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作者:加藤和恵
掲載誌:ジャンプスクエア
出版社:集英社

ノベライズ
ウィークエンド・ヒーロー
ホーム・スイート・ホーム
ブラッディ・フェアリーテイル

あらすじ

奥村燐とその双子の弟 雪男は、神父 藤本獅郎に育てられ、修道院で暮らしていた。中学卒業から間もないある日、燐は「悪魔」の存在を知り、自身が悪魔の王「魔神(サタン)」が人間に産ませた息子であり、その力を継いでいたことを知ってしまう。祓魔師(エクソシスト)の獅郎は、この世界には人間の住む「物質界(アッシャー)」と悪魔の棲む「虚無界(ゲヘナ)」があること、悪魔は「物質界」の物質に憑依して人間に干渉してくることを告げる。サタンは、獅郎に憑依することで燐の前に現れ、彼を「虚無界」へ連れ去ろうとするが、燐は獅郎から渡された自らの悪魔の力を封印していた降魔剣「倶利伽羅」を抜く。そして、サタンの力である青い炎を解き放ち、かろうじて撃退に成功するが、サタンに体を乗っ取られた獅郎は、サタンから燐を守るために戦い、命を落とす。獅郎の葬儀で、獅郎の友人にして「正十字騎士團」の祓魔師メフィスト・フェレスが、燐を殺しに現れ、そこで燐は獅郎の仇であるサタンを倒すべく、祓魔師になることを宣言する。メフィストは燐を受け入れ、名門私立「正十字学園」に入学させた。燐は学園内に設けられた祓魔師養成機関「祓魔塾」へ入り、既に祓魔師として活動していた雪男の指導のもと、同じく祓魔師を志す仲間たちと共に学んでいく。

正十字学園入学編(第1巻〜第3巻)
燐は雪男と同じ正十字学園に入学し、祓魔塾で訓練を始める。雪男はすでに経験を積んだ祓魔師となっており、祓魔塾の講師だった。燐と雪男は、祓魔師用品店の娘 杜山しえみと出会う。彼女は悪魔に付け入られ、足が不自由になっていた。二人の助けで歩けるようになったしえみは、祓魔塾に通い始める。燐・しえみに加え、勝呂竜士・志摩廉造・三輪子猫丸・神木出雲ら祓魔塾生は、強化合宿中、悪魔に襲撃される。だがそれは、祓魔塾塾長・メフィストによる認定試験であった。燐たちは「祓魔塾生(ペイジ)」から「候補生(エクスワイア)」に昇格する。獅郎の使い魔だった猫又(ケット・シー)のクロが、獅郎の死を知り、暴走する。燐の説得で獅郎の死を受け入れたクロは、使い魔として燐と共に生活するようになる。燐は任務中、強大な悪魔である「地の王」アマイモンに襲撃され、力を暴走させてしまう。だが、正十字騎士團ヴァチカン本部の監察官・霧隠シュラに救われる。シュラは獅郎の弟子で、彼が隠していた「サタンにまつわる何か」を調査していた。シュラはサタンの息子である燐を始末しようとする。燐は、獅郎が最強の祓魔師「聖騎士(パラディン)」であったことを知り、自分を育てた獅郎の正しさを証明するため、「聖騎士」になると宣言する。燐の強固な意志を知ったシュラは、処分を保留とし、燐の修行に手を貸す。

林間合宿編(第3巻〜第5巻)
一学期終了日、候補生たちは林間合宿を始める。仲間たちと協力し、実戦訓練の課題をクリアするが、そこでアマイモンに襲われる。燐はアマイモンに対抗するため、青い炎を使い、仲間たちに正体が知られてしまう。燐は現「聖騎士」のアーサー・オーギュスト・エンジェルに捕らえられ、正十字騎士團のヴァチカン本部に連行される。懲戒尋問でメフィストは、「獅郎は燐を、サタンと戦う武器とするために育てていた」と明かし、メフィストのとりなしにより、半年後の祓魔師認定試験に合格することなどを条件として、燐は処刑を免れる。そして、雪男とシュラの監督のもと、炎を制御する訓練を始めることになる。

京都・不浄王編(第5巻〜第9巻)
正十字学園最深部に封印されていた「不浄王の左目」が奪われ、犯人は悪魔落ちした祓魔師 藤堂三郎太。燐たちは、京都出張所に封印されている「右目」の警護を応援するため、京都へ向かう。京都出張所は、構成員の多くが「明陀宗」という仏教宗派に属している。明陀宗は世襲制の組織体制をとっており、竜士の父 達磨大僧正が頭首であった。達磨は祓魔師として活動する門徒たちと距離を置き、不可解な行動をとっていた。疑念を募らせた僧正家の宝生蝮は、藤堂に協力し、右目を奪い去ってしまう。竜士はなおも真意を明かさない達磨に詰め寄る。燐はそれを止めようとするが、禁止されていた炎を使ってしまい、監房に入れられてしまう。達磨は蝮を追う一方で、燐に手紙を残し、彼と獅郎、降魔剣とのつながりを明かす。「両目」を手に入れた藤堂は、江戸時代に数万人を殺したという悪魔「不浄王」を復活させる。さらに達磨の使い魔 伽樓羅(カルラ)を喰らい、自らの身体に憑依させる。藤堂に騙されていたことを知った蝮は、京都出張所に戻り、達磨を助けてほしいと懇願する。不浄王は瘴気を撒き散らし、計り知れない犠牲者を出そうとしていた。燐は炎の暴走により自信を喪失し、降魔剣を抜けなくなってしまう。だが仲間たちに救出され、共に不浄王討伐へ向かう。燐と竜士はクロに乗り、不浄王の心臓を焚滅しに向かう。一方雪男は、伽樓羅を取り込み不死の身体を得た藤堂に追い詰められる。燐は、竜士らの信頼に答え、火の悪魔 烏枢沙摩(ウチシュマー)の力を借りて不浄王討伐に成功する。

