【定義】
江戸時代末期の文政12年(1829)に刊行された
曹州?卍源の著作。
曹洞宗の
面授嗣法論・
三物論などを論じている。
玄楼?奥龍・
寂室堅光からそれぞれ序を得て、
法嗣の独黄が伯州定光寺蔵版として刊行した。大修館書店『永平正法眼蔵蒐書大成』巻20に写真版が収録されている。
【内容】
本書の題である「直指単伝」について、「見性成仏するを仏祖の単伝と云ふ」(11丁表)とあって、洞門伝統の考えに相違するようにも思われるが、他の箇所に於いては総じて、道元禅師の宗風を尋ね、学ぶものとなっており、「見性」についても、堕落した同時代の僧侶に対し、改めて大悟することの意義を説いたものと評価できよう。
コメントをかく