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作者:鏡貴也
作画・イラスト:山本ヤマト
掲載:ジャンプスクエア
出版社:集英社(漫画)・講談社(小説) 講談社ラノベ文庫

あらすじ

小説
終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅(カタストロフィ)
人間世界滅亡前の最後の春。呪術組織「帝ノ月」の宗家である一瀬家の次期当主候補一瀬グレンは、反目しあう呪術組織「帝ノ鬼」が牛耳る呪術師養成学校、第一渋谷高校に入学する。周囲はほぼ全て帝ノ鬼に組する敵という環境の中で、己の実力を隠し生徒や教師からの過酷な扱いに耐えるグレンであったが、帝ノ鬼の幹部クラスの子息である十条美十と五士典人、さらにはグレンがかつて 幼い恋をした柊家の次期当主候補、柊真昼の許婚 柊深夜らはグレンに対し関心を持つ。その後、生徒同士の直接対峙により優劣を決める選抜術式試験の中、突如として第一渋谷高校は何者かに襲撃され多数の死傷者が出る。襲撃を何とか切り抜けたグレンは、その背後で進行している帝ノ鬼と日本最大の呪術組織「百夜教」の争い、そして その手引きをしたものの存在を知るのであった。争いに否応なく巻き込まれていくグレン達であったが、これから何が人間世界に起きていくのか、その兆しを知るものはまだごくわずかであった。柊真昼が帝ノ鬼を裏切って学校を襲撃した 大事件から1か月が経ち、落ち着きを取り戻した第一渋谷高校。襲撃被害による臨時休校から明けたころ、グレンは相変わらず己の実力を隠す振る舞いを続けていた。しかし 第一渋谷高校の生徒会長、柊暮人によって、その試みは妨げられることとなる。柊家の中でも群を抜いた実力を有し、真昼と並ぶ次期当主の有力候補とされる暮人により、グレンはその下につくことを余儀なくされる。そのような中、ある日 突然に上野地区が百夜教によって封鎖される。何か深刻な事態が起きていることは確かながら、これまでに封鎖地区に送り込まれた帝ノ鬼の調査部隊はいずれも全滅した模様。暮人により封鎖地区の偵察を命ぜられたグレンは、深夜、美十、典人と、己の従者花依小百合、雪見時雨との混成チームで調査に赴くのであった。そんな中、事件の原因究明にあたる柊家の次期当主 柊暮人にスパイ疑惑を向けられる。上野公園で遭遇した、キメラと鬼呪装備の試作型を携えた真昼。両者との力の差を見せつけられたグレンは、百夜教や帝ノ鬼、そして クリスマスに訪れる世界の滅亡に備え、鬼呪装備の研究を決意する。

暮人の配下に組み込まれる形となり、第一渋谷高校内でのグレンの立場は「柊暮人の直属の部下に選ばれた者」として劇的に改善した。しかし、百夜教と帝ノ鬼との間の抗争はますます激しくなり、伏せられていた抗争勃発の事実が、暮人を陥れ帝ノ鬼内に亀裂を生まんとせん真昼の策略により明るみに出てしまう。どのように振舞えばとばっちりを極力受けずに済むのか、これまで事情を知らされていなかった者が大半を占める第一渋谷高校内には緊張が走る。一方で、深夜経由でグレンの元に百夜教から情報交換実施の申し出が届き、グレンと深夜は待ち合わせ場所に赴く、そこで遭遇したのは、吸血鬼に襲撃されなすすべなく壊滅する百夜教戦闘員達の姿であった。何とか吸血鬼の襲撃をかわしたものの、翌日の暮人からの呼び出しの場で、グレンは事態の背後で糸を引いている真昼への対処を求められ、日本でも第1位と第2位の呪術組織を単身相手にし、効果をあげつつある真昼の目論み通り、遂に百夜教と帝ノ鬼の戦争が本格化する。一気に緊迫した事態を打開すべく、グレンは禁断の力である鬼呪装備「ノ夜」に手を出し、鬼呪の威力は壮絶であり、第一渋谷高校を襲撃した百夜教の部隊を苦もなく駆逐していくが、制御が十分ではない鬼呪の力を振るうことは、グレン自身の中の鬼にさらに力を与える行為でもあった。生命の危機にあった小百合や時雨、典人、美十を救うものの、グレンの人間としての理性が失われる寸前にあったところ、帝ノ鬼精鋭部隊を率いた深夜による封じ込めが何とか間に合うがその直後、より制御された鬼呪の力を自らに得た深夜、典人、美十らによりグレンの中の鬼も制御下に置かれる。一連の騒動の過程で、小百合や時雨、父 一瀬栄ら帝ノ月に属する者たちをこれまで以上に明白な形で暮人に人質に取られることとなったが、それでもグレンを選ぶ深夜、典人、美十と改めてチームを組むのであった。鬼呪研究の進展に伴い状況が急激に変化した結果、一旦手を組む形となった帝ノ鬼と百夜教に捜索され、帝ノ鬼を裏切り、抹殺対象として真昼は柊家に追われることになった。進退きわまりつつある真昼が、暮人より真昼殺害命令を受けたグレンの前に無防備な身を現すがその場で真昼を殺せず、逃げられたグレンは真昼の妹の柊シノアの元へ向かい、彼女を自宅へ案内する。一方、真昼は百夜教に監禁されている天音優一郎と出会い、百夜孤児院にて〈終わりのセラフ〉の実験体の1人を引き取るがそこへ〈終わりのセラフ〉に触れた事で真昼は吸血鬼に追われ、グレンはその現場に遭遇する。真昼はグレンに「京都の吸血鬼の女王に」と伝え吸血鬼に攫われ、真昼が攫われた後、帰宅したグレンは時雨と小百合に栄が人質に取られ、1ヶ月以内に真昼を殺さなければ処刑されることを伝える。真昼を追うため、合流した深夜・美十・五士と共に暮人の力を借りて京都へ向かい、その途中に、ノ夜が真昼から預かっていたアシュラマルを入手、また襲撃に現れた吸血鬼の捕縛する。その頃、真昼は地下都市・サングィネムにて拘束される中、吸血鬼の女王クルル・ツェペシと対面を果たす。グレンは真昼が残した手紙に見つけ、手紙に記載されたのは百夜教によって行われている、忌まわしい実験の「終わりの天使(セラフ)計画」の記録だった。『帝の鬼』ですらつかんでいないその実験は、世界を破滅へと向かわせるものでその情報をグレンに渡した真昼の意図は、「あなたと心中はしてあげられない。私はあなたに、未来を託すから」と心中しようとした。

10月2日、グレンは真昼の暗殺には失敗したものの、アシュラマルの回収と吸血鬼の捕縛したことを暮人に評価される。その功績から栄の処刑を延期する動きがあったが、帝ノ鬼上層部によって見せしめのために栄を処刑され、グレンは一瀬家当主に就くこととなった。一瀬家当主着任の報告のため帝ノ鬼上層部に赴いたグレンは柊家当主・柊天利から当主着任を認められる。上層部会議帰宅後、待ち伏せていた斉藤と遭遇し、彼が第二位始祖であったことを知る。一方、真昼はクルルと取引を行い、吸血鬼となって地上へ帰還し、鬼呪を完成させるために動き出す。アシュラマルにより鬼呪の研究が進んで数ヶ月が経った頃、暮人の右腕として第一渋谷高校で鬼呪により暴走した生徒の討伐をしていたグレンは真昼と再会する。彼女を拘束しようとチームメートらと協力し、一度は彼女を追い詰めるも、吸血鬼となった彼女に力技で敗北、真昼から四鎌童子をシノアに渡すように託されるがその数日後、〈終わりのセラフ〉の研究をしていた百夜教は、帝ノ鬼と吸血鬼によって壊滅するがしかし、壊滅された渋谷の百夜孤児院に赴いたグレンはそこの院に襲撃の痕跡がないことに不審を抱き暮人に報告、その最中に暮人から二医の当主が真昼に寝返ったことを報される。そして、クリスマスの2日前、真昼から託された四鎌童子をシノアに渡すべく彼女の元を訪ねたグレンは寝返った帝ノ鬼の信徒らの襲撃を受け、シノアに四鎌童子を手に取らせ、彼女を連れて深夜らと合流したグレンは、真昼に電話をかけ、柊家を裏切り協力することを伝え、真昼とコンタクトを取ったグレンらは裏切り者として帝ノ鬼の信徒らに追われる。その頃、鬼呪を手にしたシノアは精神世界にて四鎌童子と対面し、そこで真昼に守られていたことを知えい、四鎌童子を手に目を覚ましたシノアはグレンらと離れ、グレン達は真昼の元を目指す。一方、天音優一郎は斉藤により百夜孤児院へと連れ、第一渋谷高校にて真昼は暮人と交戦し、真昼は黒鬼・雷鳴鬼を持つ暮人を圧倒的な力で追い込む中、彼に柊家の不審な点を指摘し、グレンを大切にする旨を伝え、姿を消す。暮人は真昼の指摘から、父・天利と連絡を取り、彼から世界崩壊の計画は柊家が企てたものであり、真昼は百夜教との二重スパイで、クリスマスに死ぬことを伝えられる。クリスマス当日、帝ノ鬼に追い込まれる中、グレンらは暮人の案内で真昼の元にたどり着く。グレンは再び彼女を救おうとするも、彼女に深夜・美十・五士・小百合・時雨を殺害され、また彼女自身もノ夜で自身の心臓を貫く。ノ夜と心臓を一体化させていく真昼からグレンは〈終わりのセラフ〉の正体と発動条件、彼女の定められた運命を耳にする。真昼がノ夜の中へ姿を消した後、グレンは〈終わりのセラフ〉を発動させるために深夜らを蘇生させようと動く。発動直前、その場に現れたフェリドに自身を殺すよう頼むが拒否されたことで〈終わりのセラフ〉を発動、それを引き金に、世界崩壊が始まった。

