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【定義】

元の語の意義と類似した漢字を当てて訓じることで、特定の語について様々に語意を拡大していくこと。日本天台宗でおこなわれた。浄土真宗の親鸞聖人が『教行信証』などでおこなっている。転声釈ともされる。
わたくしに三心の字訓を闚ふに、三すなはち一なるべし。その意いかんとなれば、至心といふは、至とはすなはちこれ真なり、実なり、誠なり。心とはすなはちこれ種なり、実なり。信楽といふは、信とはすなはちこれ真なり、実なり、誠なり、満なり、極なり、成なり、用なり、重なり、審なり、験なり、宣なり、忠なり。楽とはすなはちこれ欲なり、願なり、愛なり、悦なり、歓なり、喜なり、賀なり、慶なり。欲生といふは、欲とはすなはちこれ願なり、楽なり、覚なり、知なり。生とはすなはちこれ成なり、作(作の字、為なり、起なり、行なり、役なり、始なり、生なり)なり、為なり、興なり。あきらかに知んぬ、至心は、すなはちこれ真実誠種の心なるがゆゑに、疑蓋雑はることなきなり。信楽は、すなはちこれ真実誠満の心なり、極成用重の心なり、審験宣忠の心なり、欲願愛悦の心なり、歓喜賀慶の心なるがゆゑに、疑蓋雑はることなきなり。欲生は、すなはちこれ願楽覚知の心なり、成作為興の心なり。大悲回向の心なるがゆゑに、疑蓋雑はることなきなり。いま三心の字訓を案ずるに、真実の心にして虚仮雑はることなし、正直の心にして邪偽雑はることなし。まことに知んぬ、疑蓋間雑なきがゆゑに、これを信楽と名づく。信楽すなはちこれ一心なり、一心すなはちこれ真実信心なり。このゆゑに論主(天親)、建めに「一心」といへるなりと、知るべし。 親鸞聖人『教行信証』信文類三(本)

なお、道元禅師にも「同事」の「事」についての解釈で、僅かに同じ技法が見える。
たとへば、事といふは、儀なり、威なり、態なり。 『正法眼蔵』「菩提薩埵四摂法」巻

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