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thunder and lightning(律×澪)


「キャッ・・・!」

窓の外が白く光り、地響きを鳴らす音がする度に澪は私の腕にすがり付いてくる。
「澪、高校生になったんだ、いい加減雷ぐらいでそんなに怖がるなよ」
「そ、そんなこと言ったって・・・。律、お前は怖くないのか?」
「んーまあ怖い、というよりびっくりする、って表現のほうが私には合ってる気がするかな」
「なんでそんな冷静に・・・ひゃっ・・・!」

カッと窓の外に白い閃光が走る。
続けてティンパニがフォルティッシモでロールするかのような轟音が響いてきた。
今日1番の爆音だな、と思う。
「こりゃどっか落ちたかな・・・」
停電とかになりゃなきゃいいけど・・・いや、なったらなったで澪の反応が面白そうだからそれもありかな。

「落ちたって・・・だからなんでそんな平然としてられるんだよ・・・」
電気が消えた中で悲鳴をあげる澪の姿を想像しているとそんな疑問をぶつけられた。
「んー・・・なんでって・・・。・・・そうだ、雷の音ってさ、打楽器の音に似てると思わない?」
「似てないだろー!」
「そうか?なんか昔の作曲家が作った曲に・・・なんだっけ、『雷となんとか』って曲だったかな。その曲では打楽器が雷の音を表現してるらしいぞ」
「聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない・・・」
せっかく怖がらなくてすむような話をしてるのにこいつは・・・。

「雷の音が私のドラムの音だと思えばいいって言おうと思ったのに・・・ったく」
我ながらいい案だと思ったのにな。
「そんな風に思えるわけ無いだろ・・・」
お、耳塞ぎながらも聞いてるんじゃないか。
「律のドラムは走るし荒っぽいこともあるけど、あんな攻撃的な音じゃないもん・・・」
「それ、褒めてるのか?」
むう、なんだか「もっと気合入れて叩け」って言われたみたいな気がするな。
なんてことを言っている間にも外は白く光り、重厚なバスの音を辺りにばら撒いている。
そのたびに澪は耳を塞ぎながら「聞こえない聞こえない・・・」と呪文のようにつぶやいていた。

・・・こんな光景、前にも見た気がするな。
いつだったっけな、家に誰もいなくて私と澪が2人でいて・・・。

「・・・思い出した」

あれは確かまだ小学生のとき。
家で留守番することになった私は澪を家に呼んだんだ。
そして私の部屋で2人で遊んでいると突然大雨が振り出して、雷が鳴り出して・・・。
最初は遠かったから怖がる澪を見て笑いながら大丈夫だよ、とか言ってたっけ。
でも近づいてきて音が大きくなったとき、堪えようのない恐怖がこみ上げてきて私も泣き出したんだ。
あとは親が帰ってくるまで澪と肩を抱き合ってずっと泣いてたっけ。
それを見た母に「バカねえ、近くに高い建物があるんだから、そっちの避雷針に先に落ちて、こんな低い家には落ちないのよ」とか言われたな。

あれ以来怖い、と思うことはなくなった気がする。
「なのにお前は相変わらずなんだな・・・」
私の腕にすがりつく怖がりのお姫様を見る。
と、安らかな寝息を立てて眠っていた。
「おいおい、眠り姫かよ・・・」
前髪を指先で分けると可愛い寝顔が垣間見えた。

そのまま額にキスの1つでもしてやろうかとも思ったけど
「眠り姫は王子のキスで目覚めるんだっけ・・・。起きて怖い怖い言われるよりは、このままのほうがいいかもな」
・・・ん?でも今澪は私の腕にもたれかかってる。
別に痺れたとかそういうんじゃないけど、私が動くと澪が起きるかもしれない・・・?
「ってこれどうしたらいいんだよ・・・!?」
独り言をつぶやいた私の頭に答えを導き出すある歌詞が思い出された。

――あーもういいや、寝ちゃおう寝ちゃおう寝ちゃおうー!

フ、と1つ鼻を鳴らして私は目を閉じ、その歌詞の続きを呟いた。
「そう、寝ちゃおう・・・」




以上です。
今朝方雷で叩き起こされたときに思いついたものです。
ありきたりな律澪ですが・・・。
なお、タイトルは本文中で律が言ってる「雷となんとか」って曲です、和名だと「雷鳴と電光」
J.シュトラウス鏡ず邏覆龍覆如▲灰鵐機璽箸離▲鵐魁璽訶でよく演奏される曲です。

このページへのコメント

雷の多いこの季節にぴったりの内容だと思います。
りっちゃんの「寝ちゃおー」も聞いてみたいですね。

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Posted by 名無し 2009年08月12日(水) 21:35:09 返信

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