学園七不思議編(第10巻〜第11巻)
夏休みが終わり、二学期が始まった。正十字学園では「七不思議」が流行り出し、悪魔が見えるという人間が急増していた。燐たちは、七不思議の噂の元になった悪魔と戦うことになる。最初は連携がうまくいかず思うように祓魔ができずにいたが、七不思議最後の敵との戦いで小猫丸が叱責したことで各々がチーム内での役割を考えるようになる。一方、世界各地では、「不浄姫」の復活と「悪魔喰い(デーモンイーター)」の出現、人工「虚無界の門(ゲヘナゲート)」発見など、異変が相次いでいた。その背後にあるのは、藤堂も所属する組織、啓明結社「イルミナティ」であった。

島根・イルミナティ編(第11巻〜第15巻)
正十字学園で年に一度の学園祭が行われる。そんな中、突如として学園に現れたイルミナティ総帥で「光の王」ルシフェルによる騎士團に対する宣戦布告と攻撃が行われる。同時にイルミナティに寝返った志摩廉造の手で出雲が連れ去られてしまう。塾生たちは攫われた出雲を追って彼女の故郷の島根県稲生に向かう。そこで彼らは出雲の過去や稲生で行われている非道な人体実験を目の当たりにすることとなる。騎士團が混乱しているせいで塾生達は増援を待つことなく敵地に乗り込むことになるが、外道院の策でそれぞれ分断されてしまう。その間に出雲に対して九尾の憑依実験が行われ彼女は狂気にとりつかれてしまうが、燐の活躍で脱出に成功した塾生達が集結し、出雲の母が命をかけて娘を助ける。作戦の失敗で錯乱した外道院は自らに悪魔を憑依させて塾生達を皆殺しにしようとしたが、新たな力を得た出雲によって撃退される。

青森・八郎太郎編(第16巻〜第18巻)
イルミナティと騎士團双方のスパイとして祓魔塾に帰還した志摩に、自分の目のことに対して誰かに相談した方が良いと忠告され、動揺する雪男。そんな中、メフィストのはからいにより、慰労のため「ウルトラ南国の湯」へに行くことになる一方、正十字騎士団・本部では上層部円卓会議が行われていた。イルミナティはやはり危険視される存在であり、ライトニングはエンジェルに日本支部へ配属させてくれるように頼み、日本支部に配属されることになった。ライトニングのことを日本支部にて紹介された時の様子を見ていた勝呂は弟子入りを頼み何とか、許可される。そのころ、雪男は自分の中に潜む「力」を明確にするため命をかけて、その正体を探ろうとしていたがその本質自体はわからなかったものの、「目」が自分を守ろうとしていることは分かった。雪男と燐はメフィストからある任務を言い渡され、その任務は、「青森まで霧隠先生を捜索しに行け」というものだった。消息を絶ったシュラを捜しに青森へ向かった燐と雪男は彼女の足取りを掴んだ燐達は山奥の湖畔の町へと辿り着くがしかし シュラには彼らの想像を遥かに超えた危険が迫っているのだった。

学園名探偵編/天変編(第18巻〜第21巻)
青森での一件が終わり、落ち着きを取り戻しつつある正十字騎士團日本支部。正十字騎士團日本支部にやってきた四大騎士(アークナイト)のひとり ライトニングは、イルミナティについての調査を開始する中、ライトニングは勝呂と共にイルミナティに関する調査を開始する。ライトニングはイルミナティ、そして「青い夜」に繋がる何かが日本支部内にあると睨んでいた。燐たちは志摩柔造と宝生蝮の結婚式に参列するため京都へ向かい、二人の結婚を祝福していたが都市部に上級悪魔が出現する。対応に追われる祓魔師たち、池袋ではシュラが陣頭指揮を執り、魔障を受けたことにより悪魔を見ることができる人間も増えていき、世界は混乱に陥っていく。

