最終更新:ID:tmrtJY5oSw 2009年06月07日(日) 21:18:47履歴
1
澪「もうすぐ七夕だなー
」
律「そうだなー」
パタン
紬「こんにちは〜」ガサガサガサガサ
律「おう!ムギ!って…その担いでる葉っぱ、何?」
紬「もうすぐ七夕でしょ?だから持って来ちゃった!笹!」
―――――――――――――――――
澪「まったく、練習もしないで飾り付けばっかやって」
梓「澪先輩の言うとおりです!」
みんな折り紙ばっかやって…うちは軽音楽部だ!
紬「まあ良いじゃない、せっかく持って来たんだし」
唯「あずにゃんも澪ちゃんもやろうよ!楽しいよ!」
律「そうだぞ澪!一緒にやろうぜ!」
…何でそんなに笑顔なんだよ…その笑顔で言われて、断れる訳ないだろ…
澪「終わったら練習だからな!」
―小一時間後―
唯「出来た!」
紬「あとは短冊にお願い事書いて飾るだけね」
みんな簡単に願い事を書くなー
紬「みんなとずっと仲良しでいられますように」
梓「ギターがもっと上手くなりますように」
唯「美味しい物がたくさん食べられますように」
2
律は何書いたんだ?
…気にした私が馬鹿だった…
律は山ほどの短冊を目の前に次々と願い事を書いて飾っていた。律の罰当たり…
唯「あー!りっちゃんずるーい、私も!」
律「へへん、願い事は1つだけなんて決まり無いだろー」
そんなやり取りを見てると自然と笑みが零れてくる。
澪「七夕かー…」
紬「澪ちゃんどうかしたの?」
澪「ああ…ちょっと小さい頃の事を思い出したんだ」
――――――――――――――――――
先「それでは、この短冊にお願い事を書いて飾りましょう!」
児「は〜い」
律「みおちゃん!あたしたち、この前結婚しようって約束したよね!?」
澪「う、うん…」(むりやり…)
律「お願い事それにするから!みおちゃんも書いてね!」
澪「えっ、でも…」
律「あたしだけが書いても叶わないじゃ〜ん」
A「みおちゃんとりっちゃん女の子どうしなのに結婚なんか出来ないだよー!」
B「そうだよそうだよー」
3
がやがやざわざわ
澪「うっ…ふぇ…っ」
律「みおちゃんを泣かすなーーー!!」 児(ビクッ)
律「仲良しだから出来るんだよー!あたしとみおちゃんがするって決めたんだし、出来なくてもするんだーー!」
澪「りっちゃん…」
先「はいはい、みなさん落ち着いて、人のお願い事に文句を言ってはいけません!」
児「は〜い」
律「できた!『みおちゃんと、けっこんできますように』ー!みおちゃんも早く書いて!」
澪「う、うん」(またむりやり…)
カキカキカキカキ
律「『りっちゃんとずっといっしょにいられますように』?結婚じゃないけど…ま良っか!これから毎年七夕のお願い事はこれだよ!約束だからねっ!」
――――――――――――――――――
澪「律は『上の方がお願い事叶う!』なんて言ってそれを2つくっつけて先生に抱っこしてもらって笹のてっぺんに飾ってたんだ…」
梓「そんな事があったんですか…律先輩らしいですね」
澪「律は多分忘れてるけどな…」
紬「結婚出来ると良いわね」
澪「うん…ってなっ!何言ってるんだよムギまで、出来る訳ないだろ」
紬「クスクス…出来なくても、ずっと一緒に居られると思うわよ」
4
澪「ああ…そんな気がする」
約束、か…せっかくだから書いとくか
カキカキカキ…
こんなの恥ずかしくてみんなに見せられない…なるべく下の奥の方に…ここにするか
カサカサ…
―――――――――――――――
律「あっ!音楽室に忘れ物しちゃったよ…悪いみんな、先帰ってて!」
校門まで来たのに忘れ物なんて律は馬鹿だ…一緒に帰りたかったのに…先に帰る訳ないだろ
澪「…私は律と同じ方向だから一緒に帰るけど…みんなは悪いから先帰っててよ」
紬「うふふ、りっちゃんと2人になりたいのね」
澪「なっ!別にそーゆー訳じゃ…」
唯「それならそうと言ってよね〜澪ちゃん!じゃ、帰ろっか、ばいば〜い」
梓「さようなら〜」
紬「また明日〜」
… …… ……… …………遅い!律のやつ、何やってるんだよ…
――――――――――――――
怖くない怖くない怖くない怖くない
…シーン…
やっと音楽室だ、律の馬鹿、1人にしやがって…
カチャ
澪「律〜、居るのか〜?」
ガサガサ
澪「ひっ!!…見えない聞こえない見えない聞こえない…」
律「あっ!あったあった!」
…えっ、律?どこだ?…いた!って…笹の中に頭突っ込んで何してるんだ…
澪「律…そこで何やってるんだよ?」
律「ふっふっふ…あたしには通用しないからな、じゃーん!」
澪「え?…!なっ!」
律は私が書いた短冊を指からぶら下げて得意げに笑っていた。
5
律「澪が覚えてるとはなー、しかもそれを実行してるとは…ぷっ」
澪「わ、悪かったな!」
律「何でこんな見えない所に付けるんだよ?」
澪「だ、だって、私だけ覚えてるの…悔しいし…恥ずかしいし…」
律「あたしから言ったんだ、忘れる訳ないだろー?」
律は喋りながら私の短冊と律の短冊を紐で器用に結ぶ。指、細いな
律「こんな下じゃ叶う物も叶わないぞ!」
椅子に乗っても爪先立ちでやっと笹のてっぺんに届くのか…小さいな…
カサカサ
律「あたしの短冊いっぱいあるけど、本当の願いは1つだけだ!っと…よし!やっぱりてっぺんじゃないと…澪との大事な約束だもんなっ!」
この顔、ほんとに好きだな…私を引っ張ってくれる、屈託の無い笑顔
気が付くと私は律に抱き着いていた
律「澪…」
律も背中に手を周してくれる…
澪「す、すこしこのままで、居させて…」
律「うん、あたしもこうしてたい」
ねえ律…結婚は出来ないけど願い事、叶えられそうな気がするよ
私はいつも律の一番近くに居たい
だから、今はこうして抱き合うだけで良い。
あの短冊みたいに…
『澪と結婚出来ますように。田井中律』
『律とずっと一緒に居られますように。秋山澪』
2枚の紙は寄り添うように揺れていた。
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(*´ω`*)律と澪は結婚できるよ!頑張って!