最終更新:ID:10ZRTxpdJw 2009年09月18日(金) 19:10:31履歴
首筋に汗がつうっと伝わるのが解る。
暖気というのは上に行くらしいから校舎の一階は少し涼しいのかな?
…澪のいる1組は…。
部活が終わりムギと唯を背にいつもの帰路に着く。
時間は7時と言えどまだまだ明るい。
公園に寄り道をしたのだろうか、ランドセルを背負った子供たちが足早に私達の横をかけて行く。
律「なあ〜澪。明日は?」
澪「うーん。何もする事ないし新しい歌詞でも考えようかと思ってる。律は?」
いつの間にか習慣になったお互いの週末の過ごし方を聞く。
恋人もいない、バイトもしていない澪は毎回同じ答え。
律「じゃあ今夜泊まっていい!?」
澪「…嫌だといっても来るだろ?律は。」
律「へへっ」
軽く拳を頭に落とされ、いったん別れて準備をする。といっても毎回の事だし軽い着替えなら澪の家に置いてあるからそんなに時間はかからない。
呼び鈴も鳴らさずまっすぐ澪の部屋まで行く。
階段を上がる途中澪のお母さんにあら律ちゃんおかえりなさい。と言われた。そこはいらっしゃいでしょ?と突っ込みながら澪の部屋へと行く。
扉を開けると澪は音楽を聴きながら宿題をしていた。
和洋折衷の少し変わった部屋。始めてきたときはフローリングと畳の共存に違和感を感じたがいまではこれが普通。
私は話しかけることもなく勝手に戸棚を漁りベットに寄りかかりながら漫画を読んだ。
いつもこうだ。ただお互い同じ部屋にいるというだけで私達は個々に好き勝手過ごしている。
変に気を使わなくていい。澪だからこそできるこの空間。
しばらくして横から「ふ〜う。」と澪の声が聞こえた。
宿題が終わった合図だ。待ってましたとばかりに私は話しかける。
律「ねー澪暇だよー。」
澪「そうだな。宿題も終わったし律の相手でもしてやるか。」
律「ぶー。なんだよそれー。」
澪「ははっ。ところで律。なんだそれ?」
律「へへー私も澪も高校生になったってことで持ってきました!」
鞄から適当に持ってきた酒を澪に見せびらかす。
澪「おいっ未成年はアルコールは禁止だぞ!」
律「まーまー澪ちゅわん今日は無礼講ってことで!」
澪「ダメだダメだ!」
律「とかいってほんとは澪も飲んでみたいんだろー?」
澪「…。」
律「嘘嘘!お願いします。今日だけ飲酒を許してください!」
澪「…。」
律「な〜お願いだよ澪〜。一回でいいから飲んでみたかったんだよお〜。」
澪「…。」
プッシュッと景気のいい音がなる。
律「かんぱーい!」
澪「か、乾杯…。」
律「なんだよ澪ー元気ないぞ!」
澪「お前は酔っ払いか!」
初めてのお酒に私はテンションが上がっていた。
嫌そうにする澪もなんだかんだいって好奇心に負けたらしく今は私のとなりでアルミ缶を握っている。
とは言ってもほとんどチューハイばかりで可愛いものだが高校生の私達にはアルコールというものが入っているだけでなんだか大人の階段を上った気がした。
澪「うえっなんか変な味するー…。」
律「なんかお酒は一気にガーと飲むからおいしいんだってお父さんが言ってたぞ!」
澪「本当か?…どれ。」
数時間後。部屋には手当たりしだい空けては中途半端に残した缶が散乱した。
頭がぼーとする。じっとしているのに天井が回っている。
これが世間でいう酔っ払いか。
律「澪ー何読んでるのー?」
澪「いつものだよ。昨日新刊がでたんだ。」
律「ほえー。」
いつもなら雑誌を奪い取って占領する私だけど今日は違う。
高潮した澪の顔に目が行く。
伏せ目の睫が綺麗に見える。
私も同じ女なんどけどなー。
Yシャツだして額をさらけ出しドラムの癖で常に足が開き気味の私と違って綺麗な髪、落ち着いた雰囲気。そして優等生。
ほとんど毎日おなじ生活をしてきたのになんでこんなにも違いがあるのだろう。
そしてなんで私は同じ体を持つ澪に今
欲情しているのだろう…
律「…澪」
澪「ん?」