終夜編(第22巻〜第25巻)
燐に決別を告げ、イルミナティへと向かってしまった雪男。強さを求め、真実を求める雪男と向き合うためには、自分たちの出生の秘密を知る必要があると決意した燐は、メフィストの手引きで40年前の過去へと旅立つ。廃工場で暮らす孤児のユリは祓魔師だった家族たちと一緒に暮らしていたが火事で家族を亡くし、行き場を失ったユリは、十三號セクションから脱走した獅郎と出会う。行方を追ってきた祓魔師たちに連れ戻された獅郎は、メフィストに対しある要求をする。一方、悪魔が見えることから、祓魔師養成学校 アサイラムに収容されることになったユリだったが時が経ち、祓魔師認定試験に合格した二人は反発しながらも交流を続け次第に惹かれあっていたが9年の月日が流れる。アマイモンが新たな憑依に成功するも、己に適した憑依体は未だ現れず、苦しみの中で物質への執着を強めていくルシフェル。十三號セクションではエリクサー実験が繰り返されていたが験体の一つが燐火に受肉しだし、受肉後 凄まじいスピードで知識を吸収していった燐火は、己の存在を魔神サタンと認識した。十三號セクションに籠城するサタンのもとへ向かったユリは説得し、ユリを受け入れ、ともに生きることを選んだサタンは、二人での暮らしを手に入れるため十三號セクションを捨てることを決意し、配下に撤退を宣言する。しかし サタンの体が劣化し、アサイラムに戻るがその一方でユリの体にサタンの仔を妊娠していることが判明する。サタンの仔を命懸けの出産することになったが燐を出産するが生まれたばかりの燐は青い炎を纏い、周囲の祓魔師を次々と襲った。その光景に酷く動揺し、悪魔の人格に乗っ取られかけた燐を、メフィストは現代のとある場所に送る。一方、騎士團を離れた雪男は志摩とともにイルミナティの空中要塞「境界の主(ドミナスリミニス)」に到着し、幹部の藤堂誉に連れられ、ルシフェルと対面する。その頃 しえみのもとに賢座庁の者が訪ねているが突然 目の前に現れた燐におどろくがしえみから元気をもらった燐もまた、しえみの声に自身を取り戻し、全てを見届けるため再び過去へと向かった。過去ではサタンの憑依体の劣化が進行し、崩壊と暴走を始め、世界中の有力な聖職者たちが次々と青い炎に包まれる中、獅郎は降魔剣を使い、燐の悪魔の心臓を封印することに成功する。安心したのも束の間、聖騎士アベルの身体がサタンに強制憑依され、ユリへの思慕が妄執に変わったサタンにはユリの言葉も届かない。感情を爆発させ、獅郎の身体を奪おうと迫るサタンだったが獅郎は憑依を防ぐため、大胆な行動に出し、サタンを退けだすことができた、騎士團の手を逃れた二人だったがしかし、ユリの消耗は激しく、燐と雪男に最後の言葉を残しこの世を去った。自責の念に駆られ生きる気力をなくした獅郎に追い打ちをかけるように、しかし 生きる気力を取り戻し、獅郎は燐と雪男を連れ日本支部へと帰還し、燐と雪男を育てることを決意する。月日が経ち、やがて 運命の日が訪れ、自分たちの出生の秘密を見届けた燐は雪男を助けると決意した燐は、神隠しの鍵を使って雪男の前へと向かう。

登場人物

祓魔師塾候補生
杜山しえみ
神木出雲
クロ
ニーちゃん
稲荷神(ミケ)と(ウケ)

祓魔師
霧隠シュラ
ユリ・エギン

明陀宗
宝生蝮
宝生錦
宝生青

祓魔師

祓魔師(エクソシスト/ふつまし)
悪魔に対抗する技術を持ち、「悪魔払い(エクソシズム)」を行う者たち。地域や宗派によって様式は異なる。戦闘は基本的にパーティを組んで行う。正十字騎士團においては、「称号(マイスター)」を取得することで祓魔師として認定される。階級は上から上一級・上二級・中一級・中二級・下一級・下二級。上一級のさらに上の名誉称号として「名誉騎士(キャンサー)」、「四大騎士(アークナイト)」、ただ一人にのみ与えられる最強の称号「聖騎士(パラディン)」がある。階級は単独で倒すことのできる悪魔の強さ(例:中級上位であれば中一級)を表しているが、昇級には筆記試験も必要なのである階級の悪魔を倒せたからといってすぐに階級に反映されるとは限らない。上級に上がるためには悪魔との契約が必要不可欠だとされる。祓魔師を志望する者は、まず「祓魔塾生(ペイジ)」として祓魔の基礎を学ぶ。その後、認定試験に合格すると「候補生(エクスワイア)」となり、より専門的な実践訓練を受ける。社会的な地位は宗教職と警察機構を足して2で割ったようなもので、一般的な僧侶や神職と同じような扱いを受けているが、悪魔が見えない普通の人からは胡散臭い祈祷師などと同程度の評価しかされない場合もある。

称号(マイスター)
祓魔師に必要な技術の資格。5つ存在し、1つでも得られれば祓魔師として認定される。取得した称号によって戦い方は異なり、騎士・竜騎士は肉体を、手騎士・詠唱騎士は頭脳を酷使する。上級祓魔師は複数の称号を兼ねることが多い。
騎士(ナイト)
近接戦闘を行う。主に刀剣を使用するが、明陀宗の騎士は錫杖を得物としている。「魔剣士」と呼ばれるシュラやアーサーのように魔剣を扱う者たちの場合は、悪魔と契約するため手騎士の称号も取得することが多いが、その魔剣自体が稀少なので騎士全員には行き渡らない。

竜騎士(ドラグーン)
銃火器で戦う。拳銃・機関銃・火炎放射器など様々な武器を扱う。用途に応じて様々な銃火器を使い分け最前線から後方支援まで幅広く活躍する。聖銀弾だけでなく精霊の加護を受けた魔法弾なども使用する。聖水を併用することも多い。詠唱騎士がいる戦闘ではバズーカ砲で「致死節判定弾」を放ち援護する。銃火器の心得があれば取得できる称号なので、騎士團内で最も人口が多い。

手騎士(テイマー)
使い魔を使役して戦う。魔法円・魔法陣と己の血により悪魔を召喚し、操る。悪魔の性質によって戦法が変化し、攻撃のみならず諜報や護衛も行うことができる。天性の才能が必要とされ、絶対数は少ない。悪魔は弱い者には従わず、自信をなくした者には襲いかかることもあるため、強い精神力と安定した人格が必要となる。

