阿碧



本名:阿碧(あ・へき)
特技:音楽、お料理
家族:不明
主人:慕容復
登場作品:『天龍八部』
 

 慕容復の若君は二枚目で武術もおできになる。そんな彼に仕える阿碧の日々は楽しいものであったろう。

 偶然から姑蘇に訪れた段誉に、阿朱とともに料理を振る舞った可憐な美少女。碧色の服に身を包んだ彼女の出番は、阿朱と違ってなかなか訪れない。そして、その時がついに来てもそれは悲しく滑稽なものであった。

 長い旅を経て戻ってきた若君は狂気の世界で帝位に就いていた。たった一人残された彼女は、その面倒を見なければならなかったのだ。

「はーい、みんな、飴玉をあげるわ」
 阿碧は子供たちに飴玉を配っている。その輪の真ん中には狂気によって自由になった慕容復がいた。
「うわはははは、朕はついに大燕国の復興を果たしたぞ、あはははははは!」
 かつての颯爽とした若君はもういない。阿朱も王語嫣もむろんいない。同僚も友もすべてを喪った彼女だが、変わり果てた若君を捨てるわけにもいかなかった。明日も彼女は飴玉を配るのだろう。夢の世界で帝位についた若君の臣下のために。


 コケティッシュで愛らしい彼女だが、なんとも悲惨な扱いだ。木婉清と並んで惜しいキャラクターといえるだろう。

※ これじゃあんまりにも可哀相だ! って方はどんどん書き足してください。
2005年08月12日(金) 01:25:55 Modified by kizurizm




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