気が付いたら澪の唇を塞いでいた。
目を閉じていたから見えなかったけど今の澪はきっと大きな目をさらに大きくして、私の行動にびっくりして固まっているのだろう。
熱い。柔らかい。なんだこれ。キスってこんなに気持ち良いものなのか。
澪「ちょっ…律!何すんだよ!」
顔を真っ赤にして怒鳴る澪。でも離れる素振りは見せない。
律「一緒に見ようよ。」
澪「え…うん…。」
何もなかった用に接する私に澪は便乗する。
雑誌を一ページ、一ページめくる。
酔いが回っているのかいつもより大げさな澪の呼吸が聞こえる。
外にはたまに車が通る音が聞こえるくらいでひたすら静寂。
ペラッ
…ペラッ
紙を捲る音がやけに大きく聞こえる。
お互い同じところを凝視する。
澪の心臓がドキドキいっているのがくっ付いている肩越しに通じている。
自然と口数が減っていく。
お互い分かっていた。この本が最後のページにたどり着いた時。澪が本を閉じた瞬間、何が起こるか。
私は興奮していた。
さっきの澪の唇の感触。表情。もう一度感じたい。
お願いだから早く次のページをめくってくれ。早く澪に触れたい。
雑誌の最後の方はダイエットサプリだのどうでもいい広告ばかりで澪は次々とページを飛ばす。
一息ついて本を閉じた。
すかさず私は雑誌を持つ澪の手に自分の手を添えた。
まっすぐ目を見て再び澪の唇を塞いだ。
澪も解っていたらしく素直に受け入れてくれた。
でも肩が震えていた。
静かな部屋。時計はすでに日付変更線を越している。私も澪も女。でも自分が男役をしなくちゃいけないのは分かっている。
とにかく自分が満足するまで何度もキスをした。澪の為じゃない。澪が一番大切で大好きなのはもちろんだけどその時はいかに自分が気持ちよくなるかにしか目がなかった。
ありったけの知識を足りない脳みそに集めて次に自分が何をすべきか考えた。いや。考えてなかった本能的に私はゆっくりと澪を押し倒していた。
澪「ちょ…律…!」
律「ちょっと黙って澪。今日は何も言わないで。」
澪「そんな事言われたって…んっ」
律「澪…。」
澪(今日の律いつもと違う…。酔っ払ってるのか?いやいくらよってるからって…)
澪「!」
律の左手は私の後頭部に。右手は肩に。そして唇は私の唇に。
本当ならここで突き飛ばすのが正しいのだろう。でも体が動かない。動けないんじゃなくて動かない。
いつもおちゃらけている律はそこにはいなくて、なんていうか違う人みたいだった。
律の手の動きは肩から規則的に上下する。
始めは鎖骨付近を往復していたのにで確実に少しずつ上下の幅が広くなっている。
何をしたいかはなんとなく分かる。
薄めを空けて表情を確認しようとしたけど目の前には律の閉じた目しか見えなかった。
肩を始点に上下していた運動はどんどん激しさを増して終いには私の左胸をさするようになった。
どんな反応をすればいいかわからない。気持ち良いとか気持ち悪いとかじゃなくて緊張しすぎてほとんど感覚がなかった。
律の右手はいつの間にかあきらかに私の胸のみをさすっていた。
澪「!」
律の右手が上下運動を止めた。
ゆっくりと。でも確実に揉んでいる…
もう私は黙ることしかできない。
と、いきなり後頭部がスッときた。
律が左手を離したんだ。
背中に冷たい空気を感じた。
荒々しく私の背中を弄りホックをはずそうとしていた。
律の呼吸が荒くなる。すごくお酒臭い。唇を離され服に手をかけられた。
直で胸を触られている。汗ばんだ律の手が私の胸に吸い付く。
律の視線は私の胸にしかなかった。目はすごく真剣なのに口元は少し笑っている。
怖いよ。私の知っている律じゃない。
そして下着をたくし上げられ直接吸い付いてきた。
くすぐったい…。でもかすかに気持ち良い…のかな?
怖いのか気持ちいのか緊張しているのかわけがわからなくなってひたすら天井を見ていた。
蛍光灯が眩しい。今何時だろう。ドア閉まってるよね…?