終わりのセラフ 一瀬グレン、19歳の破滅(リザレクション)
一瀬グレンは「人間の蘇生」という、決して許されぬ禁忌を犯した。失ってしまった家族や仲間を生き返らせるため発動した実験の名は「終わりのセラフ」。愛する者達の蘇生と引き換えに、世界の人口は十分の一以下になり、破滅を迎えた。吸血鬼の人間狩りが行われ化物が蔓延る世界で、それでも生き残った人間達は、希望を信じ世界の再生を目指す。許されざる罪を抱きながら、そして それを誰にも悟られぬようにしながら一瀬グレンもまた一歩を踏み出すのだが、そこに現れたのはフェリドだった。自らを破滅させた世界を復興させるため、『帝ノ鬼』の命令により電力施設の確保へと向かうグレン達は、吸血鬼と対峙する。 圧倒的な力になすすべもないグレンだが、戦いのさなかに斎藤こと第二位始祖リーグ・スタフォードが彼の前に現れる。

終わりのセラフ 吸血鬼ミカエラの物語
ウィルスによって世界が崩壊した直後。百夜孤児院に暮らすミカエラは、自らの出自に疑問を抱き始める。「人間」クローリーの死闘、フェリドとの出会い、話はやがて「人間」クローリーの過去にまで遡る。十三世紀ヨーロッパ。神に仕える騎士として十字軍に参加していた男・クローリーは、悲惨な戦闘がきっかけで神に対する信仰を失いつつあった。隠遁に近い日々を送っていたクローリーだが、連続殺人犯にかつての仲間が殺されたことをきっかけに捜査へと乗り出し、その事件現場でフェリドと名乗る男で出会う。

漫画
終わりのセラフ
第1章
吸血鬼編
突然発生したウイルスにより大人たちが死に絶え、人間社会が崩壊してから4年。残された子供たちは吸血鬼たちが住む地下都市サングィネムに囚われ、血液を提供する代わりに生かされるという家畜同然の生活を送っていた。その中の一人、百夜優一郎は「家族」である百夜ミカエラたちと共に地下からの脱出を図るがミカエラたちは脱出計画に気付いた吸血鬼たちの手にかかって死亡し、優一郎は唯一地上へ帰還する。優一郎は吸血鬼に対抗できる日本帝鬼軍が誇る吸血鬼殲滅部隊「月鬼ノ組」の中佐 一瀬グレンに保護され、優一郎は吸血鬼に家族を殺され、復讐を誓う為 帝鬼軍の門を叩く。

4年後、日本帝鬼軍に入った優一郎は滅んだ地上世界に現れたヨハネの四騎士を一人で倒すが、命令違反による謹慎で第二渋谷高校に通うことになった。優一郎の監視として軍の柊シノアにより上司の一瀬グレン中佐の命令“友達を一人でも作らない限り謹慎を解けない”ことを伝えるがそんな中 初の友達となる不良三人組にいじめられていた早乙女与一と出会う。そんな矢先に隣接していた研究所から吸血鬼一匹が脱走して学校に侵入し、優一郎はその吸血鬼を倒すために一人で校舎に向かい、自分のロッカーから刀と銃を取りだし、吸血鬼と戦うが危うく殺されそうになったとき、グレン達 月鬼ノ組が到着、吸血鬼を倒した。事件後、不良三人組の一人が学校の地下にある“開かずの間”に行ったきり戻ってこなくなってしまったため、優一郎達は開かずの間に向かうがそこは軍の殲滅部隊の訓練施設であり、“鬼”と呼ばれる吸血鬼を倒すための力が宿してある鬼呪装備があり、殲滅部隊に入るためのテスト場だった。優一郎は何とか、鬼を使役して不良三人組の一人を助けることができたがその一方で、サングィネムでは死んだと思われていたミカエラが生きていたがしかし、彼は吸血鬼になっていた。

晴れて月鬼ノ組になるためのクラスに移動になった与一と優一郎だったが、優一郎は初日から問題子である君月士方と喧嘩をする。一週間後の鬼呪装備適性試験に向けて、二人一組になり戦闘人形を倒す訓練で、君月とペアを組むことになってしまう。そんな時、民間病院に入院している君月の妹 未来が危篤の状態だと知らされる。しかし、君月は訓練を優先しようとしたが、優一郎により怒られて説得され、君月の妹未来の入院している病室に向かうが何とか危機を脱したものの、ウイルスにより民間病院ではもう手の施しようがない状態だった。優一郎は君月の月鬼ノ組への志望理由を知る。そして、10日以上たった日、優一郎、君月と与一はグレンが所有している黒鬼の攻撃に耐えて合格し、鬼呪装備の中の最高ランクの“黒鬼”シリーズに挑戦することになる。優一郎は黒鬼を条件付きで契約(使役)が成功して、黒鬼シリーズの阿朱羅丸を手に入れる。君月も契約(使役)を成功させるが、与一は力が足らずに一度は黒鬼に呑み込まれるが、優一郎達の助けにより何とか黒鬼との契約(使役)に成功する。月鬼ノ組に配属されて、チームを組むことになった優一郎、君月、与一とシノアはグレンが指定した集合場所に向かう。集合場所でグレンに抗議をしていた新しい仲間の三宮三葉と出会う。グレンはシノア率いるシノア隊に「原宿にいる吸血鬼を殲滅してそこにいる人間達を解放し、新宿に向かえ。」という簡単な初任務を与えられる。

優一郎達は、吸血鬼たちを殲滅させそこにいる人間達を解放して、新宿に向かう。一方、グレン率いるグレン隊は、新宿を襲撃しているミカエラや吸血鬼の貴族と戦うことになり、グレンの元に急いで向かう優一郎達はシノアから鬼呪装備の本来の力を引き出すための薬を渡される。前線では、グレンとミカエラが戦っていたがグレンはミカエラの力の強さに圧倒されて、剣で刺されてしまう。優一郎が到着して、ミカエラとは知らずに剣で刺してしまう。ミカエラと気づき動揺する優一郎だが吸血鬼達に仲間を殺されそうになったとき、優一郎の中の人間じゃない部分が現れだし、暴走するがシノアのおかげで、何とか元に戻った優一郎は月鬼ノ組の本隊が到着して、吸血鬼達を撤退させた。7日経ちようやく昏睡状態から目を覚まし、ミカエラが殲滅されずに逃げたことをシノアから聞く。優一郎はミカエラを、ミカエラは優一郎を救うと決意する。

