寧中則



本名:寧中則 (ねい・ちゅうそく)
別名:華山玉女(かざんぎょくにょ)
武功:華山派剣法、玉女剣十九式、寧式一剣 等
特技:裁縫等家事全般
弟子:令狐冲岳霊珊林平之
家族:夫・岳不群、一女・岳霊珊、娘婿・林平之
登場作品:『笑傲江湖』 (邦題:『秘曲笑傲江湖』)


 華山派の岳不群には過ぎたものがあった、それは糟糠の妻である寧中則だ。才色兼備で誇り高く慈悲深い。あんなつまらぬ男に惜しいものよ、と言う者は実に多くいた。

 だが寧中則本人はそうは思っていなかったであろう。結婚前と同じように二人きりになれば「師妹」、「師兄」と呼び合う仲むつまじい鴛鴦。若い頃から一途に思い合い、信じ合い、愛する娘にも恵まれて彼女は幸せだったに違いない。

 愛する娘・霊珊のみならず、多くの弟子たちにとっても彼女は慈母そのものだった。稽古が終わると破れた服を繕い、病気になれば寝ずの看病をしてくれる美しい母。両親を亡くした令狐冲や林平之にとってその慈愛はかけがえのないものであった。

 令狐冲は結局華山派を破門されるが、心の底で寧中則は戻っておいでと彼に呼びかけ、彼のことを思いそっと涙していた。かわいい冲児が悪事を為すはずがないと母の直感は彼女に告げていたのである。

 しかし事態は彼女の平安を侵しつつあった。何者かに華山派が襲撃受けたことや五嶽剣派統一の争いもそうだが、何よりも彼女の心を苦しめたのは夫の異変だった。夫婦の寝床に抜け落ちた髯が散らばるようになり、声も何かおかしい。些細なことに腹を立て妙に女々しい。知り合って長いはずの夫のことがどんどんわからなくなっていく。いぶかしげなまなざしで見つめると、彼は優しい声音でなだめにかかるが、それすらかえって不気味であった。

 さらに彼女は新婚の娘から恐るべき相談を受ける。
「お母様――私たちは結婚してから一度もちゃんとした夫婦になっていないのよ」
 冷たい手でぎゅっと心臓を握られたような予感が彼女の脳裏を走った。

 どうして私たち母娘はこうも不幸なのだろうねえ――めぐる不幸はついに愛娘の命を奪った。その薄幸の屍を見下ろしたとき、彼女は生きていく気力を失った。これ以上墜ちていく夫を見るのもしのびない。彼女は自ら命を絶ち、過酷な運命を見つめることをやめた。

※ こんな寧女侠あまりにも不幸だ! って方はどんどん書き足してください。
2005年08月13日(土) 03:47:19 Modified by kizurizm

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