魔法少女データベース。更新手伝ってくださる方、大募集中です。

作者:佐竹幸典
掲載:月刊ヤングマガジン→ヤングマガジンサード
出版社:講談社

あらすじ

魔女と紅蓮の街(1巻)
舞台は魔女が人々の崇拝を集めるという街。この街に住む魔女イオーネは街の英雄と呼ばれていた。魔女がいるという情報を聞きつけた魔響教団のギドとアシャフは街を訪れる。街の歴史を調べていると不穏な情報がいくつも見つかる。真偽を確かめるためイオーネに会いに行くと、イオーネの恐るべき計画が今まさに実行されようとしていた。イオーネは、この街の闇に葬られた真の歴史を語り、この街に眠る業火を解き放とうとする。すかさず挑みかかるギドだが、イオーネの魔術によって容易く撃退されてしまう。魔道の頂点とされる魔女の圧倒的な力の前になすすべがないように見えたが、魔女との口づけによって自身にかかった魔女の呪いを解くと形勢逆転。本来の姿と力を取り戻したギドはイオーネの魔術を物ともせず逆に圧倒。イオーネを拘束し教団に連れて帰ることに成功した。

魔女の戯れ事件(1巻〜2巻)
ハイデン市を脅かす、魔女による連続猟奇殺人、通称「魔女の戯れ事件」。繰り返される凶行を止めることができぬまま、ある日、苦闘する市警達を嘲笑うかのように警察署に殺人予告が届く。事件を解決しに訪れたギド達にとって、それは魔女からの宣戦布告だった。残忍極まりない魔女の暴走を止めるべく、ハイデン市警の魔術師キーラと連携しながら魔女を追跡する。魔女のアジトを突き止めて乗り込むと、予想外な真相を目の当たりにする。魔女の正体は2人の少年であり、魔女の力の正体は魔本サルノワススによるものだった。そしてその少年達は、魔女に殺されたはずの、キーラが引き取った息子達だった。真相を知りショックを受けるキーラ、少年達は魔本の力で応戦するがギドに打ち負かされる。最後はキーラにより銃殺され、事件は終結した。

死霊魔術編(2巻)
教団員として仕事をこなす日々を送るギドとアシャフは、ある日 警察から死屍人(アンデッド)が絡む事件の相談を受ける。死屍人は専門外ということもあり、アシャフは教団の死霊魔術のスペシャリストであるファノーラに事件の解決を依頼する。ファノーラと助手のヨハンは、ジェフ・エンカー巡査部長から、最近正気を失った死屍人の暴走が頻発していることを聞く。廃墟に死屍人を誘き寄せて調査を進めるファノーラ達。死屍人の足跡を辿ると、森の奥にある古い屋敷に着いた。一連の事件の犯人はこの屋敷に住む死霊魔術師だった。ファノーラが魔女であることを知り焦る術師は、武装した多数の死屍人に包囲させるものの、ファノーラが召喚した死霊騎士達は片っ端から撃退していく。最後はファノーラによって死屍人にされ、蘇生した死屍人を補生するために虐使されることになった。

