気に注意を向けていた。
もちろん唯の吐息にも。
確かに聞こえた。”さわちゃん”って。
その瞬間唯からは何も聞こえなくなった。
本人も今の失言に気がついたのだろう。
なら私はどうすればいい?
する事は1つ。
和「・・・。」
唯「・・・んっ。」
聞こえなかった振りをして液体まみれの指を強く膣内に押し込む。
唯「あっ・・・うっ・・・!」
達してしまえばいい。そのまま頭真っ白になって今の言葉も忘れてしまえばいい。
唯「ん・・・和ちゃんっ・・・!」
よかった・・・。今度は私の名を紡いでくれた。
服を引き破る如く強く私の肩を抱いて唯は果てた。
糸が切れた人形の様に雪崩れる唯を受け止める。体重を支えきれずその場に座り込んでしまった。
サクっと霜を潰す音が響き渡る。

どれくらい時が立っただろう。なかなか起き上がらない唯を抱いたまま空を見上げる。
イルミネーションで空が虹色で・・・まるでオーロラのようだった。
こんな星空ならばサンタクロースが来ても不思議じゃない。
景色を眺めるほど余裕のある自分が不思議に思う。何故こんなにも落ち着いているのだろうか。
右手で唯を抱きしめ左手は地面の雑草を握り締める。・・・冷たい。このまま左手が凍傷してしまうかもしれない。
そんな事どうでもいい。今私が考えるのは胸の中で泣く唯をどうするかだわ。
唯「・・・煙草の匂い・・・。」
和「・・・え?」
唯「・・・香水の匂い・・・。」
和「唯?」
唯「部屋の匂い・・・がするよ?」
和「・・・。」
唯「私知ってるよ?・・・和ちゃんとさわちゃんの事・・・。」
和「・・・っ。」
ドサッ・・・
後頭部が冷たい。唯に押し倒されたんだ。
私の視界。円を縁取る様に木々が囲み中心は星空。それを遮るように涙を零す唯の顔。
背中に回した右腕を離し大の字になる。冷たい。頬に雑草の露がくすぐる。
その上に唯が覆い被さる。
唯「文化祭の前にね、さわちゃんの家に行ったの。」
和「うん。」
唯「おどろかそうとおもってそーとドア開けたら和ちゃんが居て・・・。」
ああ、あの時ね。私が初めて先生の家に行った日。
行為の最中に突然閉まったドア。
唯「その後さわちゃんが来て・・・。」
喉が渇いたなんて嘘だった。先生は私を寝室に残し唯と会話していたのね・・・。
唯「うう・・・っ。」
頬に暖かい液体が点々と付く。
和「・・・怒らないから・・・話して?」
唯「うんっ・・・。」
唯は律とライブ行った夜の事を知らない。初めから知っていた。唯と先生のことも。
でも知らない振りをしていた。そうすればずっと唯と一緒に居れたから。
唯「去年の、文化祭の時・・・。」
唯「さわちゃんの家で練習した時に・・・。」
和「うん。」
唯「好きじゃないんだけれど忘れられなくて・・・。」
唯「さわちゃんみたいになっていく和ちゃんの事好きになっちゃって・・・。」
――・・・先生って私が初めてじゃないですよね?
――あら?分かる?
――以前も女性とこんな事したのですか?
――・・・ええ、去年の今頃にね。

