最終更新:ID:tmrtJY5oSw 2009年07月02日(木) 20:51:37履歴
「あ〜ずにゃ〜ん♪」
私はいつものようにあずにゃんに後ろから抱きついた。
あずにゃんは嫌がることはあっても、私の腕を振りほどこうとはしない。
それどころか、私の腕にそっと手を重ねてくれる。
それが嬉しくて。
あずにゃんの髪からいい香りが漂ってくる。
あずにゃんの可愛い顔がすぐそばにある。
あずにゃんの匂いが私の鼻孔と心をくすぐって。
あずにゃんの体温が、私の体温と調和していくような…。
変な感覚が私を襲う。
これをなんて言えばいいんだろう?
ただただ、この子が愛おしい。
「せ、先輩は何でいつも私に抱きついてくるんですか?」
「あずにゃんが好きだから。」
即答できる。
あずにゃんが好きだって。
可愛くて、愛おしくて、大切で。
「んん…。」
「あずにゃん?」
密着した体から伝わってくるのは震え。
あずにゃんの震え。
「唯先輩ぃ〜。」
あずにゃんはそう言って、小さな嗚咽を漏らした。
「あずにゃん!?どうしたの!?」
驚いて顔を近づける。
「唯先輩はいつもずるいですよぅ。」
「え?」
私の腕をあずにゃんが強く握った。
「唯先輩?わかりますか?…唯先輩にこうされてる時、私はいつも心臓がバクバク鳴るんですよ?」
あずにゃんは頬も目も真っ赤にしてて。
「そして、胸が苦しくなるんですよ?」
腕から力が消える。
あずにゃんが私の腕を振りほどき、私を正面に見据えた。
「私は先輩が好きです。大好きです。それはlikeじゃない好き。」
あずにゃんの、いや、梓は涙まで綺麗だった。
愛おしい。
今度は正面から抱きついた。
「梓。大好きだよ。私も、おんなじ。」
そう耳元で囁いて、私は梓の涙を舐めとった。
梓の涙も愛おしく思えた。
おしまい
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