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著者:別2-172氏


憂と私は押入の整理をしていた。

「もーお姉ちゃんたら。こんなにものをため込んで」
「ごめんごめん…手伝ってくれてありがとう、うい」

この押入は姉妹2人の物置で、部屋に置ききれなくなったものを入れていた。
もっとも一番使っているのは私だった。
何かに使えそうなものだと思ってしまって捨てられずついどんどん入れてしまった。
結果、溢れかえってしまっていた雑貨や服やぬいぐるみの整理を憂が手伝ってくれた。

「あー!こんなところに…無くしてたと思ってたやつが!」
「よかったね、お姉ちゃん」
「えへへー。」

2人で一通り押入から引きずり出す。
中学の時の体育着とか、リコーダーとか適当に突っ込んでおいたものがどんどんでる。

「あちゃー…すごいなこりゃ」
「早くやっつけちゃおう、お姉ちゃん」

というわけでやっつけ開始。

「お姉ちゃん、これ必要?」
「あー…思い切って捨てるよ」
「これも?」
「うん…名残惜しいけど」

憂が手伝ってくれたから、テキパキと片づいてゆく。流石私の妹、できた妹だね!
などと考えながら片づけしていると…箱がでてきた。
「!?…クッキーの箱が出てきたよ、憂」
「!?…まさか…」
「クッキー……腐ってるよ…絶対」

何年越しのおかしが出てくると思って恐る恐るふたを開けると
……クッキーはなくて、紙が入っていた。しかもたくさん。

「なーんだ…よかったぁー」
「で、なに?これ」
「さぁー?」
「見てみようよ、お姉ちゃん」

画用紙やらが折られていて、開くと…

「わあ…」
「懐かしい…」

そこには昔2人で描いた落書きがあった。
お互いに描いた似顔絵や、他愛のない景色の絵。家族で旅行に行ったときの絵もあった。

「よく描いたよねー2人で」
「クレヨン懐かしいね…」
「憂の絵うまいなぁ」
「お姉ちゃんだってよく描けてるよー?」
「そうかなー」
「そうだよー」

2人で何枚もの絵を見ていたら、便箋が出てきた。2人で見合わせて、お互いに知らないものだと気づいた。
知らないというより、はるか昔でもう忘れてしまっていることだった。

「なんだろう」

私がそれを開くと…そこには字が書いてあった。

『みらいのわたしたちへ
どんなにおっきくなってもなかよし。ずっとずっと、いっしょ』


「…手紙だね」
「うん…小さい頃の」

へたくそな字で。きっと、習いたての頃。ずっとずっと一緒とそこには書いてあった。

「……今の私たちへのメッセージとかかな」
「……うん」
「今も昔も変わらないね、私と憂は」
「…………」

黙り込んでしまう憂。

「うい?どうしたの?」
「…え?あ、ううん。なんでもないよ」

…絶対嘘だ、私にはわかる。なんでもないわけがない。

「教えてよ憂。なんか寂しそうだよ」
「……今はまだ…一緒だけど…」
「うん…」
「これからもずっと一緒かなって思ったら、なんか寂しくなっちゃって」

そう言う憂は笑顔だけど、凄く寂しそうだった。
…私は憂を抱きしめる。

「お姉ちゃん…」
「…私も憂もいつかは大人になるよね」
「…うん…」
「今はもう高校生だし…もうすぐだよね」
「……うん…」
「大人になったら…やっぱり一人で生きていかなくちゃだよ」
「…っ!!…」
「で、でもねっ!!」

ひどく震えた憂を私は、少し強く抱きしめて言った。

「…お互いが離れてそれぞれが1人暮らしとかするかもしれない。
いつか…それぞれが結婚とかする時がくるかもしれない。
でもね…でもね、どんなに生活が変わってもね。
私と憂はずっとずっと一緒だよ。
私は憂のお姉ちゃんだし憂は私の可愛い妹なんだよ」

私も憂もいつか大人になる。
憂との生活をあまり過ごせなくなるかもしれない。でも…

「この姉妹の関係は永遠に変わらないから。
生まれたときからずっとずっと…変わらないから」
「…っ、おねえちゃあん……っ…!」

憂は泣いてしまった。…かくいう私も泣いていた。
時の流れは寂しい。小さい時はずっとずっと変わらない日常があると思っていた。

「ぐすっ…、お姉ちゃん…私…私、お姉ちゃんの妹でよかった。
本当に、本当によかった…」

「…私も憂と姉妹でよかったよー…こんなに優しい妹だなんて」

今じゃ私も高校生で、私は小さい頃と比べれば大きくなった。ギターという好きなことだって見つけられた。
こうして段々と小さい頃から変わっていくことが寂しいけれど…それは仕方ないことなんだ。

だから…

「うい…今を楽しもうね」
「…今を?」
「うん。まだ大人じゃないけど子供でもない今」
「…今…」
「ずっと憂とは一緒だから…ね?」
「……うん…!」

私と憂はその日、小さい頃の私たちとの約束をした。

私と憂は永遠の仲良し姉妹だ、って。
どれだけ大人になっても永遠にずっとずっと一緒だ、って。

「えへへ、泣いちゃったよー」
「私もだよ…お姉ちゃん」
「大好きだよ、うい…!」
「うん…私も大好き…!」

そして私たちは再び片づけを再会した。
押入はすっかりきれいになった。

きれいになったそこに、私と憂は一緒にそのクッキーの箱を置いた。
中にたくさんのあの頃の落書きと一つの便箋を入れて。

それはあの頃からの私たちへのメッセージ。

そして今と未来の私たちの宝物。

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