――最近和ちゃん雰囲気変わったよね?
――そう?
――お酒飲むなんて知らなかったし・・・。
――嫌?
――ううん、今の和ちゃんのほうが好きだよ。

・・・なるほどね。17年間見向きもしなかった唯が急に私の所に来た理由が分かったわ。
唯は先生と関わる事で先生色に染まった私を重ねて愛していただけ。
屋上で先生と話した時からいつかは聞かなくちゃいけないと思っていた。でも今が幸せすぎて・・・その夢から覚めたくなくて聞けなかった。
嗚咽交じりで空の果てまで届きどうなくらい大きな声で泣く唯。遠くでアベックが振り返る。近所迷惑かもしれないけれど止めなかった。
唯の扱い・・・なんでも分かっているつもりだったのにいざという時に限って術が浮かばない。・・・無力な私。
霜が溶け私の後頭部が濡れてくるのが分かる。芝生の青臭さが鼻につく。コートはきっと泥まみれだろう。
こうなる事は分かっていた。むしろこのままぐだぐだ付き合って唯を追い詰める事を考えたら今夜が丁度良かったのかもしれない。
和「・・・落ちついた?」
唯「・・・うん。」
えへへと作り笑いをしながら涙を拭う。そんな顔させたくなかった。唯は天真爛漫で子供のような笑顔が似合うのに・・・。
和「・・・とりあえず帰りましょう?」
唯「・・・うん。」
身体を起こしパタパタとコートを叩く。べちょりと手に泥がつく。
思わず苦笑いをすると唯は本当に申し訳無さそうにする。馬鹿。だからそんな顔しないでよ。
公園の帰り道。体中がずぶ濡れで凍える。
思わず”寒い”と零しそうになったけれどそんな言葉を口に出せば唯は私を温めようとする。
でもそれは普段の私達の間の事であって、今言えば唯はどうすればいいか悩むだろう。
だから私は何も言わなかった。会話のない帰路よりも唯が私の扱いで困るほうが嫌だったから。
私の後ろを唯がとてとてと着いて行く。捨てられた子犬の様に。
ふわふわのピンクのマフラーが寂しそうだった。

和「とりあえずコートはここにかけるわよ?」
唯「うん。」
家に着き玄関で水気を含み重くなったコートをかける。
和「・・・お風呂借りていい?」
唯「あ、・・・うん。」
和「・・・。」
和「・・・唯も入る?」
できるだけ優しく微笑んだ。
唯「・・・いいの?」
和「もちろんよ。」
唯「・・・!」
また唯目から大粒の涙が零れる。でも今度は笑顔で。
憂が起きちゃうわといったらごめんといいながらもさらに強くハグをする。
その表情を見れて私も緊張の糸が切れたらしく急に体中の汚れや土臭さが鼻につくようになった。
シャワーの音で憂が起きるとまずいから湯船に漬かった。今回は二人なので多少は狭いけれどなんとか納まる。
体育座りで向かい合わせ。透明な液体で互いの裸がまる見えで恥ずかしい。
唯「和ちゃん?」
和「なあに?」
唯「えへへ・・・おいで?」
そう言って足を伸ばし両手を広げる彼女。
唯「嫌かな・・・?」
和「・・・お邪魔するわ。」
嫌なわけないじゃないの。身体を180度回転させ背中を唯の身体に預ける。
心地よい湯の温度と背中に感じる唯の感触。
唯「なんだか痒くない?」
和「冷えた身体で急に湯船に入ったからよ。」
唯「こーしてると、なんだか私が和ちゃんのお姉さんみたいだね。」
和「頼りない姉ね。」
唯「えへ。」
唯がまた笑ってくれた。
唯「・・・さわちゃんね。」
和「うん。」
唯「私にはお酒とか、煙草とか全然教えてくれなかったんだよっ。」
和「あら、そうなの?」
唯「うん。”唯ちゃんにはまだ早い”って。」
和「・・・へえ。」
流石幼少時代からの幼馴染なのだろうか。仲直り・・・と言う訳ではないけれどもう普通に会話できる。
きっと背中に感じる唯の温もりが優しいから・・・。
幼稚だと思っていたけれどそんな事はなく高校に入り唯も成長していた。中学までの唯ではこんな風にはならない。
いつまでも唯が構ってくれない寂しさを引きずってはいけないと思った。
ピチャン・・・
天井から水が一粒滴り落ちる。
唯「和ちゃんはさわちゃんが好きなの・・・?」
和「はあ?何言ってるのよ?」
唯「だってずっと一緒にいたんでしょ?」
和「あんたと付き合ってからはすっぱり切ったわよ。」
唯「そうなんだー。」
和「それに私が好きなのはあんただけよ。」
唯「えへ、じゃあなんで?」
和「・・・寂しかったのよ。」
唯「寂しい?」
生まれながらの愛され上手の彼女には到底理解できないだろう。
和「・・・唯は先生の事まだ好きなの?」
頭上で髪の振る音が聞こえる。否定の意味だろう。
唯「私は和ちゃんの事大好きだよ。」
和「・・・ありがとう。」
和「でもあんたは先生に似ている私が好きなんでしょ?」
唯「・・・そんな事ないよっ。」
和「・・・そう。」
唯は初体験の相手を忘れられずにはいるけれど愛してはいないみたい。
初めは唯への思いの鬱憤を晴らす為に先生と関わったのに結局はその先生のお陰で唯は私の事を好きになってくれた。
和「そういえば今クリスマスなのよね。」
唯「ほえ?そう言えばそうだね。忘れてた。」
和「・・・サンタさんにお願いある?」
唯「え?」
和「・・・私はあるわよ?」
唯「なあに?」
和「唯サンタさん、叶えてくれる・・・?」
私が冗談を言うなんて珍しいと思ったのだろう。キョトンとしてる。
唯「・・・まかせなさいっ」
そう言ってフンスと胸を叩く真似をした。クスリと笑い深呼吸をし唯の手を握る。
唯「えへへ。」
和「”サンタさんへ・・・。”」
後ろで肩を震わすのは気づかない振りをした。