吸血鬼達の新宿襲撃戦から7日後、優一郎は柊暮人に呼び出され、一号執務室に出頭することになる。一号執務室には、暮人の他に柊深夜がおり、2人と戦うことになる。そこで鬼の『具現化』や『憑依化』を知る。尋問が始まると優一郎は、かつて 自分が暮らしていた孤児院が身寄りのない子供を集めて人体実験(呪術実験)をしていたことを知る。尋問後、優一郎は憑依化や具現化を使えるようになるために、鬼呪の訓練を開始し阿朱羅丸と会うために、剣に自分の血を吸わせ意識を失う。鬼呪装備の訓練を開始してから20時間後、優一郎は憑依してもらうために阿朱羅丸と戦うことになり、苦戦しながらも阿修羅丸に勝ち、憑依してもらうことに成功する。優一郎の後、君月も訓練を開始するが、鬼箱王の強さに苦戦し、30時間以上戦っていた。苦戦しながらも何とか憑依してもらうことになり、意識を取り戻した君月は起きて早々 優一郎と戦う。その頃 吸血鬼の地下都市サングィネムでは吸血鬼と人間との大戦争を始めるために着々と準備が始まっていた。その事を知った暮人はグレンに吸血鬼殲滅部隊100人を率いて名古屋に拠点を作っている吸血鬼の貴族達を倒して拠点を奪うよう命令するのである。優一郎達も名古屋決戦のために名古屋に向かうのである。ミカエラも優一郎を救うため、他の吸血鬼と名古屋に向かう。

集合場所に向かう優一郎達はシノアの悪ふざけにより遅刻してしまい、それがグレンにばれて怒られる。優一郎は自分の責任だとウソを言ってシノアを庇い罰を受けることになり一人でグレンの元に行くが、グレンは優一郎のせいではないとわかっていたため、優一郎自身には罰を与えなかった。しかし、シノアに危機意識の無さを自覚させるために連帯責任として、グレン、十条美十、深夜の3人とシノア隊が戦うことになる。しかし、チームワークが取れていないシノア隊はグレン達に惨敗し、自分達の未熟さを知る。戦闘後、優一郎達は、鳴海真琴率いる隊と合同で貴族の一人 ルカル・ウェスカーを始末するために任務に就く。そして 与一達、狙撃部隊の攻撃の開始により吸血鬼と殲滅部隊との戦いの火蓋が切って落とされた。第十五位始祖 ルカル・ウェスカーの攻撃に対し苦戦を強いられるシノア隊達だったが、君月の奇策により無事にルカルを始末する。しかし、名古屋市役所を襲撃していた部隊が壊滅的状況まで追い込まれるなど戦況は不利になりつつあった。そして、グレン達は人質に取られた隊員達の救出と貴族である、第十三位始祖 クローリー・ユースフォードを始末すべく行動を開始し、隊員を次々と解放していくが、圧倒的な強さを誇るクローリーにグレン達は次第に追い詰められていく。名古屋で月鬼ノ組が吸血鬼を相手に劣勢を強いられている中、新宿では第七天使の移設準備が進められていた。暮人は「今日俺は世界を救う」と豪語するが、征志郎は聞かされていた内容と異なる内容で物事を進めようとする暮人のやり方に反発する。しかし、暮人の毅然とした態度を前に征志郎は屈してしまう。名古屋市役所では、クローリーに追い詰められるグレンに深夜や優一郎が応戦するもクローリーや部下のホーン・スクルドやチェス・ベルには敵わず、とうとうグレンを犠牲にせざるを得ない状況に陥る。それでも優一郎は皆の制止を振り切り、鬼呪促進剤を2錠服用して更なる力を得ようとしたが、多量摂取により臓器が破裂し死亡する。だが、天使の力により生かされていると阿朱羅丸は優一郎に告げる。そして、阿朱羅丸は心臓が再び動き出した優一郎を修復し力を授ける。復活した優一郎は更に暴走するが、グレンの指示で動いた君月の手により暴走は収まる。そして、戦線からの離脱を図る一行の前にミカエラが立ち塞がる。

クローリーの前に撤退を余儀なくされた月鬼ノ組はグレンを市役所に一人残し、日本帝鬼軍のヘリが待つ名古屋空港へ急ぎ、クルル・ツェペシ率いる京都の吸血鬼がクローリーのいる市役所に向かっていた。ミカエラは京都の吸血鬼が来たら優一郎を救えないため、その場で優一郎を救う覚悟を決める。ミカエラが深夜率いる月鬼ノ組に向かって行き、そして 月鬼ノ組に突っ込むが無数の傷を負ってしまいその場で倒れこんでしまう。しかし 優一郎が気絶している姿を見て後方にいるシノア隊に向かって行き、ミカエラは優一郎を抱えて去ろうとしたとき与一に止められ、そこで深夜がミカエラの胸を突き刺す。しかし、シノアが深夜を攻撃しミカエラを助ける。そして、シノアが死なれては困るとミカエラに、「逃げちゃってください」と言い、ミカエラが優一郎を抱き抱え逃げて行く。しかし 二人が去った後、そこへ京都の吸血鬼が降りてきて月鬼ノ組を襲い始めた。その頃 ミカエラはどこかに身を潜め優一郎に生きている内に起きてと問いかけている。その後、優一郎が起きるが、ミカエラが血への欲求を抑えれずに優一郎の血を吸おうとするが、正気に戻り、離れてと言う。しかし、優一郎は飲むように言われた事からミカエラは優一郎の血を飲み完全に吸血鬼となった。そして 二人は車に乗り、シノア達がいる 名古屋空港に向かっていたが、その頃 君月の妹・未来は終わりのセラフの実験されていた。一方、月鬼ノ組は名古屋空港についていたが、そこに逃走用のヘリは無く鳴海が深夜と口論になり、口論の末 深夜は任務を放棄すると言う。その頃、名古屋市役所前交差点でグレンが拷問をされ、グレンが新宿に吸血鬼を誘導しようとするが、吸血鬼の激しい拷問により、真昼に取り憑かれ吸血鬼を覆す。そして グレンはクルルに終わりのセラフの実験を名古屋空港で行うと伝える。見事再会を果たした優とミカ。喜びも束の間、吸血鬼と人間の戦いはより激しさを増していく。次々と帝鬼軍の隊員たちが実験の餌食となる中、優一郎とミカエラが駆け付ける。その後グレンも姿を現すが、実験の意図を問いただす優一郎の言葉も聞かず、刀で斬りつける。意識が朦朧とする優一郎は阿朱羅丸との会話の中、家族を守るために天使のラッパを手にする。終わりのセラフを発動した天使たる優一郎は、禁忌に手を出した人間を滅しようとするが、阿朱羅丸に説得され、気絶する。その混乱の中、フェリドはクローリーと共にクルルを急襲し、反逆者として吊るし上げ、その地位を奪う。その後、帝鬼軍を離れることを決意したシノア達は、ミカエラと共に漁村でひっそりと生活し、一日の半分が鬼になるようになってしまった優一郎を保護していた。

第2章
終わりのセラフ編
名古屋決戦から3か月 軍から離脱した優一郎及びシノア隊と鳴海は、吸血鬼の女王であるクルル・ツェペシの救出を目指すこととなった。しかし、シノア達の元に現れたのは彼らの前に因縁の相手 クローリーとフェリドだった。三葉を襲うクローリーの一閃はシノア達手を組むよう要求し、優一郎達はそれを承諾する。フェリドは、殺したはずの百夜茜のの首を持っており、それを見た優一郎は暴走してしまうが、グレンが使用しているものと同じ薬を優一郎に注射し、暴走を止める。仕方なくフェリド達と行動を共にするが、その道中でフェリドから世界の崩壊の原因が「グレンが世界を滅亡させた」と告げられ、衝撃の発言を言う。

驚く優一郎たちだったがフェリドはクローリーや優一郎たちを連れ、グレンとの待ち合わせ場所である大阪湾へたどり着く。彼の情報を鵜呑みにしてはいけないと知っている優一郎たちは、一度 フェリドからの離脱を計画するがしかし、そこには海外を支配する第二位始祖ウルド・ギールスと第三位始祖レスト・カーが待ち受け、逃げ出すことなど困難になってしまう。そして 世界崩壊時に暗躍していた斉藤という男が拘束されたクルルの前に現れがしかし、大阪湾に現れたウルド・ギールスやレスト・カーに捕らえられ、クルルの裏切りやサングィネムを人間に奪われた罰としてクルルと共に「日光拷問」の刑に処せられる。優一郎はクルルやフェリドを救うことを決め、クローリーと共に優一郎の中のセラフを手懐ける訓練をすることになった。しかし 拷問官は第五位始祖キ・ルクを倒すにはさらなる強さが必須となり、まずは優一郎に秘められ終わりのセラフを制御をすること。一行はクローリーの案内で終わりのセラフの制御のため大阪のフェリド邸へ向かうが吸血鬼を仲間として信頼できるのかと、ミカエラと語り合うシノア隊だったがそこで優一郎はその地下で謎の呪術式が記された大量の書物と殺された百夜孤児院の子供たちや鳴海隊の仲間、さらには1000年前のクローリーの知人といった死体が保管されていることを知り、地下いた優一郎達の元にグレンら一行が現れる。

