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【定義】

道元禅師達磨?尊者に因んで用いられる語句で、意味は【内容】で詳細を述べる。
初祖西来するは、震旦の温至なり。 『永平広録』巻7-497上堂

【内容】

一般的な禅語録には見られず、道元禅師による造語の可能性もある。なお、典拠としては、上掲の通り『永平広録』巻7と巻9頌古44則に見られ、ともに達磨尊者に因む。なお、『永平広録』の註釈書で、以下の解釈が見られる。
温至は、春の気抔どの至るを云焉、春の気の至りたる時は、草木皆な温を得、めを生ずるものぞ、其如く、世界の枯渇したる衆生、皆悉くうるおひを得る也、 『永平広録鈔?』巻7、『続曹洞宗全書』「注解?一」267頁上段

よって、春の温気が至るように、衆生がことごとく潤う様としている。前半は字義で、後半は宗旨である。ただ、この温かくなる様子というのは、その通りであるかもしれない。道元禅師の用例で、以下の一節もある。
巌頂の瑞雲寒谷の月、春を含む温至笑咍咍なり。 『永平広録』巻8-小参2

以上の通り、寒谷との対表現だと考えれば、温かさが至るの意味で良いのだろう。

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