手騎士二種
「神おろし」と呼ばれる人間や物質への憑依召喚を行うことができる者に与えられる称号。通常の手騎士より高度な才能が要求される。

詠唱騎士(アリア)
聖書や経典を唱えて戦う。大抵の悪魔に確認されている「致死節」を掌握し詠唱する、あるいは味方の祓魔師のサポートをする。悪魔によって異なる致死節、すなわち膨大な数の経典を覚えられるだけの暗記力や、悪魔を殺す想像に対する集中力が要求されるが、それ以上に悪魔に相対しても動揺しない強い精神力と安定した人格が重要視される。詠唱中は無防備になるうえ、悪魔は詠唱者を積極的に狙うため、単独での祓魔は難しく他の祓魔師の援護が必要。

医工騎士(ドクター)
医療を担う。通常の医術に加え、魔障に対する専門的知識を持つ。直接戦闘には加わらないが、魔障の危険度は通常の怪我や病気とは比べものにならないため、重要な役割を持つ。一介の医者以上の知識を要求されるため称号取得は高難度。

聖騎士(パラディン)
肩書を表す称号の一つで、正十字騎士團の上一級祓魔師の中でも最強の者だけが就くことのできる階級。他の称号とは違い重複して任命されることはない。在任中の聖騎士はアーサー・A・エンジェル、前任者は藤本獅郎。就任資格としては5つの称号を全て取得していることなどがあげられる。

道具

魔剣
悪魔が憑依した剣。燐の「倶利伽羅」、アーサーの「カリバーン」、シュラの持つ「牙」など。使い魔の場合と同様、契約が必要となる。分類は2種類。1つは武器に悪魔が憑依する「憑依型」で、その悪魔と契約することによって強力な武器となるが破壊されると祓魔されてしまう。もう1つが悪魔との契約により武器に魔力が付与された「加護型」で、こちらは武器が破壊されても問題はないが契約した悪魔自体が祓魔されると魔力を失う。魔力が抜けても形が残った加護型魔剣は憑依の対象としても魅力的なものとなる。

降魔剣
「倶利伽羅(クリカラ)」の別名を持つ、古から伝わる日本刀型の魔剣。150年ほど前にメフィストが作り出して不角に与えたもので、以来明陀宗の本尊として保管されていた。一種の“異次元”ドアであり、柄は虚無界に通じ、鞘が扉となっていて、2つ揃う事で魔を虚無界に封じる事が出来る。製作者であるメフィスト曰く、「不動(フドウ)」を長とする仏教系の炎の悪魔を憑依させて使う剣で、本来は憑依型魔剣だった模様。藤堂によれば、明陀の祖・不角は火の悪魔・伽樓羅の憑依したこの魔剣と契約し不浄王と戦ったが、不浄王を鎮めた際に伽樓羅は剣から去ったという。燐と雪男が生まれる少し前、不動峯寺に現れた獅郎が達磨から手に入れた。この剣には、メフィストによって燐の炎が移植され、鞘によって封印されている。メフィスト曰く「炎の源である悪魔の心臓」を封印したという。真髄は刀身ではなく“拵”である柄と鞘の部分で、ここに燐の炎を封じていた。 そのため現在は憑依型にも加護型にも当てはまらない特殊な魔剣となっている。アマイモンによれば、刃の部分が虚無界につながる小さな入口で、鞘がその扉の役割を果たしている。刀を抜けば燐は悪魔の状態となり、再び鞘に戻せば尻尾や牙が残るものの人間に戻る。獅郎亡き後は燐が肌身離さず持ち歩いており、戦闘時に武器として用いている。ただし刀を抜けば、青い炎が抑えられなくなる。なお、燐の心臓を宿した今でも悪魔を憑依させることはできる。燐の精神状態も影響を与えており、彼が暴走を恐れて苦悩していた時には鞘から抜けなかった。イルミナティの元へ向かう雪男を止めようとした際にサタンによって真っ二つに折られ、これにより封印が解かれ、悪魔の心臓が燐の体内へと戻った。

カリバーン
アーサーと契約している憑依型魔剣。オカマ。グレートソード型で柄頭が人の顔の形となっており、人語を話すという珍しい性質を持つ。アーサーの肉体が契約の対価であり、頭髪の一部だけを代償として放った「エンジェルスラッシュ」でも巨大上級悪魔である不浄姫を一撃で屠る威力を発揮する。


八郎太郎大神の牙から生み出された日本刀型の加護型魔剣。鎬の部分に目玉模様があるのが特徴で、風や水を凍らせる神通力を宿す。霧隠流魔剣技として、無数の衝撃波を飛ばす「蛇牙(ダボウ)」や圧力を発生させる「虚々(ガラガラ)」を使うことができ、髪・爪・血を代償にすることで、「蛇腹化」という刀身が蛇のような形に変わる性質を持つ。霧隠一族の者が代々継承し、普段は彼女たちの胸の入れ墨の中に収められている。シュラと八郎の契約が解消されたことで剣としての形は保っているものの魔力は失われ、それに伴い目玉だった部分はただの穴に変化した。体内に収納する能力も失われたため現在は鞘の製作を待っている。現在は氣と水の属性との相性が特に良い魔力を憑依させやすい器となっており、優れた手騎士の援護を受ければ存分に力を発揮できるようになっている。

焚木剣(ティソーナ)
炎に耐性を持つ魔剣。青い稲妻作戦において第250代聖騎士が使用したが、燐の心臓を破壊することはできなかった。


作中には特殊な力を持つ様々な鍵が登場する。如何なる物も如何なる場所に隠すことができる特殊な鍵「神隠しの鍵」や、目的地へとすぐさま繋がる鍵など、その種類・用途は様々である。ただし大人数を同時に遠くへ移動させる鍵は存在していないとされる。