そこでグレンが語るのは世界滅亡の真相と彼が犯した大罪、フェリドが言った「世界滅亡はグレンが死んだ深夜達を蘇生したために下った天罰によって起こった」ことが真実であることが裏付けられた。しかし、世界滅亡はグレンが蘇生を行うことすら想定された何者かによる壮大な計画の一部であることが分かり、それには柊家が関わっているが、柊家すら何者かに操られていることがグレンの口から語られる。また、グレンは「人類の全蘇生」が目的だというが、誰もが半信半疑で、特にミカエラはあり得ないと一蹴する。だが、グレンは優一郎が全蘇生の鍵であるといい、優一郎のセラフを手懐ける訓練が始まる。一方、東京では暮人によるクーデターが始まり、人ではなくなっていた天利を相手に苦戦するが、セラフを発動させ、天利を殺すことに成功する。しかし その直後「一番最初の吸血鬼」を名乗る「四鎌童子」が現れ、取り憑かれてしまう。クルルとフェリドの奪還をかけ、キ・ルクとの闘いに挑む優一郎たちは綿密な陽動作戦を立案し、各々が計画を遂行するもキ・ルクの知略と圧倒的な力の前に勝利への活路を見いだせないでいた。クローリーを含めた布陣でも苦戦を強いられ、フェリドを救うことに成功するがしかし、ルクはクルルを連れてその場を離れることを決め、逃げられてしまう。

優一郎はセラフを発動したことにより気絶し、一行は名古屋にあるグレンの実家である研究施設、そこで優一郎は同じセラフを発動した強大な結界で封じられている≪第六のラッパ吹き≫だった。優一郎たちは、グレンの実家地下深くで囚われている新たな天使≪第六のラッパ吹き≫と遭遇し、人間を滅ぼそうと襲い来る天使に対し、優一郎は封印された天使を救うことを決意する。仲間と協力し、天使の暴走を抑えようと奮起する優一郎だったが、圧倒的な力を前に身体を酷使する天使の力を開放してしまう。その一方で他人のために必死になる優一郎に、心を奪われ始めるシノアだったがそれに反応し、四鎌童子はシノアの閉じた心の扉をこじ開けようと囁きかけるのだった。苦戦する中、グレンが持つ薬を打つことによってセラフの発動を停止させることに成功する。するとその体内から十字架の形をしたナイフが飛び出し、フェリドが手にする。天使が消えた瞬間 元第二位始祖リーグ・スタフォードやウルドが世界が変わったことを認識し、リーグの手にも二本のナイフがあることが確認される。フェリドは世界を救うために必要だというが、グレンは何も答えず、東京へ向かう。

日本帝鬼軍の本拠地である渋谷に戻ってきた優一郎たちは招かれざる客ながら、グレン、深夜、シノアは暮人と会うが、既に暮人の体には四鎌童子が取り憑かれていた。四鎌童子は暮人だけではなく、シノアと対話し、シノアの体を乗っ取る為に優一郎に恋心を抱いていることを指摘した上、優一郎を人間に戻す方法を知っていると言ってシノアを動揺させ、心の壁を下げさせようと蝕んでいく圧倒的な力、さらにその場に現れた優一郎の心に入り込み、阿朱羅丸と優一郎を殺そうとするが、それを助けに来たシノアを乗っ取ることに成功し、シノアの吸血鬼化が始まってしまう。最強の吸血鬼・真祖の存在に揺らぐ日本帝鬼軍は、真祖と何か繋がりがあるとされる優一郎とシノアを拘束するも混乱極まる状況に翻弄されてしまう。さらに斎藤こと第二始祖リーグ・スタフォードは、百夜教を動かし帝鬼軍へ宣戦布告する。柊暮人が率いる日本帝鬼軍とリーグ率いる百夜教の争いは人間と吸血鬼とが入り乱れ、渋谷は熾烈な戦場となっていく。壮絶な戦闘を繰り広げる中 シノアに取り憑いた四鎌童子がリーグの前に出現し、リーグは真祖を仕留めるべく百夜教の人間達の力を取り込み、真祖との戦闘を始める。双方は神の如き戦いを展開していく中 同じ頃、真昼がグレンに「裏切り」を誘い、真昼の中からノ夜が出現し、「罪鍵」を使い真祖を封印に成功する。

百夜教に囚われた優一郎の前にグレンが現れるが拘束を解こうとせず、そこへミカエラが現れ、不穏を感じた優一郎とミカエラは一緒に逃げ出すが戦闘の末 ミカエラの体は二つに引き裂かれてしまう。シノアらが優一郎の救出に走る中 ミカエラの命が消えようとし、手を尽くしても間に合わないと知った優一郎は、悲しみのあまり阿朱羅丸に「死にたい」と告げるが、阿朱羅丸はミカエラの最後の言葉を思い出すよう語りかける。ミカエラの断魔は吸血鬼たちに苦しみを与え、ミカエラは現世から消えて鬼になってしまった。一方、百夜教と日本帝鬼軍の戦いの中 フェリドはクローリーとともに、瀕死のリーグを見つけ、罪鍵を使ってリーグに止めを刺そうとするフェリドだったが、そこにウルドが現れる。ミカエラの惨劇から逃れ、吸血鬼の女王クルルと行動を共にすることになったシノア隊一行はそれぞれひと時の休息を得る中、君月は優一郎との力の差を痛感していた、それはさらなる力を求め、彼は呪鬼装備に宿る鬼・鬼箱王に願うも「欲望が足りない」と言われしまう。そして クルルが優一郎たちに八年前の出来事とシノアの姉 真昼の“計画”について語り出し、姉の名を聞いたシノアは、姉と過ごした「日常」を回顧していた。

クルルの話により、真の敵は四鎌童子である事を知った優一郎たちは四鎌童子の命令で阿朱羅丸、鬼箱王、月光韻は鬼になったミカエラの魂の捕獲に動き出す。内面世界でミカエラとの激しい戦闘を開始し、その一方で四鎌童子の覚醒を抑え込むシノアがこの命令を察知し、優一郎たちはミカエラの鬼呪装備化に優一郎は阿朱羅丸たちと戦うことを決意する。そして ミカエラは優一郎の心の奥深くに内面世界へ入り込み、そこで見たものは優一郎の過去、彼の過去を見たミカエラは心を開き鬼になる決意し、四鎌童子の妨害を退け、ミカエラは優一郎の鬼呪装備なった。四鎌童子はリーグらに捕らえられ、辛うじて勝利した優一郎たちはグレンから彼の計画の全貌を聞くためにとある所へ移動、そこは多くの遺体が収容されており、グレンの計画は全ての全人類の蘇生することだった。しかし それには多大な代償が伴い、さらには人類の蘇生とミカエラの蘇生のどちらかの二つの選択だったが、優一郎は納得せず、精神世界で更なる強さを欲する優一郎は阿朱羅丸に力の供与を求め阿朱羅丸と戦う。欲望を暴走させ阿朱羅丸に攻撃し続けるが優一郎は阿朱羅丸を喰らい、さらなる力を手に入れることができた。目を覚ました優一郎の前には、必死に声をかけ続け泣いた跡が残るシノアたちが揃っていたがしかし 優一郎はシノアたちから立ち去り、そして 優一郎は人類とミカエラの蘇生することを決意する。

グレン達から隠れるため優一郎とミカエラは富士の樹海で過去の記憶を遡る為、2人で子供の姿で古代ギリシャに降り立つ。二人は真祖の大きな館の地下には棺が一つ、そこにはミカエラそっくりの美人で真祖の子供とされる天使が眠っていた。ミカエラが力で作り出した過去への扉で優一郎の過去を関係するではないかと優一郎はその扉を確かめるために向かうとそこは恐竜時代だった。捜索していく中 ミカエラに似た顔をしている一人の天使を見かけ、更に天使たちが住む巨大都市へたどり着く。そこへ四鎌童子を父と呼ぶミカエラの姿もいたが、しかし 禁忌を犯したことにより真祖は天罰を下り、天使たちと都市は全滅してしまう。真祖は力で仲間を創造し、創造されたユウがミカエラの魂を入れ替えをしたことが判明、過去の記憶を取り戻した優一郎とミカエラは「自分を犠牲にしない」ことを誓い合い、新たな作戦を練る。一方、シノア隊も優一郎を救うべく活動を再開する。