剛毅なる魔女と魔剣(2巻〜4巻)
教団から新たに魔女事件の解決を命じられたギドとアシャフ。遠く離れた第三大陸で起きたその事件では、魔女の手によるとおぼしき惨殺遺体が多数出ていた。久々に魔女と相対するチャンスだったが、そこにはギド達にとって最も厄介な存在である魔女狩りのエキスパート集団、聖騎士団が訪れており、両者による苛烈な魔女の奪い合いが始まる。ギド達は聖騎士団の追跡部隊白子兵(シーカー)を撃退しながら目的の魔女ヘルガに接近する。ヘルガは「剛毅なる魔女」の一族の末裔で、一族が代々守り続けてきた魔剣アシュガンを持ち出していた。アシャフはヘルガを保護するため勧誘するもあえなく失敗、そうこうするうちに聖騎士団の大隊長クーガがやってくる。「奴の力は魔女に匹敵する」というアシャフの言葉通り、氷の大精霊と契約したクーガの精霊魔術の力は絶大で、抵抗もむなしくギドとヘルガは拘束され、聖騎士団の本陣である城(ベース)に連行される。残されたアシャフはクーガに今回の事件には裏があると警告し、城内の異変に気づいたクーガだったが、部下の裏切りにより背後から刺されて重症を負う。一方、城の中では、魔剣を手にした団員が魔剣の力に操られ、団員同士で魔剣の奪い合いが始まってしまい、そこに謎の仮面と黒のローブで身を包んだ者が現れ、その者は処刑人と呼ばれ、クーガでさえも知らない裏の魔女狩り専門部隊であった。そしてこの処刑人こそ一連の事件の黒幕であり、ヘルガの家族を皆殺しにした張本人でもあった。処刑人は禁具の力によって団員達を次々洗脳支配していき、魔女であるヘルガさえも洗脳した処刑人はヘルガを操作してギドから魔剣を奪う。クーガの警告を無視して魔剣を抜いた処刑人は、魔女(ヘルガ)の心臓を刺すことによって魔剣の封印を解いてしまい、封印が解かれた魔剣の放った一撃は、家を、城を、結界を、まとめて一刀両断していた。その光景を見て喜ぶ処刑人だったが、魔剣を支配できるという目論見は外れ、魔剣は制御不能となって暴れ出す。クーガは大精霊の力で人々を守ろうとするが、さらに出力を上げる魔剣を止めることができず、当初はギド達、魔女、聖騎士団の三つ巴かと思われていたことが、そこに魔剣と処刑人が加わり、思惑が複雑に交錯する大乱戦へと発展していた。アシャフは手札が出そろったと見るや切り札を出すことを決断。ヘルガとの口づけで遂に魔女の呪いを解いたギドは魔剣と対峙、二つの「世界を滅ぼす力」が激突する。凄まじい激闘の末、ギドの強烈な一撃で魔剣は破壊され決着し、処刑人ら首謀者の処罰はクーガに任せ、ギド達はヘルガを保護と魔剣を回収することに成功した。

永遠なる魔女(4巻〜5巻)
ヘルガを保護することに成功したアシャフは、少しの間ギドと離れ、ヘルガを教団に送り届るため廻廊へと向かう。戻りを待つギドのところに街の子供達の「魔女がいた」という話し声が聞こえ、子供達に案内させるとそこは老婆の住む家だった。老婆は魔女ではなかったが、突如そこに先の事件の処刑人のもう一人が現れ、禁具によって異次元空間に連れ込まれる。パートナーの行方を問いただす処刑人だったが、さらにそこに先ほどまで子供達の一人に化けていた謎の少女が現れ、ギドの目の前に姿を現したのは、宿怨の魔女アンジェラ。予期せぬ登場に驚きを隠せないギドだったが、自らに呪いを掛けた張本人が目の前に現れ、その怒りは頂点に達する。激しい衝突の後、アンジェラは惨殺した処刑人の死体に「追ってこい」とばかりに道標を刻みその場を去った。

神秘なる魔女(5巻)
アンジェラとの邂逅は、再びギドを獣へと戻し、久々にその暴虐ぶりに直面したアシャフの口から、初めて二人の過去が明かされる。遡ること3年前 第五大陸のとある村に魔女がいることを聞きつけたアシャフは村を訪れ、そこにはハルベルという幼い魔女がいた。ハルベルは「神秘なる魔女」の系譜であったが、声を発することができず、魔術は一切使うことができなかった。この村では最近、家畜の惨殺体が木に吊るされるといった奇妙な事件が起きていて、ハルベルの仕業ではないかと村民から疑われていた。アシャフはハルベルに会うなり教団に勧誘しようとするが、そこで偶然にもギドと出会う。ギドは出会い頭にハルベルに襲いかかる粗暴ぶりでアシャフによって何とか制止させられる。その後、ハルベルの庇護者だった村長が何者かに殺害され、村民の憎しみは爆発する。この一連の事件の黒幕は、半年前に村に越してきたハルベルの親しい知人達であり、その正体は処刑人であった。背後で村民を焚きつけることに成功した処刑人は、村民を連れて魔女狩りを行おうとする。処刑人と一戦交えて負傷したアシャフはギドに魔女の呪いを解く方法を教える代わりにハルベルを守るよう依頼する。ギドが処刑人との戦いに苦戦する中、ハルベルはギドにかけられた魔女の呪いを解くためギドに口づけをする。呪いが解かれたギドは処刑人の一人を瞬殺し、、ギドの体もまた魔女であったためハルベルにかけられた魔女の呪いも同時に解かれる。ハルベルが使う召命魔術はもう一人の処刑人を一瞬で消滅させる程強力無比なものだった。かくして処刑人の魔の手から辛くもハルベルを守ったアシャフはハルベルを教団に送り届ける。成り行きで共闘することになったギドとアシャフだったが、魔女を探すという目的の一致から協力関係を結び、以降行動を共にするようになる。

