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作者:藤原ここあ
掲載:月刊ガンガンJOKER
出版社:スクウェア・エニックス

あらすじ

第1章「prologue」
旧家・白鬼院家の令嬢として生まれた少女 白鬼院凜々蝶は大人に守ってもらわないと生きて行けない無力な自分や、常に家名が重視される環境に息苦しさを感じ、家を出て一人暮らしをすることにした。家族は凜々蝶が家を出ることには反対しなかったが、条件として街の郊外にある「妖館」の異名を持つマンションであるメゾン・ド・章樫への居住を命じる。メゾン・ド・章樫(妖館)は表向きは『厳重な審査をクリアした者しか入居を許されない高級マンション』だが、実は妖怪の先祖返りが住まうマンションだった。

第2章「if」
第1章から23年。高校入学を期に、凜々蝶は妖館へ入居した。一人になるために越してきたはずだったが、SSの御狐神双熾や賑やかな妖館の住人達との交流を通じて、徐々に周囲と打ち解けていく。ある日 開催された歓迎会を抜け出すと、妖館の前に一人の男性が立っていた。「久しぶり」と声を掛けるその人物と邂逅すると、凜々蝶は突然気を失ってしまう。

「interlude」
幕間。舞台は第1章。各登場人物に焦点を当てた短篇集で全5話。

第3章「春に目覚める」
夏目の発案でタイムカプセルの準備をする妖館住人達。反ノ塚らが庭の木の根元に穴を掘り進めると、そこには既に箱が埋まっていた。不審がりつつも蓋を開けると、中からは住人達の名で書かれた複数の手紙が出てくる。書いた覚えのない手紙に困惑する一同に、夏目から衝撃の事実が伝えられる。

登場人物

妖館住人
白鬼院凜々蝶
鬼の先祖返り。
第1章
4号室の入居人。2月21日生まれ。物語開始時15歳。A型。身長145センチメートル。一人称は「僕」。長い黒髪に紫の瞳をした美少女だが、一度口を開けば心にもない悪態をついてしまうという幼少の頃からの悪癖がある。これは本人にも制御出来ず、根は律儀かつ真面目な性格であるため、悪態をついた後は必ず落ち込む。野ばら曰く、ツンデレならぬツンしゅん。旧家・白鬼院家の令嬢だが、家柄を原因とするいじめや、有力な保護者への受けを狙ったと思われる教師の反応から、家名でのみ扱いや評価が左右される自分に嫌気が差し、悪態・虚勢癖を持つようになった。他人を不快にさせる悪癖を矯正するため、家を出て妖館で一人暮らしを始めた。予想外に双熾が自分のSSとして契約をしているのを知り、当初は困惑していたものの、後に納得した上で契約を結ぶ。「村井」という九官鳥を飼っている。律儀さ故、事あるごとに謝礼や反省の手紙を送る。連勝いわく、「文面だと妙に素直」らしい。蜻蛉とは拘束力はないものの許婚同士であり、幼少の頃から文通をしていた。第10話より、双熾と交際を始める。双熾から変質的な行動(ストーキング等)を取られることが多いが、本人的には彼を周囲ほど重大に変態だとは認識していない様子。百鬼夜行を追っていた際の闘争により死亡。享年16。

第2章
高校1年生の15歳。1号室の入居人。転生前の記憶はない。
第1章とは違い、直接的ないじめを受けている場面はないが、同級生の心ない言葉により他人との関わり合いを拒絶するようになる。妖館に入居後、面識のなかったはずの連勝との遭遇により前世の一部を思い出し、記憶の混濁により錯乱しかけたため、双熾から暗示をかけられ不都合な記憶を封じられる。その後、蜻蛉の言葉によって第1章の記憶を思い出すものの、過去を悔いる気持ちを袖引き狢に利用されてしまう。袖引き狢の出来事を経て全ての記憶を思い出した後、感情を整理するため双熾と契約を解消をする。その後、前世と今世の折り合いに悩むようになるも、百鬼夜行の真相を解明することを決意する。終盤では双熾の変わらない本質を理解し、今世の双熾を受け入れ恋愛感情ではなくとも大切に思っていることを伝える。

第3百鬼夜行が発生した未来からの手紙を受け取り、残夏が読み取った23年間を受け百鬼夜行阻止を決意する。タイムカプセルの出現により起こるはずだった手紙の取り違えがなくなったため双熾とは交際していない。ifの未来では自分をかばったことで双熾が死亡したと気に病み、距離を取るようになる。年明けに百鬼夜行が起こったと連絡を受けて一旦家に連れ戻されるも、妖館の日々が自分にとって大切なものだったと改めて気づき、仲間の元へ戻る。その後は双熾を連れ戻した御狐神家へ乗り込み、救出の際双熾と和解する。