神隠しの鍵
如何なる物も如何なる場所に隠すことができる鍵。持ち主を望む次元へ導く唯一無二の万能鍵(マスターキー)でもあり、タイムトラベルに使うこともできる。

印章紙
手騎士が使用する悪魔を召喚するための魔法円を記した紙。契約済みだが信頼関係が十分に築けていない悪魔を強制的に召喚するための装置。対象と十分に信頼関係が結べている場合は使用せずとも召喚が可能となる。

錫杖(キリク)
明陀宗の祓魔師のうち、特に騎士称号の者が使用している棒状の武器。普通の棒術のように使うときもあれば、使い魔の加護を受け、特殊な力を宿す時もある。特に志摩家がよく手にしている。廉造は分解して制服の下の専用ホルダーにいれ、常に持ち歩いている。

魔法弾(マジックだん)
悪魔の恩寵を受けることで、その属性の力を得る銃弾。分類としては加護型魔剣の一種ともいえる。弾の威力は、力を与えている悪魔の強さに依存する。

迷彩貫頭衣(めいさいポンチョ)
着用したものの姿を見えなくする道具。欠点は着用した者たち同士でも姿が見えなくなってしまうことと音までは消せないこと。

モリナスの契約書
通称「悪魔の契約書」。契約者が契約不履行となった場合書面を作成した悪魔から報復される。本来は契約者が約束を破った場合、悪魔が自動召喚され主人の命令を行使するという単純なシステムであり、命令が「契約者を殺せ」か「契約者を守れ」かは主人の采配に因る。

デビル☆バニッシャー
三角とネイガウスが開発した“対・悪魔用自我忘却兵器”。虚無皇の結晶から醸す黒い炎を圧縮したロケット弾を発射、着弾すれば物質に憑依する悪魔の主体性(アイデンティティ)を廃忘させ、物質との同一性を失わせることで完全に消滅させる。人間の主体性は悪魔より強いため、炎に直接深く触れたり、長期間晒されなければ、人体にはあまり影響は無い。

用語

物質界(アッシャー)・虚無界(ゲヘナ)
作中の世界は、2つの次元が合わせ鏡のように存在している。物質界は人間が住む世界で、基本的には現実世界と同じ。虚無界は悪魔が棲む世界。本来はお互い干渉することはできないが、悪魔たちは物質界に存在する物質に憑依することで干渉してくる。巨大概念ともいうべき虚無界そのものが人格を得たものが魔神サタンだとされている。

悪魔
虚無界の住人達。物質界においては、生物・無生物問わず様々な物質に憑依して活動する。憑依対象としては、自分と似た性質のものに惹かれる。物質の一部のみを悪魔に乗っ取られた状態は寄生と呼ばれ、寄生が脳以外であれば性質・外見共にほぼ変化せず、憑依状態に比べれば祓魔もしやすい。強さによる階級が存在し、特定の「王」に属する性質を持つものが多い。上級・中級・下級に分類され、その中でも上位か下位かに分けられる。上級悪魔の場合、寄生は不可能で、一部の例外はあるが何らかの物質に憑依しなければ物質界に干渉できない。性質は邪悪な者が多いが、「悪魔」という名称は騎士團が便宜上定義したものにすぎず、他宗教では「神」「天使」「明王」などとも呼ばれ、人間と共存したり、契約によって人間に益をもたらす者もいる。人間が悪魔への対抗策を得てきたのも悪魔から学ぶことによってであり、悪魔の力を“魔力”といい、作中世界における「魔法」は悪魔の力によるものである。悪魔に憑依されるとその魔力によって身体能力や細胞再生速度が向上するが、同時に憑依体はその負担により肉体が崩壊してしまう。尻尾が弱点で、強く締め付けられただけでも意識を失うほどの激痛が走る。心臓を顕すことで真の力を引き出すことができるが、そこは急所でもあるため破壊されれば必ず死ぬ。ちなみに尻尾を丸出しにしているのは人間でいえば全裸でいるようなもので、かなり恥ずかしい行為であるらしい。「火」「水」「地」「氣」「腐」の5属性の間には相性があり、「魔元素の形成図」で表される。同じ属性の場合は弱い方が強い方に吸収される。「光」「時」「蟲」の間にどのような関係があるのかは不明で、どの属性にも属していない無属性の悪魔や「分類不明」とされる悪魔も存在する。現在は人類を敵視している悪魔至上主義の「ルシフェル派」と、彼らに反対して人類に協力する「正十字騎士團派」に分裂している。関係にも深浅があり、使い魔のように人間に飼い慣らされた悪魔は魔神や八侯王の権力の外となって、命令で従わせられなくなる。

魔障(ましょう)
悪魔から受ける傷や病のこと。これを一度でも受けると、悪魔が見えるようになる。したがって、祓魔師になるためには必ず魔障を受ける必要がある。

青い炎
魔神サタンとその息子の燐だけが使うことができる炎。物質界と虚無界の両方に作用する性質を持ち、悪魔に対しても有効。聖水や神酒によって消火できる。なお、火の眷属などが憑依する通常の「赤い炎」は物質界の物だけを破壊する物で、虚無皇が操る「黒い炎」は物質界には影響を与えず虚無界の物だけを滅するといった性質がある。

青い夜(あおいよる)
16年前、サタンが世界中の有力な聖職者/祓魔師たちを大量虐殺した事件。事件の名は、犠牲者たちが青い炎を発しながら流血し亡くなったことに由来する。明陀宗では、当時の座主である竜士の祖父や志摩家の長兄、子猫丸の父など大量の僧侶が犠牲となった。事件後には一応それらしい報告書があげられたが未だに不可解な謎も多く残っているため、ライトニングなどは現在の諸問題の全ての始まりなのではないかと疑いを抱いている。その真相は、十三號セクションで製造されていたルシフェル用の生体クローンに突如として自我を得たサタンが憑依し、劣化した憑依体をルシフェルが破壊した事で、新たな憑依対象を求めて手当たり次第に憑依を試みた事が原因である。