吸血鬼編(5巻〜8巻)
アンジェラの残した手掛かりを辿り、ギドとアシャフは異世界へと通じる穴、階層世界(フォール)へと向かい、その第4階層オルエンシア・セットに棲んでいるのは吸血鬼達、彼らの間には、破ることの許されない様々な作法が存在していた。見知らぬ世界の道理に苦戦する二人だったが、そこに教団からの助っ人、吸血鬼ダンウォードと術師オスカーが登場。協力して吸血鬼の女王を探すことに。ダンウォードの作戦に従い、ギド達4人は吸血鬼の二大勢力の1つ血族(コングラード)の催しに潜入するが正体がバレてしまうも、ダンウォードが決闘に勝利し、女王への手掛かりを持つ者、通称「橋」の居所を得る。ギド達4人は橋のもとを訪れるが、ギドとアシャフは会食中に毒を仕掛けられて気絶し牢に入れられてしまう。既に女王はギド達を捕えるよう橋に通達していたのだ。牢から脱出できたものの、ギド達の前に自ら出向いてきた女王の魔女のごとき魔術攻撃を受け、ギドは囚われの身となる。その場を何とか生還したアシャフはギドを救出すべく、ダンウォードらと共に女王の居城へと向かう。謁見の広間で百年ぶりに因縁の相手との対面を果たした女王とかつての夜の王ダンウォード。ここに女王VSダンウォードの戦いの幕が切って落とされる。ダンウォードの攻撃で女王の頭部は削り取られ勝敗が決したかに見えたが、魔女(アンジェラ)の寵愛を受けた女王は、吸血鬼の弱点である頭部を失っても瞬時に再生するほどの不死身に近い体となっていた。反撃を食らったダンウォードは瀕死の状態となる。一方、ギドは囚われていた部屋から抜け出し、禁具と思わしき対吸血鬼用の武器を手にして城内の吸血鬼達を撃滅しながらアシャフ達に合流、そのまま女王との戦闘に加わるが、禁具を使っても女王には敵わず、徐々に劣勢になる。しかしその隙にダンウォードはオスカーの血を飲むことで復活。狼男のような姿へと変身して再び対決する。女王は猛烈な魔術攻撃を放ち続けるが、真の力を発揮したダンウォードの電光石火の動きを捉えることができず、次第に防戦一方となる。そしてとうとう魔力が底をつき女王は敗れる。しかし今度は跡を追ってきた血族の集団がこの機に乗じて奇襲を仕掛けてくる。女王との戦いで疲弊したところを狙われ窮地に陥ったかに思えたが、「偉大なる魔女」の力を受け継ぐオスカーが太陽を呼び寄せて撃退。アンジェラの残したメッセージを得て、第4階層を後にした。

嵐の中の合戦:魔女の一団 vs 聖騎士団(9巻)
吸血鬼の世界から戻ったギドとアシャフが束の間の休息を得ている頃、聖騎士団の重要拠点とされる城に超大型のハリケーンが近づいていた。魔障を伴う嵐の接近に対し、聖教会は、クーガ達騎士長のみならず、魔術士の最高位である導師までをも招集して警戒に当たっていて、嵐が吹き荒れる中、城の上空に謎の一団が姿を現す、その一団は、魔女を3人も擁しており、この嵐自体もそのうちの一人「巨大なる魔女」によるものだった。襲撃を開始する魔女の一団とそれを迎え撃つ聖騎士団との間で大合戦が始まる。一方、魔響教団のファノーラとヘルガも聖騎士の援軍として参戦し、熾烈な魔術戦が繰り広げられる中、襲撃者の一人が城の結界を解術し城内に侵入するがその者が向かった先は、この城にある禁具の保管庫だった。保管庫を守っていたキース騎士長は倒され、禁具をごっそり奪われそうになるが、ファノーラの死霊騎士がそれを阻止する。そこに突如アンジェラが現れる。アンジェラとファノーラが話していると、アンジェラが足止めしていた導師が城に到着。導師はアンジェラ達を攻撃しつつ、竜の片腕を召喚して辺り一体を薙ぎ払い襲撃者達を撤退させて終戦した。

