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バイオハザード5

 ハイ、ええ、PS4版をやりましたとも。
 多分、6もやると思います。
 どちらも、PS3版とトロフィーが別なので、トロフィーコレクターの筆者としては手を出しやすくなっています。手を変え品を変え色々なバージョンを出してくるバイオハザードシリーズの商法をどうかと思うときはありますが、別に詐欺を働いているわけでないので何も問題はありません。

 やってみての、感想ですが、確かにホラー要素はほとんどありません。明るい中で撃ち合うTPSでしょうか。非常に洋ゲーチックです。でもまあ、ホラーじゃないなんてのは4の頃からそうだと思うので、別に筆者は気になりませんでした。

 ただ、やっぱりAIのシェバはアホです。体力が減るとハーブは拾った端から使い始めるし(後で組み合わせるためにとっておくということができません)、特定の地点で待たせておくことはできないし、よく進路を妨害してきます。ジャブジャブ弾薬を使ってすぐ弾切れを起こし、しまいにはナイフ片手に敵に突撃していきます。アイテムをやり取りしようと思った時に限って近くにいません。
 2人プレイでやると楽しいんでしょうけど、1人だとどうしてもパートナーのアホさにイライラします。これはやっぱり、問題なんですね。

 そもそも、「1人でやっても楽しいゲーム」と「2人以上でやると楽しいゲーム」はエンターテインメントとしては全然別の種類のものだと思います。人間嫌いで友達がいなかった筆者はまだ頑是ない時分から「1人でやっても楽しいゲーム」ばかりを延々延々とやっていました。「2人以上でやると楽しいゲーム」の楽しさは、あまり分かりませんでした。たまに同級生の家でその手のゲームをやっているのを見て、楽しそうだと思って親に買ってもらったりするんですけど、1人でやっても楽しくないんですね。マリオカート然り、スマブラ然り、ぷよぷよ然り、モンハン然り、ボンバーマン然り、桃鉄然り。「2人以上でやると楽しいゲーム」の楽しさって、あくまで他人とゲームを通してコミュニケーションをとったり共闘をしたりすることの楽しさだと思うので、ゲームはそれを引き出すための補助ツールみたいなものに過ぎないのです。だから、下手でも楽しいし、繰り返し同じゲームをやっても楽しさが減退しにくいわけです。麻雀やビーチバレーや山手線ゲームと一緒です。
 ただこれらの楽しさは当然一緒にゲームをやってくれる他人がいないと成立しないわけで、そういう他人がいない人でも、そういう他人をすぐに用意できない状況でも楽しめるのが「1人でやっても楽しいゲーム」なんです。そこには、黙々と没頭できる独立の楽しさが必要です。
 バイオハザードシリーズは、明らかに「1人でやっても楽しいゲーム」として産声をあげました。4までは、それを守り続けてきました。それをいきなり路線変更しちゃうと、うまくいかないのは自明の理でしょう。いくら事前に「2人でやって初めて楽しいゲームですよ」と広報したところで(実際5でどの程度その種の広報が為されていたかはもう忘却の彼方ですが)、バイオハザードのナンバリングタイトルである以上、あの化物タイトル・4の直接の後継作である以上、一般消費者は「1人でやってもものすごく楽しいゲームなんだろうな」と期待しますよ。そこらへんの作り手とやり手の認識の乖離が、本作についての賛否両論を巻き起こした一番の原因ではないでしょうか。

 あとやっぱり、4からそんなに進歩してはいません。敵は4のマイナーチェンジみたいなのばっかりです(ガナードとマジニ、コルミロスとアジュレ、エルヒガンテとンデス、みたいなね)。冒頭四方八方から押し寄せるザコ敵に一定時間対処しなきゃいけない展開なんてのも、4とまるっきり一緒です。まあ4と比べるのもかわいそうな面はあるのですが、新機軸がそんなになかったからこそAIのアホさみたいな細かい粗が目立ってしまった感は多分にあります。空耳もほとんどないし、ストーリーも、筆者が注意して見てなかっただけかもしれませんが、クリスが当初何をしにアフリカに行ったかはよく分からないんですよね。彼はよく分からないまんまジルを助けるために突撃し、その後ウェスカーの野望を阻止するために突撃していってしまうので、多少置いてけぼり感があります。

 まあ、おもしろいかおもしろくないかで言えばおもしろいですよ。パートナーには無限弾化したマグナムを持たせておけばいいんです。1周目が長いですけどね。

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