登場人物

小説と漫画では時間軸に8年の隔たりがあり、両者に登場する人物についても設定に大きな差があることからそれぞれ別途に記述する。
登場人物
人間
吸血鬼殲滅部隊 「月鬼ノ組」
シノア隊
月鬼ノ組、シノア隊。5人中3人が黒鬼装備所持者でその実力は月鬼ノ組の中でも高い。
柊シノア
グレンの命で優一郎の監視役をクラスメイトを兼ねて務める少女。12月25日生まれ、15歳。階級は軍曹で、幾度となく下る昇格辞令を毎回拒否して軍曹以上の階級を得ようとしない。月鬼ノ組シノア隊隊長も務める。髪を後ろで大きな濃い紫色のリボンで結えている。常に笑顔を浮かべ本心を表に出さない。面白いことを好み、そのために悪戯を仕掛けたり、あえて事態を放置することもある。柊家の直系で、鬼呪装備の開発者である真昼の実妹。姉と同じく生まれた時から体内に《鬼》を宿し、身体能力や呪術における才覚は帝鬼軍でもずば抜けているが、本編での描写は少ないが小説版では「鬼」の要素をその身に受け継いでいたが、実験再開を案じた真昼によりそれは一旦取り除かれた状態になっていた。柊を裏切った姉の影響で中枢からは見放されていると自ら語り、上司であるグレンには信頼されているが、自身の危機管理能力の低さと仕事に対する怠慢な面は指摘されている。生まれてから誰からも必要とされていなかったため冷めた性格をしているが、優一郎から仲間として必要とされ、それには応えてみようと考えるようになり、仲間を死なせたくない一心で隊長としての責務も果たしていく。名古屋空港で終わりのセラフの実験によって変貌した未来を目撃し、多くの帝鬼軍兵士が虐殺され、グレンが完全に真昼に乗っ取られたことから離反を決意し、シノア隊全員と真琴で帝鬼軍を離反した。離反した現在では軍服は脱ぎ捨てている。第六のラッパでの戦いで初めて、優一郎に思いを抱きだす。

四鎌童子
シリーズは不明で形状は大鎌。具現化。小説版5巻時点ではシノアに埋まっていた鬼を真昼が取り出し、真昼が装備していたが6巻では真昼からグレンに四鎌童子をシノアに渡すように言われ、シノアに託した。性別不明であるが小説版第七巻にて対面したシノアは美しい男にも見えるが女かもしれないという印象を持っているがその正体は吸血鬼の真祖シガマドゥ。シノアの器について姉の真昼とは比較にならぬほど上と称えるがシノア本人は鬼の甘言と判断している。しかし 渋谷での波乱戦で暮人の前に現れ、柊家の当主に何百年もの間も彼に取り憑いていた。未使用の時は小さなスティック状になり、「しーちゃん」と呼んでいる。鎌の攻撃範囲に入った敵を感知する能力と鎌の攻撃範囲に入った敵を感知する能力を持つ。

三宮三葉
優一郎のチームメイトの少女。階級は、特務少尉。7月7日生まれ。16歳。早くから吸血鬼殲滅部隊に属し優秀であるが、プライドが高く、シノアに対してはかなりの対抗心を持っている。当初はシノア隊に組み込まれたことに不満を抱いていたが、徐々にシノア達とも打ち解けていく。また、三宮家として恥じぬ生き方をしていきたいと思っているがそれ以上に仲間や家族を大事にしたい気持ちを持っている。ヨハネの四騎士に殺害されそうになった仲間の救出のため、陣形を崩してまで独断専行し、逆に戦利的に不利な状況に陥った三葉を庇った仲間が犠牲になったという過去を境に、チームワークをかなり重視するようになる。そのため、度々一人で先走りがちな優一郎を嫌っていたが、吸血鬼との戦いで幾度となく優一郎に助けられ、命を救われるうちに彼の優しさに触れ、好意を持ちつつある描写が増えている。暮人の秘書を務める姉がいるが、関係は冷えている。

天字竜
茶枳尼シリーズの一つで形状は巨大な斧。具現化。能力は鬼を何匹か生み出す。シノアや与一と同じく戦闘時のみ具現化させる。

花依小百合
日本帝鬼軍の少尉の女性。月鬼ノ組の研修教室にて講師を務めており、月鬼ノ組グレン隊にも所属する。小説版では帝ノ月に属し、グレンの従者。グレンと共に第一渋谷高校に入学する。茶色がかった髪で騒々しい口調からは乖離した整った顔立ちを持つ。時雨との従者コンビではボケ役を務める形で描写されている。幼少の頃に、同い年ながら自らのふがいなさに苦悩するグレンの姿を見て以来、グレンに対し恋心を抱き続けている。実力的にグレンの助けとなるどころか足を引っ張る形となることが多いことに悩みつつも、時雨と異なりグレンへの好意を隠そうとはしていない。呪術師としての実力についての描写としては、小説第1巻の第6章における選抜術式試験において、1回戦で征志郎と対戦しなぶり殺し状態にされるものがある。世界壊滅の日 真昼に殺され、終わりのセラフで生き返らせた。

雪見時雨
日本帝鬼軍の大佐の女性。月鬼ノ組グレン隊に所属している。小説版では帝ノ月に属し、グレンの従者。戦闘技術に長け、暗器等の武器を器用に使う。グレンと共に第一渋谷高校に入学する。黒髪で小柄、表情が顔に出ないクールなタイプであり、小百合との従者コンビでは突っ込み役を務める形で描写されている。能力的には暗器やナイフを用いた戦いを得意とする。小説第1巻における選抜術式試験1回戦において美十と対戦し、実質的に引き分ける(第一渋谷高校教師による判定結果は美十の勝ち)。小百合同様、グレンに対し主従関係以上の好意を抱いているが、小百合とは異なり人前ではそれを表には出さない。世界壊滅の日 真昼に殺され、終わりのセラフで生き返らせた。

十条美十
月鬼ノ組グレン隊に所属している。名門 十条家の令嬢。小説版ではグレンのクラスメート。十条家に伝わる自分自身にかける呪いで、身体能力を引き上げて戦う。五士同様、階級の低いグレンに従っている。帝ノ鬼の幹部である十条家の出身で、家系の特徴である血のように赤い髪を持つ。グレンに対しては当初他の帝ノ鬼関係者と同様に蔑視状態で接してくる。しかし その後、従者の時雨と選抜術式試験で対戦しその実力水準を知ったこと、第一渋谷高校襲撃時にグレンにより助けられたことなどにより、小説第1巻終了時点においては他の生徒達からのグレン達3名に対する迫害に対し仲裁に入るなど、好意的と取れる描写がなされている。実際に手合わせした時雨に対しては、グレンの従者から十条家の従者になるよう、繰り返し勧誘も行っている。暮人の命でグレンを中心とするチームのメンバーに組み入れられ、グレンと行動を共にする時間が増えるに従って「帝ノ鬼幹部の令嬢」ではなくごく普通の女の子として自らを扱うグレンに対し、淡い恋心を抱くようになる。能力的には、家系の伝統である自らに呪いをかけ身体能力を大幅に引き上げる戦法を得意とする。鬼呪の力で暴走状態となったグレンにより危機から救われる。その後 自らも鬼呪の力を受入れ、深夜らと共にグレンの暴走を止め、改めてグレンのチームの一員であることを選んだ。世界壊滅の日 真昼に殺され、終わりのセラフで生き返らせた。

三宮葵
三葉の姉で暮人の秘書を務めている。小説2巻に登場しており、7歳の時に暮人と出会い以来から彼の傍にいていた。

鳴海隊
井上利香
鳴海隊隊員。ギャルっぽい口調や制服の着くずし方から見てとれるように自由奔放な性格。ハイタッチなどのスキンシップを率先して図るなど、ムードメーカーとして隊の連携力向上に貢献している。

円藤弥生
鳴海隊隊員。好戦的な隊員が多い鳴海隊において仲裁役を一手に引き受ける心優しき少女。大人しそうな見た目に反して吸血鬼にも猛然と立ち向かう勇敢さを兼ね備えている。名古屋にて、吸血鬼に殺され戦死。