禁具の子(10巻〜)
聖騎士団の城を襲ったアンジェラと魔女達による禁具強奪事件から10日後、「お前好みの厄介事だ」というアシャフの指令で、禁具の子の世話をすることになったギド。人の形をしたその禁具は、魔力や魔術が身近にあれば何にでも反応しその特性を吸収して成長するという。その禁具にとってそれらは養分であり、もし際限なく力を飲み込み続ければ、生まれるのは魔女以上の怪物かもしれない。この底知れない力を狙う者達が教団員を手あたり次第襲い始める。

登場人物

ギド
少女のような外見をしているが、魔女の呪いによって変えられた姿である。そのためか魔女をひどく憎んでおり、自身に呪いをかけた魔女アンジェラを探し出して復讐するため、世界を訪ね歩いている。魔女を追う途中でアシャフと出会い、魔女を探すという目的の一致から協力関係を結び、行動を共にするようになる。当初はギブアンドテイクの関係だったが、徐々に信頼を置くようになり、相棒のような関係になる。紳士的なアシャフとは対照的に粗野で乱暴な性格で目つきも口も悪いが、意外に合理的で無駄なことはしない。外出時はアシャフが用意したオシャレな服装とヘアアレンジのバリエーションが楽しめる。実はこの少女の身体は魔女であり、そしてアンジェラが「あたしの身体」と言ったことから、永遠なる魔女アンジェラの原初の身体である可能性がある。(ただ仮にアンジェラの原初の身体であれば魔女の寿命である200年をゆうに超えているはずで、なぜ身体が朽ちないのかは謎である。)ギドの本当の身体は別にあり、魔女との口づけによって一時的に呪いが解かれると棺桶の扉が開いてギドの本体が姿を現す。(どのくらいの時間元に戻れるか、棺桶が近くになかった場合どうなるのかなどは不明。)

ギドの本体
実の正体は野獣のような目と鋭い牙、筋骨隆々とした体躯をもつ戦士のような風貌で、まるで封印が解かれたかのように攻防ともに強大な力が解放される。敵はパンチ一撃で倒し、魔女イオーネの強力な魔術を避けようともせず正面から当たりに行ってもびくともせず、城を結界もろとも真っ二つにするほどの威力を持つ魔剣アシュガンの斬撃でさえも浅い切り傷をつける程度だった。これまで敵を一撃で倒してきたのはすべて左手であるが、右手の力はさらにそれを上回る何かがあることが示唆されている。

魔響教団
ファノーラ・クリストフル
魔響教団の死霊魔術師であり「幽玄なる魔女」(「〜の系譜」という表現で呼称されなかったためファノーラ自身が起源の魔女の可能性がある)。左目に魔性紋が現れる。その容姿はどこか現実離れした寒気のするような美しさと評される。冷気を纏っているかのように彼女の周りだけ空気が冷たい。教団内では死屍人(アンデッド)が関わる事件の仕事を主に担当している。戦闘時には、彼女に忠誠を誓う死霊騎士と呼ばれる強力な死屍人達が召喚されて戦う。物静かだが、怒らせると怖い。

魔女
アンジェラ=アン・フュール
「永遠なる魔女」。右目の下に魔性紋が現れる。ギドに呪いをかけた張本人。起源の魔女の一人と目され、肉体を乗り換えるという特殊能力によって、200年で肉体が朽ちるという魔女の宿命から逃れ、悠久の時を生き続けている。世界最強の魔女の一角とされ、見ただけで同じ禁具をつくったり、死霊魔術によって強力な剣士を蘇らせたりと、幅広い能力を持つ。子供に化けてギドを誘導した際も、自ら正体を明かすまでギドにその正体を見破られなかった。読み切り第0話「魔女ときまぐれ」(6巻に収録)に登場する魔女と魔性紋が同じため、同一人物の可能性がある。その時代は現代より何百年か過去と思われ、アンジェラの過去のエピソードの可能性がある。そこでは、隕石のように多数の巨石を空から落として、魔軍と呼ばれる魔族の軍勢を殲滅している。

