最終更新:ID:tmrtJY5oSw 2009年08月14日(金) 22:33:46履歴
和ちゃんはやさしい。
幼稚園のとき、一緒にカスタネットの練習をしてくれた。
小学生のとき、逆上がりの特訓を遅くまでしてくれた。
(結局できなかったけど)
中学生のとき、同じ学校に行くと言ったわたしと毎日受験勉強してくれた。
そして今。高校生。
「…もー帰る?」
「あ、起こした?ごめん」
脱ぎ散らかした制服はいつの間にかハンガーにかけてあって、和ちゃんはいつの間にか制服を着ていて、わたしはいつの間にかパンツを穿いていた。
体がだるくて起き上がれない。和ちゃんが帰っちゃう前にもう一回ぎゅーってして、それからちゅーってしたいのに。それから、まだ帰らないでほしいのに。
「なに?」
「え、なにが!?」
「じーっと見られたんじゃ帰りにくいじゃない」
「みみみ見てないよ!」
「なに?」
和ちゃんのきれいな指がぼさぼさのわたしの髪を撫でる。胸がキュンとなってホワッとなって和ちゃんのことがもっと好きになって、そいで…大好きって思った。
布団の中にいるわたしの手はまだ眠ってるみたいで出てこない。
「のどかちゃん」
「なに?」
「ぎゅって抱っこしてね、それからどこにでもいいからちゅーってしてほしいかもしんない」
「ふふ」
「なんで笑うのっ」
「ごめんごめん。
でも」
髪から手が離れる。和ちゃんの感触が無くなって、とおくなる。
部屋のドアを開けて手を振る和ちゃんをパンツ一丁で見ていた。
「最近の唯、軽音部のことばかりでちょっと腹が立ってたし寂しかったから今日は唯が寂しい想いをする番ね」
今、高校生。恋人同士。
和ちゃんは可愛くなった。
このページへのコメント
よかったです次は和サイドの話を希望しときます
二人の距離感が絶妙です!ほかにもエピソードお願いします!