シュボッ、ジジジ・・・
和「ふうー・・・。」
さ「どう?久しぶりの煙草は?」
和「・・・美味しいです。」
あんなに苦く感じていたのに・・・。
吸うたびむせたり頭痛がしたりしていたけれど車内でハンドル握りながら吸う先生が好きで辞められなかった。
久しぶりにこのアパートに来て変わったこと。部屋の片隅に置いてあるギターが2本になった。
さ「いいでしょ?知り合いに借りたの。」
和「へえ。」
普段のエレキと違い大きくて厚みのあるアコギはちょっと構え辛そう。でもこの間のエフェクターを通した音よりもずっと澄んでいてそして味のある音。
時たま気がついたようにグラスを握りビールの様に豪快に飲んではゴトンと机に置く。
子供みたいに夢中で歌詞を添えて楽器弄りをしている先生がちょっと可愛いかった。
先生の部屋に上がってかれこれ二時間ぶっ通しで飲み続けている。
天井を眺めると蛍光灯が揺れている。浮遊感がする。
――ジーャン、ジャンージャカジャカ・・・



幼い頃から目が離せない子だった。
いつもぼーとしていて、なのに落ち着きがなくて。
そんな彼女を放って置けない子がもう一人いた。
憂。彼女の妹だった。
憂が唯を優しさで包み込み私は唯の背中を押す。特に決めた訳じゃなかったけれどいつのまにかそうなっていた。
周りには和は唯に厳しいとも言われた事もあったけれど気にしない。だって唯が笑ってくれるもの。
唯は私が厳しくする理由を分かってくれている。行動に移しているかは否かだけどそれでも唯は私の気持ちを汲んでくれている。
――ピチャン・・・
天井の水滴がまた一粒落ちる。それが輪になり穏やかな波が肌に届く。
唯「なんで・・・和ちゃんが言うの・・・?」
和「だってあんた言えないでしょ?」
唯「・・・。」
和「短い間だったけど幸せだったわ。」
唯「そんな永遠のお別れみたいに言わないでよっ・・・。」
愛されることしか知らない彼女には別れという現実は酷すぎる。
私にできる事は堅く繋がった唯の手を優しく握り返すくらい。
和「・・・もし・・・。」
唯「え?」
和「・・・ううん、なんでもないわ。」
唯「ごめんね和ちゃん・・・。」
和「だから謝らないでって。私、あんたが笑っているのが一番好きなの。」
ピチャン・・・
ああ、こんな時、こんな場面で今のセリフは良くなかった。後頭部で唯の鼻をすする音が聞こえる。
でもね、顔見なくても分かるの。今唯が笑顔だって事くらい。だって昔からの幼馴染だもの。
聖夜の平沢家の浴槽に舞い降りた優柔不断で愛され上手で・・・泣き虫なサンタクロース。
でも包み込む体温はとても心地よい。大好きよ、唯。欠片でも私を好きになってくれて本当にありがとう。
笑顔で言った。
――別れましょう・・・?――