イオーネ
とある街で英雄と呼ばれている魔女。左目に魔性紋が現れるが系譜は不明。外見は若いが、すでに120年以上生きている。街への奉仕活動に長年尽力し、今でこそ街の人々から絶大な支持を得ているが、魔女という理由で過去に幾度となく命を狙われたことがあり、また濡れ衣を着せられ火あぶりにされて処刑された祖母の恨みを誰にも言わずに根に持ち、復讐の機会を長年待ち続けていた。417年前に祖母が封印したとされる業火を解き放とうとするが、ギドとの戦闘に敗れて拘束され魔教教団に連行されるがその後は不明。「紅蓮の魔女」(と言われている)。

ヘルガ・ベルベット
「剛毅なる魔女」の系譜。右目に剣のような魔性紋が現れる。魔剣術と呼ばれる魔術を使える。剛毅なる魔女の一族は、クエンナが封印した魔剣を隠れ里で代々守り続けてきたが、処刑人に急襲され皆殺しにされてしまう。ヘルガはその唯一の生き残りである。魔剣の一件後、アシャフの勧誘を受け入れて魔響教団に加わる。力のほとんどを魔剣の封印に割いていた事情で魔女の中では最弱と評されることもあったが、魔剣の封印を教団が肩代わりしてからは、剛毅なる魔女としての本来の力を使えるようになった。赤みがかった黒髪と紫色の瞳が特徴。ざっくばらんな性格で、彼氏をつくることを平凡に夢見ながらも、並大抵でない意志の強さを持ち、再三にわたり命の危険にさらされながらも魔剣を守るという自分の役目を最後まで全うしようとした。

ハルベル・ハーミントン
「神秘なる魔女」の系譜。口元に声をモチーフとしたつる草のような魔性紋が現れる。強力無比と恐れられる召命魔術の使い手だが、魔女の呪いによって声を発することができないため、魔術は一切使えない。呪いをかけた魔女は不明。とある辺鄙な村で弟のオーエントと二人でひっそりと暮らしていたところを処刑人に狙われ窮地に陥るが、アシャフとギドの助けで難を逃れる。その後は、アシャフの勧誘を受け入れて魔響教団に加わる。純粋で優しい性格。

ルシア・スペンドロ
「巨大なる魔女」の系譜。右目に雷(または縦に並んだ雨雫)のような魔性紋が現れる。天災を操ることができ、聖騎士の城を襲撃した際には、姿と魔力を隠すために巨大な嵐を起こし、嵐に紛れて近づいた。

階層世界
第4階層
ドルネイズ・ギィワース
吸血鬼の二大勢力の1つ夜族の女王。約100年前にかつての夜族の王ダンウォードを失脚させ、ダンウォードに取って代わり夜族の王になる。アンジェラの寵愛によって魔女の力を手に入れ、魔力をもたない吸血鬼でありながら魔術が使えるようになった上に、吸血鬼の再生力も底上げされて不死身に近い肉体となる。欲深い性格で、魔女の力を得る前から魔女と渾名されていた。

用語

魔女
遠い過去より現代に至るまで魔道の深淵に座す存在。魔道の頂点とされる。現代を生きる魔女は、起源の魔女(オリジン)の「魔力」「術式」「知識」を受け継いだ者達である。魔女は必ず200年で肉体が朽ちる宿命にあるが、それまでは老いることも衰えることもない。魔女は老化しないため外見から年齢の判別は難しい。

