2chエロパロ板のけいおん! 作品のまとめサイトです。

著者:5-299氏


昨日のHRで席替えをした。
私の新しい席は窓際の前から3番目。
前の席は憂。
悪くない、いい席だ。

頬杖を付きながら黒板を見る。
いつものように退屈な授業が展開している。

ふと気付くと目の前にいる憂がそわそわとせわしなく動いていた。
いつも真面目な憂にしては珍しい。
憂の関心はどうやら窓の外にあるらしい。
ぼんやりと窓の外に視線を移す。

校庭に体育着の生徒が集まっている。
目を凝らして見てみると、2年生だった。
さらによく見てみると、私の部活の4人の先輩たちもいた。
そういえば、体育は1,2組合同だったっけ。


そのまましばらくぼーっと眺めていた。
そしてあることに気付く。

気付いた瞬間漏れたのは溜息。

これじゃまるで恋する少女だ。




私は澪先輩の姿を目で追っていた。






面倒見がよくて、真面目で、優しくて、ベースだって上手い。
そんな先輩を尊敬のまなざしで見ていた…

はずだった。



いつからか尊敬心は、恋心のような気持ちに変化して行っていた…。


そして、気付いたら目で追うようになっていた。


澪先輩の姿に胸が高鳴ったりした。



今もほら、目は完全に澪先輩にくぎ付け状態。



でも、私が見つめる先にいる澪先輩の隣にはいつも、律先輩がいた。



考えた瞬間、胸がギュッと締め付けられた。


胸の苦しさに耐えきれず、黒板に視線を戻す。


そこにはいろいろな数字が並んでいて。
私はさっきまでの気持ちを考えないようにするために、無心になって数字の羅列を書き写す。







この気持ちをどうすればいいんだろう…。


出口のない迷宮。
迷い込んだ私。



私はただの後輩で…。
それ以上にはなれない。



数字がにじんで見えた。



今日、部活行きたくないな。
なんとなくそう思った。

だけどやっぱり行きたいな。
澪先輩に会いたいから。
だけどやっぱり行きたくないな。
澪先輩を見ていると胸が苦しくなるから。

矛盾した思考。


もう一度溜息をつく。



胸が苦しくても、切なくても、
会いたい気持ちが勝る。



叶わぬ恋。


せめて、一緒にいられる時間は大事にしよう。



チャイムが鳴る。



校庭を見るともうそこに先輩はいなかった。



おしまい

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