――ジャーン・・・
ふわふわ時間のアコスティックバージョン。あまりにも原曲とはイメージが違う。
聞いているだけで赤面しそうなくらい甘々の歌詞。
悔しいけれど今回だけはサビに共感をしてしまった。
満足したのかスタンドにギターを戻し煙草に火を付ける先生。
さ「ふうーおいで?」
和「・・・。」
楽器がなくなりソファーの隣、定位置に移動する。
さ「殴って・・・いいわよ?」
和「え?」
さ「顔はやめてね?」
ニッコリ微笑み両手を広げる。
和「ふ、そんな事・・・できる訳ないじゃないですか。」
鼻で笑い氷の溶け切ったグラスを一気に飲み干した。
さ「唯ちゃんのせい?」
和「唯関係なしに暴力は嫌いです。」
さ「クス・・・そお。」
ため息と同時に煙を吐く。
さ「貴女が部屋に来たとき覚悟したのよ?」
和「その割には第一声が”グラス取って”だったじゃないですか。」
さ「そうだっけ?」
そう言いなが私の肩に腕を回し抱き寄せてきた。あ・・・先生の香水の香り。
落ち着く・・・。目を瞑り体重を先生に預ける。ちょっとテンポの速い先生の心音。
さ「結局お互い失恋しちゃったわね。」
和「先生の振られ病が移ったみたいです。」
さ「・・・。」
失恋の傷をえぐったらしくいじけながらグラスに口をつける。
さ「まあ、人は失恋を繰り返して強くなるのよ。」
和「なんですかその無理やりな締め。」
さ「だめかしら?」
和「そもそも先生が原因じゃないですか・・・。」
さ「怒ってる?」
和「過去の事に口出しはしませんがもう生徒に手を出さないで下さい。」
さ「真鍋さん以外?」
和「私以外。」
さ「あら、もしかして私の事好きなの?」
和「何勘違いしているんですか。」
さ「あら釣れないわねー?」
和「・・・こう何にも囚われない付き合いが楽なんです。」
短くなった煙草を灰皿に押し付ける。
さ「お互い恋愛感情がないからいい訳ね。」
和「はい。」
さ「じゃあ今夜だけ甘えさせてあげる。」
和「はあ?」
付けたばかりの煙草を消しそのまま右腕を私の額にふわりと乗せる。
さ「・・・和ちゃん。」
叱られて泣く子供を慰める母親の様な顔をする。
ずるい・・・。さっきまでふざけて悪態ばかりついていたのに急に優しく微笑むなんて。
鼻の奥がツンとする。先生は暖かい目で私を見つめそっと眼鏡に手を掛ける。
コト・・・
その音が虚しく部屋に響く。

窓に目をやるとクリスマスに間に合わなかった初雪が舞い降りる。
この寂しさ・・・あの日とシンクロする。

文化祭前、一人帰宅する途中捨てられた子犬の様に公園にいる先生。
それは今の私だった。
最愛の人を失い、悲しくて寂しくて・・・誰でもいいから温めて欲しかった。
唯も先生も私もそう。誰かを思い空いた穴を誰かに埋めてもらおうと甘える。
ベットに移動し互いに身に纏う衣服を脱ぎ捨てる。世間体も誰かを思う気持ちも一緒に。
先生の肌は柔らかく暖かく、子供の頃、夜中にそっと被せられる毛布のような温もりを感じる。
いつまでもこうしていたいと思う。そんな事よくないくらい分かっているけれど今だけは許して欲しい。

和「・・・先生は私から離れませんよね・・・?」
さ「ええ・・・お互いがフリーならいつまでも。」

寒くもないのに体が震えるのは何故だろう・・・?

先生が居なくなっても自分を保てるくらい成長したら。
唯が先生を過去に変えられるようになったら・・・。

もう一度唯に好きと言おう。

だからそれまでずっと一緒に居てください・・・先生。



終わり。

このページへのコメント

すごくおもしろかったです!
GJです
ちゃんと幸せな和×唯も見てみたいです
次回作に期待してます!

0
Posted by 通りすがり 2009年12月13日(日) 15:07:52 返信

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