雪小路野ばら
雪女の先祖返り。
第1章
3号室のSS。1月6日生まれ。物語開始時21歳。AB型。身長168センチメートル(+ヒール)。白い髪に水色の瞳を持つ眼鏡巨乳美女。一人称は「あたし」。平常時はストイックかつクールな人物だが、女体へのこだわりが尋常ではなく女性を前にすると変質的になり、鼻血を出す事もしばしばある。そのこだわりっぷりは残夏が「美人なのに惜しい。」と言うほどである。凜々蝶を『ツンしゅん』と命名した張本人。口癖は「メニアック」。この口癖は「マニアック」をネイティブのように発音したものを表記したもの。端麗な容姿を持つが、自身を着飾ることには興味がなく、また自分が見られているという意識もない(下着姿で連勝の前に姿を見せるなど)。大抵のことは何でもできるが食事に喜びを見出すタイプではなく、味に頓着しないため料理だけは壊滅的にできない。先祖返りの性質を利用して、「野薔薇霊障相談所」というものを副業で行っている。「女性」であれば例外なく興味があるが、所謂男の娘には興味が無い。処女であることが示唆されている。女性へのこだわりとは打って変わって、男性への扱いは適当かつドライ。特に蜻蛉との仲は(一方的に)かなり険悪。だが、パートナーである連勝は信頼している様な描写がある。百鬼夜行を追う内に闘争により死亡する。享年22。

第2章
中学3年生の14歳。成長期前であるため第1章とは違い小柄で貧乳で、髪もショート。凜々蝶の次に胸が小さい。高校生になったら妖館のSSを務める予定でいたが、双熾と契約を解消した時点で、自身の嗜好から凜々蝶のSSを志望する。中学生での一人暮らしを反対され、現在は連勝と同居中。連勝をけなしまくるが、実際はよく世話を焼いている。第1章の記憶がある。前世の記憶とは折り合いをつけて向き合っており、百鬼夜行の解明に対しても積極的である。

第3章
未来からの手紙と残夏の預言を受け、百鬼夜行阻止を決意する。百鬼夜行の発生を受け一旦実家に帰省するも強引に見合いを仕組まれ、脱出のため連勝を呼び出し妖館に戻る。

髏々宮カルタ
がしゃどくろの先祖返り。
第1章
2号室のSS。5月15日生まれ。物語開始時15歳。B型。身長151センチメートル。ふわふわしたピンクの髪をツインテールにした女の子。瞳の色は赤茶。一人称は「私」。名前の由来はカルタを「骨牌」とも書くことから。人間時の可憐な外見とはうって変わり、変化姿は巨大な骸骨である。自身がそのまま変化する場合もあるが、瞬間的な時には駆動した所のみ(手を地面に入れる、手で空を切る等)部分的に変化する。物静かで口数が少なく、一見エキセントリックな人物。幼少期に友人と喧嘩した際に感情の起伏で先祖返りの姿を見せてしまい、二度とそうならないよう気持ちを静めるようにしていたため現在の性格になったが、今ではその事は忘れている。食べることが大好きで、登場時には高確率で何かしら食している。食べ物を美味しく作る・楽しく食べることにも深いこだわりがあり、親しいものにはよくお裾分けしている。卍里と幼馴染で仲が良く、恋人未満ではあるが特別な感情を抱いている。学校では凜々蝶・卍里と同じクラスで、彼女を中心として3人で行動を供にしている。クラスメートから初めは避けられていたが、後に渾名で呼ばれたりするなど、クラスには馴染んでいる様子。大晦日に出かけた際に他の先祖返りに腹部を食いちぎられ、重体のまま何カ月も入院することになった。命の策略により、妖怪としての本能を呼び起こされがしゃどくろの姿から戻れなくなる。最終的には野ばらを襲うなど、自我をなくしてしまった。自我を失った後、純粋な妖怪と見なされ殺処理される。享年17。

第2章
20歳で2号室・渡狸卍里のSS。第1章の記憶がある。第2章でも前世と変わらぬ態度で卍里に接するが、卍里に拒絶されてしまい拗ねてしまう。しかし、その後の卍里の第1章を彷彿させる発言によって涙を見せ、和解した。先祖返りの掟で前世の情報を与えることを禁止されているため、記憶を無くした凜々蝶達と以前のように関わることが出来ず、強い寂しさを感じていた。

第3章
未来からの手紙と残夏の預言を受け、百鬼夜行阻止を決意する。渡狸を心配し、百鬼夜行に関する凄惨な情報を渡狸が聞くことを止める。百鬼夜行が発生し一旦家に戻ったものの、腫れ物を触るような扱いに心を痛める。半ば軟禁状態のところ、卍里の迎えで家を抜け出し妖館へ戻る。

妖館従業員とその他の関係者
小人村ちの
コロボックルの先祖返り。
第1章
メイド1。第1章の年齢は20歳。O型。瞳の色は緑。天真爛漫で、明るく気さくな女性であるが、英単語を間違えるなど天然発言が目立つ。あゆむ曰く「馬鹿」。一人称は「私」。猫月の機嫌が解るという特技がある。あゆむとはメイド同士のため、交流が多い。百鬼夜行に巻き込まれ落命。

