2chエロパロ板のけいおん! 作品のまとめサイトです。

著者:4-427氏


真っ赤な光、
照らされた、
あなたの、顔。
見慣れてる筈なのに、
胸が高鳴るのはなんで?

1.

私がこの想いに気付いたのは、異変が起こってから、三ヶ月あと。
ほんとに自分は鈍感だと実感した三ヶ月だった。
いつのまにやら律の事を目で追ってたり。
律を見ててベースの音を外してしまったり。
律といると心拍数が上がったり。
律の寝顔にきゅん、としたり、律のドラムを叩く姿に更にきゅん、としたり。
時々見せる律の部長らしい姿を見て、ドキドキしたり。
「なーにやってんだか、私は」
だれもいない音楽室で呟いてみる。
散らばる律愛用のドラムスティックを持ち上げ、もとの場所に戻す。
すでに放課後。
辺りは部活動やらなんやらで急がしそうな生徒の声と、校門から出ようとする生徒たちの声。
唯は妹とお出かけ、ムギは家の用事で、音楽室は私だけのオンステージになっていた。
ざわめく校舎外とは、比べものにならないくらいの静けさだが。
棚からティーカップを取り出し、インスタント珈琲をつぐ。
コポコポと心地よい音とともに、茶色い波紋がカップの中いっぱいに広がる。
久々にブラックを飲んでみよう、とそのままカップを口に運ぶ。
「にが…」
当然だ、ブラックだもの。
しかしこの苦さが少し癖になる。
一口だけ珈琲を飲み、立ち上がる。
側に置いてあったベースケースを広げ、中から愛用のベースをゆっくりと丁寧に出した。
みんながいないからって、私が練習しないわけにはいかないからな。
「…1,2,3,4,1,2,3」
手をぱちぱちと鳴らし、律がいつもやっている言葉を口にする。
…あ
「律律考え過ぎだー、私」
そう考えるとやはり恥ずかしいもので、気を取り直してベースを弾く。
そして
「君を見てると、いつもハートDOKI☆DOKI♪」
「おーっす!!!!!」
「!?」
歌い始めた瞬間に元気な声が響いて、私はベースを弾く手を止めてしまった。
出入り口を見れば案の定そこには
「やっほ、澪」
「律」
私がつい先程まで考えてた律の姿があった。



2.

律は少し笑うと、いつもの席に腰をかけた。
私の珈琲が今だに湯気を立てている。
「熱心だな、澪」
「そりゃそうさ、練習しなきゃ、鈍るもの」
一旦ベースをベースケースにしまい、律の前の席に座る。
律は頬杖をつきながら薄ら笑いを浮かべて私の方を見ていたので、なんだかドキッ、とした。

「実はさー、あたしも練習しにきたんだよ」
「え、律が!?」
あ、思わず失礼な事を口走ったかも知れない。
少しだけ苦笑いしながら珈琲を一口飲んだ。
「…失礼な。
私だって練習しないと鈍るんだからな」
明らかに怒ってますよオーラを出して、眉間に皺をよせる、律。
私はごめん、と一言と謝って、律のカップに珈琲をついだ。
律がサンキューと言い、いきなり珈琲にシュガースティック6本とミルク二杯を入れた。

「ちょ!?
な、なにそんなに入れてんの!?」
「こうしないと苦いんだもん」
律が珈琲を口に運び、本当に大丈夫なのだろうか、とちら見。
…とても美味しそうに飲んでいた。


3.

「そういやさー、澪」
「ん?」
カチャリ、と音を立てて、律がコーヒーカップを置いた。
甘そうな珈琲の水面が、私の珈琲と同じように波紋を広げた。
「さっき、歌ってたよね。
前より上手くなってるよ、よかった」
「…Aパートの最初だけだけど、それでわかったのか?」
「うん。
だった澪の声、いっつも聞いてるもん」
思わず胸が高鳴る。
律の顔が見れなくなる。
「綺麗だし、聞きやすいし、リズム取りやすいし。
あたし、澪の声大好き」
「…ん///」
むず痒くなってきて、捩りとスカートを掴んだ。
律の透き通った赤茶の瞳が、私の目を射抜く。
ドキドキする、止まらない心臓が、煩かった。
「…ね、澪」
「…」
「二人きりだね」
「…うん」
「夕焼け綺麗だね」
「うん」
「澪、あたしの事、好き?」
「うん………ってなに!!!?」


4.

なんだかとてつもなく恥ずかしい事を言わされた気がする。
そう気付いたときには、もう遅くて、私は律に押し倒されていた。
私のコーヒーカップが、倒れた。
律の顔が本当に近くに見えて、ドキドキなんてものじゃなかった。
ドクン、ドクンって、胸が上下運動を繰り返して、苦しかった。
律の茶色の髪が私の頬を擽る。
「澪、この際だから言っとくよ」
にこりと笑って、一言。
段々と律の顔が近付いてきて、なにをしようとしているのかと気付いたときには、すでに唇が触れていた。
長い口付け。
目を少し開ければ、律の睫毛が目に入る。
意外に…睫毛が長い…
なんて、ほんわかする律の体温に触れながら思った。
………じゃ、じゃなくて!!!!
「な、なにすんだ律!」
上にいる律を押し退けて、律から離れる。
押し退けるときの力はそんなに強くしたつもりはないのに、律は簡単に動いた。
こんなに軽かったっけ、ってくらい。
「…順番違ったな。ごめん」
「順番って…っ!?」
ダンッ、と壁まで追い詰められて。
私の方が背が高いのに、威圧感は律の方が私の何倍も勝っていた。
本当にこいつが律なのかどうかと判断するのに暫くかかった。
上目遣いで見つめてくる瞳に、迷いはなかった。
「あたし、澪が好きだから」
「…ぇ?」
突然の、告白。
いつになく真剣な眼差しに、思わず肩がすくむ。
律は尚も私を睨み付けるような視線で見ていて、目が合わせられない。
「澪はあたしの事、嫌いなのか?」
「…ない!ないない!それだけはない!!!」
「じゃ、こっち向けよ…」
律が私の顔を掴み、自分の方に向かせてきた。
なぜこんなときだけ力が強いのかかなり疑問だった。
「なあ、どうなんだよ、澪。
澪はあたしの事好きなの?嫌いなの?
どっちなの?」
「ぅあ…///」
律の顔を見る度に胸が高鳴る。
嫌いなわけない。
律を見る度に胸が切ない。
嫌いなんて言えない。
律とほかの子がしゃべってると、妬ましい。
嫌いなんて、思わない。

「私は、律、が……―――」

私がその言葉を言った瞬間、律の手が私の首に回っていて。

「今日は、学校にお泊りだな」

なんてばかな事を呟きながら、私の唇に自分のソレを押し当てた。

夕焼け空が、青く染まるまで、あと、数時間。

(…腰痛い…)
(ごめんごめん!)



おしまい!

このページへのコメント

最後www

0
Posted by jiji 2011年12月13日(火) 20:54:41 返信

これ転載じゃね?

0
Posted by 名無し 2009年07月22日(水) 21:58:11 返信

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