タンザニア、ダルエスサラームに暮らす日本人の日本人による日本人のための生活情報です。

マラリア

感染経路蚊(ハマダラカ)の媒介によるマラリア原虫の感染。ハマダラカは夕刻から夜間に活動が活発になり、とまっている時お尻が斜め上に上がり、羽に黒の斑点模様がある。
潜伏期間7日〜30日
症状発熱(必発)、悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛のほか、全身倦怠感、腹痛、下痢など多彩。
経過タンザニアのマラリアは95%以上が重症化する「熱帯熱マラリア」で、適切な治療を受けなければ、
数日の内に貧血、血尿、腎不全、意識障害を起こし、脳マラリアに移行して死亡することもある。
予防蚊に刺されない。予防薬の内服。
★予防薬の内服については、種々の考え方があります。
在任中ずっと予防薬を飲み続ける人、短期旅行の場合のみ服用している人、全く予防薬を飲まない人さまざまです。
また、予防薬は飲まなくても簡易検査キットとスタンバイ治療として「抗マラリヤ薬」を持参して赴任、旅行する人もいます。
予防薬にも副作用が見られ、長期間の服用には体に負担がかかることもあり、問い合わせがあった場合、日本大使館では以下のような基本方針に基づき、滞在期間と滞在場所の組み合わせにより予防薬の内服につき助言をしています。
(滞在期間)
・3ヶ月以内であれば、飲んだ方がよい。
・3ヶ月以上であれば、友人、知己への確実な連絡方法と、適当な医療施設までの移動手段(友人の車など)を確保した上で、予防薬は飲まなくてもよい。
(滞在場所)
・旅行や研究目的で奥地に入り、車で24時間以内に適当な医療施設にたどり着けない場合は、予防薬を飲んだ方がよい。
・滞在が比較的大きな町に限られ、確実な医療施設に昼夜を問わず受診できる場合は、予防薬は飲まない選択も可。
ただし予防薬の効果は100%ではなく、発症しても症状を軽くする、或いは重症化するまでの時間を長くする=医療施設への移動時間を稼ぐ、という目的で服用するものとご理解ください。

★予防薬よりも確実な予防法は、蚊に刺されないようにすることです。ハマダラカの多い夕刻〜夜間の外出を避ける、肌の露出を最小限にする、虫除け剤の噴霧や塗布、蚊取り線香の使用、電動式蚊取り器の使用、蚊帳の使用などが挙げられます。それでも蚊に刺されてしまい、上記のような症状が出れば、最寄りの病院にてマラリア検査を受けることをお勧めします。

デング熱

感染経路蚊(ネッタイシマカ等)によりデング・ウィルスが感染。ネッタイシマカは昼間に活動することが多い。
潜伏期間3日〜7日
症状・経過悪寒を伴った急な高熱。3日程で急に37度あたりまで解熱、1日おいて39度あたりまで上昇し、2日程で再び急に解熱というような
M字型の熱型を示すことが多い。
他に頭痛、眼窩痛、筋肉痛、関節痛が現れる。
発症後3〜4日後より胸部から発疹が出現し、四肢、顔面へ広がる。通常3〜7日程度で消失し、回復する。
まれにデング出血熱となって、口、目、鼻などの粘膜から大量に出血し、循環血漿量低下がショックを引き起こすデングショック症候群という病型となり、
この場合の致命率は3〜6%になる。
予防ワクチンは無い。治療薬もない。蚊に刺されない。

黄熱病

感染経路蚊(ネッタイシマカ)により黄熱病ウィルスが感染。ネッタイシマカは活動することが多い。
潜伏期間3日〜6日
症状・経過頭痛、発熱、嘔吐から肝障害による黄疸、吐血、出血傾向、さらに腎不全などへと進む。重症化した場合の致死率は50%。
予防ワクチン接種。蚊に刺されない。
※2011年、WHOはタンザニアを黄熱リスク国から除外しましたので、ワクチン接種は原則不要となりました。しかし、タンザニアから周辺国に入国する際にイエローカード(黄熱ワクチン接種証明書)の提出を求められることがありますので、長期滞在者はワクチンを接種して赴任されることをお勧めしています。

A型肝炎

感染経路経口感染。糞便に直接、間接に汚染された水や食物によりウィルスが感染。
潜伏期間2週間〜1ヶ月
症状発熱、悪寒、腹痛、嘔吐、下痢、黄疸、全身倦怠感など。
経過1〜2ヶ月で症状は改善するが、ごくまれに劇症化することもある。
予防ワクチン接種。食事前の手洗い。不衛生な飲食物を避ける。

B型肝炎

感染経路輸血や汚染された医療器具、性行為などによる血液や体液を介したウィルス感染。分娩時に産道を介した母子感染もある。
潜伏期間約3ヶ月
症状全身倦怠感、嘔吐、黄疸など。急性期に劇症化すると出血傾向、肝不全、昏睡に至り、高率に死亡する。
経過3ヶ月〜半年で軽快することが多いが、慢性化すると生活が著しく制限され、さらに肝硬変や肝癌の発生も見られる。
母子感染では、無症状だがB型肝炎ウィルスのキャリアとなり、成人になってから慢性肝炎への移行が見られる。
予防ワクチン接種。生活上で他人の血液や体液との接触を避け、輸血を受けるような事故(交通事故含む)や病気の予防など。