周りを眺めていると自然と落ち着いてきた。
ふと視線を下に落とすと律の後頭部があって、また現実に引き戻された。
もうどうでもいいや。
どうでもいいやなんて悪い言い方だけどこのまま律に流されよう。
私が律を好きで、律が私を好きなんてとうの昔からわかっていた。
それが友情じゃないことも。今夜だけは体裁から離れよう。
お酒の勢いだから…これはお酒の勢いなんだから。
ようやく決心した私は握り締めていた雑誌を離し律の背中に腕をそっと回した。
…初めて人の体を舐めた。
当然甘いわけでもなくまさに肌の味だった。
澪の胸の感触はこの世の物とは思えないくらい柔らかくていつまでも触れていたいと思った。
澪のあまりにも無反応に若干私は戸惑っていた。
前に弟のAVをこっそり拝借してみたが、映像の中じゃ女は胸に触れた瞬間声を上げていたが澪は吐息すらも漏らさない。嫌なのかな?いや、そんな感じはしない。気持ちよくないのかな?
もう一度顔を上げ私は澪にキスをした。嫌がる素振りもなく私を受け入れる。
舌を入れてみた。少しざらついて柔らかくて、澪の唾液と私の唾液が混ざり合っているのかと思うと興奮した。
しばらくすると澪も舌を絡めてくれた。心臓が締め付けられるような感じがしてこれが俗に言う胸キュンなのかなと思った。
瞼に額に耳に首筋に何度もキスする。
胸触ってその後どうすればいいか分かっているが中々決心がつかない。
さすがにそこは…と酔っ払いながらも自制心があった。
とりあえず澪の体を撫で回す。すべすべの肌は撫でているだけでまた私の心臓を締め付けさせた。
お互いいつの間にか裸で、抱き合うと気持ちいい。澪も柔らかいけどたぶん私自身も柔らかいんだろうな。この感触は女の子同士じゃなくじゃ味わえない感触。
澪「…こっち…」
あたふたしている私に澪が自ら自分の下半身へと私の右手を導く。
下着のゴムを跳ね除け熱いところへ私の指は行く。
粘着質な液体に絡んだ陰毛の感触。指が溶けそうなくらい熱い。
自慰の経験がない私はどうすればいいか分からない。
とにかくさすればいいんだよな…?
澪「…ん…」
この行為をして始めて澪が声を漏らした。
それが嬉しくて私の指は激しさを増す。
澪は今私に感じてくれているんだよな?気持ち良いんだよな?
始めは自分の快感のためにしていた行為がいつの間にか澪の為になっていた。
少しずつ澪の声が聞こえるようになっていく。
澪「律…。やばいよう…」
また私の手に澪の手が重なり位置をずらされた。
これは…指を入れてという意味だろう。
ゆっくりと中指を挿入する。
熱い。きつい。ぬるぬるとしていて、昔理科の実験でつくったスライムのような感触。
同じものを持っているはずなのにすごくドキドキした。これが澪の中なんだ。
痛いのが苦手な澪だからとゆっくり指を出し入れする。
澪「ふ…うっ」
声を漏らした。耳元で少しハスキーのかかった澪の吐息にぞくぞくした。
指を曲げて見ると入り口付近にざらつた感触がした。
澪「んっ」
始めて澪のいやらしい声が聞こえた。どうやらここがいいみたい。
指を二本いれたらまた色っぽい声がでた。
澪「は…あっ…う」
激しさと比例に少しずつ澪の声が大きくなる。
律「澪っ…澪」
この言葉がでて自分も今まで無言だったことに気が付く。
澪の名前を紡ぐとさらに興奮が増しどんどん腕の速度がます。
澪「なんかやばい…」
律「澪やばい?もうやばい?」
澪「り…律う」
律「もっと早くするよ?」
澪「…あっ」
ん。腕がつりそう。でも澪が気持ち良いなら。
私の手首と澪の陰部が当たってパンと音がする。
これがラストスパートだっと思いありったけの力を込めて上下運動した。
呼吸を荒げる澪。冷たい手が私の左手をぎゅっと掴んで手を握らされた。
澪「律っぎゅってして!」
律「うんっ澪気持ちいの?」
澪「んっなんかくるよおーっ」
私の言葉も聞こえてないみたいで多分いきそなんだなと思った。
とっくに限界を超えている腕をさらに速める。
両手を私の首に絡めぎゅっと抱き寄せられた。