第2章
4号室の入居人。年齢は15歳。身長160センチメートル。第2章では凜々蝶、蜻蛉の同級生となっている。悪態をついてしまいクラスで孤立しがちな凜々蝶とは違い、クラスに友達はいるようである。蜻蛉のテンションについていける等、とても順応力が高い。『恐山』というプードルを飼っている。その性格故に、意識せずに相手を傷つけるような言動を取ることもあるが、本人にはその自覚は無い様子。

悟ヶ原思紋
サトリの先祖返り。凜々蝶達が属する先祖返りのコミュニティーの統率者とされる老婆。先祖返りの家の中でも能力・人柄共に特別信頼されている。あまりに強力な能力ゆえ、情報を得すぎてパンクしてしまうため部屋から外出出来ないものの、様々な分野の情報を入手できるため、各界で最も権力を持つ。妖館を設立した人物でもあり、双熾の保護の際、菖蒲に力添えした張本人でもある。明るく優しい性格。またノリも良く、凜々蝶・双熾を見て「いけめん」「もえー」と発言していた。

第2章
少女に転生。外に出ることはできず、ゲームで夏休み体験をするとの事。

第3章
ifの情報を得た残夏達から連絡を受け、百鬼夜行阻止に協力する姿勢を見せるも、実は百鬼夜行の黒幕であることが判明する。千年桜に時間を奪われたことで不老となった命のために思紋が「儂が其方の未練ある時間になろう」と述べたことが全ての始まりであり、命は思紋にたくさんの物語を届けるため百鬼夜行を行っていた。長い時間の間の末に他人の人生を悟ることに依存するようになり、命も物語が無くなれば見捨てられると思い込むようになってしまっていた。

鴉丸クロエ
鴉天狗の先祖返り。思紋の護衛の女性。表情が少なく一見物静かだが、バトルフリークで好みのタイプは「強い人」。第1章での年齢は20歳。第2章でも同じく思紋の護衛を務めていたが、千年桜を狙い悟ヶ原邸を襲撃した命と対決し、自我を失う。年齢は17歳。

用語

メゾン・ド・章樫(あやかし)
本作の舞台であり、主要人物たちの住むマンション。通称「妖館(あやかしかん)」。一世帯につき一人のSS(シークレットサービス)がつき、最強のセキュリティーを誇る最高級マンション。その実態は妖怪の「先祖返り」である人間が純血の妖怪に狙われないよう身を寄せ合って助け合うシステムである。設立者は悟ヶ原思紋。同マンションが全国各地に存在し、SSはパートナーとなった住人と同じフロアに住まう。表向きは、高額の家賃を払い、能力・家柄・経歴を認められた人間だけが住める場所とされている。得体や素性の知れない人物が多いことから、近隣では「変人揃い」「お化け屋敷」と気味悪く思っている人間も多いが、実際に妖怪の関係者が多いので、あながち間違いでもない。

SS(シークレットサービス)
「妖館」には、一世帯に1人、SS(シークレットサービス)と呼ばれるボディーガードが付いている。住人達と同様「妖館」で暮らしており、彼らと同様に先祖返りである。主な任務は、戦える者ばかりではない先祖返りの住人の護衛だが、外出時の送迎や食事の用意など、場合によっては業務の枠を超えた生活の世話をすることもある(双熾が凜々蝶の身の周りのほとんどの世話をしているのは彼の意思である)。しかし、両者の間には必ずしも絶対的な主従関係があるわけではなく、住人とSSの関係は人によって様々である。元々は人間を襲うなどの凶暴性を持つ先祖返りを、他の先祖返りの護衛に当てる事で社会に適応させていたのがSSの始まりであるが、現在では強制ではなくあくまで「先祖返り特有の職業」のひとつとされている。SSになる為の養成所などは無いが、試験・面接がある。

先祖返り
先祖が過去に妖怪と交わり、その妖怪の血を濃く受け継いで生まれてくる者たち。先祖返りは先祖である妖怪と同じ日、同じ時間に同じ容姿、同じ性質を持って生まれる。そして 稀に記憶を受け継ぎ、不思議と同じ運命を歩むと言われている。先祖返りの生まれた家は栄えると言われており、多くの家で先祖返りは始祖の再来として敬われるが、その一方で妖怪の力を持つ者は人間としての「家族」の範疇からは外され、隔離されて育つ事が多い。家族の血などは関係なく、残夏曰く「(両親は)ただの母体」。先祖返りの家系の多くは宗教染みた部分があり、その家の方針によっては先祖返りの自由を奪うこともある。

千年桜
思紋宅に存在する植物の姿をした妖怪。長い時間を司り、過去に未練がある者が近付けば過去へ引きずり込む性質を持つ妖怪で、帰りたい思い出の世界に引きずり込む袖引き狢とは違い、本物の「未練ある時間場所へ」行ける。しかし 過去へ戻ることの代償として、その人の肉体の時間が止まり、不老になってしまうが、死に直結するような攻撃をされると死亡するため、不死になるわけではない。

雑記



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