その他の隊
相原あい子
月鬼ノ組「相原隊」隊長。ミカエラに殺され戦死。

鬼呪装備
阿朱羅丸
元吸血鬼。現在は黒鬼シリーズの一つで形状は日本刀。憑依化と具現化の能力も使える。鬼の力を戦闘力を大幅に上昇、さらに、無数の刀を表出する特殊能力を持つ。鬼呪訓練の際、優一郎の体を乗っ取ろうとするが、優一郎の「仲間になってくれ」という言葉により、憑依することを認めた。実はクルルの兄でかつて第1位始祖 アシェラ・ツェペシという名で元々は貴族の子だった。しかし 反乱により、クルルと離れ離れになり、奴隷として売られていたがそこへシガマドゥに買われ、そこでユウと少年と出会う。シガマドゥの実験でユウの豹変した姿に直面し、制御を試みるもユウは自らの腕を切り落とすことでシガマドゥの拘束を解き、残った腕でアシェラの身体を貫い、切り落としたユウの首からさらにその血を飲ませ、蘇生されたことで吸血鬼になった。1000年前 始祖に共に鬼として日本で生まれ直すことを選択し、始祖らと共に渡り鬼として日本に行き出し、その際に彼の名を「阿朱羅丸」と言う名を与えられていた。元々は真昼が使用していたが阿修羅丸自体は真昼の中に居た鬼であり、装備品として使用していたがグレンに回収され、のちの優一郎と契約することとなる。更なる強さを欲する優一郎を攻撃するがしかし 優一郎に喰られ、消滅した。

鬼箱王
黒鬼シリーズの一つで形状は双剣。阿朱羅丸と同じ 憑依化と具現化の能力も使える。身体能力を激増する上、具現化しか存在しないはずの特殊能力が使える。当初は君月を従わそうとするも、次第に君月のことを気に入り、憑依を認める。

雷鳴鬼
暮人が使用する鬼呪装備で黒鬼シリーズの憑依化。形状は日本刀。名の通り、刀身から雷のような轟音と共に所有者である暮人の全身に雷を纏わせ、閃光の如き斬撃を放ち操る能力を持つ。また 接近戦で特に威力を発揮する。

柊真昼
帝ノ鬼の次期当主候補の15歳の少女。鬼呪装備を作った人物で深夜の許嫁であり、かつて グレンの恋人だった。暮人と共に次期当主の座を争うほどの実力をもち、シノア曰く、鬼呪装備を作ったことで世界を救ったとされているが、しかし 実はシノア同様、帝ノ鬼による人体実験の数少ない成功例として「鬼」の要素を受け継ぐ形で生まれており、鬼呪装備の開発していくたびに鬼になってしまったグレンとの淡い恋を引き裂かれた後の10年間で、鬼呪の研究を実用化の段階にまで進めるなど呪術師としての実力は大きく成長を遂げ、能力をフルに発揮したグレンをもなお上回る。10年前にグレンとの仲を引き裂かれたことでそれに対抗する力を求めたため、また同腹の妹 シノアを守らんがための成果ではあるが、反面、通常全く歯が立たない相手であるはずの吸血鬼をも一刀の元に切り捨てるなど、もはや人間の域からは逸脱している。性格的には基本的に冷静で、グレンやシノアといった一部の例外ケースを除いて非情でもある。かつて次期当主候補のライバル関係にあった暮人は、呪術師としての実力は「天才の真昼が上」と認めつつも「人の痛みが判らないものは組織の頂点に立つべきではない」と評している。妹のシノア同様、帝ノ鬼による人体実験の数少ない成功例として「鬼」の要素を受け継ぐ形で生まれている。出生当初は鬼の要素は明確に発現しなかったため「優秀ではあるがただの人間」として捉えられ、研究はコストに見合わないものとして中断された。しかし 第二次性徴期以降に自らの欲望が育ってくるにつれ、真昼は鬼の要素の発現に悩まされることとなった。それを制御するため、またシノアを人体実験の再開から守るため、百夜教と手を結び自らを実験体として密かに鬼呪の研究を再開した。真昼が百夜教と内通することで起きた第一渋谷高校襲撃事件において、混乱に乗じる形で行方をくらました。その後 百夜教とも距離を置き、帝ノ鬼と百夜教の抗争を影で煽るなど、さらなる闇に足を踏み入れていく。一時は百夜教と帝ノ鬼とを全面抗争状態に陥らせることに成功したものの、実用段階に達した鬼呪の技術が広まったことにより抗争は小休止状態となった。百夜教と帝ノ鬼が共同して真昼を追う展開となったため、追い詰められ、百夜教の実験施設に身を隠した。しかし 吸血鬼に連れ去られ、吸血鬼たちが住む地下都市サングィネムに囚われてしまう。そこでクルルと出会い、彼女の血によって、吸血鬼化し、クルルの眷属となった。吸血鬼化した彼女はグレンと再会するがグレンの血を飲み、グレンに四鎌童子をシノアに渡すように命令した。世界壊滅の日、グレンらと合流するがしかし 小百合・時雨・典人・美十・深夜を殺し、グレンが持つ鬼呪装備「ノ夜」に心臓を突き刺し、グレンに伝言を残してからノ夜の中に飲み込まれてしまい、今は鬼となってグレンの鬼呪装備「真昼ノ夜」に宿っている。鬼になった後はグレンに取り憑き鬼になり果てた完璧主義者であるという人格も持ち、彼女の姿はグレンしか見えず、今は吸血鬼でも鬼でもない者となっている。

真昼ノ夜
黒鬼シリーズの一つで形状は日本刀。憑依化で鬼となった真昼が宿っている。真昼を己の身に憑依させ、攻撃力を始めとした全ての能力を爆発的に上げる。小説4巻から登場し、元々は真昼が作った鬼呪装備「ノ夜」でその中にノ夜と言う鬼が宿され、グレンと契約した。8年前 世界壊滅でノ夜に突き刺された真昼に飲み込まれ、今の姿となっていた。

ノ夜
鬼呪装備「ノ夜」の中に宿された鬼で少年の姿をしている。8年前に真昼の中に封印され、その8年後にグレンと真昼に呼び起こされ、封印が解き放たれた。

吸血鬼
クルル・ツェペシ
第3位始祖で吸血鬼の女王、少女の姿をしている。フェリドに殺害されたミカエラを自分の血で蘇生させ配下に置いている。何らかの目的の為に上位始祖会に内密で「終わりのセラフ」の研究に手を出しており、百夜孤児院の孤児たちもその為に殺したと偽って密かに回収していた。名古屋空港での終わりのセラフの実験の混乱の最中、フェリドに隙を突かれ裏切り者として扱われて失墜、ミカエラに優一郎を連れて逃げるように命じた。その後 大阪湾でフェリドと共に火あぶりの刑を受け、優一郎らは助けに向かう為に見張りをしていた第五始祖 キ・ルクと共に戦い、フェリドを救出したがしかし クルルの救出に失敗し、キ・ルクと共に京都に連れ去らわれてしまったものの、その後はキ・ルクらの元を去り、優一郎に現れた。兄 アシェラ・ツェペシ(阿朱羅丸)と家族であり、元々は貴族の子だった。しかし 反乱により、アシェラと離れ離れになり、奴隷として売られていた。売られていた所は若返って永遠の命を得るために子供を買い、吊るされ生き血を抜かれいたところをアシェラに助けられるがしかし 既に亡くなっていた。絶望の中、真祖シガマドゥが現れ、真祖の血によって、クルルはアシェラと同じ吸血鬼となった。1000年前から始祖と共に行方知らずとなり、今も兄を探している。アルカーヌという生物を連れている。小説版五巻時点では真昼と出会い、彼女を吸血鬼にさせた。また クルルの血で吸血鬼化した元人間の吸血鬼は「黒鬼になりうる」と語っていた。

チェス・ベル
第十七位の始祖の吸血鬼。貴族だが、訳あってクローリーの従者として行動している。子供っぽい性格で、いつもクローリーに甘えている。短髪で胸が大きいのが特徴。レイピアを武器としている。

ホーン・スクルド
第十七位の始祖の吸血鬼。長髪のグラマラスな女性。チェス同様、貴族の身だがクローリーに付き従っている。チェスとは正反対な性格で、常に冷静で規律正しい性格。吸血鬼では珍しい鞭を武器としており、戦闘時には敵を拘束し血を吸う。

その他の人物
君月未来
士方の妹。不治の病で日本帝鬼軍が治療中だが、しかし 裏で「終わりのセラフ」の実験体へとされてしまい、第五ラッパ【滅びの悪魔】の宿主になってしまった。名古屋激戦ので戦いで終わりのセラフを発動するがしかし グレンからは生きていることを明かしていた。