致死節(ちしせつ)/召喚節(しょうかんせつ)
致死節は悪魔の種類ごとに確認されている必ず死に至る言葉や文節のことで、召喚節は契約した悪魔を呼び出し魔力を行使させるための呪文。召喚節の呪文の場合は悪魔との関係性が変化するに従い文言を短縮できるようになるが、致死節は基本的に短縮不可とされる。必殺の祓魔方法とされる致死節だが、未だに致死節が確認されていない悪魔も多く存在するため完全とは言い切れない。なお致死節を成功させるためには「完璧に唱えきる」必要があるが、強力な詠唱騎士であれば致死節を省略することができ、致死節を唱えているだけで致死干渉により悪魔を弱体化させることができる。

正十字騎士團(せいじゅうじきしだん)
あらゆる宗教の祓魔師が集まる世界組織。本部はヴァチカンのサン・ピエルパオロ大聖堂地下に所在。2000年以上の歴史を持つといわれ、組織の拡大とともに土着の悪魔祓いも吸収したことで信仰・文化問わず多様な悪魔に対応する世界最大の祓魔組織へと成長した。世界には106か国に支部を持つ。元々は人類に災厄をもたらすルシフェル達に対抗すべく、メフィスト(サマエル)の協力の元で、「双皇」と「氣の王」、彼らと人の混血である巨人達が人間に知恵を与え発足された組織。最高顧問である「三賢者(グリゴリ)」によって統率され、聖騎士を頂点とする祓魔師たちを抱えているが、組織の正確な規模は非公開。「聖座庁(グリゴリレセデス)」は三賢者の活動を補佐し、三賢者とその“結晶聖域”を保全管理する。その下には「執行局」、「総務局」、問題のあった祓魔師や事件のあった部署などを調査監督する「監察局」、いくつもの「議会」、「裁判所」、「研究所」が置かれる。「聖騎士(パラディン)」は執行局のトップで、その下に「四大騎士(アークナイト)」及び聖騎士の活動を補佐する「聖天使團(エンジェリックレギオン)」があり、祓魔本部や防魔本部は四大騎士の下に置かれる。また、執行局長は「深部」も管轄しており、深部長は「最深部」、「図書部」、「神秘部」をまとめる。そのほか、総務局長は「財務事務局」、「広報事務局」、「外務局」を、裁判所長は「内赦院」、「控訴院」、「最高裁判所」を統括する。研究所はルーマニア支部にK.R.C.研究所を構え、悪魔の生態や武器研究などを行なっている。さらに、各国政府や各宗教組織とのパイプ役として、「エクソシスト中央評議会」が存在する。上位祓魔師の多くは本部に在籍し、三賢者の重要任務を優先的にこなす。現在の職員数や組織の規模は警察機構よりは消防組織に近いとされる。独立した社団法人でありながら「祓魔権」という独自の公権力が与えられており、虚無界の存在を知る各国の上層部から社会治安をゆるがすような事件のうち悪魔がらみのものを割り振られている。祓魔以外の業務には一般市民の相談への対応などが含まれる。

日本支部
騎士團支部は東京都の正十字学園町を拠点としている。支部長はメフィスト・フェレス。所属する祓魔師は100名前後。出張所は現在47都道府県全てに1つ以上構えており、京都、三重、宮城、福岡の出張所は特に大きい。資金はメフィストが遊園地運営などで得たものの一部を流用しているため比較的潤沢で、職員の給与は一般職の地方公務員と同程度。「青い夜」以降1カ月以内の離職者数が全支部で最も多かった。「事務局」には「総務課」と「法務課」が置かれ、総務課には人事、庶務、情報や経費の管理を行う「管理係」と「経理係」、「広報係」が、法務課には罪の免除や祓魔師のカウンセリングをする「内赦係」、問題や事件を起こした祓魔師を調査、法権を行使する「査問係」と「裁判所」がある。執行局は「祓魔課」、「防魔課」、「深部」に分かれる。祓魔課には事件や依頼に対処する「祓魔係」、管理エリアの警戒と見回りをする「警邏係」、祓魔用の武器などの装備品と車両の管理をする「機械装備係」、使い魔の繁殖や飼育をする「蓄養係」がある。防魔課には担当受付窓口やカウンセリングの「担談係」、魔障療養所や病院の管理をする「医工係」、事件や噂、依頼現場の調査と視察などを行う「査察係」、塾講師や塾生の管理と運営をする「塾係」、結界や魔法陣印章などの管理をする「封印係」がある。深部では危険な呪物や悪魔の封印、貴重な聖遺物、資料の保管を行なっており、「最深部」と「図書部」に分かれて、防魔課封印係とも連携している。また、日本政府とのパイプ役として「特殊案件参助委員会」が存在し、内閣府と日本支部を繋げている。

正十字学園町(せいじゅうじがくえんちょう)
東京都に存在する正十字学園を中心とする山岳状の建造物群および川向の一帯からなる超学園都市。面積約5.52平方km、人口約42250人、人口密度8093.8人/平方km。その美しい外観から日本のモン・サン=ミシェルとも呼ばれ、観光地としても有名。最上層部にはヨハン・ファウスト5世(メフィスト・フェレス)の邸宅が存在する。中層部はメッフィーランドという遊園地や正十字学園駅、高速道路入口などの交通の要所が、下層部には学園関係者の居住区や学園森林区域が存在している。北は低価格住宅区域で、40年前は廃墟が多く、ホームレスや犯罪者が住み着いて危険な区域だった。

