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イモータルズ フィニクス ライジング

 「71点のゲームしか作れない」「←の言説は見るたびに点数の部分の数字が少なくなっている気がする」でお馴染みのUBIのゲームです。方々で言われていますが、ギリシャ神話に材をとったブレワイライクなゲームです。プレイヤーは主人公のフィニクスを操ってオープンワールドを駆け巡り、呪われた神々を解放しながら、テュポンという邪神と戦っていくことになります。
 オープンワールドの中には「タルタロスの迷宮」というブレワイの祠に相当するものが点在しており、中に入って戦闘やらゼルダ的なパズルやらを攻略して最深部にたどり着くと、フィニクスの強化に使えるアイテムが手に入るという寸法になっております。他にも、スタミナゲージがあるとか、滑空ができるとか、基本的にどんな壁でもよじ登っていける(前述のタルタロスの迷宮内を除く)とか、ブレワイと似ている点を挙げだせばキリがありません。
 私はそれなりに楽しめましたが、やっぱりブレワイの完成度の高さを感じさせられてしまう局面も多かったです。特に本作のパズルは、ひとつひとつの工程が長いうえにしくじると戻し作業に時間がかかる場合も多く、試行錯誤の快適性が高くはなかったです。ブレワイライクを売りにしている以上はここが一番の問題になってくるでしょう。
 オープンワールドは狭めで、プラチナトロフィーの取得までプレイしても35時間〜50時間くらいで終わるボリュームです。戦闘の難易度はそんなに高くなく、難易度も5段階から選べるので、戦闘が苦手な人にもお勧めはしやすいです。まあ、ブレワイをやったことがないのであれば、確実にそっちからやった方がいいでしょう。

※「ボスは誰?」というトロフィーがあります。全部で4体いる「神話の怪物ボス」を全て倒すと取得できるトロフィーですが、そのうちの1体である「伝説のヘカントンケイル、コットス」は、メインミッションで訪れるアレスの宝物庫の屋上にいるので注意してください。この宝物庫の内部にいるタルタロスの亡霊神官(メインストーリー上撃破必須)とは違うボスです。私は両者を混同していたために宝物庫の内部ばかりを探して屋上にいるコットスを見付けられず、「倒しているはず(実際は、タルタロスの亡霊神官しか倒していない)なのに倒していない判定になってしまっている」と勘違いして、NG+で改めて神話の怪物ボス4体を倒すという二度手間を犯してしまいました。まあ、2時間くらいしかかからなかったのが唯一の救いです。
 この勘違いが生じた原因の一つに、(少なくともリリース直後は)本作に種々のトロフィーバグが報告されていたという事実があります。ただもう流石に大体のものは直っている(と思われる)ので、バグかと疑われるような事態が生じたらまずはバグではなく自分のゲームプレイを疑い、「本当にトロフィーの獲得条件を満たしているか」を再確認した方がよいです。
 ちなみに本作には「12人の功業越え」という「ヘルメスの英雄の試練」なるものを36個全てクリアすると獲得できるトロフィーもあります。そしてこの試練のひとつが、「神話の怪物ボス4体の全撃破」になっているのです。ただ、他の35個全ての試練を1周目でクリアしたうえで、NG+でどれでもいいので何かひとつでも試練を追加でクリア(NG+では試練のクリア状況は全てリセットされます)すれば、トロフィーが解除されます(実際に私もこの方法で本トロフィーを解除できました)。厳密な検証はしていませんが、全周回を通して試練の累計クリア数が36に達すれば本トロフィーが解除できる仕様になっていると思われます(ただ、1周目で34個クリア→2周目で2個クリアみたいな形でも解除されるかどうかは未検証)。翻って考えると、トロフィーバグが相次いでいたからこそUBIがこういう温情的な仕様にしてくれたのではないでしょうか。

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