用語

終わりのセラフ
かつて破滅前の世界で百夜教が百夜孤児院の子供を使い研究・実験していた最大禁忌の研究の名称にして、世界崩壊の直接の原因であるがその正体は「天罰のコントロール」。鬼の命・人間の命・吸血鬼の貴族の命を用いて死者を蘇生させる事が出来るが、その代償として世界が崩壊する。また、蘇生は不完全であるため10年程しか効力がなく、蘇生者が自身が既に死んでいると自覚すると塵となってしまう。吸血鬼はその力を危険視しており、その因子を持つ者及び組織は抹殺対象となっている。現在確認されている被検体は百夜優一郎、百夜ミカエラ、君月士方、君月未来、早乙女与一、早乙女巴。

ラッパ吹き
第一ラッパから第七ラッパまでの〈終わりのセラフ〉を宿す7人。それぞれ固有の力を持ち、ラッパを吹く事でその力を行使できる。発動条件はそれぞれ異なり、人為的に発動するものもあれば、自発的に発動させものもある。ラッパ吹きが死亡した場合、別のラッパ吹きが誕生する。人間に明確な殺意を持ち、宿主が力を発動させるとその人格が現れる。覚醒中、宿主は瞳が金、強膜が黒くなる他、それぞれ翼が現れる。現在確認されているラッパ吹きは、第二ラッパを宿す百夜優一郎、第五ラッパを宿す君月未来、第六ラッパを宿す少年の3人。『ヨハネの黙示録』における「七人の天使」になぞらえている。

罪鍵(ざいく)
〈ラッパ吹き〉から現れる小さな劔。現在、リーグが2本、フェリドが1本所持している。

ヨハネの四騎士
地上世界に存在する怪物。未知のウイルスの蔓延時と同時に地上世界に出現し、増え続けている。人間のみ襲うことは判明しているが、その正体は〈終わりのセラフ〉の第六ラッパの能力で召喚された異界の存在。4種類が存在し個体によって大きさなどが違い、知能が存在すると思われるものもいる。壁の結界から1km以上離れたところから急に強くなる。吸血鬼はこの人間を襲う習性を利用し、人間の捕虜獲得のためにヨハネの四騎士を使うこともある。

日本帝鬼軍
世界崩壊後、「柊家」を頂点に生き延びた人間が集った人間組織。吸血鬼討伐及び人間の保護を主な活動としている。本部は渋谷。訓練させた子供を吸血鬼都市へ送り、情報を得ている。階級や昇進には出身家が影響しており、柊家の分家にあたる名家の人間は活躍せずとも昇進の機会がある。また制限もあり、柊家の人間は一部を除いて「将官」、分家にあたる名家は「大佐」までの地位を持つ。しかし、柊家と袂を分かった一瀬家とその関係者一族は過去の習慣もあって、他の名家よりも制限されており、英雄と称えられる活躍を行っても、一瀬家の場合は「中佐」、その従者は「少尉」までしか出世できない。柊家当主の天利を元帥としていたが、名古屋戦後の内部抗争にて次期当主候補の暮人が天利を殺害した事で暮人が新たな当主となる。隊服の形状は様々だが、上層部の隊服には赤のラインが刺繍されており、その他の隊服には緑のラインが刺繍されている。また、上層部や分隊長などには腕章が付けられている。

月鬼ノ組(げっきのくみ)
吸血鬼殲滅部隊。総勢100名の少数部隊で、いくつかの分隊に分かれている。総隊長は一瀬グレン。暮人から名古屋を拠点とする吸血鬼貴族の殲滅を押し付けられるなど、本部からは「捨て駒」として扱われている。名古屋戦において多数の犠牲者を出し、撤退後名古屋空港にて暮人の策で〈終わりのセラフ〉の生贄として殺害され、その結果軍から離反する兵士も現れた事から、名古屋戦後は部隊として機能していない模様。

鬼呪装備(きじゅそうび)
直接鬼を封印している武具。鬼との契約により入手できる。破滅前の世界では、何千人も人体実験しなければならないような禁呪の研究とされていたが、真昼が完成させ、現在は実用化に成功している。通常の人間の7倍以上の能力が得られ、その中の最上位である黒鬼装備であれば更なる力が得られるが、扱いが難しく所持者は少ない。具現化や憑依化により能力を更に高めることが出来る。

具現化
契約した鬼を実体化させ、特殊能力を発揮させるもの。しかし、それにより使用者の体が弱るという弱点があるため、実際の戦闘では多用されないが憑依化の仲間と連携を取ることで真価を発揮する。非使用時は武器を小さく収納できる。

憑依化
使用者に鬼が憑依し、身体能力を強化させるもの。主に近接戦を得意とするものが多い。鬼の悪意が強すぎるため暴走するリスクを伴うが、その分威力は絶大である。

量産型鬼呪装備(りょうさんがたきじゅそうび)
軍で使用されている鬼呪装備を簡略化した装備。通常の鬼呪装備に比べれば能力は低い。

柊家(ひいらぎけ)
1200年以上の歴史を持ち、「帝ノ鬼」及び「日本帝鬼軍」の頂点に立つ名家。柊天利、柊暮人、柊真昼、柊征志郎、柊シノアの実家で柊深夜の養家。当主である天利と家の事情に巻き込まれたくないシノア以外、軍では「将官」の地位を持つ。優秀な遺伝子を残すため、帝ノ鬼で運営している幼稚園から才能のある多数の子供を多額の金銭と組織内での地位上昇を対価に親元から離し、柊家直系の許嫁候補としての訓練・教育・試験を設けている。多数の候補者から許嫁兼養子として迎えるのは3ヶ月に1度ある試験で上位30%を取り、1年に1度ある競技会で勝利し、その結果最後に生き残った子供1人のみ。正式に養子となった子供の元の戸籍は完全に抹消し「柊」の姓を与えるが、分家と同様の立場として扱っている。帝ノ鬼の信徒からは神のような存在と崇められているが、創立から200年間同じ人物が組織を率いていたと思われる記述が存在することや、力を持ち始めた経緯など、多数の謎が存在している。 世界崩壊前は百夜教に次ぐ規模を誇り、呪術の研究や人体実験、渋谷第一高校という呪術師養成学校の運営を行っていた。〈鬼呪〉の実験・実用化にも取り組み、真昼とシノアはその実験の結果、生まれながらに鬼を宿している。その実態は、何百年もの間 四鎌童子に取り憑かれている傀儡であり、世界崩壊を計画した一族で鬼呪は〈終わりのセラフ〉をコントロールするために行った実験であった。

一瀬家(いちのせけ)
柊家の分家。宗教組織「帝ノ月(みかどのつき)」を立ち上げた一族。一瀬グレンの実家。愛知県を拠点としている。分家の中でもトップクラスの名家だったが、500年以上前に柊家の長男と次男に好意を寄せられていた一瀬家の少女が跡取りの長男ではなく次男を選んだ事で追放される形で袂を分かった。その際、一瀬家の少女は柊家の長男の子供を孕り、次男は長男に去勢されている。以降、少女と長男の間に生まれた子供を当主に帝ノ月を築き上げるがその地位は危うく、帝ノ鬼の信徒から侮辱の対象として見られ、世界崩壊後「日本帝鬼軍」に統合された後もその習慣が残っている。そのため、軍内では「中佐」の地位以上の出世が不可能となっている。500年以上前の出来事は第二位始祖リーグに仕組まれたものであり、その身にはリーグの〈組織〉を持つ。

花依家(はなよりけ)
花依小百合の実家。一瀬家の従者を務める一族。世界崩壊前、グレンが真昼を追うために柊家を裏切った事で鎮圧される。

雪見家(ゆきみけ)
雪見時雨の実家。一瀬家の従者を務める一族。世界崩壊前、グレンが真昼を追うために柊家を裏切った事で鎮圧される。

鳴海家(なるみけ)
鳴海真琴の実家。一瀬家が率いる帝ノ月の信徒。名古屋を拠点としている。世界崩壊前、グレンが真昼を追うために柊家を裏切った事で鎮圧される。

岩咲家(いわさきけ)
岩咲秀作の実家。一瀬家が率いる帝ノ月の信徒。世界崩壊前、グレンが真昼を追うために柊家を裏切った事で鎮圧される。

二医家(にいけ)
柊家の分家。世界崩壊前、真昼に寝返り柊家に反旗を翻した事で鎮圧される。

三宮家(さんぐうけ)
柊家の分家。三宮葵と三宮三葉の実家。軍の中ではかなりの名家。特徴としてあげられている金髪は先祖が受けた呪いの影響によるものと噂されている。

四神家(しじんけ)
柊家の分家。世界崩壊前、真昼に寝返り柊家に反旗を翻したとされていたが、不審な行動がない事から真昼の虚報の可能性が浮上する。

五士家(ごしけ)
柊家の分家。五士典人の実家。世界崩壊前、グレンが真昼を追うために柊家を裏切る旨を彼女に伝えた際、共に行動していた典人もいた事で五士家が反旗を翻したと見做され、鎮圧される。