正十字学園(せいじゅうじがくえん)
正十字学園町にある、あらゆる学業施設が集約された名門私立校。燐や雪男たちは高等部に通っている。全寮制。セレブ学校であり学食は豪華かつ高額なので、金銭的に余裕のない者は近くの総菜屋を利用している。理事長・メフィストの力によって、中級以上の悪魔の出入りを防ぐ結界が張られている。地下には正十字騎士團日本支部の基地が所在する。年に一度、二学期に行われる正十字学園祭はTV中継もされる有名なイベント。その2日目にはメッフィーランド内で人気アーティストを招いて行われる音楽フェスと、男女ペアの学生限定のダンスパーティーが開催される。

祓魔塾
正十字学園内に設けられた祓魔師養成機関。燐ら7人の祓魔塾生は、夏休み前の抜き打ち試験を経て全員候補生に昇格している。燐たちは1年生で、2年生以上のクラスが授業の聴講に現れることもある。施設の至る所にアルハンブラ宮殿を参考にした意匠を取り入れ、授業科目は悪魔薬学、悪魔学、グリモア学、魔法円・印章術、聖書・教典暗唱術、悪魔歴史学、体育・実技、剣術などがある。

正十字学園七不思議二学期以降、学園で流行しだした七不思議。ほとんどが悪魔がもとで起こっている怪異現象。
真夜中に学園を彷徨う白無垢 - 白無垢を着たオカマの霊。
真夜中に動くヨハン・ファウスト像 - 偶像に取り憑く低級悪魔。
女子寮のトイレの繭子さん - 女性の邪念の集合体である「悪霊」。
家族の肖像 - 「擬態霊」の取り憑いた絵。元メフィストのイタズラコレクション。
無人路面電車 - 「幽靈列車」と思われる。
蒐集鬼部屋(ヴンダー・カンマー) - メフィストのイタズラコレクション。
絶対に辿りつけない屋敷 - 物理的に辿りつけないようになっている「祓魔屋」。

地下図書館
正十字騎士團日本支部の地下にある図書館。古今東西の祓魔に関する書物や日本支部の歴史にまつわる記録が所蔵されている。閲覧には大量の書類審査と日本支部長であるメフィストの許可が必要。

京都出張所
京都市にある正十字騎士團の出張所。構成員の多くは明陀宗の者であるが、門徒以外の職員も在籍している。

アサイラム
祓魔塾の前身となった祓魔師養成寄宿舎の通称。身寄りの無い魔障を受けた子供や悪魔との血縁者を保護し、素質のある者を祓魔師として養育していた。藤本やアーサーを輩出したが、「青い夜」の爆心地となり16年前に閉鎖され、祓魔塾として改修された。一方でメフィストが作った異空間内には時間を停止させた状態で16年前とほぼ変わらない状態で「異なる時間軸のアサイラム」が保存されており、祓魔塾に施されたパズルを解くことで出入りできる。

十三號セクション
日本支部を支配するメフィストが生命工学の権威などを集めてアサイラムの裏で運営していた研究施設。当初の目的であった「八候王」用のクローン製造こそ早々に達成されたものの、実用に耐えるものではなかったため、憑依体を延命するためのエリクサー創薬とルシフェル、サマエル、アザゼルをもとにした強化人間の製造に目的がシフトした。ここで製造されていたクローン体にサタンが憑依したことが「青い夜」の直接的な原因である。

天庭(エル)
現在「創造皇」シェミハザの結晶が鎮座している聖域。古にはエデン・アヴァロン・桃源郷、日本ではタカマガハラ・天空(アマハラ)の庭と呼ばれている。結晶によって周囲の大地には多様な生態系が齎されており、亜熱帯植物と高山植物が同じ場所に自生している。

斉庭(ユニヒ)
シェミハザの結晶に祷りを捧げる聖域。歴代賢聖の修練場でもあり、メフィストの創造物で中での1か月が外での1時間に相当する空間へ通じる“奔星の扉”が存在する。

明陀宗
正式名称は「明王陀羅尼宗(みょうおうだらにしゅう)」。仏教系宗派の中でも特殊で、魔・鬼・穢れからの国家鎮護を掲げる魔を祓うことに特化した祓魔師集団。古今東西の祓魔術を学んで独自の修道を極め、いっときは200名もの規模を誇っていたが、「青い夜」で大量の僧侶が死亡したことから「祟り寺」と恐れられるようになり、信徒の減少・財政難で存続の危機に陥ったことから、10年前より正十字騎士團に所属することとなった。不角が開祖であり、降魔剣「倶利伽羅」を本尊とする。150年ほど前に開かれ、総本山は洛北の金剛深山にある不動峯勝呂寺。世襲制の組織体制をとっており、不角の子孫である勝呂家が座主血統。僧正血統は元々10あったが、僧正頭の志摩家(総寺族41名)、僧正頭補佐の宝生家(総寺族19名)、僧正の三輪家(総寺族1名)・鬼頭家(総寺族4名)・花巻家(総寺族3名)・冬隣家(総寺族2名)の6家を残し、残る4家は断絶してしまっている。現在は先代座主が就く最高顧問の大阿闍梨や志摩家先代が就く相談役の大舎弟などが不在となっており、「青い夜」以降は座主直属の親衛・相談役である舎弟制度も廃止されている。不角は伽樓羅の憑依した魔剣・倶利伽羅で不浄王を鎮めたが、2つの目(不浄王の心臓)がこの世に残ったため、これを封印するのを使命としてきた。