C型肝炎

感染経路B型と同じく、血液や体液を介したウィルス感染。
症状B型よりは感染力や症状の出方が弱いが、B型肝炎と類似の経過をたどる。
予防ワクチンは存在しない。生活上での予防のみ。

HIV/AIDS

感染経路AIDSウィルスがB型、C型肝炎と同じく血液や体液を介して皮膚、粘膜の傷口から感染。
潜伏期間従来、約10年といわれてきたが、ウィルスの変異により数年で免疫機能不全に至るタイプも現れてきた。
症状・経過免疫機能の低下による各種感染症〜全身衰弱〜死亡。治療薬の開発により発症を遅らせることが可能になってはきたが、
未だに完全治癒はほぼ望めない。
予防あらゆる血液や体液との接触を避ける。

破傷風

感染経路屋外での外傷による破傷風菌の感染。
潜伏期間4日〜2ヶ月ほど
症状・経過傷口周囲の感覚異常、全身倦怠感、軽度発熱、口や手足のこわばり感、痛みなど。
ここまでの時点で破傷風抗毒素の治療を受けなければ、のけぞるような痙攣から死亡に至ることもある。
予防ワクチン接種。裸足で歩かないなど生活上での予防。

狂犬病

感染経路イヌやイヌ科の野生動物、ネコ、イタチやスカンク類、コウモリなどによる咬傷からのウィルス感染。
まれにサル、カラスからの感染や、コウモリの糞による空気感染もある。
潜伏期間2週間〜8週間、まれに数年。
初期症状頭痛、発熱などの感染症状や、不眠、咬傷部の知覚異常、過敏痛などの神経症状。
経過放置するとさらに神経症状が脳に向かって進み、呼吸困難、嚥下困難、恐水発作からほぼ100%死亡する。
咬まれた部位が脳に近いほど進行も早い。
予防ワクチン接種。咬まれてから重症化するまでの時間が比較的長いので、受傷後にワクチンをすぐに接種することで、
重症化、死亡を予防できることもある(暴露後ワクチン接種)。

腸チフス

感染経路経口感染。糞便中のチフス菌に直接、間接に汚染された飲食物により感染。
潜伏期間1週間〜2週間
症状・経過発熱、悪寒、頭痛、腹痛、便秘などで始まり、マラリアの症状によく似ている。
初期には必ずしも下痢は伴わず、発熱、悪寒、全身倦怠などの血症症状が先行する場合もある。
マラリア検査が陰性でこれらの症状があれば、当地の医師はまず腸チフス感染を考える。
バラ疹と呼ばれる2〜4ミリ程度のピンク色の皮膚発疹が腹部や胸部の皮膚に見られることもある。
適切な抗生剤による治療が行われなければ、腸管に腫瘍を作り、穴があいて腹膜炎に発展すると死亡することもある。
予防ワクチン接種。

コレラ

感染経路経口感染。糞便中のコレラ菌に直接、間接に汚染された飲食物により感染。
潜伏期間数時間から数日
症状・経過激しい下痢、嘔吐。腹痛や発熱は一般的には伴わない。
初期の「米の研ぎ汁」様の白い便から徐々に透明の水様便に変わる。
適切な水分補給が行われなければ脱水が重症化し死亡することもある。
死亡率は成人で1%、小児で10%。
予防ワクチン接種。食事前の手洗い。飲食物に対する注意。

ポリオ

感染経路感染者の糞便中に含まれるポリオウィルスが飛散して経口感染。
潜伏期間7〜20日
症状・経過99%は症状のない不顕性感染であるが、1%弱に発熱や感冒様症状のみの不完全型、
0.2%程度が熱の下がる頃に足を中心に麻痺の出る麻痺型ポリオとなり、一旦発症すると治療法がない。
予防ワクチン接種。
日本の定期接種では生後90ヶ月までに2回の接種を行うが、当地での生活上は、3回目の接種による免疫の増強が望ましい。

その他

地方や未開発地域、サファリツアーでは、このほかに淡水中の住血吸虫やアメーバの感染、アオバアリガタハネカクシ(ナイロビフライ)による皮膚の炎症、毒蛇による蛇咬傷、ツェツェバエによるトリパノゾーマ症(眠り病)など、注意が必要な対象は数多くあります。
事前に滞在地の現地情報入手に努め、予防を怠らないようにしてください。
タンザニア・アフリカで長期生活するには、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、そして黄熱病のワクチン接種が基本的な予防だと考えられますが、それ以外に日常生活でもいろいろな自己管理が必要です。
 経口感染の予防には「手洗い」や「うがい」の励行、飲食物に対する警戒が、また、血液や体液を介する感染に対しては、他人の血液や体液に接触することのないよう注意が肝要です。
輸血を受ける事態を避けるため、交通事故や武装強盗、重症熱傷などへの警戒は怠れませんし、また同じ観点から当地でのお産も勧められません。

Menu

タンザニアに触れてみよう

ダルエスサラームを知るために





[END]
【メニュー編集】

管理人/副管理人のみ編集できます