六道家(りくどうけ)
柊家の分家。

七海家(しちかいけ)
柊家の分家。世界崩壊前、真昼から柊家に反旗を翻した一族として名は上がらなかったが、後に不穏な動きを取ってる報告が上がる。

八卦家(はっけけ)
柊家の分家。

九鬼家(くきけ)
柊家の分家。九鬼九郎の実家。世界崩壊前、当時人質として取られていた愛人の子供の九郎以外、真昼に寝返り柊家に反旗を翻した。後に降伏するも粛清があった模様。

十条家(じゅうじょうけ)
柊家の分家。十条美十の実家。特徴として上げられている赤髪は先祖・十条十人が伝説の鬼「カエデの司鬼」を調伏した際に受けた呪いの影響。世界崩壊前、グレンが真昼を追うために柊家を裏切る旨を彼女に伝えた際、共に行動していた美十もいた事で十条家が反旗を翻したと見做され、鎮圧される。

第一渋谷高校(だいいちしぶやこうこう)
グレン達が通う高校。表向きは普通高校となっているが、実際は帝ノ鬼が運営する呪術師養成学校であり、在籍する生徒の大多数は「帝ノ鬼」に所属している。各学期に行われる選抜術式試験により実力が評定され、能力がこの学校に相応しくないと判定されると退学になるため、学年が上がる毎に在籍する生徒数は減っている。

第二渋谷高校(だいにしぶやこうこう)
優一郎、与一達が通っている一般高校。民間人の生徒も在籍しているが、殲滅部隊の訓練場としての機能も兼ね備えている。地下には“開かずの間”と呼ばれる軍が管理している立入禁止区域への入口があり、その先には殲滅部隊の訓練施設・旧渋谷地下神殿がある。施設には多数の鬼が宿されており、訓練されていない者が立ち入ると鬼に取り憑かれる恐れがあるため、基本的には立ち入れる者が限られており、無許可の者が立ち入ると罰せられる。

吸血鬼(きゅうけつき)
本作品において人間の敵となる存在。世界の破滅後、地上世界を支配している。世界中に集落があり、日本の「サングィネム」は3番目に大きな集落とされている。特徴としては耳が尖った形をしており、目の色が赤いことなどが挙げられる。人間の7倍以上の身体能力を持ち、更に切断された手足の接合などの再生能力も備わっている。紫外線が弱点であり、これを浴びることにより体内で毒素が発生し死に至る。そのため、地上に赴く際は「紫外線中和装置」を装着する。吸血鬼の間ではこの弱点を利用した「日光拷問」が存在する。また、頭部を破壊したり鬼呪の攻撃を加えられても死亡する。長らく血を吸わない状態が続き血が欠乏すると身体能力や再生能力が低下し、鬼となる。大きく「上位始祖」「貴族」「一般吸血鬼」に分かれており、上位始祖と貴族は始祖の血を継ぎ、能力では一般吸血鬼や黒鬼装備所持者を圧倒する。また、人間の吸血鬼化の権限が認められているが、同族が増殖することを嫌っており、ミカエラが吸血鬼になるまでの約100年間、吸血鬼化した人間はいなかった。吸血鬼にした者とされた者は親子のような関係となるがその関係は複雑で、大半の「子」は自身を吸血鬼とした「親」を恨んでいる。始祖は第一位から第二十位まで存在し、位数=人数とされている。真祖と第二位始祖・リーグの失踪により、現在は第二位始祖・ウルドを頂点としている。

上位始祖(じょういしそ)
真祖の血を継ぐ吸血鬼たちで、第一位始祖(真祖)から第五位始祖が該当する。その歴史は長く、暗黒時代から存在している者もいる。ほとんどが成人の姿をしているが、第三位始祖は真祖の何らかの実験により子供の姿をしている。世界崩壊後は統治主として各国を統治している。

上位始祖会(じょういしそかい)
上位始祖のみ集い行われる会議。主に人間側の行動などを報告し、今後の計画について協議している。しかし、第七位始祖であるにも関わらずフェリドは強引に参加している。

貴族(きぞく)
真祖を除いた上位始祖の血を継ぐ吸血鬼たちで、第六位始祖から第二十位始祖が該当する。

都市防衛隊(としぼうえいたい)
主に領地の防衛や献上物の護送を行う部隊。ミカエラやレーネ、ラクスたちが所属など一般吸血鬼ながら下位貴族に迫る力を持つ者が多く所属する。

鬼(おに)
血に欠乏した吸血鬼の成れの果て。鬼呪装備に宿る存在。赤眼と角を持ち、人間の欲望を好むほか、元吸血鬼であるため人間の血も好んでいる。ランクが不明である四鎌童子を除いて鬼呪装備に宿る鬼は、上から「黒鬼(くろおに)」「菩薩(ぼさつ)」「羅刹(らせつ)」「荼枳尼(だきに)」「童子(どうじ)」「明王(みょうおう)」「夜叉(やしゃ)」「餓鬼(がき)」にランク付けされており、夜叉と餓鬼は量産型鬼呪装備として用いられ、明王以上は戦闘向きの鬼呪装備として用いられている。中でも最上位の黒鬼は他と比べて強力だが、契約者は全て人体実験の被験体であり、その成功率が低いことから少数しか存在しない。鬼呪装備に宿る鬼は、契約者の欲望に応える形で力を貸し与えるが、それに漬け込み契約者を乗っ取ろうとしているため、その本質を理解している者は欲望からの鬼の誘いに耳を傾けることは少ない。鬼には基本過去の記憶は無いが、四鎌童子や柊真昼のように記憶を所持する者もいる。鬼呪装備名はそれに封じられた鬼の名であり、帝鬼軍の鬼呪装備はほとんどが日本名だがその大半は西洋人。阿朱羅丸や四鎌童子は本名に似せた読みに変え、字は当て字である。

百夜教(ひゃくやきょう)
かつて世界一にして日本で最大勢力を誇っていた宗教呪術組織。多くの政治家達に援助を行っており「日本を裏から支えている」とも言われた。表向きは百夜孤児院を運営していたが、実際には孤児院の子供達を使って人体実験をしていた。力と権力を手に入れるためには手段を選ばず、特に運営している百夜孤児院での子供の扱いが酷いという話は有名で、特殊な才能を持った子供達を孤児院に集めるためにその親を殺し、実験を繰り返しているという噂がある。 実験体の中には親に売られた子供も含まれており、その対価としてその親には多額の金を払っている。帝ノ鬼とはライバル関係にあったが、世界崩壊前にクルルの手によって壊滅したとされていたが、秘密裏に活動を続けており、世界崩壊後は人間と吸血鬼の混合組織となっている。

百夜孤児院(ひゃくやこじいん)
百夜教が運営する孤児院。百夜教構成員は孤児院を「実験場」、孤児院にいる子供達を「実験体」と呼んでいる。ミカエラがいた孤児院の子供達は親に捨てられた事で連れて来られた。実験に関しては何も知らない。世界崩壊前、帝ノ鬼と吸血鬼によって殲滅されたが、唯一ミカエラのいた孤児院だけは、襲撃から少し前の日に場所を移動した事と、柊家に偽の報告が上がった事により生き残るも、世界崩壊直後吸血鬼達により地下都市に連れて行かれる。 本来なら〈終わりのセラフ〉の因子を持つ子供である為殺されるばずだったが、〈終わりのセラフ〉の力を必要としているクルルの計らいによって吸血鬼達の目を逃れてきた。 しかし、4年後フェリドによって優一郎とミカエラを残して全員殺害された事により、現在「百夜」の姓を持つ者は優一郎とミカエラのみ。

雑記

作品内における時系列としては、小説で描かれる世界は漫画で描かれる人間社会滅亡後の世界の8年前で、滅亡直前の時期という設定となっている。小説における主人公は15歳(ストーリー中で16歳)の一瀬グレンであり、漫画における主人公は百夜優一郎、一瀬グレンは24歳に成長した形で描写される。

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