起源の魔女(オリジン)
遠い過去より魔道において悠久の頂に立つ者達。はじまりの17人の魔女。10巻時点で6系譜が明らかになっているが、残りの11系譜は不明。
「永遠なる魔女」アンジェラ=アン・フュール:肉体を乗り換えることができ、現在まで生き続けている。
「幽玄なる魔女」ファノーラ・クリストフル:死者を蘇らせる死霊魔術の使い手。(作中で明言されていないため起源の魔女ではない可能性もある)
「神秘なる魔女」ルナ・ハーミントン:呪文字を使わず言葉によって魔術を発する召命魔術の使い手。ハルベルの系譜。
「剛毅なる魔女」クエンナ・ベルベット:魔剣アシュガンを封印した魔女。魔剣はクエンナの子孫が秘密の場所で守り続けてきた。ヘルガの系譜。
「偉大なる魔女」リオネル・オルエンシア:太陽を呼ぶことができる。日の出ていない間は力を失う。階層世界第4階層の創造主。オスカーの系譜。
「巨大なる魔女」ヴィオラ・スペンドロ:天災を操ることができる。ルシアの系譜。

魔性紋(アルトマ)
魔女が魔術を使おうとする時に自身の顔(目や口の周辺)に浮き出る紋章。魔性紋の形によってどの魔女の系譜かを識別できる。

魔女の呪い
魔女の呪いをかけられた者は、特徴的な模様の痣ができ、永久的に力を封じられてしまう。
呪いを解く方法は三つある。
白馬の王子様の愛の口づけ:純粋な相思相愛の人間との心からのキス。
憎き魔女の気まぐれ次第:呪いをかけた張本人に解かせる。
魔女との口づけ:魔女とのキス。ただしこの方法で呪いが解かれるのは一時的である。(この方法は魔女イオーネさえも知らず、あまり知られていない)

魔女の寵愛
魔女は愛した者と口づけにより契りを交わし、自身が持つ物のうちいずれかを分け与えることができる。魔女は寵愛によって与えた分の力を失う。また、一生のうち授けられるのは一度だけである。

魔響教団
魔術の魔術による魔術のための魔術組織。教団員はどれもが曲者ぞろいの強者ぞろい。アシャフを始め、ファノーラのような魔女も所属している。表向きには魔術が関わる事件なら何でも引き受け、教団の適任者が解決に当たる。教団員は通常、いくつかの守秘義務を守るために契約魔術に同意し、契約により他の団員に手が出せなくなる(ただしギドは例外的に契約を拒否している)。教団に本部のようなものは存在せず、教団員でさえ存在を知らないなど、組織については謎が多い。

廻廊
魔響教団員だけの特別な道で大陸間移動を行える。

世界聖教会教団
世界最大の国教組織。通称、聖教会。聖騎士団と呼ばれる正義の軍隊と処刑人と呼ばれる裏の魔女狩り部隊を持つ。本拠地は第一大陸にあり、第一大陸に近いほど影響力が大きい。

聖騎士団
聖教会の下、世界の平和を守る魔術による軍隊。魔女事件に唯一対処可能な軍事組織である。魔響教団とは暗黙の了解があり、互いに極力干渉しないようにしている(アシャフ曰く、魔響教団と聖騎士団が全面戦争すれば世界が滅びる)。

城(ベース)
聖騎士団が魔女事件に対処する際に、聖騎士団の本陣が置かれる浮遊する城。周囲には何重にも結界が張られている。

白子兵(シーカー)
聖騎士が魔力でつくる分身。白装束の姿で、空を飛んで移動し、砲と呼ばれる魔力でできた弾を放って攻撃する。白子兵を破壊しても本体の人間に大した影響はなく、魔力を補充して再び白子兵をつくる。そうやって死なない兵隊を無尽蔵に送り込み続けるのが聖騎士団による魔女狩りの基本戦術である。しかし、魔女の一団が聖騎士の城を襲撃した際には、魔眼によって白子兵の本体の人間を直接攻撃する対策を取られ多数の犠牲者を出した。

処刑人
聖教会の暗部組織。同じ聖教会の組織であっても聖騎士団とは全く行動理念が異なり、聖騎士団が世界の平和の為にあるのに対し、処刑人は聖教会の存続繁栄の為にのみに動く。特に聖教会にとって脅威となりうる魔女の排除が主な任務となる。二人一組で行動し、特別に禁具の使用が許可される。普段は処刑人であることを隠して行動するが、正体を明かす時は白い仮面をつける。処刑人は契約魔術によって口止めされているため暗部の秘密をしゃべることはない。