イルミナティ関連
啓明結社イルミナティ
「光の王」ルシフェルが総帥を務める謎多き組織。200年以上の歴史を持つ有名な秘密結社。現在では既に存在しないとされていたが、「青い夜」後にルシフェルが十三號セクションから盗み出したエリクサーの研究を継続するため再興され、以降積極的な活動が確認されるようになった。その目的は魔神サタンを復活させ物質界と虚無界を融和させること。悪魔の魔力を元にした魔法と科学の融合技術がかなり進歩しており、エリクサーや境界の主はその研究成果でもある。現在は「選ばれし者(セイバー)」と呼ばれる者たち(騎士團では「悪魔喰い(デーモンイーター)」と呼称)が世界各地の不死・再生能力の高い悪魔を求めて活動を行っている。日本で活動していた「光明財団」などを隠れ蓑にして世界中で暗躍しており、国家規模のバックアップを受けている可能性が指摘されている。世界崩壊を目標としながらも、社員への福利厚生がしっかりしたホワイト企業。食堂では世界中の食べ物が無料で提供され、社員はショッピングモール、映画館、ボウリング場などのアクティビティーや、病院、ジム、パーソナルトレーニング、理学療法を受けることができる。勤務時間は職種によってフレキシブルだが、報酬はイルミナティにどれだけ重大な貢献をしたかで決まり、選考プロセスはかなり透明で明確。

エリクサー
外道院が開発した人体の細胞を活性化させる不老不死の妙薬。悪魔の細胞再生能力のメカニズムを解明し、細胞を無限再生させるための薬品。より再生能力の高いものを製造するため幾多の人体実験が行われた。元々は八侯王用の生体クローンの劣化を停止させるために正十字騎士團の元で研究開発されていたもの。「青い夜」のために騎士團内での研究は無期限中止されたが、その情報を盗み出したイルミナティが研究を継続することになった。

境界の主(ドミナスリミニス)
北米研究所が開発した“魔法光学迷彩空中母艦”。原動力には熾天使が用いられる。艦の周囲はシールドで守られているので甲板にいても気圧も気温も空気抵抗もほとんど感じない。要塞の中には結社の魔法化学研究の中枢が存在し、特に武器や装備開発に力を入れている。奥の手として、艦の周囲に現れた敵を一網打尽にする“セラフィンパルス”がある。原動力の熾天使を圧縮、爆発させて衝撃波を発生させるというもので、艦の80%以上のシステムと動力の70%がダウンする諸刃の刃であるが、2体の上級悪魔を瞬殺するほどの威力を持つ。ルシフェルの拠点として上空を巡航していたが、艦に連れてこられた雪男が呼んだ風天と雷天の攻撃で損傷、さらに神隠しの鍵で艦内に侵入した燐と雪男の兄弟ゲンカの余波で大破、撃墜される。

次元可変火炎放射器(じげんかへんかえんほうしゃき)
イルミナティで開発された火炎放射器。赤い炎、黒い炎、青い炎を83%の再現性で放射できる。

アルムマヘル銃
虚無皇アルムマヘルの結晶原石を使った銃。上級悪魔にも致命傷を負わせる強力な祓魔武器だが、人間が長時間使用すると記憶障害を起こす事が判ったため、試作機(テストタイプ)と原型機(プロトタイプ)が造られたまま量産はされなかった。しかし、黒い炎を無効化する体質の雪男ならば使えるということで、譲渡される。

選ばれし者(セイバー)
エリクサー実験で肉体強化に成功した実験体に、悪魔を強制憑依させて理性を保てた人の中から、再生能力の高い悪魔から順にほぼ全種族の悪魔に強制憑依を繰り返すという究極の難行を積んで生き残った者。“選ばれし者”の細胞にはあらゆる悪魔の憑依に耐性があり、限りなく長大な“テロメア”の細胞分裂可能回数を持つ。最終的に究極の再生能力を持つ“輪廻竜”、“伽樓羅”、“八岐大蛇”の憑依体まで登りつめた“選ばれし者”の中の“選ばれし者”から悪魔を分離、乾留炉で徹底的に炭化させて取り出したテロメアを環状に繋げる事が目的。

選ばれし者の仮面(セイバーのかめん)
外道院が開発した、物質と同質でなくとも悪魔を強制的に肉体へ憑依定着させることができるというテクノロジー。本来はエリクサー実験による肉体強化に成功したものしか施術に耐えられない。

ユメタウン稲生
稲生大社に隣接した集合住宅。入居倍率は20倍以上となっている。その実態はイルミナティ極東研究所の隠れ蓑である。大社に続く道「おきつね横丁」で販売される飲食物に依存性のある麻薬を混入することでリピーターを増やし、やってきた観光客をエリクサー実験の被験者として人体実験を行っていた。所長である外道院の失策により放棄され騎士団に制圧されることとなったが、人体実験こそ免れたものの100万人を超える中毒者が出ていることが判明した。

ぽんちゃん
祓魔塾生行きつけの駄菓子屋。この店のチーズ豚もちもんじゃはメフィストの大好物。

稲生大社
島根県に存在する神社。豊宇気毘売命を主祭神とし、古代より周辺の国々を鎮護してきた。祭祀を担う稲神(いなみ)家は宇迦之御魂神の神使を祖とする一族で、その分家にあたる神木家は殺生石を鎮める役を担っていた。

君物語!
作中に登場する少女漫画。累計二千万部を突破した女子中高生を中心に人気爆発中の漫画で、出雲も愛読している。

雑記



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