だから私も澪の髪の香りを感じながら自分の体重を澪に預けた。
澪「〜!あっ…はぁっ」
澪の中がぎゅっとかなり強く縮小した。1〜2秒締め付けられたかと思いきや急に緩まってビクンビクンと動く。どうやら達したみたいだ。
シーツに広がる黒髪。部屋中に香る汗臭い香り。
呼吸が落ち着いてくるとスーと体の熱が引いていく。
今まで肌を重ねる音しか聞こえなかったのに急に時計の長針が動く音が部屋中に響く。
ああ私澪とSEXしちゃったんだ…
律「ごめんね澪」
澪「なにが?」
律「だってさ…」
しばらくしてやっとで口が動いた。そして私は澪に謝った。
両思いなのは解っている。でもそれは許されたものではない。何もしらないフリして”友情”として接していればいい。
だけどどちらかが本当の思いを口にしたらもうお終い。一般とは離れすぎた感情を、認められない、異常といわれる人間になってしまう。
相手をそうさせたくない。だからこのまま黙ってそのまま大人になっていきたかった。それを壊してしまったのは私だった。
澪「いいんだよ。今日は酔っていたんだから…」
私が何をいいたいか澪はわかったらしくそう言った。
今回はひどく泥酔していたんだからノーカウント。だから忘れよう。そういう意味だった。
律「それでいいのかな…。」
澪「いいんだよ。さあ…寝るぞ」
服を着て軽く掃除して電気を消した。
時計の音、たまに通る車の音が聞こえる。
暗い部屋。いつもは別々だが今日は同じベット。
目を開けると目の前に澪の胸。呼吸に合わせて上下しているのが良く分かる。
律「…んしょ。」
腕を背中に回し一回り大きい澪の体にすっぽり収まる形で抱きしめた。
呼吸をするたび澪の胸が私の顔を押し付けたり引いたりで柔らかさを感じまたムラムラしてきた。
ああ幸せだな。
こうなると全てがどうでも良くなる。今日の事をあった事にして澪に溺れて良い気がしてきた。
澪「…りつ」
びくっとした。て言うか起きていたのか。
律「なあに?」
澪「今から言うのは酔っ払いの一人言だぞ。」
律「?うん」
ぎゅうううと痛いくらい抱きしめられた。息ができない…
澪「この先…そうだな。あと20年経っても結婚とかできなくてそれでいてまだ律の事好きだったらさ…」
律「…うん。」
澪「いや…やっぱりなんでもない」
律「…」
澪に抱きしめられているせいか澪が話すたびに振動が自分の中に伝っていく。いや、心の中にも。
なんで私達は同じ性別なのだろうか。
母のお腹のなかでどちらからかが男性となって生まれてくれば…
いや、そんな事は考えてはいけない。そもそも私達がもし異性同士だったら恥ずかしがりやな澪とは絶対にここまで仲良くなれなかっただろう。
だから、今夜はきっと神様がくれたご褒美なんだ。
ご褒美といわれるほど良い行いはしていないけど…。
考え込んでいるうちに私は澪の言葉に返事をしていない事に気が付いた。
”酔っ払いの一人言”と言っているんだから返事はしなくてもいいんだろうけどいつもの私なら相槌くらいは打っている。
でも、喉が関所になったかのように言葉がでない。
ごめんな澪。普段おしゃべりなくせにこんな肝心な時に黙っていて。
澪「…」
何を言えば良いか分からない私に澪はそっと頭に手を置いた。
私の呼吸にに合わせてトン…トン…とリズムを取る。まるで母親が子供をあやすかのように。
それが心地よくて瞼が降りる。
周りは私が澪を支えているように見えるかも知れないけど本当は逆。
元気のない私を扱えるのは世界中で澪だけ。
私より少し大きくて温かいてが付いたり離れたり。
ブロロロロと新聞配達のカブ号の音が微かに聞こえる。
意識がなくなる寸前に澪が何かを呟いた。
澪「…−−−−…。」
終わり。
このページへのコメント
やばっ、涙が・・・
すばらしい。
夜の営みが凄いのに…不思議と読めました。読んだ後が切なさでいっぱいです(涙)2人にはずっと一緒に居てほしいです。
(*´ω`*)結婚だよ!
エロいのにさいごは泣けた。なんだこれ。