聖女
聖教会が誇る3人の聖女。
癒し手
守り手
詠み手:未来の大いなる流れを予言することができる。

禁具
使用が固く禁じられた魔道具。強力な力を宿しているが、力を使うには何らかの代償を伴う。
魔本サルノワスス:魔力や術式の全てを代行する二冊一体の本。持つだけで魔女に近い力が手に入るが、代価として生贄(人命)を捧げ続けなければならない。代価を支払い損ねると命が奪われる。
魔手イーシュリンゲン:人を撫でることにより洗脳し傀儡にすることができる手套。代価として生贄(人命)を捧げなければならない。処刑人の愛用品。
消える外套(名称不明):外套を纏った者は世界からいなくなることができる。外套の内側は、外套を纏った者以外は知覚することができない異次元空間になっている。処刑人の愛用品だったがアンジェラに強奪された。
血を吸う手斧(名称不明):斬りつけた者の血を喰らい溜め込み解放する二挺一対の斧。代償として使う者の寿命が奪われる。夜族の居城に飾ってあったところをギドが奪い使用した。再生能力が高い吸血鬼にも有効な武器。
悪魔の遺骨:骨の怪物を呼び出す。処刑人クレイグの愛用品。

死屍人(アンデッド)
死霊魔術によって蘇生された死者。蘇生といっても生前と同じ状態ではなく、死屍人は蘇生した術者によって定期的に補正(メンテナンス)を受けなければ正気を失い暴走する。つまり術師の魔力が常に必要である。蘇生には法的な手続きが必要で勝手に行うことは禁じられている。違法に蘇生された死屍人を野良という。死霊魔術はかつては使役術として隆盛を極めていた。死屍人は術師の使い魔であり、死屍人は術師の意によって3つの状態に変じる。
自律(オート):術師の影響が一切なし。死屍人の意志のみで自由に行動がとれる状態。
洗脳(セミオート):死屍人の意識はそのままに術師により何らかの目的を刷り込まれている状態。
支配(マニュアル):術師が死屍人の意識を完全に乗っ取り己の肉体のように意のままとする状態。
また、死屍人になることには代償を伴う。蘇生術は永遠には続かず、死屍人はやがて2度目の死を迎えることになるが、その時死屍人の魂は死よりも残酷な虚無に堕ちる。

吸血鬼
外見は鋭い牙があること以外は人間と見分けがつかないが、人間とは種族としての違いがあり、身体能力は人間をはるかに凌駕し、常人では追えぬ速さで動くことができる。さらに体が損傷しても再生できるため、致命傷と呼べる弱点はなく、そういう意味ではほぼ不死である。一方で、陽の光に弱く日光を浴びると体が焼けてしまうため、活動は夜間に制限される。また、魔力を持たないため魔術は一切使えない。ただしそれでも並の魔術師では吸血鬼には敵わない。寿命は不明だが少なくとも100年以上は生きる。人間の血を好物とする。人間とは異種交配が可能。吸血鬼の多くは階層世界の第4階層に棲む。

魔眼
三つの瞳孔からなるその眼を見た者は目や口から出血して絶命する。

導師
魔術師の最高位。世界に5人といない存在とされる。

階層世界(フォール)
第七大陸と第八大陸の間の孤島にある別世界へ通じる穴。1から17の階層があり、それぞれが独立した異世界に繋がっている。各階層は起源の魔女が創造した世界である。行き来の手段はエレベーターのみ。

第4階層 オルエンシア・セット
吸血鬼達が棲む世界。馬車が交通手段として使われたりと、大体100年から200年ほど前の時代に近い。この世界には魔術という物がない。

血族(コングラード)
吸血鬼の二大勢力の1つ。人の世に溶け込み吸血鬼最大の数を有する群れ。夜族とは対立関係にある。

夜族(グニル)
吸血鬼の二大勢力の1つ。最も日に嫌われ夜の魔力に愛された一族の群れ。血族とは対立関係にある。


血族と夜族の折衝役。

雑記



情報更新者

どなたでも更新可。情報の追加・補足歓迎します。
画面上の編集ボタンをクリックすれば編集できます。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます